凪良ゆう 幻冬舎 2012/12

ほのぼの系なのかな。

ネタバレ
------------------------------------------

のんびりした話。二人が一歩ずつ近づいていくようなテンポがよかった。丁寧というよりは、先を急いでいないというような印象。
のんびりした話なのに、わりとシビアな現実を描いているところが良くも悪くも凪良さんらしいと思った。
こういう匙加減って難しいんだろうと思う。世界中がハッピーなおとぎ話じゃ共感できないし…。
ただ、凪良さんはほのぼの系が上手くないというか、慣れてないのかな?
あちこちに、ぎこちなさを感じる。
シビアな面を描くにしても、もうちょっと角を丸めればいいのにって思う。とくに受のほうが、口に出さないだけで結構厳しいことを考えているので、外面はのんびりなのに、腹の中では……という感じになってしまっている。
地の文で主人公を「月浦くん」と書くのは逆にやりすぎ感が…。主人公の親を「お父さん」「お母さん」としているので、小学生が主人公の話かと思った…。しかも受は「呂久さん」、友達は「四谷くん」なのに、受の元カレだけは「奥田」と呼び捨てというのも中途半端で。

あと、受の仕事の件が中途半端に終わってしまったような…。「何も進展がないからその後は書きませんでした」ということなんだろうけど、フォローが足りないから書き方が雑なように感じてしまった…。凪良作品はこういうことが多くて、好みの問題かもしれないけど、もったいない。

もう1つ。
「作中の猫は、漫画に出てくる猫をモデルにしました」と、あとがきで言っちゃうのはどうだろう…。いくら猫といってもジュリアーノは漫画のキャラとしてしっかり成立しているわけで、しかも文章だけならまだしも、イラストまでつくわけで。

呂久さんの好物は丼もお茶漬けも食べてみたくならなかったなあ……。あんまり想像したくない食べ物だった。

コメント

秋林 瑞佳
2012年12月24日13:43

私これ読んでないんですけど…ジュリアーノって、多田かおる先生の「愛してナイト」のジュリアーノですか???

りょう
2012年12月24日17:53

ええ、まず間違いなく「愛してナイト」のジュリアーノだと思います……。
あとがきによると「某有名少女漫画にでてくるジュリアーノというブタ猫がモデル」だそうです。

…それはそうと、「愛してナイト」は懐かしいですね。漫画も好きでしたし、アニメのジュリアーノの歌(タイトルは忘れちゃいました…)を思い出してしまいました。あの歌、可愛かったなあと。

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索