天使のような人だから…
2008年1月31日 佐々木禎子
佐々木 禎子 小学館 2004/08
高校生×天然天使
う…、苦手分野、天然系。しかもレーベルに合わせたのか、キャラ年齢が低い上に、文章も内容も子供っぽい。
どうしたものかと思ったが、そんな私を救済してくれるようなフォロー(?)があちこちに入っているので意外と読みやすかった。
…いくら年下攻でもやっぱり天然受は趣味ではなかったが、趣味じゃないなりに楽しく読めた。
高校生×天然天使
う…、苦手分野、天然系。しかもレーベルに合わせたのか、キャラ年齢が低い上に、文章も内容も子供っぽい。
どうしたものかと思ったが、そんな私を救済してくれるようなフォロー(?)があちこちに入っているので意外と読みやすかった。
…いくら年下攻でもやっぱり天然受は趣味ではなかったが、趣味じゃないなりに楽しく読めた。
佐々木禎子 プランタン出版 2007/08
石原さんのお名前と表紙の色使いだけで、ハードな話かと早とちりし、まあでも佐々木さんだから平気かなと、あらすじは確かめずに読んでみた。
ネタバレで。
あらすじ。
ハードな話というより、むしろしっとり系の話だったが、石原さんのイラストがキャラにぴったりはまっていた。悪気はないし優しいんだけどちょっと傲慢で、仕事はできるんだけどプライベートでは不器用な面があり、クールに見えて早とちりするような迂闊なところがある大道寺のキャラが、石原さんの漫画にも出てきそうなタイプだからっていうのもあるかも。
カッコいいのにちょっとマヌケというか。できる大人の男性が時々見せる隙に、男らしい可愛らしさを感じて、逆にセクシーに思える。ラストのあたりの浮かれた様子も微笑ましいというか。
受の美樹のほうは健気だけど浮世離れした感じもなく、芯が強くて、仕事に誇りと愛着を持っているという、これまたいい男で。
状況に流されているといえば流されているのだが、しっかりしろよと言いたくなるような苛立ちは感じず、素直に応援したくなるキャラだった。
なかなか気持ちが通じ合わない二人に切なくなり、じれったくなり、最後は思いっきり甘いという王道パターンで、大満足だった。
石原さんのお名前と表紙の色使いだけで、ハードな話かと早とちりし、まあでも佐々木さんだから平気かなと、あらすじは確かめずに読んでみた。
ネタバレで。
あらすじ。
陶器が直るまで一緒にここにいてもらうだけだ。そのあいだは夜の相手もしてもらう」陶磁器の修復を手がける美樹は、不動産会社を営む大道寺から、人違いで、顧客に身体も売っていると誤解されてしまう。大道寺の家に強引に連れてこられ、美樹は同居しながら仕事を請けることに。セックスを無理強いされても、一目見たときから大道寺に惹かれていたせいで真実を告白できず…。美樹を見誤ったままの大道寺から夜毎抱かれていたが。
ハードな話というより、むしろしっとり系の話だったが、石原さんのイラストがキャラにぴったりはまっていた。悪気はないし優しいんだけどちょっと傲慢で、仕事はできるんだけどプライベートでは不器用な面があり、クールに見えて早とちりするような迂闊なところがある大道寺のキャラが、石原さんの漫画にも出てきそうなタイプだからっていうのもあるかも。
カッコいいのにちょっとマヌケというか。できる大人の男性が時々見せる隙に、男らしい可愛らしさを感じて、逆にセクシーに思える。ラストのあたりの浮かれた様子も微笑ましいというか。
受の美樹のほうは健気だけど浮世離れした感じもなく、芯が強くて、仕事に誇りと愛着を持っているという、これまたいい男で。
状況に流されているといえば流されているのだが、しっかりしろよと言いたくなるような苛立ちは感じず、素直に応援したくなるキャラだった。
なかなか気持ちが通じ合わない二人に切なくなり、じれったくなり、最後は思いっきり甘いという王道パターンで、大満足だった。
佐々木禎子 徳間書店 2007/10
あらすじ
