李丘那岐 リブレ出版 2008/07

麻生さんのイラストに惹かれて手に取ってみた。

ネタバレ
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面白かった。
主人公の虎太郎のまっすぐさと不器用さのバランスもいいし、久竜の落ち着いたところも、いかにも剣道やってそうな雰囲気で格好いい。ヤキモチやきなところもいいし。

岡部は…このラストしかありえないけど、なーんか色気があっていいキャラだった。…それに刑事として犯人を逮捕したところで(遺族にしてみれば殺人と変わらないのに)びっくりするぐらい軽い罪にしかならないと思うから、同情も。

重いテーマのわりに読後感がいいのは、虎太郎のまわりがいい人ばかりだからかも。交番の先輩も好きだし、当て馬の年下くんもいい感じだった。

虎太郎が罪悪感を持ってしまったことに対して「悩みすぎ」って感想を見かけたけど、それは悩むでしょう……。
客観的にみれば、主人公は何も悪くない。でも、自分の身に置き換えて考えたら、人が死んでるのに「別に何の責任もないから」と割り切るのは難しいって分かると思うんだけど。
…まあ、人事だし、エンタメ小説だし、いちいち自分の身に置き換えたりしないのかな。
感じ方は人それぞれとはいえ…引っかかった。

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