2013年の感想まとめ
2013年12月31日 BL小説その他 コメント (2)早いもので2013年も今日で終わり。
今年もお世話になりました。
皆様、よいお年をお迎えください。
毎年恒例のBL読書感想の総まとめを。
今年は漫画をあまり読まなかったから、小説10冊、漫画5冊で。
※私が今年読んだだけで、出版年が古いものも混ざっています。
※評価ポイントは、私が好きかどうか。まったく公平性はありません。
※再読したいと思ったかどうかも重要ポイント。
~BL漫画ベスト5~
今年はそれほど冊数を読んでいないし、10冊も選べなかったけど、面白い漫画をいっぱい読めた。
1 『花は咲くか (4)』 日高ショーコ
いま一番続きを楽しみにしているBL漫画。とにかく蓉一が可愛い!
日常系の話をスローペースでじっくり読ませてくれる貴重な漫画。
庭の美しさと、スタイリッシュな画面も好き。人が大勢集まっているようなコマで線を崩して軽く見せる漫画が多い中で、この作品は人物の線をしっかり描くのも好き。背景白くて線がぼやけたコマが少ないから、クッキリきれいに見えるっていうのもあると思う。たぶん。
2 『幻月楼奇譚 (4)』 今市子
そういえば、この二人の仲はどこまで進んだっけ?…と思い出せなくて、つい1巻から読み返してしまったが、再読でもとっても面白かった。キャラも魅力たっぷりだし、安定の面白さ。とぼけた味わいなのに、時々すごく色っぽい。今回もやられた~~。
3 『リンゴに蜂蜜』&『彼のバラ色の人生』(2011/2、2012/5) 秀良子
普通にモテそうな男前なのに、ちょっとしたことでグルグル悩んで泣いちゃう夏樹も可愛いし、言動が軽く見えるコマノが彼なりに悩みながら、細かく細かくフォロー入れてくところがいい。宇宙人の癖に、包容力あるなあと感心する。コマノは夏樹のネガティブな部分をさらっと受け止めて笑ってられる。大人だからじゃなくて、相手の面倒くさい部分も含めて好きだから。いいカップルだ。
4 『明け方に止む雨』 草間さかえ
短編集。表題作がとくに好みだった。もう一つ物足りないような話なのに、雰囲気がすごく残る。短くまとめたからこそインパクトがあるんだと思う。
今すぐ読み返したいんだけど、しばらくしてからのほうが楽しめる気がして、あえて再読しないでいる。
5 『ステラリウム』 青井秋
丁寧で繊細な画風に合った、優しくて、おとなしいストーリーだった。画集を開くみたいな感覚で読む漫画。BLとしては物足りない部類だろうけど、漫画として読み応えがあった。
本棚の片隅に入れておいて、たまに思い出したときに再読したいような作品。
~BL小説ベスト10~
これでも新規開拓の努力はしたんだけど、結局ベテランの作家さんばかりに。
私の感性とアンテナが新しいものに反応しなくなったのか、新しい実力者が出てこないのか。
かわい有美子先生と高遠琉加先生に惚れ直した1年だった。来年は『東方美人』の続きが読めそうで楽しみ。
ベストに入れなかったけど、『HOLLY MIX』(既刊数作品の続編、番外編を集めた本)も素晴らしかった。
1 『甘い水1』&『甘い水2』(2011/10、2012/05) かわい有美子
警察寮のシリーズで、「SIT」の話。
1位に持ってくるには、出版年が今年じゃない…という葛藤があったんだけど、私は今年読みました。面白さ+好みで自分の気持ちに素直に選んだら、これが1位になった。結局、遠藤の軽いように見えて深いキャラが好きなんだろうなあ。
恋愛、仕事、心理描写、リアリティと暖かさのバランスが絶妙で、ページをめくる手を止めて考えさせられるストーリーだった。
2 『楽園の蛇』&『ラブレター』 高遠琉加
刑事ものでいいのかな。『神様も知らない』の続き2冊(完結)。
テーマは重たいけど、端折らず、流さず、真正面から書いているところがよかった。メインで出ているキャラが4人もいるのに、それぞれ個性が違って面白かったし。
高遠さんの持っている乙女系の部分が話に上手く噛み合わさっていて、持ち味を存分に発揮していた。きれいで切なく、ほろ苦い。余韻の残る話だった。