ファンタスティック(特殊ニュアンス)になりそうな設定だが、さすが佐々木さん。納得できる理由付けをきっちりしてくれるので、余計なツッコミをいれずに読めるのがありがたい。私はかなりツッコミが厳しいほうだが、なにもツッコミを入れたくて入れてるわけじゃないんで…。リアルじゃなくても、作品世界内で矛盾がなければ、気にせず読めるんだなあと実感した。
あと佐々木さんの社会人受はきちんと仕事してくれるし、向上心があるのが魅力的だと思う。容姿が可愛いタイプであっても心意気が男前なんだよなあ。
華やかな舞台だし、始まり方を見てると派手だが、しっとりと落ち着きのある雰囲気、奥行きのある展開(といえばいいのかな)がいい。鮫島のキャラそのものみたいな雰囲気の生活が、静かだけど濃密。
強引だけど優しい変人、鮫島や、澤辺、葉子といったキャラも個性的で気に入ったし、彰浩の成長と成功を過不足なく入れ込んで、基本はわりと甘い恋愛というバランスもよかった。
彰浩が自分はまだまだ未熟だと自覚しながら頑張っている姿が好きだし、天才である鮫島にコンプレックスを感じる普通の20代らしい感覚に共感しやすかった。
鮫島は結構公私混同する人だが、まあもとから変人だし芸術家だし。好みのタイプなので、このへん非常に点が甘くなっているような…。
彰浩はいいキャラだし鮫島がかっこいいから、ぜひ続編が読みたい。
あらすじ
一流ファッションブランドの新人広報・彰浩が香水部門の新規事業に大抜擢!?世界的ヒットフレグランスを創作する天才調香師・鮫島の担当に任命された彰浩。けれど仕事の依頼と引き換えに鮫島から提示された条件は、なんと彰浩との同居だった!!「私に閃きをくれるんだろう?」上品で精悍な容貌をもつ鮫島との昼夜を問わない情事―。彰浩は次第に鮫島から官能を引き出されて…。ネタバレ
ファンタスティック(特殊ニュアンス)になりそうな設定だが、さすが佐々木さん。納得できる理由付けをきっちりしてくれるので、余計なツッコミをいれずに読めるのがありがたい。私はかなりツッコミが厳しいほうだが、なにもツッコミを入れたくて入れてるわけじゃないんで…。リアルじゃなくても、作品世界内で矛盾がなければ、気にせず読めるんだなあと実感した。
あと佐々木さんの社会人受はきちんと仕事してくれるし、向上心があるのが魅力的だと思う。容姿が可愛いタイプであっても心意気が男前なんだよなあ。
華やかな舞台だし、始まり方を見てると派手だが、しっとりと落ち着きのある雰囲気、奥行きのある展開(といえばいいのかな)がいい。鮫島のキャラそのものみたいな雰囲気の生活が、静かだけど濃密。
強引だけど優しい変人、鮫島や、澤辺、葉子といったキャラも個性的で気に入ったし、彰浩の成長と成功を過不足なく入れ込んで、基本はわりと甘い恋愛というバランスもよかった。
彰浩が自分はまだまだ未熟だと自覚しながら頑張っている姿が好きだし、天才である鮫島にコンプレックスを感じる普通の20代らしい感覚に共感しやすかった。
鮫島は結構公私混同する人だが、まあもとから変人だし芸術家だし。好みのタイプなので、このへん非常に点が甘くなっているような…。
彰浩はいいキャラだし鮫島がかっこいいから、ぜひ続編が読みたい。
帝都に秘めた華の咲く
2007年12月14日 佐々木禎子 コメント (2)
佐々木禎子 二見書房 2007/12/14
初パール文庫。
佐々木さんの遊郭ものということで、楽しみにしていた。好き嫌いが激しい私だが、遊郭は免疫があるし、少々抵抗のある題材でも佐々木さんなら大丈夫だろうという安心感があった。そういう点での佐々木さんへの信頼感は絶大なので、パール文庫を試すならこれしかないだろうと。
近くの書店に売っていなくて、3軒も回って空振りに終わり「発売日なのに…」と悔しいやら不思議になるやら。もしかして明日が発売日?とか不安になりつつ、絶対に今日中にゲットしてやると意地になって都会本屋に行ってみた。
