恋には金がいるらしい
2015年10月11日 BL作家か行
玄上八絹 二見書房 2015/07
素材は目新しくないけど、書き方がちょっと面白い作家さん。
ネタバレ
----------------------------------------
逃がし屋×運び屋。
テンポもいいし、それぞれが抱える問題に意外性もあって、一気に読めた。
重たいものを背負ってるわりに、クヨクヨもツンツンもしない主人公に好感が持てた。
元刑事の逃がし屋も飄々としててよかった。
どちらも病気のために大金がいるというところがシビアだった。いつまで生きられるか分からないのに、手術の目途も立たないまま終わってしまうあたり、え?という感じで。
すっきりハッピーに終わっているし、不満もないのに、読後は心配だけが残るという…。ある意味、新しい読後感。
二人が大金をゲットする続編希望……!!
素材は目新しくないけど、書き方がちょっと面白い作家さん。
ネタバレ
----------------------------------------
逃がし屋×運び屋。
テンポもいいし、それぞれが抱える問題に意外性もあって、一気に読めた。
重たいものを背負ってるわりに、クヨクヨもツンツンもしない主人公に好感が持てた。
元刑事の逃がし屋も飄々としててよかった。
どちらも病気のために大金がいるというところがシビアだった。いつまで生きられるか分からないのに、手術の目途も立たないまま終わってしまうあたり、え?という感じで。
すっきりハッピーに終わっているし、不満もないのに、読後は心配だけが残るという…。ある意味、新しい読後感。
二人が大金をゲットする続編希望……!!
可南さらさ 新書館 2015/04
表紙の雰囲気が気になって買ってみたけど、イメージと違ってた。
ネタバレ
------------------------------------------
なんかもっと大人同士の恋愛を期待してたから、作品自体は面白いんだろうけど、個人的に盛り上がらなかった。
受の口の悪さが許容範囲を超えてた。お客を傷つける美容師って最低だ…。
この作品とは何の関係もないけど、美容院の以前の担当さんを思い出した。
初めて行ったとき「前髪はどうしますか?」と聞かれて、「前の美容院で前髪、似合わないって言われたんですよ~」と言ったら、「美容師にそんなこと言われたんですか?! 似合わないなんてことないですよ」とちょっと怒ってくれた。
なんか嬉しかったし、彼女に任せた前髪は結構いい感じだった。客観的に見たら似合ってないのかもしれないけど、私本人が気に入ってるんだから、別にいいやって思えた。
…なんて思い出があるもので、こんな美容師、嫌だ!とかなり本気で思ってしまい、最後まで受のことを好きになれなかった。
あと、攻はいい人だと思うけど、いい男だとは思えなかった。これは完全に趣味の問題。
表紙の雰囲気が気になって買ってみたけど、イメージと違ってた。
ネタバレ
------------------------------------------
なんかもっと大人同士の恋愛を期待してたから、作品自体は面白いんだろうけど、個人的に盛り上がらなかった。
受の口の悪さが許容範囲を超えてた。お客を傷つける美容師って最低だ…。
この作品とは何の関係もないけど、美容院の以前の担当さんを思い出した。
初めて行ったとき「前髪はどうしますか?」と聞かれて、「前の美容院で前髪、似合わないって言われたんですよ~」と言ったら、「美容師にそんなこと言われたんですか?! 似合わないなんてことないですよ」とちょっと怒ってくれた。
なんか嬉しかったし、彼女に任せた前髪は結構いい感じだった。客観的に見たら似合ってないのかもしれないけど、私本人が気に入ってるんだから、別にいいやって思えた。
…なんて思い出があるもので、こんな美容師、嫌だ!とかなり本気で思ってしまい、最後まで受のことを好きになれなかった。
あと、攻はいい人だと思うけど、いい男だとは思えなかった。これは完全に趣味の問題。
楠田雅紀 心交社 2015/02
表紙イラストに惹かれて…。
ネタバレ
-----------------------------------------
タイトル通り棘だらけというか…。
最初は受の性格が悪くてちょっと…と思ってたけど、途中から攻にうんざり。どんな事情があろうと、脅迫とか強要とかする人間はクズだと思う…。
好きなら何してもいいのか!
ギスギスした空気を後半まで引っ張るので、両想いになった後もモヤモヤが残った。
受は途中から少しずつ魅力が見えてきたけど、攻は最初のマイナスイメージを覆すほどのインパクトもないまま終了。
粘着質のワンコ攻じゃ駄目だったのかな~。
読まなきゃよかったと後悔したせいか、先週読んだばかりなのにどんな話なのかさっぱり思い出せなくて、あらすじを読み直してしまった…。
表紙イラストに惹かれて…。
ネタバレ
-----------------------------------------
タイトル通り棘だらけというか…。
最初は受の性格が悪くてちょっと…と思ってたけど、途中から攻にうんざり。どんな事情があろうと、脅迫とか強要とかする人間はクズだと思う…。
好きなら何してもいいのか!
