幻冬舎 2014/02

ついに完結……。ここまで(待ち時間が)長かった。


ネタバレ
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旧版は暗くて救いのないところでストップしてしまい、これ本当にハッピーエンドになるのかな?と不安だった。…死亡フラグも立ってたし。
もともとテーマが重すぎて読みづらい話でもある。
というわけで、アンハッピーでも構わない、という覚悟で読み始めた。

個人的に好意を持ってしまった人を殺せという、アレクセイへの残酷な指令に対し、サエキが裏で庇うところがよかった。「まだ」人を殺したことはなかったサエキは、アレクセイの代わりに重たい罪を引き受けたわけだけど、それでアレクセイが救われたわけでもなく…。
抹殺の対象がいい人なので、この辺は読んでて辛かった。

ソ連崩壊に向けて、サエキはどんな活動をしていくのだろうと思っていたら、話はいきなりアフガニスタンへ。そういえば伏線はあった…。
暗く淀んでいたベルリンの生活から、今度は戦地へ。現地の過酷さが描かれるので、何かあるだろうとは思っていたけど、アレクセイが行方不明に…。
ここで、アフガンでサエキがスパイとして掟破りな最後の手段を使ってしまうところや、イギリス政府に助けを求めるのは、まさに命懸けの戦いで読み応えがあった。
自分一人だけのためには(アルファが裏で多少は手を回してくれるにしても)ソ連を裏切る勇気は出なかったけど、恋人のためなら即決…というのも泣かせる。

設定が設定だけに、二人はベルリンの壁崩壊をどんな風に迎えるのか心配だったけど、まさかこんなに穏やかだとは思わなかった。ソ連が崩壊しても完全に自由になったわけでもないし、アレクセイが家族と会えるのは何年後か分からない。
でも、よかったな、と思えるラストだった。

日本で桜も見られてよかった。いつかダーチャに行く話も読みたい。

待ったかいがあって、大満足。これだけ骨太の設定のBLってなかなか読めない。

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