…あるじゃないですか。あっさりと。
新刊平台中央手前に2列で積んであった。
ネタバレ。
------------------------------------------------
男が花魁。これをどう料理してくれるかというのが関心点だった。その辺で引っかかると、作品世界に没頭できないもので。
なるほどねーというオリジナル設定だった。男が花魁、というのに引っかかる読者ほど、違和感なく読める設定にしてある。甘くもない世界だとさらっと書いてあるのもいい。華が足りないという印象もあったが、後からそれが活きてくる。
主人公の忍は遊郭に売られることになった晩に初恋の相手に抱いてくれと頼む。もちろん諦観からの行動だが、強くて前向きで、さっぱりとした性格が親しみやすい。
一方、信二のほうは優しくて頼もしいが、ちょっと反応が薄くないかと不満だったのだが…。再会後に分かった行動にはじんわりくるものがある。
再会後の不器用なやり取りや、見せ場もよかった。その後の展開も意外性があったし、全体に遊郭ものらしいシーン(…)が多いのに、筋立てがしっかりしているところがさすがだ。
暗い方向に向かっている時代だが、この二人なら大丈夫だろうと思える強さがあるのがいい。
(小説136)
初パール文庫。
佐々木さんの遊郭ものということで、楽しみにしていた。好き嫌いが激しい私だが、遊郭は免疫があるし、少々抵抗のある題材でも佐々木さんなら大丈夫だろうという安心感があった。そういう点での佐々木さんへの信頼感は絶大なので、パール文庫を試すならこれしかないだろうと。
近くの書店に売っていなくて、3軒も回って空振りに終わり「発売日なのに…」と悔しいやら不思議になるやら。もしかして明日が発売日?とか不安になりつつ、絶対に今日中にゲットしてやると意地になって都会本屋に行ってみた。
…あるじゃないですか。あっさりと。
新刊平台中央手前に2列で積んであった。
ネタバレ。
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男が花魁。これをどう料理してくれるかというのが関心点だった。その辺で引っかかると、作品世界に没頭できないもので。
なるほどねーというオリジナル設定だった。男が花魁、というのに引っかかる読者ほど、違和感なく読める設定にしてある。甘くもない世界だとさらっと書いてあるのもいい。華が足りないという印象もあったが、後からそれが活きてくる。
主人公の忍は遊郭に売られることになった晩に初恋の相手に抱いてくれと頼む。もちろん諦観からの行動だが、強くて前向きで、さっぱりとした性格が親しみやすい。
一方、信二のほうは優しくて頼もしいが、ちょっと反応が薄くないかと不満だったのだが…。再会後に分かった行動にはじんわりくるものがある。
再会後の不器用なやり取りや、見せ場もよかった。その後の展開も意外性があったし、全体に遊郭ものらしいシーン(…)が多いのに、筋立てがしっかりしているところがさすがだ。
暗い方向に向かっている時代だが、この二人なら大丈夫だろうと思える強さがあるのがいい。
(小説136)
裏切りのディスタンス
2007年10月1日 佐々木禎子『裏切りのディスタンス』 二見書房 2006/3 佐々木 禎子
雑誌掲載時に読んでいたが、すっかり忘れていた。今まで読んだことのない作者さんだと思っていたが、実は読んでいたと知って驚いた。
雑誌掲載時は系統的に苦手だなー、イヤだなーと思いながら結局全部読んだ。雑誌の場合、好みじゃないと読まないことが多いので、私としてはかなり珍しい。
でも、裏社会とかを中心に書いている作家さんなんだと思い込んで、他の作品を読んでみようと思わなかったらしい。もったいないことをしてしまった。
しかも3年も前に1度読んだだけだったのに、物忘れのひどい私が、主人公の名前を見ただけですぐに話を全部思い出した。よほど印象に残っていたようで。
