千地イチ 竹書房 2013/03

初めて読む作家さん。
古本屋の新着コーナーで手に取ってスルーした。で、作者別のコーナーを見ているときもスルーした。
…で、何の関係もない棚に突っ込まれてるのを見つけて、なんとなくレジに持ってた。

ネタバレ
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仕事描写とかキャラの描き方が上手くて感心した。一人称だけど文章も読みやすいし、しっかり世界観ができてるな~と思った。

ただ、最後までどうしても、受のすばるが好きになれなかった。高校のときに「股開いてレギュラー取った」って言われて傷ついたのに、大人になったら利用価値のある男を選んで寝てるのね…と思うと同情もできず。セクハラされて怖い思いしたのに、好きな相手のことは、縛るわ、殴るわ。なんなの、この人?
10年片思いしたとか言いながら、最初から命令口調だし。
店のスタッフの気持ちも無視して、心配かけて、後のフォローもなしですか。
…男としての魅力と色気が不足してる。
二戸島がすばるのどこに惹かれたのか、いまいち分かりづらかったのも原因かも。
逆に、すばるが好きだと思える人なら、よくできた作品なんじゃないかと。
これはもう好みの問題だから、私には合わなかったとしか言いようがない。

丁寧な仕事&成長描写に比べて、「受は前髪と眼鏡で美貌を隠してました」という話が安っぽいというか、安易というか、チグハグな印象だった。
同居してた先輩が、すばるの過去をバラすタイミングがご都合っぽいのも、気になったかなあ。

あと、二戸島はずっと銀座店で働くのかな?
自分の趣味と真逆の店で働くのはいい経験にはなるだろうけど、センスを要求される仕事なんだし、最終的には自分の趣味に合った店に行ったほうが才能を伸ばせそう。
もし、このまま働き続けるのなら、なんか残念な人だな。

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