ギスギスした空気を後半まで引っ張るので、両想いになった後もモヤモヤが残った。
受は途中から少しずつ魅力が見えてきたけど、攻は最初のマイナスイメージを覆すほどのインパクトもないまま終了。
粘着質のワンコ攻じゃ駄目だったのかな~。
読まなきゃよかったと後悔したせいか、先週読んだばかりなのにどんな話なのかさっぱり思い出せなくて、あらすじを読み直してしまった…。
俺と部長と大人のおもちゃ
2015年5月26日 BL作家か行
小中大豆 角川書店 2014/04
初読みの作家さん。
お借りしたので、読んでみた。
このタイトル、レーベル、表紙イラスト(絵柄も苦手系)…自分で手に取る可能性は0.1%ぐらいだったと思う。
ネタバレ
----------------------------------------
なにこれ、面白い…。
冒頭の主人公のアホっぷりに読んでて心が折れそうになったけど、頑張って読み進めてみたら、どんどん面白くなっていった。
ちょっとアレな和馬も、実は真面目な努力家だったり、上司や同僚にも好かれてたり。
仕事は手を抜かないし、家族のために就活に失敗したのに恨み言の一つも言わない。奇行は目立つけど、人間ができているという…。
このへんのバランスが上手くて、キャラが秀逸。
世話焼きで、親友に十五年も片思いしてる九鬼のキャラも攻としては新鮮だった。
部長だし、十歳も年上だし、もっと強引に行くのかと思ったら、後から自分の恋心に気付くっていう展開も好き。
和馬も九鬼も、新美に対する気持ちが真剣だったというところが、この話のポイントだと思う。恋のライバルから、カップルになる話の場合、実は最初から受が好きだったっていうパターンが多いけど、私はこういう話のほうが楽しい。
鬼畜な新美でさえも、最後まで読むと、憎めない感じなってるのがすごい。…この宇宙人の恋愛も見てみたような気がする。怖いもの見たさというか(笑)
すっかり可愛くなってしまった和馬には、アレな感じに戻ってほしいような、ほしくないような。
初読みの作家さん。
お借りしたので、読んでみた。
このタイトル、レーベル、表紙イラスト(絵柄も苦手系)…自分で手に取る可能性は0.1%ぐらいだったと思う。
ネタバレ
----------------------------------------
なにこれ、面白い…。
冒頭の主人公のアホっぷりに読んでて心が折れそうになったけど、頑張って読み進めてみたら、どんどん面白くなっていった。
ちょっとアレな和馬も、実は真面目な努力家だったり、上司や同僚にも好かれてたり。
仕事は手を抜かないし、家族のために就活に失敗したのに恨み言の一つも言わない。奇行は目立つけど、人間ができているという…。
このへんのバランスが上手くて、キャラが秀逸。
世話焼きで、親友に十五年も片思いしてる九鬼のキャラも攻としては新鮮だった。
部長だし、十歳も年上だし、もっと強引に行くのかと思ったら、後から自分の恋心に気付くっていう展開も好き。
和馬も九鬼も、新美に対する気持ちが真剣だったというところが、この話のポイントだと思う。恋のライバルから、カップルになる話の場合、実は最初から受が好きだったっていうパターンが多いけど、私はこういう話のほうが楽しい。
鬼畜な新美でさえも、最後まで読むと、憎めない感じなってるのがすごい。…この宇宙人の恋愛も見てみたような気がする。怖いもの見たさというか(笑)
すっかり可愛くなってしまった和馬には、アレな感じに戻ってほしいような、ほしくないような。
汽車よゆけ、恋の路 ~明治鉄道浪漫抄~
2014年10月11日 BL作家か行
久我有加 KADOKAWA/メディアファクトリー 2014/03
久しぶりに久我さんの作品を読んだ。
ネタバレ
--------------------------------------------
面白かった。
和風ファンタジーというのは意外だったけど、かなり趣味に合った。
しっかり者の主人公とマイペースな神様の組み合わせがぴったり。主人公が自分の考えをきちんと語るところが好き。しかも、武道をやってて強いあたり、久我さんの受だな~と。
神様が出てくるわりに、昔ながらの村社会が時代の波に押し流されていく様子や、土着の信仰が徐々に薄れていく過程がリアルに描かれていて、読み応えがあった。
村が鉄道賛成派と反対派に分かれて揉めるあたりの描写も、重たくせずに描かれていて、神様が出てくる設定とのバランスがよかった。
恋を成就させるには、神様は人間に戻るしかないだろうと思ってたけど、ちょっとずつ人間臭くなっていくところがよかった。
BLで参考文献をずらっと載せるのは珍しいなあ、と。BL作家さんも資料本はいろいろ読んでるはずだけど、載せる人(レーベル?)は少ないような。
調べたことを説明っぽくせず、自然に取り入れてるのも、さすが。
鉄道に乗って旅する話みたいなタイトルだけは、ちょっと合ってない気がした。
久しぶりに久我さんの作品を読んだ。
ネタバレ
--------------------------------------------
面白かった。
和風ファンタジーというのは意外だったけど、かなり趣味に合った。
しっかり者の主人公とマイペースな神様の組み合わせがぴったり。主人公が自分の考えをきちんと語るところが好き。しかも、武道をやってて強いあたり、久我さんの受だな~と。
神様が出てくるわりに、昔ながらの村社会が時代の波に押し流されていく様子や、土着の信仰が徐々に薄れていく過程がリアルに描かれていて、読み応えがあった。
村が鉄道賛成派と反対派に分かれて揉めるあたりの描写も、重たくせずに描かれていて、神様が出てくる設定とのバランスがよかった。
恋を成就させるには、神様は人間に戻るしかないだろうと思ってたけど、ちょっとずつ人間臭くなっていくところがよかった。
BLで参考文献をずらっと載せるのは珍しいなあ、と。BL作家さんも資料本はいろいろ読んでるはずだけど、載せる人(レーベル?)は少ないような。
調べたことを説明っぽくせず、自然に取り入れてるのも、さすが。
鉄道に乗って旅する話みたいなタイトルだけは、ちょっと合ってない気がした。
柊平ハルモ 新書館 2013/11
どうでもいいが、作家名が入力しづらい…。
さらにどうでもいいけど、タイトルを入力したら「追われない来い」と変換されて、どんな状況なのか考えてしまった…。
苦い再会ものかと思ったら、甘いばっかりの話だった。
疲れてたんで、さらっと読めたのはよかった。体調悪いときは、こういう、あっさり風味がいいのかも。
ただ…、いろいろ不満というか、リクエストしたいことが多かった。