キャラは好みだし、読みづらさもないんだけど、やっぱり設定が苦手系なので感想が書きづらい。うーん。
もっとドロドロしそうな話を後味よく仕上げているのがすごいなあと。
(小説93)
雑誌掲載時に読んでいたが、すっかり忘れていた。今まで読んだことのない作者さんだと思っていたが、実は読んでいたと知って驚いた。
雑誌掲載時は系統的に苦手だなー、イヤだなーと思いながら結局全部読んだ。雑誌の場合、好みじゃないと読まないことが多いので、私としてはかなり珍しい。
でも、裏社会とかを中心に書いている作家さんなんだと思い込んで、他の作品を読んでみようと思わなかったらしい。もったいないことをしてしまった。
しかも3年も前に1度読んだだけだったのに、物忘れのひどい私が、主人公の名前を見ただけですぐに話を全部思い出した。よほど印象に残っていたようで。
キャラは好みだし、読みづらさもないんだけど、やっぱり設定が苦手系なので感想が書きづらい。うーん。
もっとドロドロしそうな話を後味よく仕上げているのがすごいなあと。
(小説93)
さ行の作家さん強化週間。
桜木さん、佐々木さんを交互に読み、手元にあるのがなくなったら次は春原さんかなーとか思っている。さ行であることがとにかく重要だ。よく分かんないけど。
『プラトニックな愛撫』 佐々木 禎子 二見書房 2004/10
読みやすい青春もの。面白かった。
はっきりしない主人公にはちょっとイライラさせられたが、なんかそういうのを含めて楽しめた。自分が高校生のときってどんなだったかなーと思い出してみたり。
あらすじを見て私には読みづらそうな設定だと思ったのだが、ストッパーの付いていない話だった。
高校生が主人公という時点で趣味ではないので少々感想が素っ気ないが、これはこれで気に入っている。
(小説92)
桜木さん、佐々木さんを交互に読み、手元にあるのがなくなったら次は春原さんかなーとか思っている。さ行であることがとにかく重要だ。よく分かんないけど。
『プラトニックな愛撫』 佐々木 禎子 二見書房 2004/10
読みやすい青春もの。面白かった。
はっきりしない主人公にはちょっとイライラさせられたが、なんかそういうのを含めて楽しめた。自分が高校生のときってどんなだったかなーと思い出してみたり。
あらすじを見て私には読みづらそうな設定だと思ったのだが、ストッパーの付いていない話だった。
高校生が主人公という時点で趣味ではないので少々感想が素っ気ないが、これはこれで気に入っている。
(小説92)
佐々木 禎子 プランタン出版 2006/09
苦手を克服第2弾(アラブもの)
過去2回の挫折について、前にこんなことを書いた。
まあこんな調子で諦めようと思っていたのだが、またお借りしてしまった。
イラストが石原さんだったのも大きい。
それに佐々木禎子は私にとっては安定供給作家さんで、今のところハズレなし。
作品の内容そのものも軌道から外れないので、気分的に疲れているときでも無理なく読めるのがありがたい。「息もつけないような展開、予想もつかないキャラの行動、感動で読後しばらく呆然」……みたいな作品はいくら面白くても続けて読むのには疲れるので、こういうタイプの作品は読みやすくていい。
佐々木さんのアラブものなら「アラブ=アナザーワールド(国内だとジパング)」ってこともないだろうし、ラピス文庫でも読めそうだなあと。あんまり縁がないレーベルで。
…どうもフルネームだと敬称略にしやすい。一応お断り。
ネタバレ感想。
--------------------------------------------------------
あらすじを斜め読んだとき、お代官様がご無体なさった後にハーレムに閉じ込められてから釈放される話かと思った。過去2冊しか読んでいないのにこういう書き方もどうかと思うが、アラブ王子が受を対等な仕事相手だと認めているアラブものってほとんどないはずなので。というより、受に人権が認められていることが少ないんじゃないかと思う。人権なんてものはBLアラブもの世界では砂漠に捨てられて風化している。統計を取ったことはないが、たぶん。
