鳩村衣杏 徳間書店 2012/8

読んだのは週の初め。どんな感想を書こうとしてたのか、ちょっと忘れちゃった。
わりとサクサク読んだし、面白くも感じたんだけど、特筆しようとするとマイナスポイントばかりになってしまうという…。
誉める系の感想を書くつもりだったんだけどなあ。

ネタバレ
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この作品なら三人称のほうが合うと思うけどね。何が悪いってわけでもないんだけど、なんか上滑りを感じる一人称だった。一人称なのに、主人公の内面を外側から見ているような気がするのは、理屈っぽいからだろうか。
感情より先に理屈がきていて、話に入り込めなかった。感情移入しづらいから、うまくいってよかったねーと思いはしても、素敵!とは思わない。
鳩村さんの作品はいつも理屈っぽい。お仕事ものだとそれが大人っぽく感じてよかったりもするんだけど、最近は説教臭いというか、薀蓄語り的な作品が続いている気がする。この作品の場合は、説明過多に思えた。「で? いろいろ語ってるけど、本当のところはどうなのよ?」とズバリ聞きたくなる(笑)
作風に合わせて感想を語れば、対等な関係って…たぶん作るものじゃなくて、自然に出来上がるものだよ、とか言いたくなる。

キャラも二人とも嫌いじゃないけど、わたしのタイプじゃないわ~という感じ。
攻の鮫島はドライすぎてちょっと…と思っていたら、なかなか優しくていい奴だった。ただ、美馬をいつから好きになったのか、よく分からなかった。
受の美馬は攻×攻を意識した作品だからか、仕事はできるし、セフレはいるし、男っぽいイメージ。ただ、実際の性格は臆病で、かといって可愛げがあるタイプでもなく、色気を感じるのが難しいタイプだった。
美馬を恋愛に慣れた、サバサバした雰囲気にしたかったのか(物慣れず、恥ずかしがって赤面みたいなタイプにしたくなかったんだろうけど)、エッチシーンでの台詞が下品なのも…。覚え立ての単語を使いたがる子供のように際どい単語を繰り返すので、あなた本当にセフレに不自由したことないの?と逆に違和感があった。普段の喋り方とのギャップがあるというか。

この作品の中で印象に残ったシーンといえば、二人の恋愛場面ではなく、お兄さんとの和解シーンのほうだったかも。
…そして、それよりもこの本を読んで印象に残ったのは、「姿勢をよくしなくちゃ!」ということ(笑)
健康のために猫背を治そうと思いました…。

メモ。
『両手に美男』の受のクルミちゃんのパン屋が出てきてた。

コメント

秋林 瑞佳
2012年12月8日11:03

>わりとサクサク読んだし、面白くも感じたんだけど、特筆しようとするとマイナスポイントばかりになってしまうという

そーなんですよ!
なんか超もったいない作品でした。
あれ?って感じ。
…理屈っぽいのが抑えられてたらちょっとは印象変わったかもしれないけど…う~ん。

りょう
2012年12月8日18:19

これも秋林さんのレビューを拝読して、興味を持った作品です。
最初はわりと面白く読んでいて、秋林さんと私では好みが違うのかな~とか思っていたのですが。

>なんか超もったいない作品でした。

本当にそうですね!
せっかく大人の男の職業ものという(私には)美味しい設定なのに。

>…理屈っぽいのが抑えられてたらちょっとは印象変わったかもしれないけど…う~ん。

なんか感情移入しづらかったです。
言葉(理屈)で語られても、実感がわかないという感じでした。

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