プランタン出版 2013/05

まあ、渡海さんらしい話ではあるけど。


ネタバレ
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初期作品のせいか、しっかり加速装置つき。
ついていけません。

まず、第三者視点から始まるあたりが…。友達視点で始まるからこそ、「おうちのひみつ」が読者に対して秘密になるという効果は分かるんだけど、肝心の兄弟の気持ちがなかなか明かされなくて読みづらかった。
誰にどう感情移入していいのか、戸惑う感じ。

この作品、近親相姦より、弟の暴力を黙って受け入れる兄の態度のほうが問題では…。弟は心のバランスを崩してると分かってるんだから、抵抗することで暴力を止めてあげるのが愛情でしょって説教したくなりましたよ…。
プレッシャーに負けて暴力をふるった弟は、何かの困難にぶつかったときに、また暴力をふるうんじゃないの?という疑惑も拭いきれなかった。

母親の弟への期待と偏愛が行き過ぎていると分かっていて、黙って放置する父親と、叱られ役に徹する兄。見て見ぬ振りをする態度が、父子でそっくりだなあと。
せめて、近親相姦がバレた時点で、弟への偏愛とプレッシャーに対して一言ぐらい親に歯向かってほしかった。「おうちバイバイ」(もとの題)で逃げるだけだから、モヤモヤが残る。
もちろん、一生和解できない親子はいると思うけど、親元から逃げ出した二人は一生仲良く暮らしました、めでたしめでたしってね…。なんだかね。

BLというより、家族関係がメインという感じだった。

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