3 『光の雨-原罪-』&『光の雨-贖罪-』 かわい有美子
検事もの。「原罪」のほうは10年以上前に刊行した本の加筆修正バージョン。でも、続きの2冊目は今年の作品。続きを待ち焦がれるあまり、私の中では特別な作品になってしまった。
恋愛より仕事に割かれるページ数のほうが多いと思うんだけど、恋愛が付け足しになることはなく甘さも十分、どちらもガッツリ描かれていて読み応えがあった。素敵な恋愛ができてよかったと、祝福したくなるカップルで、待たされたけど、大満足。
4 『月の欠片』 佐々木禎子
事故から8年眠り続けて、意識を戻した主人公の話。
家族がいて友人がいて、たくさんの葛藤があって…。ドラマティックなストーリーなのに、なんて静かな雰囲気なんだろうと思った。抑制のきいた、落ち着きのある文章が心地よかった。
人によっては「淡々としていて物足りない」と感じると思う。でも、号泣の感動作品より、静かに浸れる作品のほうがBL小説では貴重かなと私は思っている。
少し切ないけど、暖かくて、また読み返したい作品。
5 『銀の雫の降る都』 かわい有美子
SFファンタジー。
世界観がしっかりしていて面白かった。引き取った子供の成長とともに二人の魅力が描かれ、少しずつ惹かれ合い、絆を深めていくところがよかった。盛り上がりもあったし、賛否両論なラストなのも小さくまとまってなくてよかった。
『マージナル』のオマージュ(パロディではないのに、読んでて『マージナル』を思い出した)になっていて、懐かしかった。
6 『蒼のかたみ』 尾上与一
戦争もの。スピンオフだけど、これ単独でも楽しめる。
ラバウルか…と読むのをためらう重たいテーマだけど、読みやすい書き方だった。戦争の悲惨さはきちんと語られてるけど、生々しさはなく、かといって美化もしていない。恋愛ものとしても面白いし、感動的な話で、キャラも魅力的だった。
今年のベストを選んでと言われたら、これを1番に挙げる人も多い気がする。
7 『恋愛できない仕事なんです』 砂原糖子
人気ドラマ『片棒』(笑)みたいに派手な活躍はできない刑事もの。
ずーっと仕事してる場面ばかりなのに、仕事より恋愛の比重のほうが高くて読みやすかった。…べつに仕事をサボってるわけではないです(笑)
ちょっと地味なところも、年下攻なところも好み。
8 『交渉人は休めない』 榎田尤利
交渉人シリーズの沖縄旅行編。
本編より兵頭と一緒にいる時間が長くて甘いんだけど、もう少し芽吹の交渉人らしい活躍も見たかった。あまりトークで活躍してないような…。このシリーズはこういう明るいノリのほうが好き。2巻までは何度か再読してるんだけど、3巻以降は重苦しくて読み返す気になれない。
9 『あいのはなし』 凪良ゆう
「誘拐犯」と成長した子供の再会話。
実のところ、それほど恋愛ものとして好きでもない(キャラが好みじゃないし、話も苦い)けど、読み応えがあって面白かったから、これはベスト10に入れておきたいな~と。
再読だと印象が変わりそうな気がするから、少し寝かしてから読み直してみたい。
10 『ウサギの国のナス』 松雪奈々
ウサ耳族の国に学生が迷い込んでしまうコメディ。スピンオフだけど、前作は想像がつくので(私の趣味じゃないから読む気はない)、こちらだけ読んでもOK。
とくに期待はしてなかったのに、思いがけず面白かった。トンチキ設定に笑いつつ、真面目な部分や甘さもしっかりあって、満足度も高かった。
今年もお世話になりました。
皆様、よいお年をお迎えください。
毎年恒例のBL読書感想の総まとめを。
今年は漫画をあまり読まなかったから、小説10冊、漫画5冊で。
※私が今年読んだだけで、出版年が古いものも混ざっています。
※評価ポイントは、私が好きかどうか。まったく公平性はありません。
※再読したいと思ったかどうかも重要ポイント。
~BL漫画ベスト5~
今年はそれほど冊数を読んでいないし、10冊も選べなかったけど、面白い漫画をいっぱい読めた。
1 『花は咲くか (4)』 日高ショーコ
いま一番続きを楽しみにしているBL漫画。とにかく蓉一が可愛い!
