幻冬舎コミックス 2015/12
あとがきに「1年後ぐらいに続きを出したい」と書いてあった。まあ出てないだろうな、と期待せずに調べたら、やっぱり出てなかった。
でも、今年中に出るといいなあ。(読むかどうかは別として)
ネタバレ
-----------------------------------------
篠口が好きだから面白く読んだ。
が…。
私がとくに苦手な拉致監禁強姦シーンが長い、長い。辛かった…。無理…と思いつつ、この監禁の仕方はどこかで見たことがあるような?とか思ったりも。苦手なのに、あらすじを確かめずに読むせいで、結構な頻度で監禁ものを引き当ててしまう。結果、わりと監禁もの経験値が高いというか。嬉しくない…。
本編はここで終わりかよ、ラブはどこにあるんだ!!と叫びそうになった(笑)
続編の短編は甘みたっぷりで、ちょっと癒されたけど、続きもこんな悲惨な事件ものだったら読むの辛いな。
プロファイリングを専門に学んでいる篠口が、ほとんど打つ手なしで捕まっているのが残念。もうちょっと何か逃げ出す算段をするとか、スキルを使って活躍するところが見たかった。黒澤もそれほど活躍してないような…。防犯カメラの映像を提供するだけっていうのが、リアルといえばリアル。けど、エンタメとしてつまらないよね…と。
事件シーンが長いわりに、ともに警察勤めの二人が活躍するわけでもなく、ラブが進展するでもなく。
これなら事件そのものはさらっと描いて、事件後の心のケアに重点(&ページ)を置いてほしかった。
篠口が気に入ってるから、たぶん続きも読むと思うけど、満足できるかどうか…。
あとがきに「1年後ぐらいに続きを出したい」と書いてあった。まあ出てないだろうな、と期待せずに調べたら、やっぱり出てなかった。
でも、今年中に出るといいなあ。(読むかどうかは別として)
ネタバレ
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篠口が好きだから面白く読んだ。
が…。
私がとくに苦手な拉致監禁強姦シーンが長い、長い。辛かった…。無理…と思いつつ、この監禁の仕方はどこかで見たことがあるような?とか思ったりも。苦手なのに、あらすじを確かめずに読むせいで、結構な頻度で監禁ものを引き当ててしまう。結果、わりと監禁もの経験値が高いというか。嬉しくない…。
本編はここで終わりかよ、ラブはどこにあるんだ!!と叫びそうになった(笑)
続編の短編は甘みたっぷりで、ちょっと癒されたけど、続きもこんな悲惨な事件ものだったら読むの辛いな。
プロファイリングを専門に学んでいる篠口が、ほとんど打つ手なしで捕まっているのが残念。もうちょっと何か逃げ出す算段をするとか、スキルを使って活躍するところが見たかった。黒澤もそれほど活躍してないような…。防犯カメラの映像を提供するだけっていうのが、リアルといえばリアル。けど、エンタメとしてつまらないよね…と。
事件シーンが長いわりに、ともに警察勤めの二人が活躍するわけでもなく、ラブが進展するでもなく。
これなら事件そのものはさらっと描いて、事件後の心のケアに重点(&ページ)を置いてほしかった。
篠口が気に入ってるから、たぶん続きも読むと思うけど、満足できるかどうか…。
幻冬舎 2016/03/18
ずいぶん前に読んだけど、記録つけるのを忘れてた。
ソフトカバーで高かったのに、趣味に合わなくてガッカリ、というのが主な感想か…。
この作品、本筋よりも「7時半に家を出る(出勤する)のが辛いから前泊したい」というキャラが出てくるのが妙に印象に残っている。大多数の勤め人は8時前後に家を出るんだよ!! 週に1回だけ7時半に家を出る(しかも18時に閉店の店)のが辛いから前泊って…ありえないだろ!!と脳内で激しくツッコミ入れたことを、ついさっき思い出した。
毎日6時半、早いときは5時半に家を出るときもあるけど、電車混んでるよ~?
ずいぶん前に読んだけど、記録つけるのを忘れてた。
ソフトカバーで高かったのに、趣味に合わなくてガッカリ、というのが主な感想か…。
この作品、本筋よりも「7時半に家を出る(出勤する)のが辛いから前泊したい」というキャラが出てくるのが妙に印象に残っている。大多数の勤め人は8時前後に家を出るんだよ!! 週に1回だけ7時半に家を出る(しかも18時に閉店の店)のが辛いから前泊って…ありえないだろ!!と脳内で激しくツッコミ入れたことを、ついさっき思い出した。
毎日6時半、早いときは5時半に家を出るときもあるけど、電車混んでるよ~?