受の態度が、なんだかはっきりしない。もうちょっと芯のあるタイプだとよかった。結局、攻のことを思って身を引いたらしいが、傲慢さに不満が溜まって別れたようにしか思えない。
傲慢だった攻が反省したのはいいけど、説明があっさりしすぎてた。そこ重要なとこなのになあ。
あと、脚本家と元劇団員という設定の割に、まったく仕事描写がないのも不自然というか。物足りないというか。
どうでもいいが、作家名が入力しづらい…。
さらにどうでもいいけど、タイトルを入力したら「追われない来い」と変換されて、どんな状況なのか考えてしまった…。
苦い再会ものかと思ったら、甘いばっかりの話だった。
疲れてたんで、さらっと読めたのはよかった。体調悪いときは、こういう、あっさり風味がいいのかも。
ただ…、いろいろ不満というか、リクエストしたいことが多かった。
受の態度が、なんだかはっきりしない。もうちょっと芯のあるタイプだとよかった。結局、攻のことを思って身を引いたらしいが、傲慢さに不満が溜まって別れたようにしか思えない。
傲慢だった攻が反省したのはいいけど、説明があっさりしすぎてた。そこ重要なとこなのになあ。
あと、脚本家と元劇団員という設定の割に、まったく仕事描写がないのも不自然というか。物足りないというか。
神江真凪 二見書房 2008/09
ネタバレ
-----------------------------------------
読みやすくはあるんだけど、攻の身勝手な部分と、受の流されやすい性格があまり好きになれなかった。
とくに最初のほう。二人が両思いになる前の展開で、ちょっとイラッとした…。脅迫されても、相手に嫌な感じは受けなかったと言われても、なんで?としか思えないし。
受の鈍さは、ありえない気もした。ベストセラー本の表紙の原画を持っていて、著者と似たような名前の人がいたら、普通は著者本人?って想像ぐらいすると思うんだけど…。
描写は丁寧。ただ、伏線が分かりやすすぎて、先の先まで展開が読めてしまうせいか、盛り上がりに欠けた。
原画は描いた本人の形見だという。親しくもない受に最初から執着を見せて、受の声が聞きたいと繰り返す攻。…とくれば、死んだ恋人と声が似てるんだと誰にでも分かる。
だから、その後の展開を唐突に感じることはなかったけど、面白味も目減りしたというか。話の雰囲気がいいだけに、もったいなく感じた。
法事に行って思いが通じ合う場面とか、一緒に料理を作る場面とか、素敵な場面もいっぱいあった。
あと、海辺の描写がきれいでよかった。
ネタバレ
-----------------------------------------
読みやすくはあるんだけど、攻の身勝手な部分と、受の流されやすい性格があまり好きになれなかった。
とくに最初のほう。二人が両思いになる前の展開で、ちょっとイラッとした…。脅迫されても、相手に嫌な感じは受けなかったと言われても、なんで?としか思えないし。
受の鈍さは、ありえない気もした。ベストセラー本の表紙の原画を持っていて、著者と似たような名前の人がいたら、普通は著者本人?って想像ぐらいすると思うんだけど…。
描写は丁寧。ただ、伏線が分かりやすすぎて、先の先まで展開が読めてしまうせいか、盛り上がりに欠けた。
原画は描いた本人の形見だという。親しくもない受に最初から執着を見せて、受の声が聞きたいと繰り返す攻。…とくれば、死んだ恋人と声が似てるんだと誰にでも分かる。
だから、その後の展開を唐突に感じることはなかったけど、面白味も目減りしたというか。話の雰囲気がいいだけに、もったいなく感じた。
法事に行って思いが通じ合う場面とか、一緒に料理を作る場面とか、素敵な場面もいっぱいあった。
あと、海辺の描写がきれいでよかった。
スイート×リスイート
2014年6月15日 BL作家か行
栗城偲 新書館 2012/02
タイトルと表紙の絵から、軽くて読みやすい話かな~と予想して買ったから、ちょっとこれは……。
ネタバレ
-----------------------------------------
弟、いい人だな。無駄にブラコンとかじゃなく、普通に彼女がいる設定なのもよかった。
弟視点のSSが入っていて嬉しかった。普段は第三者視点の続編ってあんまり好きじゃないんだけど、これはよかった。
本編のほうは…。
主人公は、小学生のときに隣に住んでいた初恋のお兄さん(天才パティシエ)と再会して、最初は反発してたのに、タンブラーをくれるって言われた途端、コロッと態度変わる。地の文で、「我ながら現金だ」みたいなツッコミが入っていたものの、性格悪いんじゃないの?と思ってしまった。
しかも、次の場面ですっかり片思いモード。親友相手に、幼馴染の話ばかりするようになっていて、恋愛ものでは肝心なはずの、だんだん相手に惹かれていく過程が、スパッとカットされている。
そこ省かれちゃうと、主人公に感情移入しようがないんですが…。
そして、再会したばかりの幼馴染に、「子供のころ、男に悪戯されたから、甘いものと大柄な男性が苦手」という、重たい告白。甘いものが苦手だって話せばいいだけで、子供の頃の事件まで話す必要あった?としか思えず。
…気を遣うタイプといいつつ、結構わがままで非常識な主人公には、魅力を感じなかった。
攻は「再会して好みのタイプに育っていたから、狙ってた」と、なんとも軽い告白。で、やっと気持ちを確かめ合った翌朝に、「ずっと一緒に」とか「結婚してとは言えない」とか、気が早すぎるというか…。ごめん、そのスピードについていけない。
軽いきっかけから始まって、一気に燃え上がる恋愛って、すぐに破局しそうなパターンだな、とか思っちゃった。
続編は、トラウマ克服の比重が大きすぎて、途中から恋愛ものを読んでる気がしなくなった。まあ…男ができた瞬間に男性恐怖症克服!という、無理のある本編へのフォローなんだろうけど、タイトルで美味しいケーキとかいっぱい出てくるんだろうなと期待していた私は、甘いもの食べて吐いたとか、吐き気をこらえて無理に甘いものを食べるとか、胸焼けしたとか、そんな描写のオンパレードは読みたくなかった…。
タイトルと表紙の絵から、軽くて読みやすい話かな~と予想して買ったから、ちょっとこれは……。
ネタバレ
-----------------------------------------
弟、いい人だな。無駄にブラコンとかじゃなく、普通に彼女がいる設定なのもよかった。
弟視点のSSが入っていて嬉しかった。普段は第三者視点の続編ってあんまり好きじゃないんだけど、これはよかった。
本編のほうは…。
