羽生有輝 大洋図書 2012/10

表紙買い。
初めて読む作家さん。
SHY文庫って買ったことないし~という理由も。

ネタバレ
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文章はちょーっと硬いところあるけど、だいたい読みやすい。
ポエム調が入るのは、個人的な趣味の問題もあっていただけなかった。
1つの話題を語っている間に、何の前置きもなく場面転換するのも。悩みについて人と話している→地の文で掘り下げる→その話題を続けながら前置きなしで数日後に話が飛んでいる、という感じ。
これって…わざとなのかな? 読みづらいだけで、何の効果を狙ってるのか分からなかった。

こういうモラトリアムというか、駄目な受は嫌いじゃないし、途中から成長するのもよかった。
攻の無駄に偉そうなところは好きになれなかった。根はいい人なんだけど、最初に楓に突っかかってきた場面は納得いかない。愛想笑いぐらいしろ、と人に言う前に、社会人として失格の自分の態度を改めてみては…?と言いたくなる。慰問を受ける側だから下手に出ろ、という意味じゃなく、普通に、初対面の相手に対する礼儀ってものがあるでしょうに。

恋愛に関しては、ちょっとずつ心が近づいてる感じがよかった。
好きだと自覚した後で、急に相手を失うのが怖くなるという心理はわかるけど、一歩踏み出すきっかけが簡単すぎて、物足りない気がした。同じ境遇の子の意見だから素直に受け入れやすいというだけで、二十年以上抱えてきた障害をあっさり乗り越えられるものなのかなー。

それと、慰問や奨学金によって企業のイメージアップができたのかどうか書かれていないので、中途半端な印象だった。恋愛がメインとはいえ、前半でかなりのページを割いているわけだから、もうちょっとしっかり書いてほしかったような。

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