幻冬舎 2014/12
すごいタイトルだな~。
ネタバレ
-----------------------------------------
読みやすいことは読みやすいし、最初のほうは面白かったんだけど…。
最初は反発していたわりに、簡単に両想いになってしまったので物足りなかった。
でも、書評サイトで「ライトゆえに、かわいさんのくどい描写が気にならない」という感想を見かけて、妙に納得した……。
豪華客船が舞台の冒頭辺りは、とくに派手な描写が多くて、「形容詞の並び順がおかしいから、文章そのものが読みづらい」っていう、いつものかわいさんだった。
「この形容詞はどこにかかるでしょう?」って問題出したら、受験生泣かせのひっかけ問題になると思う…。
攻はなんのために泥棒やってるのか、最後まで分からない。十億円以上する仏像をポンとプレゼントしちゃうほど受に惚れた理由もイマイチ分からないし。縛って自宅まで連れ帰って、強引に関係を持った後で、口説き始めるのも変だし。
後半は泥棒という設定がほとんど活かされてなかった。攻が助けにくる場面も、ここまで軽いノリの泥棒ものだったのに、急にクスリ漬にして…とか妙に重たい理由で諌められるのが、どうにもバランスが悪かった。
攻=プロの泥棒、受=素人っていうのも、なんだかなあ。
受は疑いも晴れて博物館の仕事に戻るのかと思ったら、アルバイトで始めた病院の事務を続けるって…。事務仕事にやりがいを見出したとかならいいんだけど、なりゆきって感じだから、小説としてはつまらない終わり方だった。
妙に素直になってしまって、キャラも変わってしまったし。
こういう対等じゃない関係って好きじゃないせいもあって、いろいろと消化不良。
すごいタイトルだな~。
ネタバレ
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読みやすいことは読みやすいし、最初のほうは面白かったんだけど…。
最初は反発していたわりに、簡単に両想いになってしまったので物足りなかった。
でも、書評サイトで「ライトゆえに、かわいさんのくどい描写が気にならない」という感想を見かけて、妙に納得した……。
豪華客船が舞台の冒頭辺りは、とくに派手な描写が多くて、「形容詞の並び順がおかしいから、文章そのものが読みづらい」っていう、いつものかわいさんだった。
「この形容詞はどこにかかるでしょう?」って問題出したら、受験生泣かせのひっかけ問題になると思う…。
攻はなんのために泥棒やってるのか、最後まで分からない。十億円以上する仏像をポンとプレゼントしちゃうほど受に惚れた理由もイマイチ分からないし。縛って自宅まで連れ帰って、強引に関係を持った後で、口説き始めるのも変だし。
後半は泥棒という設定がほとんど活かされてなかった。攻が助けにくる場面も、ここまで軽いノリの泥棒ものだったのに、急にクスリ漬にして…とか妙に重たい理由で諌められるのが、どうにもバランスが悪かった。
攻=プロの泥棒、受=素人っていうのも、なんだかなあ。
受は疑いも晴れて博物館の仕事に戻るのかと思ったら、アルバイトで始めた病院の事務を続けるって…。事務仕事にやりがいを見出したとかならいいんだけど、なりゆきって感じだから、小説としてはつまらない終わり方だった。
妙に素直になってしまって、キャラも変わってしまったし。
こういう対等じゃない関係って好きじゃないせいもあって、いろいろと消化不良。
大洋図書 2014/11
新書は高いから買いたくなかったんだけど、古本と新品の値段がほとんど変わらないのも新書の特徴で…。
イラスト、草間さんだし!と買ってしまった。(ケチ日記)
ネタバレ
----------------------------------------
キャラが好みのタイプだったから、楽しく読めた。
クラゲというか、草食系ってやつ? でも、中途半端なアプローチが、かえって罠になってるのかな(笑)
恋愛面ではちょっと頼りない年下くんだけど、仕事は一生懸命で、きっちり結果も出すところが格好いい。
受の朧谷はしっとり&しっかりな年上で、恋愛面もリードしてるけど、クラゲくんに手を焼いてる?ところも楽しかった。
それにしても、草間さんのイラストが素敵!
新書は高いから買いたくなかったんだけど、古本と新品の値段がほとんど変わらないのも新書の特徴で…。
イラスト、草間さんだし!と買ってしまった。(ケチ日記)
ネタバレ
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キャラが好みのタイプだったから、楽しく読めた。
クラゲというか、草食系ってやつ? でも、中途半端なアプローチが、かえって罠になってるのかな(笑)
恋愛面ではちょっと頼りない年下くんだけど、仕事は一生懸命で、きっちり結果も出すところが格好いい。
受の朧谷はしっとり&しっかりな年上で、恋愛面もリードしてるけど、クラゲくんに手を焼いてる?ところも楽しかった。
それにしても、草間さんのイラストが素敵!