主人公は、小学生のときに隣に住んでいた初恋のお兄さん(天才パティシエ)と再会して、最初は反発してたのに、タンブラーをくれるって言われた途端、コロッと態度変わる。地の文で、「我ながら現金だ」みたいなツッコミが入っていたものの、性格悪いんじゃないの?と思ってしまった。
しかも、次の場面ですっかり片思いモード。親友相手に、幼馴染の話ばかりするようになっていて、恋愛ものでは肝心なはずの、だんだん相手に惹かれていく過程が、スパッとカットされている。
そこ省かれちゃうと、主人公に感情移入しようがないんですが…。
そして、再会したばかりの幼馴染に、「子供のころ、男に悪戯されたから、甘いものと大柄な男性が苦手」という、重たい告白。甘いものが苦手だって話せばいいだけで、子供の頃の事件まで話す必要あった?としか思えず。
…気を遣うタイプといいつつ、結構わがままで非常識な主人公には、魅力を感じなかった。
攻は「再会して好みのタイプに育っていたから、狙ってた」と、なんとも軽い告白。で、やっと気持ちを確かめ合った翌朝に、「ずっと一緒に」とか「結婚してとは言えない」とか、気が早すぎるというか…。ごめん、そのスピードについていけない。
軽いきっかけから始まって、一気に燃え上がる恋愛って、すぐに破局しそうなパターンだな、とか思っちゃった。
続編は、トラウマ克服の比重が大きすぎて、途中から恋愛ものを読んでる気がしなくなった。まあ…男ができた瞬間に男性恐怖症克服!という、無理のある本編へのフォローなんだろうけど、タイトルで美味しいケーキとかいっぱい出てくるんだろうなと期待していた私は、甘いもの食べて吐いたとか、吐き気をこらえて無理に甘いものを食べるとか、胸焼けしたとか、そんな描写のオンパレードは読みたくなかった…。
玄上八絹 幻冬舎 2013/11
『トイチの男』のスピンオフ。
ネタバレ
------------------------------------------
タイトルとイラストからいって趣味に合わない気がしてた。なんかやけに可愛い系というか。ぽや~ん、としたイメージで。
けど、これがなかなかの掘り出し物だった。
銀示はあちらに出てきたときとイメージ違ってた。『トイチの男』では、主人公の保護者ポジションで出てきたし、エキセントリックで少し捻くれてて、頼れる大人のキャラだった。
今回は美大時代の話で、素直で頼りない不思議ちゃん。BLにはわりと多い、美貌と才能はあるけど、常識と生活能力に欠けてるクリエイター。
でも、アホでうんざりする不思議ちゃんではなく、芸術家肌で興味深いタイプで、面白く読んだ。
前半はちょっとテンポが悪くて、主人公、トロいなあと思ったりもする。ただ、その分雰囲気がある。
じっくり銀示の生態(…)と生い立ちを描いてるし、絵に関する主人公(攻)の葛藤も重くならない程度に書かれていて読み応えがあった。
銀示の秘密も意外性があって、よかった。
もう少しだけ先まで読みたかったけど、咲いた花の色を明かさないのと同じことで、全部書くより粋だし、想像する楽しみはあるかもしれない。
『トイチの男』のスピンオフ。
ネタバレ
------------------------------------------
タイトルとイラストからいって趣味に合わない気がしてた。なんかやけに可愛い系というか。ぽや~ん、としたイメージで。
けど、これがなかなかの掘り出し物だった。
銀示はあちらに出てきたときとイメージ違ってた。『トイチの男』では、主人公の保護者ポジションで出てきたし、エキセントリックで少し捻くれてて、頼れる大人のキャラだった。
今回は美大時代の話で、素直で頼りない不思議ちゃん。BLにはわりと多い、美貌と才能はあるけど、常識と生活能力に欠けてるクリエイター。
でも、アホでうんざりする不思議ちゃんではなく、芸術家肌で興味深いタイプで、面白く読んだ。
前半はちょっとテンポが悪くて、主人公、トロいなあと思ったりもする。ただ、その分雰囲気がある。
じっくり銀示の生態(…)と生い立ちを描いてるし、絵に関する主人公(攻)の葛藤も重くならない程度に書かれていて読み応えがあった。
銀示の秘密も意外性があって、よかった。
もう少しだけ先まで読みたかったけど、咲いた花の色を明かさないのと同じことで、全部書くより粋だし、想像する楽しみはあるかもしれない。
カフェオレ・ランデブー
2014年2月5日 BL作家か行
栗城偲 メディアファクトリー 2014/01
コーヒー好きなので、表紙のコーヒーを見て買った。
ネタバレ
----------------------------------------------------------
最低な元カレに対して、受本人がガツンと言い返してくれたら、スッキリしただろうなあ…。相手が既婚者だって知らずに騙されてたのに、奥さんに殴られるのも、納得いかないというか。
攻も受もいい人なんだけど、どこか物足りない感じ。
攻が受を好きになった過程がよく分からなかった。一目ぼれ?
別に二人が惹かれあうのに、特別なきっかけとかはいらないんだけど、あまりにも簡単に両思いになってしまったせいか、もう?という感じで。
コーヒーは飲みに行きたくなったけど、格言は要らない……。もう少し気の利いた言葉を選んでれば、面白いかもしれないけど。
コーヒー好きなので、表紙のコーヒーを見て買った。
ネタバレ
----------------------------------------------------------
最低な元カレに対して、受本人がガツンと言い返してくれたら、スッキリしただろうなあ…。相手が既婚者だって知らずに騙されてたのに、奥さんに殴られるのも、納得いかないというか。
攻も受もいい人なんだけど、どこか物足りない感じ。
攻が受を好きになった過程がよく分からなかった。一目ぼれ?
別に二人が惹かれあうのに、特別なきっかけとかはいらないんだけど、あまりにも簡単に両思いになってしまったせいか、もう?という感じで。
コーヒーは飲みに行きたくなったけど、格言は要らない……。もう少し気の利いた言葉を選んでれば、面白いかもしれないけど。
先輩とは呼べないけれど
2013年12月30日 BL作家か行
可南さらさ 徳間書店 2013/10
主人公が保健所職員という珍しい設定の話。
ネタバレ
-------------------------------------------
クロさん、可愛い~。保健所に捨てられた高齢のラブラドールなんだけど、とってもお利口さん。もらわれていく場面がメチャクチャ切なかった。戻ってきてよかった。
…表紙買いだったんだけど、地味で面白かった。
派手な設定で景気よく進む話より、地味設定で飽きさせずに読ませる話のほうが難しいんです、という点を個人的にはプッシュしておきたい。
