新書館 2012/12

従兄弟同士。

ネタバレ
-----------------------------------------

加速装置つきの(=置いてかれちゃう)渡海作品。
お盆に3つ年下・中学1年の受がほかの親戚と一緒に、高校1年の攻の家に泊まりに来るところから始まる。ワガママな従弟の面倒をみる主人公ってことで、包容攻か~と喜んでいたら、いきなり土下座をする主人公…。べつにそんな重たい意味じゃなく、「言うことをきいてください」と土下座するだけなんだけど、意味が重かろうが軽かろうが、何の落ち度もないのに、中1に土下座してみせる高校生って、どこの星の奴隷だよ…と思ってしまった。
そして、受は常時、ストーカーや変質者(男女問わず)を引き寄せてしまうそうで。この現実離れした設定は、渡海作品では3回目ぐらいかな~(全作品読んでないから、もっとあるかも)。モテるんじゃくて、普通に好きって告白してこない、変質者ばかりっていうのも、いくらなんでも無理があるような。極端すぎる。
肝心の恋愛は、攻は親戚で男である受への思いを認められずに逃げ回り、受は脅迫まがいのことまで口にして追い掛け回すという構図で、途中で読むのが嫌になった…。二人とも、好感持てないわ…。

書き下ろしの後半は受視点で、ひねくれた受の内面が分かりやすくなったし、攻も覚悟を決めて、どっしり構えてくれたから、やっと読みやすくなった。
…渡海さんはもしかして、この包容攻より石崎のほうが好み…というか書きやすかったんじゃないかな~とか、ちょっと思った。結構、意地悪だったり、病んだ感じの攻をよく書いてるから。

途中でものすごく気になったのが受の台詞。「いじめられてた」=「性格が悪い」っていう趣旨の台詞は、さすがにこのご時勢にどうかと思った。
BL読者はあまりそういうことを気にしない人が多いけど、…これがブログとかなら炎上確実では。
取り立てて重要な台詞じゃないのに、下手すれば作者の人格が疑われる危険もあるし、止めてやれよ、編集者……。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索