が、このお代官様はどうやら「仕事のできる男前受」がお好きらしい。おお、私と同じ趣味ですね、シーク!といきなり親近感を覚えた。そんなわけで、シークが多少おバカさんな行動をとっても暖かく見守ることができた。
どうでもいいことだが、攻がヒゲじゃないことにきちんと説明があるアラブものは珍しいのでは。そんなところにも好感を持った。
受の雪也は仕事ができる上に内面も男らしくて、とっても好みだった。少しばかり理不尽な状況ではあったものの、「言うことを聞かないとお前の会社とは取引しない」なんていう脅迫ではなく、自分で選び取った「取引」なのがいい。
お互いに惹かれた理由と過程が分かりやすいので、感情移入しやすかった。今まで読んだ2冊は、攻は単に「顔が綺麗で毛色が変わってるから」って理由で受を気に入ったとしか思えず(最後まで遊びとしか思えない)、受はただ流されるだけだった。一生ハーレムに軟禁されても構わないって人間に感情移入するのは無理で…。この作品ではちょっと特殊な設定なだけで、普通に恋愛小説として楽しめるぐらいだった。
そういえば、後半の展開が前に読んだ作品とまったく同じで、こんなそっくりでいいのか?と思ったが、その後の展開は真逆ぐらい違っていて面白かった。
王族としての権力が魅力の一部なんて男はつまらないと思うが、この作品では個人の魅力で勝負していたのがよかった。
きっと王道ではないのだろうが、選べば面白いのもあるんだなーとアラブものへの認識を改めた。
(小説90)
苦手を克服第2弾(アラブもの)
過去2回の挫折について、前にこんなことを書いた。
なるべく読みやすそうな「オークション」が出てこないものを2冊選んだのだが、両方とも最後まで読めずに克服失敗。なぜか両方ともクライマックス間近の10〜20ページを飛ばしてラストだけ読むという結果に。ちょうどそのあたりで先が見え、自分の趣味に合った(許容範囲の)方向に話が進まないことを確認できてしまうので、読み進める気力が尽きてしまうらしい。で、一応ラストだけ読んで終わると。たかが20ページなのに、どうしても読めずに斜め読み…。ハーレムに閉じ込められるのがムカつくとかいちいち思っているようでは、克服は諦めたほうがよさそうだ。
まあこんな調子で諦めようと思っていたのだが、またお借りしてしまった。
イラストが石原さんだったのも大きい。
それに佐々木禎子は私にとっては安定供給作家さんで、今のところハズレなし。
作品の内容そのものも軌道から外れないので、気分的に疲れているときでも無理なく読めるのがありがたい。「息もつけないような展開、予想もつかないキャラの行動、感動で読後しばらく呆然」……みたいな作品はいくら面白くても続けて読むのには疲れるので、こういうタイプの作品は読みやすくていい。
佐々木さんのアラブものなら「アラブ=アナザーワールド(国内だとジパング)」ってこともないだろうし、ラピス文庫でも読めそうだなあと。あんまり縁がないレーベルで。
…どうもフルネームだと敬称略にしやすい。一応お断り。
ネタバレ感想。
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あらすじを斜め読んだとき、お代官様がご無体なさった後にハーレムに閉じ込められてから釈放される話かと思った。過去2冊しか読んでいないのにこういう書き方もどうかと思うが、アラブ王子が受を対等な仕事相手だと認めているアラブものってほとんどないはずなので。というより、受に人権が認められていることが少ないんじゃないかと思う。人権なんてものはBLアラブもの世界では砂漠に捨てられて風化している。統計を取ったことはないが、たぶん。