二人とも仕事に対して真面目で情熱があって、頭が下がる思い…。恋愛のほうも、不器用すぎて上手くいかなかった高校時代のエピソードも、大人になって再会してからの流れも共感しやすくて、いい話だった。
攻がなぜ外科医という(世間的に見れば)エリート職を捨てて、保健所の所長をやっているのか分かる続編がとくによかった。クロさんとの絆が確かめられるところが感動的。
いい攻だったが、クロさんのほうが素敵だ。
主人公が保健所職員という珍しい設定の話。
ネタバレ
-------------------------------------------
クロさん、可愛い~。保健所に捨てられた高齢のラブラドールなんだけど、とってもお利口さん。もらわれていく場面がメチャクチャ切なかった。戻ってきてよかった。
…表紙買いだったんだけど、地味で面白かった。
派手な設定で景気よく進む話より、地味設定で飽きさせずに読ませる話のほうが難しいんです、という点を個人的にはプッシュしておきたい。
二人とも仕事に対して真面目で情熱があって、頭が下がる思い…。恋愛のほうも、不器用すぎて上手くいかなかった高校時代のエピソードも、大人になって再会してからの流れも共感しやすくて、いい話だった。
攻がなぜ外科医という(世間的に見れば)エリート職を捨てて、保健所の所長をやっているのか分かる続編がとくによかった。クロさんとの絆が確かめられるところが感動的。
いい攻だったが、クロさんのほうが素敵だ。
楠田雅紀 二見書房 2009/04
作家買い。
タイトルからして、(好みに合うとは)まったく期待してなかったんだけど。
ネタバレ
--------------------------------------------
面白かった。
女装攻…とくに好きじゃないな~と読み始めたけど、仕事の話も二人の心情の変化も丁寧に描かれていて読み応えがあった。
最初は騙す形になってしまった攻も、素直になれずに相手を傷つけてしまった受も、きちんと反省して、逃げずに謝るところが男らしい。
こういうハイスペックな攻だと、どうしても受が引き立て役になりがちだけど、仕事で受が活躍するシーンがあるのもよかった。
女装姿に惚れた受が、男である攻を好きになっていく過程も分かりやすかった。
相手に押されてるときはウザくても、引かれちゃうと追いかけたくなるっていうのも、なんか分かるし。
作家買い。
タイトルからして、(好みに合うとは)まったく期待してなかったんだけど。
ネタバレ
--------------------------------------------
面白かった。
女装攻…とくに好きじゃないな~と読み始めたけど、仕事の話も二人の心情の変化も丁寧に描かれていて読み応えがあった。
最初は騙す形になってしまった攻も、素直になれずに相手を傷つけてしまった受も、きちんと反省して、逃げずに謝るところが男らしい。
こういうハイスペックな攻だと、どうしても受が引き立て役になりがちだけど、仕事で受が活躍するシーンがあるのもよかった。
女装姿に惚れた受が、男である攻を好きになっていく過程も分かりやすかった。
相手に押されてるときはウザくても、引かれちゃうと追いかけたくなるっていうのも、なんか分かるし。
千地イチ 竹書房 2013/03
初めて読む作家さん。
古本屋の新着コーナーで手に取ってスルーした。で、作者別のコーナーを見ているときもスルーした。
…で、何の関係もない棚に突っ込まれてるのを見つけて、なんとなくレジに持ってた。
ネタバレ
------------------------------------------
仕事描写とかキャラの描き方が上手くて感心した。一人称だけど文章も読みやすいし、しっかり世界観ができてるな~と思った。
ただ、最後までどうしても、受のすばるが好きになれなかった。高校のときに「股開いてレギュラー取った」って言われて傷ついたのに、大人になったら利用価値のある男を選んで寝てるのね…と思うと同情もできず。セクハラされて怖い思いしたのに、好きな相手のことは、縛るわ、殴るわ。なんなの、この人?
10年片思いしたとか言いながら、最初から命令口調だし。
店のスタッフの気持ちも無視して、心配かけて、後のフォローもなしですか。
…男としての魅力と色気が不足してる。
二戸島がすばるのどこに惹かれたのか、いまいち分かりづらかったのも原因かも。
逆に、すばるが好きだと思える人なら、よくできた作品なんじゃないかと。
これはもう好みの問題だから、私には合わなかったとしか言いようがない。
丁寧な仕事&成長描写に比べて、「受は前髪と眼鏡で美貌を隠してました」という話が安っぽいというか、安易というか、チグハグな印象だった。
同居してた先輩が、すばるの過去をバラすタイミングがご都合っぽいのも、気になったかなあ。
あと、二戸島はずっと銀座店で働くのかな?
自分の趣味と真逆の店で働くのはいい経験にはなるだろうけど、センスを要求される仕事なんだし、最終的には自分の趣味に合った店に行ったほうが才能を伸ばせそう。
もし、このまま働き続けるのなら、なんか残念な人だな。
初めて読む作家さん。
古本屋の新着コーナーで手に取ってスルーした。で、作者別のコーナーを見ているときもスルーした。
…で、何の関係もない棚に突っ込まれてるのを見つけて、なんとなくレジに持ってた。
ネタバレ
------------------------------------------
仕事描写とかキャラの描き方が上手くて感心した。一人称だけど文章も読みやすいし、しっかり世界観ができてるな~と思った。
ただ、最後までどうしても、受のすばるが好きになれなかった。高校のときに「股開いてレギュラー取った」って言われて傷ついたのに、大人になったら利用価値のある男を選んで寝てるのね…と思うと同情もできず。セクハラされて怖い思いしたのに、好きな相手のことは、縛るわ、殴るわ。なんなの、この人?
10年片思いしたとか言いながら、最初から命令口調だし。
店のスタッフの気持ちも無視して、心配かけて、後のフォローもなしですか。
…男としての魅力と色気が不足してる。
二戸島がすばるのどこに惹かれたのか、いまいち分かりづらかったのも原因かも。
逆に、すばるが好きだと思える人なら、よくできた作品なんじゃないかと。
これはもう好みの問題だから、私には合わなかったとしか言いようがない。
丁寧な仕事&成長描写に比べて、「受は前髪と眼鏡で美貌を隠してました」という話が安っぽいというか、安易というか、チグハグな印象だった。
同居してた先輩が、すばるの過去をバラすタイミングがご都合っぽいのも、気になったかなあ。
あと、二戸島はずっと銀座店で働くのかな?