Calling (花丸文庫BLACK)
2014年11月1日 かわい有美子
白泉社 2014/10
BLACKか~。値段が高くて嫌だなあ…と思いつつ、円陣さんの表紙につられて購入。
ネタバレ
-----------------------------------------
微妙。
BLACKの薄さでSFやるのは、ちょっと辛いというか。
たぶん、設定の説明を読者がなんとなくでも理解できるのは、別のSF作品やアニメで下地を作っているからだと思う。
サイバー空間で人目を忍んで?デートするカップル。面白かったけど、SF部分の説明が長いわりに、怜のすごさがイマイチ分からなくて、主人公が活躍してる!って感じが薄かった。
薬の影響でずっとぼんやりしているせいか、感情移入もしづらいし。
あと、発売時期が近いせいか、どうしても『東方美人』とラストが被っているように感じてしまった。ロシア人と日本人のカップルがイギリスに亡命ってだけで、もうモロに。
でも、イギリスでの生活、甘々でいいな~。
BLACKか~。値段が高くて嫌だなあ…と思いつつ、円陣さんの表紙につられて購入。
ネタバレ
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微妙。
BLACKの薄さでSFやるのは、ちょっと辛いというか。
たぶん、設定の説明を読者がなんとなくでも理解できるのは、別のSF作品やアニメで下地を作っているからだと思う。
サイバー空間で人目を忍んで?デートするカップル。面白かったけど、SF部分の説明が長いわりに、怜のすごさがイマイチ分からなくて、主人公が活躍してる!って感じが薄かった。
薬の影響でずっとぼんやりしているせいか、感情移入もしづらいし。
あと、発売時期が近いせいか、どうしても『東方美人』とラストが被っているように感じてしまった。ロシア人と日本人のカップルがイギリスに亡命ってだけで、もうモロに。
でも、イギリスでの生活、甘々でいいな~。
幻冬舎 2014/07
イラストが趣味に合わないから、迷いつつ購入。
ネタバレ
-----------------------------------------
イラストはやっぱり、なんだかなあという感じ。かわい作品の雰囲気に合わないというか…。
とくに攻。本文から受ける雰囲気とまるで違うし、大学生にも見えない…。
罰ゲームでの告白という、わりとよくある設定だったけど、面白かった。デートや旅行で仲良くなっていく過程が甘くていい。
受が元子役なのも話に合ってたし、だから朗読が上手いというのも納得。代表作のドラマを見てみたくなった。
わりと盛り沢山でテンポもよくて、するすると読みやすい。
攻のチャラさは苦手に感じたけど、優しいところもあるし、心を入れ替えて真面目になってからのギャップがよかった。攻が謝ってすぐに許されたら納得できなかったと思うけど、時間をかけて信用を取り戻していくという終わり方もよかった。
ものすごく面白いというわけでもないけど、また時間がたったら読み直したい感じ。
久しぶりにスカボロー・フェアが聴きたくなった。
イラストが趣味に合わないから、迷いつつ購入。
ネタバレ
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イラストはやっぱり、なんだかなあという感じ。かわい作品の雰囲気に合わないというか…。
とくに攻。本文から受ける雰囲気とまるで違うし、大学生にも見えない…。
罰ゲームでの告白という、わりとよくある設定だったけど、面白かった。デートや旅行で仲良くなっていく過程が甘くていい。
受が元子役なのも話に合ってたし、だから朗読が上手いというのも納得。代表作のドラマを見てみたくなった。
わりと盛り沢山でテンポもよくて、するすると読みやすい。
攻のチャラさは苦手に感じたけど、優しいところもあるし、心を入れ替えて真面目になってからのギャップがよかった。攻が謝ってすぐに許されたら納得できなかったと思うけど、時間をかけて信用を取り戻していくという終わり方もよかった。
ものすごく面白いというわけでもないけど、また時間がたったら読み直したい感じ。
久しぶりにスカボロー・フェアが聴きたくなった。
蒼竜社 2014/05
こちらはイラスト買い。
ちょっと等身が長すぎる気がしたけど、やっぱりきれいだな~と。
ネタバレ
--------------------------------------
「尻軽な受が、寡黙な攻を誘惑して…」という話のようでいて、実は「気のない男にアプローチを続ける片思い」の話だった。
切なくはないけど、無自覚に一生懸命というか。
攻の吉澤の気持ちが読者にも分からないだけに、受がちょっと優しくされると「やっぱり脈がある?」と思ってしまったり。片思いの雰囲気がしっかり味わえる1冊だった。
「片思い感覚」が強いのは、攻の気持ちがほとんど描かれないせいもある。好きでもないのに、なんで何度も食事に誘ってくるのか。逆に、好きだと自覚したはずなのに、なんで1か月も連絡してこないのか。読み終わってみても、攻の行動はさっぱり理解できない。
両思いになるラストでも「あ、好きだったんだ?」と確認したくなるような感じ。
攻視点の話がなければ、かなり物足りなかったかもしれない。
相変わらず(?)構成は読みづらい。料理やお菓子、飲み物の描写が詳しくて、読んでいて楽しいのだが、恋愛のほうはダラダラとした展開が続く。主人公が刺されるという大きな事件が起こるのに、それがきっかけで恋愛が発展するわけでもないという…。むしろ一歩後退というか。
最近のかわい作品はディテール重視のことが多いような。話のリズムが悪いから、読みづらく感じる読者も多そう。
私は雰囲気やディテール重視の日常系作品が好きだから、結構好きだけど。
それにしても、出てくる食べ物が本当に美味しそう!