日常系の話をスローペースでじっくり読ませてくれる貴重な漫画。
庭の美しさと、スタイリッシュな画面も好き。人が大勢集まっているようなコマで線を崩して軽く見せる漫画が多い中で、この作品は人物の線をしっかり描くのも好き。背景白くて線がぼやけたコマが少ないから、クッキリきれいに見えるっていうのもあると思う。たぶん。
2 『幻月楼奇譚 (4)』 今市子
そういえば、この二人の仲はどこまで進んだっけ?…と思い出せなくて、つい1巻から読み返してしまったが、再読でもとっても面白かった。キャラも魅力たっぷりだし、安定の面白さ。とぼけた味わいなのに、時々すごく色っぽい。今回もやられた~~。
3 『リンゴに蜂蜜』&『彼のバラ色の人生』(2011/2、2012/5) 秀良子
普通にモテそうな男前なのに、ちょっとしたことでグルグル悩んで泣いちゃう夏樹も可愛いし、言動が軽く見えるコマノが彼なりに悩みながら、細かく細かくフォロー入れてくところがいい。宇宙人の癖に、包容力あるなあと感心する。コマノは夏樹のネガティブな部分をさらっと受け止めて笑ってられる。大人だからじゃなくて、相手の面倒くさい部分も含めて好きだから。いいカップルだ。
4 『明け方に止む雨』 草間さかえ
短編集。表題作がとくに好みだった。もう一つ物足りないような話なのに、雰囲気がすごく残る。短くまとめたからこそインパクトがあるんだと思う。
今すぐ読み返したいんだけど、しばらくしてからのほうが楽しめる気がして、あえて再読しないでいる。
5 『ステラリウム』 青井秋
丁寧で繊細な画風に合った、優しくて、おとなしいストーリーだった。画集を開くみたいな感覚で読む漫画。BLとしては物足りない部類だろうけど、漫画として読み応えがあった。
本棚の片隅に入れておいて、たまに思い出したときに再読したいような作品。
~BL小説ベスト10~
これでも新規開拓の努力はしたんだけど、結局ベテランの作家さんばかりに。
私の感性とアンテナが新しいものに反応しなくなったのか、新しい実力者が出てこないのか。
かわい有美子先生と高遠琉加先生に惚れ直した1年だった。来年は『東方美人』の続きが読めそうで楽しみ。
ベストに入れなかったけど、『HOLLY MIX』(既刊数作品の続編、番外編を集めた本)も素晴らしかった。
1 『甘い水1』&『甘い水2』(2011/10、2012/05) かわい有美子
警察寮のシリーズで、「SIT」の話。
1位に持ってくるには、出版年が今年じゃない…という葛藤があったんだけど、私は今年読みました。面白さ+好みで自分の気持ちに素直に選んだら、これが1位になった。結局、遠藤の軽いように見えて深いキャラが好きなんだろうなあ。
恋愛、仕事、心理描写、リアリティと暖かさのバランスが絶妙で、ページをめくる手を止めて考えさせられるストーリーだった。
2 『楽園の蛇』&『ラブレター』 高遠琉加
刑事ものでいいのかな。『神様も知らない』の続き2冊(完結)。
テーマは重たいけど、端折らず、流さず、真正面から書いているところがよかった。メインで出ているキャラが4人もいるのに、それぞれ個性が違って面白かったし。
高遠さんの持っている乙女系の部分が話に上手く噛み合わさっていて、持ち味を存分に発揮していた。きれいで切なく、ほろ苦い。余韻の残る話だった。
3 『光の雨-原罪-』&『光の雨-贖罪-』 かわい有美子
検事もの。「原罪」のほうは10年以上前に刊行した本の加筆修正バージョン。でも、続きの2冊目は今年の作品。続きを待ち焦がれるあまり、私の中では特別な作品になってしまった。
恋愛より仕事に割かれるページ数のほうが多いと思うんだけど、恋愛が付け足しになることはなく甘さも十分、どちらもガッツリ描かれていて読み応えがあった。素敵な恋愛ができてよかったと、祝福したくなるカップルで、待たされたけど、大満足。
4 『月の欠片』 佐々木禎子