自分の趣味と真逆の店で働くのはいい経験にはなるだろうけど、センスを要求される仕事なんだし、最終的には自分の趣味に合った店に行ったほうが才能を伸ばせそう。
もし、このまま働き続けるのなら、なんか残念な人だな。
俺サマ吸血鬼と同居中
2013年6月13日 BL作家か行
楠田雅紀 徳間書店 2013/04
吸血鬼ものが好きなので、古本屋で見かけて購入。
…シュリンクに失敗して、裏表紙に折れ目がついてた。
そっか、シュリンクって失敗できるものなんだ。初めて見ました。
ネタバレ
-------------------------------------------
最初は気弱すぎる啓太にイラッとしたけど、だんだん面白くなった。吸血鬼の魅力が分かってくると、無意味に言うことを聞いている感じがなくなるからかな。
後半の一途さもよかった。
アルノルトの口うるささは笑っちゃうけど、俺様らしい格好よさと優しさがあって、いい吸血鬼だった。
ちょっと意外性のある展開もよかったし、どうしようもなかった高田も最後は結構いい奴で、楽しく読めた。
それにしても。BLの吸血鬼ものってコメディタッチのものしか読んだことないなあ。
なんか…私の求める吸血鬼とずれてるというか。
たまにはガッツリとシリアスで退廃的で、ほのかにエロい吸血鬼が読みたいなあ。
『Interview with the Vampire』が好きだった…といえば、分かってもらえるかも。
吸血鬼ものが好きなので、古本屋で見かけて購入。
…シュリンクに失敗して、裏表紙に折れ目がついてた。
そっか、シュリンクって失敗できるものなんだ。初めて見ました。
ネタバレ
-------------------------------------------
最初は気弱すぎる啓太にイラッとしたけど、だんだん面白くなった。吸血鬼の魅力が分かってくると、無意味に言うことを聞いている感じがなくなるからかな。
後半の一途さもよかった。
アルノルトの口うるささは笑っちゃうけど、俺様らしい格好よさと優しさがあって、いい吸血鬼だった。
ちょっと意外性のある展開もよかったし、どうしようもなかった高田も最後は結構いい奴で、楽しく読めた。
それにしても。BLの吸血鬼ものってコメディタッチのものしか読んだことないなあ。
なんか…私の求める吸血鬼とずれてるというか。
たまにはガッツリとシリアスで退廃的で、ほのかにエロい吸血鬼が読みたいなあ。
『Interview with the Vampire』が好きだった…といえば、分かってもらえるかも。
神江真凪 二見書房 2012/11
スピンオフだった。
…知らずに読んでガッカリ。
ネタバレ
-----------------------------------------
うーん、前作カップルに当て馬やら元彼やら。スピンオフだからしかたがないとはいえ、ゲイばっかり。それがうるさい感じ。
べつに攻は嫌いなタイプじゃないんだけど、言動は納得できないものばかり。
元彼を一ヶ月泊めて、今彼には我慢させるって…こんな相手の気持ちをまったく考えない男のどこがいいのか。
しかも本人が嫌がってるのに、男同士で恋人の親に挨拶って、下手したら親子の縁が切れますが…。相手の人生をメチャクチャにするリスクを冒してまで自己満足したかったのか、三十過ぎてるのに浅慮なのか。どっちにしても最低の行動なのに、「しっかりした年上彼氏」のエピソードみたいに描かれているのが理解できない。
現実感がまったくない話だった。
主人公の律がいい子なのが救いだったかな。
イラストは…、文章とイメージが合わなくて、邪魔に感じた。
そもそも攻(表紙左)はガタイがいい設定なんですが。
でも、元彼と前作の攻キャラはイメージに合って、いいと思った。
スピンオフだった。
…知らずに読んでガッカリ。
ネタバレ
-----------------------------------------
うーん、前作カップルに当て馬やら元彼やら。スピンオフだからしかたがないとはいえ、ゲイばっかり。それがうるさい感じ。
べつに攻は嫌いなタイプじゃないんだけど、言動は納得できないものばかり。
元彼を一ヶ月泊めて、今彼には我慢させるって…こんな相手の気持ちをまったく考えない男のどこがいいのか。
しかも本人が嫌がってるのに、男同士で恋人の親に挨拶って、下手したら親子の縁が切れますが…。相手の人生をメチャクチャにするリスクを冒してまで自己満足したかったのか、三十過ぎてるのに浅慮なのか。どっちにしても最低の行動なのに、「しっかりした年上彼氏」のエピソードみたいに描かれているのが理解できない。
現実感がまったくない話だった。
主人公の律がいい子なのが救いだったかな。
イラストは…、文章とイメージが合わなくて、邪魔に感じた。
そもそも攻(表紙左)はガタイがいい設定なんですが。
でも、元彼と前作の攻キャラはイメージに合って、いいと思った。
冗談やめて、笑えない
2013年2月2日 BL作家か行
栗城偲 フランス書院 2011/06
どうも刺々しい感じのタイトルで読むまで気が重かったけど、中身はぼや~んとした感じだった。
ネタバレ
--------------------------------------------
目は開いてる?って人から嫌味を言われるほどなら、それは糸目では。不細工というなら、整っていないという特徴がある顔なのでは?
容姿の設定に矛盾が多いというか、なんで「可もなく不可もなく」にしないのか不思議だった。
どうでもいいことなんだけど、ものすご~く主人公の地味さと存在感のなさを強調しているから、あえて書く…。
凡庸=不細工というのは無理があるのでは。そこはイコールにならんでしょう、一般的には。
地味で貧乏性の主人公は結構好きだったけど、恋愛面での話の進み方が単調で。幼馴染が好き→でも、弟としか見られていない、というエピソードの繰り返しばかりで、他に話を進めていく要素(仕事とか)もないので、日常話が好きな私でも読みづらく感じた。
弟の話をもっと前面に出して家族ものにするか、もっと攻か当て馬に振り回されるとか、とにかく何かもう少し芯になるものが欲しかった。
派手設定の攻も、なんだか印象が薄い。主人公に対する恋心が後半まで無自覚なせいか、好きな気持ちが分かりづらいし。幼馴染というわりに、知らない部分が多くて遠い人という印象。
恋愛より弟や当て馬の話のほうが印象に残っただけに、当て馬の話題があそこで終わりというのも、中途半端な感じ。だって、主人公に告白してキスしたときに、いきなりライバル(攻)が現れて、主人公を掻っ攫っていっちゃったのに、なんでリアクション薄かったの?
普通なら、後日談を入れてフォローするんじゃないかなー。
攻の気持ちが分かりづらい上に、主人公はテンションが低くて、つまらなくはないんだけど、肝心の恋愛面がちょっと物足りなかった。
どうも刺々しい感じのタイトルで読むまで気が重かったけど、中身はぼや~んとした感じだった。
ネタバレ
--------------------------------------------
目は開いてる?って人から嫌味を言われるほどなら、それは糸目では。不細工というなら、整っていないという特徴がある顔なのでは?
容姿の設定に矛盾が多いというか、なんで「可もなく不可もなく」にしないのか不思議だった。
どうでもいいことなんだけど、ものすご~く主人公の地味さと存在感のなさを強調しているから、あえて書く…。
凡庸=不細工というのは無理があるのでは。そこはイコールにならんでしょう、一般的には。
地味で貧乏性の主人公は結構好きだったけど、恋愛面での話の進み方が単調で。幼馴染が好き→でも、弟としか見られていない、というエピソードの繰り返しばかりで、他に話を進めていく要素(仕事とか)もないので、日常話が好きな私でも読みづらく感じた。
弟の話をもっと前面に出して家族ものにするか、もっと攻か当て馬に振り回されるとか、とにかく何かもう少し芯になるものが欲しかった。
派手設定の攻も、なんだか印象が薄い。主人公に対する恋心が後半まで無自覚なせいか、好きな気持ちが分かりづらいし。幼馴染というわりに、知らない部分が多くて遠い人という印象。
恋愛より弟や当て馬の話のほうが印象に残っただけに、当て馬の話題があそこで終わりというのも、中途半端な感じ。だって、主人公に告白してキスしたときに、いきなりライバル(攻)が現れて、主人公を掻っ攫っていっちゃったのに、なんでリアクション薄かったの?