2人が将来持つ予定の、美味しい和食とコーヒーが楽しめる店、かなり行ってみたい。
こちらはイラスト買い。
ちょっと等身が長すぎる気がしたけど、やっぱりきれいだな~と。
ネタバレ
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「尻軽な受が、寡黙な攻を誘惑して…」という話のようでいて、実は「気のない男にアプローチを続ける片思い」の話だった。
切なくはないけど、無自覚に一生懸命というか。
攻の吉澤の気持ちが読者にも分からないだけに、受がちょっと優しくされると「やっぱり脈がある?」と思ってしまったり。片思いの雰囲気がしっかり味わえる1冊だった。
「片思い感覚」が強いのは、攻の気持ちがほとんど描かれないせいもある。好きでもないのに、なんで何度も食事に誘ってくるのか。逆に、好きだと自覚したはずなのに、なんで1か月も連絡してこないのか。読み終わってみても、攻の行動はさっぱり理解できない。
両思いになるラストでも「あ、好きだったんだ?」と確認したくなるような感じ。
攻視点の話がなければ、かなり物足りなかったかもしれない。
相変わらず(?)構成は読みづらい。料理やお菓子、飲み物の描写が詳しくて、読んでいて楽しいのだが、恋愛のほうはダラダラとした展開が続く。主人公が刺されるという大きな事件が起こるのに、それがきっかけで恋愛が発展するわけでもないという…。むしろ一歩後退というか。
最近のかわい作品はディテール重視のことが多いような。話のリズムが悪いから、読みづらく感じる読者も多そう。
私は雰囲気やディテール重視の日常系作品が好きだから、結構好きだけど。
それにしても、出てくる食べ物が本当に美味しそう!
2人が将来持つ予定の、美味しい和食とコーヒーが楽しめる店、かなり行ってみたい。
恋は異なもの味なもの
2014年6月17日 かわい有美子
リブレ出版 2014/01
かわい作品は読んでみるまで(自分にとっての)当たり外れが分からない。
でも、最近は当たりが多かったから、結構期待して読んだ。
ネタバレ
-----------------------------------------
趣味に合わなかった…。
まず、キャラが好みじゃなかった…。チャラい攻はともかく、爽やかそうに見えて腹の中では…という受が好きじゃないので。
これはもう、本当に趣味の問題だけど。
あと、コメディとしては面白くなかった。チャラい攻が口説いても、相手に全然通じない、というのが笑いのポイントなのかなあ?
よく分からないけど、私の感覚には合わないみたい。
ストーリーは、なんかグダグダ進むなあというのが正直な感想。
グダグダなりに楽しく読んでいたんだけど、柏葉が丹羽の告白にOK出す展開が唐突過ぎた。
柏葉が丹羽に惹かれたのは、病院の一件からなんだろうと分かるんだけど、何の前振りもなく、いきなりOKって感じで。なんだか何の盛り上がりもないままベッドに…。
それまで面白く読んでいただけに、かなりガックリきた。
で、翌朝すぐに柏葉が「合コン行くな」っていうのも、なんだかなあ…。
言ってることは当たり前のことなんだけど、このタイミングで言うこと? ムードも何もあったものじゃないな~と。甘いムードで言うならともかく、命令なので。
…爽やかキャラが好きな私は、柏葉が強かで計算高いタイプになってしまったのが残念。
丹羽と後輩くんの会話は楽しかった。
かわい作品は読んでみるまで(自分にとっての)当たり外れが分からない。
でも、最近は当たりが多かったから、結構期待して読んだ。
ネタバレ
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趣味に合わなかった…。
まず、キャラが好みじゃなかった…。チャラい攻はともかく、爽やかそうに見えて腹の中では…という受が好きじゃないので。
これはもう、本当に趣味の問題だけど。
あと、コメディとしては面白くなかった。チャラい攻が口説いても、相手に全然通じない、というのが笑いのポイントなのかなあ?
よく分からないけど、私の感覚には合わないみたい。
ストーリーは、なんかグダグダ進むなあというのが正直な感想。
グダグダなりに楽しく読んでいたんだけど、柏葉が丹羽の告白にOK出す展開が唐突過ぎた。
柏葉が丹羽に惹かれたのは、病院の一件からなんだろうと分かるんだけど、何の前振りもなく、いきなりOKって感じで。なんだか何の盛り上がりもないままベッドに…。
それまで面白く読んでいただけに、かなりガックリきた。
で、翌朝すぐに柏葉が「合コン行くな」っていうのも、なんだかなあ…。
言ってることは当たり前のことなんだけど、このタイミングで言うこと? ムードも何もあったものじゃないな~と。甘いムードで言うならともかく、命令なので。
…爽やかキャラが好きな私は、柏葉が強かで計算高いタイプになってしまったのが残念。
丹羽と後輩くんの会話は楽しかった。
幻冬舎 2014/03
高峰さんのイラスト、ちょっと感じが変わったような。
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった。
傲慢系のキャラは好きじゃないから、オオカミさんがマイペースに見えて、意外に気遣いのあるキャラなのがよかった。
仕事ができてモテる攻が、恋愛に一生懸命なのが素敵。