事故から8年眠り続けて、意識を戻した主人公の話。
家族がいて友人がいて、たくさんの葛藤があって…。ドラマティックなストーリーなのに、なんて静かな雰囲気なんだろうと思った。抑制のきいた、落ち着きのある文章が心地よかった。
人によっては「淡々としていて物足りない」と感じると思う。でも、号泣の感動作品より、静かに浸れる作品のほうがBL小説では貴重かなと私は思っている。
少し切ないけど、暖かくて、また読み返したい作品。
5 『銀の雫の降る都』 かわい有美子
SFファンタジー。
世界観がしっかりしていて面白かった。引き取った子供の成長とともに二人の魅力が描かれ、少しずつ惹かれ合い、絆を深めていくところがよかった。盛り上がりもあったし、賛否両論なラストなのも小さくまとまってなくてよかった。
『マージナル』のオマージュ(パロディではないのに、読んでて『マージナル』を思い出した)になっていて、懐かしかった。
6 『蒼のかたみ』 尾上与一
戦争もの。スピンオフだけど、これ単独でも楽しめる。
ラバウルか…と読むのをためらう重たいテーマだけど、読みやすい書き方だった。戦争の悲惨さはきちんと語られてるけど、生々しさはなく、かといって美化もしていない。恋愛ものとしても面白いし、感動的な話で、キャラも魅力的だった。
今年のベストを選んでと言われたら、これを1番に挙げる人も多い気がする。
7 『恋愛できない仕事なんです』 砂原糖子
人気ドラマ『片棒』(笑)みたいに派手な活躍はできない刑事もの。
ずーっと仕事してる場面ばかりなのに、仕事より恋愛の比重のほうが高くて読みやすかった。…べつに仕事をサボってるわけではないです(笑)
ちょっと地味なところも、年下攻なところも好み。
8 『交渉人は休めない』 榎田尤利
交渉人シリーズの沖縄旅行編。
本編より兵頭と一緒にいる時間が長くて甘いんだけど、もう少し芽吹の交渉人らしい活躍も見たかった。あまりトークで活躍してないような…。このシリーズはこういう明るいノリのほうが好き。2巻までは何度か再読してるんだけど、3巻以降は重苦しくて読み返す気になれない。
9 『あいのはなし』 凪良ゆう
「誘拐犯」と成長した子供の再会話。
実のところ、それほど恋愛ものとして好きでもない(キャラが好みじゃないし、話も苦い)けど、読み応えがあって面白かったから、これはベスト10に入れておきたいな~と。
再読だと印象が変わりそうな気がするから、少し寝かしてから読み直してみたい。
10 『ウサギの国のナス』 松雪奈々
ウサ耳族の国に学生が迷い込んでしまうコメディ。スピンオフだけど、前作は想像がつくので(私の趣味じゃないから読む気はない)、こちらだけ読んでもOK。
とくに期待はしてなかったのに、思いがけず面白かった。トンチキ設定に笑いつつ、真面目な部分や甘さもしっかりあって、満足度も高かった。
コメント
「ステラリウム」がランクインしていて、嬉しいです。よっしゃ!とか思った(笑)。全然そんなテンションが似合わない作品ですが、私も好きなので。
確かにBLとしてはおとなしいんですけど、ちょっとメルヘンていうか、宮沢賢治の物語みたいな、レトロな理科のニュアンスがとてもいい味になっていますよね。…と私は思ったのですが。
そんな訳で、来年もよろしくお願いします。
『ステラリウム』、Dさんもお好きだったんですね♪
ランキングで1番になるタイプの作品ではないと思いますが、ランク内には入れておきたい作品でした。
> 宮沢賢治の物語みたいな、レトロな理科のニュアンスがとてもいい味になっていますよね。
確かに、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を思い出しました。設定自体はまったく関係ないんですが、なんとなく。
フラスコの中で「星を造る工場」というのが理系メルヘンで素敵でした~。
来年もよろしくお願いします。