普通なら、後日談を入れてフォローするんじゃないかなー。
攻の気持ちが分かりづらい上に、主人公はテンションが低くて、つまらなくはないんだけど、肝心の恋愛面がちょっと物足りなかった。
風見香帆 プランタン出版 2011/03
初めて読む作家さん。
お借りしたから読んだけど、表紙に人物が三人ってだけで自分では手に取らないと思う。
ネタバレ
----------------------------------------------
うーん…、この表紙イラストはどうなんだろう。
内容を表しているとは思うんだけど、私のように誤解して敬遠する人も多いような。
記憶喪失もので表紙の両脇の二人は同一人物なんだけど、そもそも手にとってもらえなければ、裏表紙であらすじもチェックしないわけで。意外性やインパクトはあるかもしれないけど、これで読者が減るならもったいない気もする。
面白かった。
下僕攻(?)が事故で記憶喪失になり、本来の性格である傲慢、冷血タイプに豹変するという話。
同棲しているので、受は攻の態度に反感を持ちつつも、同居を続けて記憶が戻るように協力するのだが、結構ひどい目にあわされる。もともと、攻がしつこく口説いてきて付き合い始めたという経緯があるので、なんでここまでされても見捨てないのかな~と不思議になるぐらい。
そしてもっと不思議なのが、180度態度の変わった相手を同じように愛せるということ。…表面的には変わっても本質は同じというのが、この話の重要ポイントなんだけど、そんなものかなーと思ってしまう。共有してきた思い出も消え、性格も違っていたら、もう違う人なんじゃ?
これが血の繋がった家族なら、また話は違うと思うんだけど。人の本質ってなんだろうと考えてしまう。
続編では(お約束どおり)攻の記憶が戻って、記憶を失っていた間のことを忘れてしまう。振り回される受は大変だ…。よく切り替えられるなあと…。
今度は攻の視点なので、どうして下僕状態になるほど受を好きになったのか分かってくるし、二人がだんだん対等で、自然な関係になっていくところがよかった。
なかなか面白い話なんだけど、この設定だと私は記憶を失う前と失った後の攻がどうにも同じ人物だと思えなくて、片方が消えてしまったような、すっきりしない読後感になった。
初めて読む作家さん。
お借りしたから読んだけど、表紙に人物が三人ってだけで自分では手に取らないと思う。
ネタバレ
----------------------------------------------
うーん…、この表紙イラストはどうなんだろう。
内容を表しているとは思うんだけど、私のように誤解して敬遠する人も多いような。
記憶喪失もので表紙の両脇の二人は同一人物なんだけど、そもそも手にとってもらえなければ、裏表紙であらすじもチェックしないわけで。意外性やインパクトはあるかもしれないけど、これで読者が減るならもったいない気もする。
面白かった。
下僕攻(?)が事故で記憶喪失になり、本来の性格である傲慢、冷血タイプに豹変するという話。
同棲しているので、受は攻の態度に反感を持ちつつも、同居を続けて記憶が戻るように協力するのだが、結構ひどい目にあわされる。もともと、攻がしつこく口説いてきて付き合い始めたという経緯があるので、なんでここまでされても見捨てないのかな~と不思議になるぐらい。
そしてもっと不思議なのが、180度態度の変わった相手を同じように愛せるということ。…表面的には変わっても本質は同じというのが、この話の重要ポイントなんだけど、そんなものかなーと思ってしまう。共有してきた思い出も消え、性格も違っていたら、もう違う人なんじゃ?
これが血の繋がった家族なら、また話は違うと思うんだけど。人の本質ってなんだろうと考えてしまう。
続編では(お約束どおり)攻の記憶が戻って、記憶を失っていた間のことを忘れてしまう。振り回される受は大変だ…。よく切り替えられるなあと…。
今度は攻の視点なので、どうして下僕状態になるほど受を好きになったのか分かってくるし、二人がだんだん対等で、自然な関係になっていくところがよかった。
なかなか面白い話なんだけど、この設定だと私は記憶を失う前と失った後の攻がどうにも同じ人物だと思えなくて、片方が消えてしまったような、すっきりしない読後感になった。
しめきりはご飯のあとで
2012年12月2日 BL作家か行
高月まつり 海王社 2012/05
初めて読む作家さん。
ネタバレ
-----------------------------------------------
最近、漫画家×弁当屋を読んだばかりだったから、また似たような設定だなーとか思って読み始めたけど、とにかく惣菜が美味しそうで、お腹が空いた。あれもこれも食べたくなってしまった。お茶も美味しそう。
ただ、これは料理とお茶とお掃除の話って感じで、肝心の恋愛はなんとなくうまくいきました、という感じ。お互いに好意を持っているのが分かるから、流れとしては自然なんだけど、ちょっと盛り上がりに欠けたような。
二人の気持ちが通じ合う場面より、惣菜の試食会と宝探しのほうがクライマックスみたいだった。
宝探しは、これ必要?と思ってしまった。…別に遊びの部分というか、本筋に関係のない場面があってもいいんだけど、ストーリーから浮き上がっているというか、フィットしていない感じがして、退屈してしまった。
弟が可愛かったなあ。
初めて読む作家さん。
ネタバレ
-----------------------------------------------
最近、漫画家×弁当屋を読んだばかりだったから、また似たような設定だなーとか思って読み始めたけど、とにかく惣菜が美味しそうで、お腹が空いた。あれもこれも食べたくなってしまった。お茶も美味しそう。
ただ、これは料理とお茶とお掃除の話って感じで、肝心の恋愛はなんとなくうまくいきました、という感じ。お互いに好意を持っているのが分かるから、流れとしては自然なんだけど、ちょっと盛り上がりに欠けたような。
二人の気持ちが通じ合う場面より、惣菜の試食会と宝探しのほうがクライマックスみたいだった。
宝探しは、これ必要?と思ってしまった。…別に遊びの部分というか、本筋に関係のない場面があってもいいんだけど、ストーリーから浮き上がっているというか、フィットしていない感じがして、退屈してしまった。
弟が可愛かったなあ。
神江真凪 二見書房 2012/06
『青空の下で抱きしめたい』のスピンオフらしい。
雑誌掲載時に1回読んだだけだから、うっすらとしか覚えてない……。
ネタバレ
----------------------------------------
舞台は青森?
地名が書いてないから、はっきり分からないんだけど、私の脳内では勝手に青森に決定。出てくる観光地は弘前城、十和田湖と奥入瀬でいいでしょー、と。
1箇所だけ地名を特定できるヒントがあって(難しい)調べてみたらたぶん青森。
ちょっと得した気分。
…出てくるのは十和田湖ではなさそうだけど、近いのかなー?