逆に、高岸が酔って流されるのは引っかかった。真面目が取り柄なのに…。酒を飲んで、だらしないのって、どうもなあ。
それに、いくら酔ってても、ノンケの男が簡単に男と関係してしまうのも、FTだよなあと思ってしまった。
相変わらず、本筋以外の部分がくどい。たぶん文章の半分ぐらいカットしても話の進行に支障がないと思うけど、日常系の話が好きな私としては、ちょうどいいテンポだった。
会話でやり合うような話って、知的な感じでいいなあと。弁護士の話だし。
ただ、これは読む側のテンションを選ぶかも。私はジェットコースター展開を読みたくない気分だったからよかったけど、冗長に感じる読者も多いはず。
あと、少し面倒くさいことを書けば、せっかく会話が多いのに、受が鈍いから、会話が恋愛の駆け引きになっていないあたりもマイナス。
攻がマメに口説いて、鈍い受も少しずつ絆されてきて、あともうちょっとって流れのときに、いきなり酔った勢い「だけ」で関係が進展って…。流れを断ち切ってしまって、逆に盛り下がってしまったような。
全体にバランスが悪いのかも。
佐々木検事は個性的でいいキャラだったけど、少し目立ち過ぎた気もする。魅力的なキャラだったから、スピンオフはドロドロじゃなければ読みたい…。ドロドロは読むほうも疲れるし、どんなに最後が感動的でも、あまりいい印象が残らないから。
高峰さんのイラスト、ちょっと感じが変わったような。
ネタバレ
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面白かった。
傲慢系のキャラは好きじゃないから、オオカミさんがマイペースに見えて、意外に気遣いのあるキャラなのがよかった。
仕事ができてモテる攻が、恋愛に一生懸命なのが素敵。
逆に、高岸が酔って流されるのは引っかかった。真面目が取り柄なのに…。酒を飲んで、だらしないのって、どうもなあ。
それに、いくら酔ってても、ノンケの男が簡単に男と関係してしまうのも、FTだよなあと思ってしまった。
相変わらず、本筋以外の部分がくどい。たぶん文章の半分ぐらいカットしても話の進行に支障がないと思うけど、日常系の話が好きな私としては、ちょうどいいテンポだった。
会話でやり合うような話って、知的な感じでいいなあと。弁護士の話だし。
ただ、これは読む側のテンションを選ぶかも。私はジェットコースター展開を読みたくない気分だったからよかったけど、冗長に感じる読者も多いはず。
あと、少し面倒くさいことを書けば、せっかく会話が多いのに、受が鈍いから、会話が恋愛の駆け引きになっていないあたりもマイナス。
攻がマメに口説いて、鈍い受も少しずつ絆されてきて、あともうちょっとって流れのときに、いきなり酔った勢い「だけ」で関係が進展って…。流れを断ち切ってしまって、逆に盛り下がってしまったような。
全体にバランスが悪いのかも。
佐々木検事は個性的でいいキャラだったけど、少し目立ち過ぎた気もする。魅力的なキャラだったから、スピンオフはドロドロじゃなければ読みたい…。ドロドロは読むほうも疲れるし、どんなに最後が感動的でも、あまりいい印象が残らないから。
東方美人2 千年王国
2014年3月1日 かわい有美子
幻冬舎 2014/02
ついに完結……。ここまで(待ち時間が)長かった。
ネタバレ
-----------------------------------------
旧版は暗くて救いのないところでストップしてしまい、これ本当にハッピーエンドになるのかな?と不安だった。…死亡フラグも立ってたし。
もともとテーマが重すぎて読みづらい話でもある。
というわけで、アンハッピーでも構わない、という覚悟で読み始めた。
個人的に好意を持ってしまった人を殺せという、アレクセイへの残酷な指令に対し、サエキが裏で庇うところがよかった。「まだ」人を殺したことはなかったサエキは、アレクセイの代わりに重たい罪を引き受けたわけだけど、それでアレクセイが救われたわけでもなく…。
抹殺の対象がいい人なので、この辺は読んでて辛かった。
ソ連崩壊に向けて、サエキはどんな活動をしていくのだろうと思っていたら、話はいきなりアフガニスタンへ。そういえば伏線はあった…。
暗く淀んでいたベルリンの生活から、今度は戦地へ。現地の過酷さが描かれるので、何かあるだろうとは思っていたけど、アレクセイが行方不明に…。
ここで、アフガンでサエキがスパイとして掟破りな最後の手段を使ってしまうところや、イギリス政府に助けを求めるのは、まさに命懸けの戦いで読み応えがあった。
自分一人だけのためには(アルファが裏で多少は手を回してくれるにしても)ソ連を裏切る勇気は出なかったけど、恋人のためなら即決…というのも泣かせる。
設定が設定だけに、二人はベルリンの壁崩壊をどんな風に迎えるのか心配だったけど、まさかこんなに穏やかだとは思わなかった。ソ連が崩壊しても完全に自由になったわけでもないし、アレクセイが家族と会えるのは何年後か分からない。
でも、よかったな、と思えるラストだった。
日本で桜も見られてよかった。いつかダーチャに行く話も読みたい。
待ったかいがあって、大満足。これだけ骨太の設定のBLってなかなか読めない。
ついに完結……。ここまで(待ち時間が)長かった。
ネタバレ
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旧版は暗くて救いのないところでストップしてしまい、これ本当にハッピーエンドになるのかな?と不安だった。…死亡フラグも立ってたし。