が、このお代官様はどうやら「仕事のできる男前受」がお好きらしい。おお、私と同じ趣味ですね、シーク!といきなり親近感を覚えた。そんなわけで、シークが多少おバカさんな行動をとっても暖かく見守ることができた。
どうでもいいことだが、攻がヒゲじゃないことにきちんと説明があるアラブものは珍しいのでは。そんなところにも好感を持った。
受の雪也は仕事ができる上に内面も男らしくて、とっても好みだった。少しばかり理不尽な状況ではあったものの、「言うことを聞かないとお前の会社とは取引しない」なんていう脅迫ではなく、自分で選び取った「取引」なのがいい。
お互いに惹かれた理由と過程が分かりやすいので、感情移入しやすかった。今まで読んだ2冊は、攻は単に「顔が綺麗で毛色が変わってるから」って理由で受を気に入ったとしか思えず(最後まで遊びとしか思えない)、受はただ流されるだけだった。一生ハーレムに軟禁されても構わないって人間に感情移入するのは無理で…。この作品ではちょっと特殊な設定なだけで、普通に恋愛小説として楽しめるぐらいだった。
そういえば、後半の展開が前に読んだ作品とまったく同じで、こんなそっくりでいいのか?と思ったが、その後の展開は真逆ぐらい違っていて面白かった。
王族としての権力が魅力の一部なんて男はつまらないと思うが、この作品では個人の魅力で勝負していたのがよかった。
きっと王道ではないのだろうが、選べば面白いのもあるんだなーとアラブものへの認識を改めた。
(小説90)
佐々木 禎子 茜新社 2003/12
攻がカッコいいし、優しい。受も適度に元気で可愛い。山田ユギのイラストがキャラに合っていてよかったと思う。
ストーリーは明るくライトだが物足りないほど軽くはなく、設定は派手すぎず地味すぎず、テンポも読後もいい。大きな感動やインパクトはないが、バランスがよくて、読んでいて妙に安定感がある。途中で飽きもこない。
というわけで、あんまりハイテンションなストーリーだと、つい冷静になっている間に置いていかれてしまうことの多い私にとっては読みやすい作品。
こういう作品では熱くならないから、感想は書きづらかったりするが、面白くて満足した。
素直にカッコいい、素敵と思える攻だった。
公平はカッコよかったですよ、佐々木先生。(あとがきでその点に触れていたので、ここで書いても意味ないけどちょっと反応してみた)
(小説80)
攻がカッコいいし、優しい。受も適度に元気で可愛い。山田ユギのイラストがキャラに合っていてよかったと思う。
ストーリーは明るくライトだが物足りないほど軽くはなく、設定は派手すぎず地味すぎず、テンポも読後もいい。大きな感動やインパクトはないが、バランスがよくて、読んでいて妙に安定感がある。途中で飽きもこない。
というわけで、あんまりハイテンションなストーリーだと、つい冷静になっている間に置いていかれてしまうことの多い私にとっては読みやすい作品。
こういう作品では熱くならないから、感想は書きづらかったりするが、面白くて満足した。
素直にカッコいい、素敵と思える攻だった。
公平はカッコよかったですよ、佐々木先生。(あとがきでその点に触れていたので、ここで書いても意味ないけどちょっと反応してみた)
(小説80)
『WEED』を定価で買えた。満足だ。
都会で探すか地元で探すかちょっと迷った。都会の書店に寄っていると、地元に着くころには閉店の時間なので、両方に寄ることは不可能。でもこういう品薄の本は地元書店に1冊ぐらい残っていたりするんじゃないかなあと、地元にかけてみたら大当たり。やっぱり1冊だけ置いてあった。
なんか地元の書店に寄るの、久し振りだ。最近は面倒くさくて何でも通販だし。
手に入れたら気が済んだので、再読する前に愛が冷めそうだ。
だけど、なんで5月発売?(初刷が5月だった)の本が入手困難になってるんだ。しかも新装版が……。うーん。やっぱり少しでも気になったBL本はその場で買えってことか……。
は〜、自分の熱の上げように疲れた。
