とくに翻訳に興味があるわけでもないんだけど、1が面白かったら、2も…と手に取ってみた。
タイトルはこうだけど、サリンジャーを中心に翻訳論みたいなものを展開していくのかと思っていたら、1冊丸々『キャッチャー』(春樹の新訳版『ライ麦畑~』)について、だった。まさに惹句の通り、「語り尽くす」という感じ。
困ったなあ、『ライ麦畑~』読んだことないんだよね~と思いつつ読み始めたら、内容を知らなくても結構楽しめて、するすると読めてしまった。
未読なのに、なんだか1冊(『キャッチャー』を)読み終えたような気分。
まあ、ついでに?『キャッチャー』も読んでみようかと、野崎訳の『ナイン・ストーリーズ』とセットで買ってみた。

そもそも、若いときに、超有名な『ライ麦畑で捕まえて』を避けて通ったのは、「訳知り顔で社会に反抗する若者の話とか、無理…」と思ったから。
…まあ、中学か高校で使う国語の資料集にそんな感じの紹介文が載っていたんだと思う。高校生の時、その資料集を使って、「これから自分が読むべき本」というのをリストアップしたんだけど、『ライ麦畑~』の紹介文は捻くれた高校生の私には耐え難くて、リストから外してしまい、今に至る…。

ただ、サリンジャーをまったく読まないというわけにもいかないだろうと『ナイン・ストーリーズ』は読んだ。漫画の『バナナフィッシュ』を読んで興味を引かれたという…(私にとっては)ちょっと恥ずかしい理由もあった。(何かの影響を受けたことを人に知られるのが、なんだか気恥ずかしいという意味)
でも、面白いとか面白くないとか、好きとか嫌いとかいう以前に、何が書かれているのか、さっぱり分からなかった。世界的に評価の高いサリンジャーを少しも理解できないなんて、私には読解力とか文学的素養とかいうものが、徹底的に足りていないんだろうなあと思い知らされて、なんだか苦い読後感だった。

それにしても、この年齢で『ライ麦畑~』初挑戦とは。
時期を外しまくっている気がする。音楽や絵画と違って、文学にはそれを受け取るのにふさわしい時期ってものがあると思うから、もしかしたら何も感じないまま読み終えるかもしれない。現在の自分が、初めて読んだ時と比べて、読解力が上がったとか、人間的に成長したとは思えないし。
けど、趣味や感じ方が変わっているという可能性はある。
どうかなあ、今度こそ楽しめるかなあ?? ちょっと不安。

コメント

”D”
2014年11月10日0:14

『ライ麦畑~』は私いちおう読みましたけど、よくわからなくて。
少なくとも、「訳知り顔で社会に反抗する若者の話とか」には思えませんでした。
なので、りょうさんがどんな感想を持つか興味があります。ぜひ読んでみて下さい(とさりげなくリクエスト)

りょう
2014年11月10日22:03

実はDさんが感想を書いてらしたのを覚えていて、自分が『ライ麦畑~』を読み終えたら、改めて感想を拝読したいなと思っていました。
他の方の感想を読むのが大好きなもので。

> 少なくとも、「訳知り顔で社会に反抗する若者の話とか」には思えませんでした。

ですよね~。変な先入観で避けちゃっていたなと思います。

> りょうさんがどんな感想を持つか興味があります。ぜひ読んでみて下さい(とさりげなくリクエスト)

ありがとうございます♪
本が届いたので、早速明日から読み始めようと思います!

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