もともとテーマが重すぎて読みづらい話でもある。
というわけで、アンハッピーでも構わない、という覚悟で読み始めた。
個人的に好意を持ってしまった人を殺せという、アレクセイへの残酷な指令に対し、サエキが裏で庇うところがよかった。「まだ」人を殺したことはなかったサエキは、アレクセイの代わりに重たい罪を引き受けたわけだけど、それでアレクセイが救われたわけでもなく…。
抹殺の対象がいい人なので、この辺は読んでて辛かった。
ソ連崩壊に向けて、サエキはどんな活動をしていくのだろうと思っていたら、話はいきなりアフガニスタンへ。そういえば伏線はあった…。
暗く淀んでいたベルリンの生活から、今度は戦地へ。現地の過酷さが描かれるので、何かあるだろうとは思っていたけど、アレクセイが行方不明に…。
ここで、アフガンでサエキがスパイとして掟破りな最後の手段を使ってしまうところや、イギリス政府に助けを求めるのは、まさに命懸けの戦いで読み応えがあった。
自分一人だけのためには(アルファが裏で多少は手を回してくれるにしても)ソ連を裏切る勇気は出なかったけど、恋人のためなら即決…というのも泣かせる。
設定が設定だけに、二人はベルリンの壁崩壊をどんな風に迎えるのか心配だったけど、まさかこんなに穏やかだとは思わなかった。ソ連が崩壊しても完全に自由になったわけでもないし、アレクセイが家族と会えるのは何年後か分からない。
でも、よかったな、と思えるラストだった。
日本で桜も見られてよかった。いつかダーチャに行く話も読みたい。
待ったかいがあって、大満足。これだけ骨太の設定のBLってなかなか読めない。
東方美人(オリエンタル・ビューティー)
2014年2月14日 かわい有美子
幻冬舎 2014/01
他社で刊行していた本の再販。
未完で止まってたんだけど、今度は終わるそうで楽しみ。
ネタバレ
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二重に懐かしく再読。
この小説が懐かしいのと、東西冷戦という時代への郷愁みたいなものと。
時代の空気がしっかり描かれてて、読み応え十分。硬い文章で描写がくどく感じる時もあるけど、その取っ付きづらさが国に雁字搦めにされた二人の息苦しさを伝えてる気がする。
とにかくキャラが魅力的。アレクセイが謎めいて気まぐれに見えるサエキに惹かれていく気持ちがよく分かるし、サエキがアレクセイの優しさに癒されるのも納得。
とくにアレクセイは、すごいなあと思う。BLの攻ではというより、小説の主人公として珍しいタイプ。何をやらせてもものすごく優秀で、背が高くて顔もいい。でも、性格は人当たりがよくて控えめで善良。有能と善良を兼ね備えているキャラクターって意外と珍しい気がする。「お人好しで損をする」とか、「実は腹黒い」とか、「大型ワンコ系」とか、性格のいいキャラにはなにかとオプションがつきやすいものだと思うけど、ストレートに捻りもなく、いい人でいい男っていう設定。
かわい作品のいい人攻は格好いいから好きだ。
ソフィアも素敵。気が強いけど、出しゃばらないキャラというか。
時代背景もそうだし、職業はスパイだし、先行きが心配な二人だけど、なんとか幸せになってほしい。
東西冷戦は遠くなったけど、いまだにロシアは遠い国だと五輪を見ていて思う…。
他社で刊行していた本の再販。
未完で止まってたんだけど、今度は終わるそうで楽しみ。
ネタバレ
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二重に懐かしく再読。
この小説が懐かしいのと、東西冷戦という時代への郷愁みたいなものと。
時代の空気がしっかり描かれてて、読み応え十分。硬い文章で描写がくどく感じる時もあるけど、その取っ付きづらさが国に雁字搦めにされた二人の息苦しさを伝えてる気がする。
とにかくキャラが魅力的。アレクセイが謎めいて気まぐれに見えるサエキに惹かれていく気持ちがよく分かるし、サエキがアレクセイの優しさに癒されるのも納得。
とくにアレクセイは、すごいなあと思う。BLの攻ではというより、小説の主人公として珍しいタイプ。何をやらせてもものすごく優秀で、背が高くて顔もいい。でも、性格は人当たりがよくて控えめで善良。有能と善良を兼ね備えているキャラクターって意外と珍しい気がする。「お人好しで損をする」とか、「実は腹黒い」とか、「大型ワンコ系」とか、性格のいいキャラにはなにかとオプションがつきやすいものだと思うけど、ストレートに捻りもなく、いい人でいい男っていう設定。
かわい作品のいい人攻は格好いいから好きだ。
ソフィアも素敵。気が強いけど、出しゃばらないキャラというか。
時代背景もそうだし、職業はスパイだし、先行きが心配な二人だけど、なんとか幸せになってほしい。
東西冷戦は遠くなったけど、いまだにロシアは遠い国だと五輪を見ていて思う…。
ルーデンドルフ公と森の獣
2014年2月8日 かわい有美子
大洋図書 2013/12
まあこういう作風は好みが分かれるよね、という感想。
ネタバレ
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面白かった。
人狼が出てくる話ということで、ガッツリとファンタジーなのかと思えば、ファンタジーの皮をかぶった日常ドリーム系という感じ?