こんなときはエダさんか?と思ったが、いつもいつも癒し系に頼っていては、本当に心がささくれ立っているときに読むものがなくなる。
でも、とにかく今は疲れているので、濃くも薄くもないのが読みたい。
そういうわけで、文章が読みやすくて、まったく初めてではない作家さんの、オーソドックスな設定で、スーツのキャラが出てくる小説が読みたいなあと選んだのがこれ。
『密約は甘く縛る』佐々木 禎子
ネタバレ
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社長×秘書。秘書は女癖の悪い社長のお目付け役という、よくある設定。代議士と秘書とか、芸能人とマネージャーとかも同じ括り。
受は仕事のできるクールビューティー。攻は普通にカッコいい社長。意外な展開というやつはないが、丁寧に進んでいくので飽きがこないし、読みやすい。キャラも共感しやすいタイプだし、その上最後までカッコいいままなので好感度が高い。ちょっと可愛いところもあったりして、匙加減が上手い。それになんといっても、BLの社長が出てくる小説に不足しがちな(?)爽やかさがあるし、甘さもちょうどいい。というわけで、趣味に合った。
あ、それに最後はちょっと意外性があった。
ありきたりな設定なのに、きっちり楽しませてくれる、読ませてくれる作品だった。
私の個人的なオーダーを軽くクリアしてくれたのも嬉しい。
(小説55)
都会で探すか地元で探すかちょっと迷った。都会の書店に寄っていると、地元に着くころには閉店の時間なので、両方に寄ることは不可能。でもこういう品薄の本は地元書店に1冊ぐらい残っていたりするんじゃないかなあと、地元にかけてみたら大当たり。やっぱり1冊だけ置いてあった。
なんか地元の書店に寄るの、久し振りだ。最近は面倒くさくて何でも通販だし。
手に入れたら気が済んだので、再読する前に愛が冷めそうだ。
だけど、なんで5月発売?(初刷が5月だった)の本が入手困難になってるんだ。しかも新装版が……。うーん。やっぱり少しでも気になったBL本はその場で買えってことか……。
は〜、自分の熱の上げように疲れた。
こんなときはエダさんか?と思ったが、いつもいつも癒し系に頼っていては、本当に心がささくれ立っているときに読むものがなくなる。
でも、とにかく今は疲れているので、濃くも薄くもないのが読みたい。
そういうわけで、文章が読みやすくて、まったく初めてではない作家さんの、オーソドックスな設定で、スーツのキャラが出てくる小説が読みたいなあと選んだのがこれ。
『密約は甘く縛る』佐々木 禎子
ネタバレ
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社長×秘書。秘書は女癖の悪い社長のお目付け役という、よくある設定。代議士と秘書とか、芸能人とマネージャーとかも同じ括り。
受は仕事のできるクールビューティー。攻は普通にカッコいい社長。意外な展開というやつはないが、丁寧に進んでいくので飽きがこないし、読みやすい。キャラも共感しやすいタイプだし、その上最後までカッコいいままなので好感度が高い。ちょっと可愛いところもあったりして、匙加減が上手い。それになんといっても、BLの社長が出てくる小説に不足しがちな(?)爽やかさがあるし、甘さもちょうどいい。というわけで、趣味に合った。
あ、それに最後はちょっと意外性があった。
ありきたりな設定なのに、きっちり楽しませてくれる、読ませてくれる作品だった。
私の個人的なオーダーを軽くクリアしてくれたのも嬉しい。
(小説55)
金曜の夜は1週間が終わったーって開放感で何も手につかない。
なんかだらだらネットしてしまう。
『唇で恋を刻もう』佐々木 禎子
初めて読んでみる作家さん。文章は読みやすかった。
ネタバレな感想。
-----------------------------------------------------------