いい話だった。
二人ともしんどい事情を抱えているけど、お互いに対して優しいから、話自体もやわらかく感じた。このやわらかさが、この作家さんの持ち味なのかな。
偶然出会って一目で恋をして…というロマンティックすぎる設定だけど、母親との問題を全部解決させないあたりで、上手くバランス取れていたような。
なんでもかんでも、まとめてハッピーにしちゃうのは嘘くさいしなあ。
じいちゃんが素敵だから、遠距離恋愛はしかたない!
三条の子供の話は泣けるー。悲しいけど、三条のことを忘れてしまったほうが子供は幸せだろうなあ…。けど、出発を1日延ばした譲の行動で、つらいことがあっても二人一緒なら大丈夫なんだろうって思えた。
『青空の下で抱きしめたい』のスピンオフらしい。
雑誌掲載時に1回読んだだけだから、うっすらとしか覚えてない……。
ネタバレ
----------------------------------------
舞台は青森?
地名が書いてないから、はっきり分からないんだけど、私の脳内では勝手に青森に決定。出てくる観光地は弘前城、十和田湖と奥入瀬でいいでしょー、と。
1箇所だけ地名を特定できるヒントがあって(難しい)調べてみたらたぶん青森。
ちょっと得した気分。
…出てくるのは十和田湖ではなさそうだけど、近いのかなー?
いい話だった。
二人ともしんどい事情を抱えているけど、お互いに対して優しいから、話自体もやわらかく感じた。このやわらかさが、この作家さんの持ち味なのかな。
偶然出会って一目で恋をして…というロマンティックすぎる設定だけど、母親との問題を全部解決させないあたりで、上手くバランス取れていたような。
なんでもかんでも、まとめてハッピーにしちゃうのは嘘くさいしなあ。
じいちゃんが素敵だから、遠距離恋愛はしかたない!
三条の子供の話は泣けるー。悲しいけど、三条のことを忘れてしまったほうが子供は幸せだろうなあ…。けど、出発を1日延ばした譲の行動で、つらいことがあっても二人一緒なら大丈夫なんだろうって思えた。
玄上八絹 幻冬舎コミックス 2009/09
感想というより、攻に対する小言。
…読んでる間中、ずーっと脳内でお説教してましたよ。
ちょっとそこに座りなさい。
ネタバレ
--------------------------------------------
母親が仕事で海外に行くために、1度も会ったことのない叔父(23歳)の家に預けられることになった18歳の子供が攻。
18歳が幼いことは知ってるけど、普通は世話する必要がない年齢のはず。
この攻はひどすぎ…。
初対面で敬語も使えない、会ったことない親戚にいきなり家族扱いを求める、居候なのに感謝の念もない。
…べつに卑屈になる必要はないけど、遠慮は必要なのよ。
家主に勝手に掃除するなと言われて怒るとか、ありえない。
…人の家のものは勝手に触っちゃいけません。同居していてもダメです。
とにかく相手に対して求めすぎだし、期待しすぎ。与えられることを当然と思っている、ある意味子供らしいといえる傲慢さがなんとも…。
だいたい年上に対して生意気って思うこと自体、意味が分からないから。
…生意気なのはお前だ、っていうツッコミ待ちのボケなの?
攻がいつも怒っているので、読んでいてひどく疲れた。読んでるこっちは何に対して腹を立てているのかも理解できない。
受が何も話してくれないといって怒るけど、…そもそも会ったばかりじゃない?
受の職場の同僚(大学時代からの友人)に、受がゲイなのを知ってる?と訊く場面では呆れた。
…ねえ、知らなかったらどうするつもりだったの? 本人が隠してる可能性の高いことを、職場の同僚にいきなりバラしてしまうのって、すごくない?
相手の都合を考えずに仕事場まで押しかけて、感情的に喚き散らすのもいけません。
とにかくね、ヒステリーを起こしちゃいけませんよ。行動する前に、まず迷惑がかからないかどうか、考えようね。
この態度で「子供扱いしないでよ」と言われてもなあ…。
可愛いというより、18歳にもなって駄々を捏ねるだけって情けないものがあるんだが。
まだいっぱい言いたいことはあるが、書くのに疲れてきた…。
受は攻のどこが好きなんだろう?
…攻に対してお説教していたので、受については思い切りスルーしてしまった。
まあでも、恋愛のためにピアノをやめるとか、そういうタイプは好きじゃないなあ。
感想というより、攻に対する小言。
…読んでる間中、ずーっと脳内でお説教してましたよ。
ちょっとそこに座りなさい。
ネタバレ
--------------------------------------------
母親が仕事で海外に行くために、1度も会ったことのない叔父(23歳)の家に預けられることになった18歳の子供が攻。
18歳が幼いことは知ってるけど、普通は世話する必要がない年齢のはず。
この攻はひどすぎ…。
初対面で敬語も使えない、会ったことない親戚にいきなり家族扱いを求める、居候なのに感謝の念もない。
…べつに卑屈になる必要はないけど、遠慮は必要なのよ。
家主に勝手に掃除するなと言われて怒るとか、ありえない。
…人の家のものは勝手に触っちゃいけません。同居していてもダメです。
とにかく相手に対して求めすぎだし、期待しすぎ。与えられることを当然と思っている、ある意味子供らしいといえる傲慢さがなんとも…。
だいたい年上に対して生意気って思うこと自体、意味が分からないから。
…生意気なのはお前だ、っていうツッコミ待ちのボケなの?
攻がいつも怒っているので、読んでいてひどく疲れた。読んでるこっちは何に対して腹を立てているのかも理解できない。
受が何も話してくれないといって怒るけど、…そもそも会ったばかりじゃない?
受の職場の同僚(大学時代からの友人)に、受がゲイなのを知ってる?と訊く場面では呆れた。
…ねえ、知らなかったらどうするつもりだったの? 本人が隠してる可能性の高いことを、職場の同僚にいきなりバラしてしまうのって、すごくない?
相手の都合を考えずに仕事場まで押しかけて、感情的に喚き散らすのもいけません。
とにかくね、ヒステリーを起こしちゃいけませんよ。行動する前に、まず迷惑がかからないかどうか、考えようね。
この態度で「子供扱いしないでよ」と言われてもなあ…。
可愛いというより、18歳にもなって駄々を捏ねるだけって情けないものがあるんだが。
まだいっぱい言いたいことはあるが、書くのに疲れてきた…。
受は攻のどこが好きなんだろう?
…攻に対してお説教していたので、受については思い切りスルーしてしまった。
まあでも、恋愛のためにピアノをやめるとか、そういうタイプは好きじゃないなあ。