ドラマ性よりディテールを楽しみたい人向けという感じかな。森の中の古い洋館、お茶や食事の描写を楽しめないと、ファンタジー設定なのに、なんか地味…で終わりそう。
ストーリー自体はあんまり起伏がないから最初は取っ付きづらく感じたけど、起伏がないからこそ、主人公と一緒に甘~い生活をのんびり楽しむ余裕があったんだと思う。ストーリーを追わずに(先を急がずに)、浸ってられるというか。
美貌と才能とお金を持ってて、ちょっとナイーブな男にひたすら甘やかされる生活って、すごいドリーム(笑)
…まあ、地味でつまらないと思う人も多いんじゃないかと。私はこういう作品はすごく好みで、再読が楽しみなぐらいなんだけど。
キャラも藤森は適度に軽くて、ユリアンが重ためだから、バランスが良かった。
…でも、隣に寝てた恋人が狼になってたら、もう少し驚いてもいいんじゃない?(笑)
狼、撫でたくなるなあ。
猫又さんたちともうちょっと交流があったほうが面白かったと思う。
まあこういう作風は好みが分かれるよね、という感想。
ネタバレ
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面白かった。
人狼が出てくる話ということで、ガッツリとファンタジーなのかと思えば、ファンタジーの皮をかぶった日常ドリーム系という感じ?
ドラマ性よりディテールを楽しみたい人向けという感じかな。森の中の古い洋館、お茶や食事の描写を楽しめないと、ファンタジー設定なのに、なんか地味…で終わりそう。
ストーリー自体はあんまり起伏がないから最初は取っ付きづらく感じたけど、起伏がないからこそ、主人公と一緒に甘~い生活をのんびり楽しむ余裕があったんだと思う。ストーリーを追わずに(先を急がずに)、浸ってられるというか。
美貌と才能とお金を持ってて、ちょっとナイーブな男にひたすら甘やかされる生活って、すごいドリーム(笑)
…まあ、地味でつまらないと思う人も多いんじゃないかと。私はこういう作品はすごく好みで、再読が楽しみなぐらいなんだけど。
キャラも藤森は適度に軽くて、ユリアンが重ためだから、バランスが良かった。
…でも、隣に寝てた恋人が狼になってたら、もう少し驚いてもいいんじゃない?(笑)
狼、撫でたくなるなあ。
猫又さんたちともうちょっと交流があったほうが面白かったと思う。
幻冬舎 2012/05
表紙もいいな~。
ネタバレ
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大満足。
神宮司は不器用だな~。実家に誘ったことを考えなしだったと何度も謝っているけど、そういう腫れ物扱いこそが無神経な行為になりうるのに…。この場面は遠藤の視点で語られるんだけど、地の文を字面どおりに読むと、真面目な神宮寺が必要以上に気にしているだけみたいに思えてしまう。でも、謝られた遠藤は辛いという自覚もないまま、深く考えないようにしているところが切ない。神宮寺に、もう放っておいてあげてよ、と言いたくなった。
とはいえ、その不器用な労わりが、遠藤を救ったんだろうと思う。本人に痛みの自覚がなくても、神宮司が心配することによって、痛みは和らいでいるというか。
「甘い水」の話を引き出したのも、神宮司の心配が伝わったからだろうし。もしものときは止めを刺してくれと言われた遠藤は一時的に傷ついたというか、混乱しただろうけど、神宮寺が重たすぎる話題から逃げずに向き合ったことが、遠藤の心に響いたんじゃないだろうか。いい場面だった。
立てこもり事件で、業者の振りをして犯人側に食料を差し入れる役に遠藤が選ばれる場面で、自分が選ばれたことを誇りに思うという台詞に感動した。能力的に適任ということもあるけど、遠藤には血縁者がいないからという理由も大きいと、本人が自覚しての発言だけに。
子供を庇って殴られる場面や、神宮司が必ず助けに来ると信じて待つ場面では涙ぐんでしまった。
篠口も遠藤の理解者ではあるけど、傷の舐め合いになりそうだし、選んだのが神宮司でよかった。
結局、神宮寺の一途な思いが通じて、遠藤の傷が癒えたわけで。いい話だった。
温泉の話もベタだけど、遠藤が自然と幸せだと口にするあたりが暖かくて素敵な話だった。
表紙もいいな~。
ネタバレ
------------------------------------------
大満足。
神宮司は不器用だな~。実家に誘ったことを考えなしだったと何度も謝っているけど、そういう腫れ物扱いこそが無神経な行為になりうるのに…。この場面は遠藤の視点で語られるんだけど、地の文を字面どおりに読むと、真面目な神宮寺が必要以上に気にしているだけみたいに思えてしまう。でも、謝られた遠藤は辛いという自覚もないまま、深く考えないようにしているところが切ない。神宮寺に、もう放っておいてあげてよ、と言いたくなった。
とはいえ、その不器用な労わりが、遠藤を救ったんだろうと思う。本人に痛みの自覚がなくても、神宮司が心配することによって、痛みは和らいでいるというか。
「甘い水」の話を引き出したのも、神宮司の心配が伝わったからだろうし。もしものときは止めを刺してくれと言われた遠藤は一時的に傷ついたというか、混乱しただろうけど、神宮寺が重たすぎる話題から逃げずに向き合ったことが、遠藤の心に響いたんじゃないだろうか。いい場面だった。
