蒼竜社 2012/09

雑誌の付録の小冊子(表題作)+漫画『キャッスルマンゴー』の続編。
漫画を読んだ後のほうが楽しめそうな小説。

ネタバレ
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表題作は十亀の貧乏生活を描いたもので、十亀がゲイだという以外、BLらしい要素はない気がする。
なので、BLとして読む場合は時系列で読むより、漫画を読んだ後にキャラの過去話の番外編として小説を読んだほうが楽しめるんじゃないかと。
二宮がいい子な分だけ、ただの友情で終わらなかったのが切ないような。
…最初に読んだときは、十亀のお姉さんと二宮がうまくいってくれたらいいなと思いながら読んでいた。

続編『god bless you』は映画製作の過程が面白かった。
完全に恋愛のほうが添え物になっているのが、いっそ清々しい(笑)
続編なら、かえってこのほうが楽しめる気もする。
スタッフの人間関係まで含めた「映画作り」が面白くて、一気読みしてしまった。
映画製作が中止になるところが木原さんらしいなーと思った。BLでは少ない、ちょっぴりビター風味というか。ただ、十亀の将来が開けた感があるあたり、木原さんも丸くなったよなーと思ったりも。

これ、小説単体で読んだらどうだったんだろうと考えてみた。
BLとしては物足りないだろうけど、十亀という人間を描いた話という視点なら、小説だけで完成している気がする。むしろ、万との馴れ初めのほうが番外編的に感じたかもしれない。
すぐに諦めてしまう十亀に万が体当たりするところが見せ場だろうし。

面白かった。万のラブホ繁盛記も読みたいなー。

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