いおかいつき 徳間書店 2013/02

お久しぶりの、いおかさん。
ずいぶん前に初期の頃の作品を読んで、あんまり趣味に合わないな~と思い、その後手に取ることがなかった。
今回は小山田さんの表紙イラストに引かれ、久しぶりに試してみることに。


ネタバレ
------------------------------------------

面白かった。
いおか作品からは好みの問題で離れていたけど、これはストーリーもキャラも趣味に合う。続きが出れば、買うつもり。
ただ、ものすごく引っかかるのが、あとがきの「難産でした」という言葉。作家本人が「今回は調子が悪かった」と申告してる作品って、大抵は作品の出来自体も悪いことが多い。ということは、調子が上がってくると、私の好みから外れちゃいそうだな~と。

タイトルから主人公が探偵事務所を押し付けられ、仲間の手を借りながら、苦労して事件を解決する話を想像していたので、最後に探偵見習いになるのは意外だった。

クールで情緒がちょっと欠落しちゃってるような祐介のキャラがよかった。感じの悪いところもあるけど、仕事に対して真面目だし、根は素直なんだな~と分かるから好感が持てた。
石堂と言い合いしてるときがとく楽しいだけに、恋愛面で流されてばかりなのがつまらなく感じた。

自分を捨てた父親と関わりたくないと思うのは自然な感情なのに、直情型の石堂だけじゃなく富野まで理解を示さないのは、納得できない。認知もされていなかったのなら遺産の問題もないし、普通は「関係ありません」の一言で済ませるような。祐介がクールなんじゃなくて、「死んだからって、許せない」と意地になるのが人情ではないかと思う。

石堂は単体だと偉そうで嫌だけど、祐介&富野にやり込められてると、偉そうな態度も可愛く感じる。祐介の鈍さに困っているところも笑えた。

横領の濡れ衣を着せられそうになった件は、ありえそうだな~と思った。

謝罪の手紙も出さない父親は駄目な人だった…。「自分には父親の資格がない」と言って責任を放棄できるんだから、本当に父親になる資格がない人間だと思う。他の人にとって、いい人間だったとしても、父親としては最低だよな~。
過去を探ることで、父親が少しは名誉挽回できる話かと思っていたら、母親もかなり悪かった、という事実が出てきただけで、全然いい話になっていないところがもったいない。お涙頂戴の話でもいいから、ここは後味よくしておけばいいのに、と思った。

と色々書いたものの、かなり楽しんで読んだ。
話は本当に始まったばかりという感じだし、続きが出ますように。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索