ちょっとムリヤリ風味だが、強引なだけって感じかな。
まあ言葉にムカついたなら口で言い返せよって気もするが。
あ、だから口で…とか書くと乙女じゃなくなっちゃうな。
受はわりと好きなタイプだった。ちょっとダメな子だけど、普通に可愛い。
攻はよく分からない生き物だった。なんというか、ものすごくテンポがつかめないので付き合いづらそうだ。退屈はしないかもしれない。自分の誕生日を自分でセッティングするあたり、面白い人だと思う。祝う側がサプライズって珍しいなあと。(別に皮肉っているわけではない)
なんとなく憎めないキャラだが、怒っていると怖い。怒らせると怖いんじゃなくて(何かされそうだから怖いんじゃなくて)、いつも以上に心情が読めないのが異質な生きものって感じで怖い。
(なんで生き物呼ばわりしているかというと、モチーフとして?紹介されている架空の生き物になりたいって言ってたのが印象的だったから)
そういや年下の受を最後まで、名字にさん付けで呼ぶのもわりと珍しいかも。
とくに好きではないがキライでもなく、とにかく興味深いキャラだった。
けど、そういうことはいいとして、酔った上での暴言は許してやってほしい。謝ってるのに、そんないつまでもネチネチと…。
酔っ払って失言したことのある人間の一人として、非常に痛かった。でも、酔って迷惑をかけるタイプは、禁酒の誓いも長続きしないんだよね。…作品と何の関係もないが。
あと、挿絵でちょっとやられた。
そのような場面(なんだそれ)を電車の中で読んでいたら、挿絵が出てきたので、このページは早く読んじゃおうって焦ってページをめくったら、さらにグレードアップした挿絵が出てきて驚いた。連続で挿絵があるなんて完敗だ。
(小説36)
なんかだらだらネットしてしまう。
『唇で恋を刻もう』佐々木 禎子
初めて読んでみる作家さん。文章は読みやすかった。
ネタバレな感想。
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ちょっとムリヤリ風味だが、強引なだけって感じかな。
まあ言葉にムカついたなら口で言い返せよって気もするが。
あ、だから口で…とか書くと乙女じゃなくなっちゃうな。
受はわりと好きなタイプだった。ちょっとダメな子だけど、普通に可愛い。
攻はよく分からない生き物だった。なんというか、ものすごくテンポがつかめないので付き合いづらそうだ。退屈はしないかもしれない。自分の誕生日を自分でセッティングするあたり、面白い人だと思う。祝う側がサプライズって珍しいなあと。(別に皮肉っているわけではない)
なんとなく憎めないキャラだが、怒っていると怖い。怒らせると怖いんじゃなくて(何かされそうだから怖いんじゃなくて)、いつも以上に心情が読めないのが異質な生きものって感じで怖い。
(なんで生き物呼ばわりしているかというと、モチーフとして?紹介されている架空の生き物になりたいって言ってたのが印象的だったから)
そういや年下の受を最後まで、名字にさん付けで呼ぶのもわりと珍しいかも。
とくに好きではないがキライでもなく、とにかく興味深いキャラだった。
けど、そういうことはいいとして、酔った上での暴言は許してやってほしい。謝ってるのに、そんないつまでもネチネチと…。
酔っ払って失言したことのある人間の一人として、非常に痛かった。でも、酔って迷惑をかけるタイプは、禁酒の誓いも長続きしないんだよね。…作品と何の関係もないが。
あと、挿絵でちょっとやられた。
そのような場面(なんだそれ)を電車の中で読んでいたら、挿絵が出てきたので、このページは早く読んじゃおうって焦ってページをめくったら、さらにグレードアップした挿絵が出てきて驚いた。連続で挿絵があるなんて完敗だ。
(小説36)
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