立てこもり事件で、業者の振りをして犯人側に食料を差し入れる役に遠藤が選ばれる場面で、自分が選ばれたことを誇りに思うという台詞に感動した。能力的に適任ということもあるけど、遠藤には血縁者がいないからという理由も大きいと、本人が自覚しての発言だけに。
子供を庇って殴られる場面や、神宮司が必ず助けに来ると信じて待つ場面では涙ぐんでしまった。
篠口も遠藤の理解者ではあるけど、傷の舐め合いになりそうだし、選んだのが神宮司でよかった。
結局、神宮寺の一途な思いが通じて、遠藤の傷が癒えたわけで。いい話だった。
温泉の話もベタだけど、遠藤が自然と幸せだと口にするあたりが暖かくて素敵な話だった。
幻冬舎 2011/10
シリーズの中で、ちょっと気になっていた作品。
ネタバレ
------------------------------------------
カップルが二人とも好みのタイプだし、面白かった。
このシリーズの中では(まだ全部読んでないけど)一番好きかも。
軽く見える遠藤が抱えている傷の深さ…。神宮司に嫌われているという誤解が解けて、距離が縮まっても、遠藤の傷がそれ以上踏み込ませてくれない。意地を張って素直になれないのとは違うから、一回寝ても、その先に進むのが難しい。テーマは重いけど、神宮寺が守りたいと言ってるから、暗さはなく、読みやすかった。
遠藤が今後どんな風に変わっていくのかが楽しみ。
事件は解決はしたんだろうけど、どうもスカッとしない終わり方。…こういう書き方のほうがリアリティーはあるんだろうけど、事件の経緯にページを多く割いているだけに、肩透かしな終わり方では面白みが薄いというか。
宮津や田所、篠口といった脇キャラも個性的で、一気に読めた。
シリーズの中で、ちょっと気になっていた作品。
ネタバレ
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カップルが二人とも好みのタイプだし、面白かった。
このシリーズの中では(まだ全部読んでないけど)一番好きかも。
軽く見える遠藤が抱えている傷の深さ…。神宮司に嫌われているという誤解が解けて、距離が縮まっても、遠藤の傷がそれ以上踏み込ませてくれない。意地を張って素直になれないのとは違うから、一回寝ても、その先に進むのが難しい。テーマは重いけど、神宮寺が守りたいと言ってるから、暗さはなく、読みやすかった。
遠藤が今後どんな風に変わっていくのかが楽しみ。
事件は解決はしたんだろうけど、どうもスカッとしない終わり方。…こういう書き方のほうがリアリティーはあるんだろうけど、事件の経緯にページを多く割いているだけに、肩透かしな終わり方では面白みが薄いというか。
宮津や田所、篠口といった脇キャラも個性的で、一気に読めた。
幻冬舎 2013/03
BLでファンタジーってちょっと…って避けてた。
だって、BL自体がすでにファンタジーじゃない?
…それは冗談だけど、BLのファンタジーはライト過ぎて、物足りないことが多くて。
ネタバレ
-----------------------------------------
ファンタジーというより、SFだったかな。
すごくよかった。
ユーリスの一途な愛情と、二人の穏やかで静かな日々が素敵だった。二人で海を見たり、小鳥を飼ってみたり。ユーリスに愛されて、少しずつカレルが幸せになって、残された短い時間を初めて惜しむところとか、じんわりきた。
時間がないというクライマックス部分を淡々と書いているのが、逆に逐一書かれるより読み応えがあってよかった。表現を抑えることで、どれだけ惜しんでも時間の止まらない無情さも出てたと思う。
大会での優勝、暴動、ラストに繋がっていく場面と、何度か盛り上がりもあって楽しかった。
ラストは、ダメだという感想の人が多くて驚いてる。
私は人格が同じで、記憶が戻るなら、同一人物として受け入れられる気がする。転生ものや記憶の戻らない記憶喪失ものより、よほど確かに同一人物というか。
SF+ファンタジー+アラブ。この世界観で、萩尾望都さんの『マージナル』と今市子さんの初期作品を思い出して、ちょっと懐かしくなった。
で、あとがきに『マージナル』の長官に捧げるオマージュだとあって、上手いなあと。カレルとメイヤードは全然キャラが被るところはないんだけど、イメージは近いというか。実際、私はメイヤード長官を思い出しながら読んでたし。
いい作品を読んだ。
BLでファンタジーってちょっと…って避けてた。
だって、BL自体がすでにファンタジーじゃない?
…それは冗談だけど、BLのファンタジーはライト過ぎて、物足りないことが多くて。
ネタバレ
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ファンタジーというより、SFだったかな。
すごくよかった。
ユーリスの一途な愛情と、二人の穏やかで静かな日々が素敵だった。二人で海を見たり、小鳥を飼ってみたり。ユーリスに愛されて、少しずつカレルが幸せになって、残された短い時間を初めて惜しむところとか、じんわりきた。
時間がないというクライマックス部分を淡々と書いているのが、逆に逐一書かれるより読み応えがあってよかった。表現を抑えることで、どれだけ惜しんでも時間の止まらない無情さも出てたと思う。
大会での優勝、暴動、ラストに繋がっていく場面と、何度か盛り上がりもあって楽しかった。
ラストは、ダメだという感想の人が多くて驚いてる。
私は人格が同じで、記憶が戻るなら、同一人物として受け入れられる気がする。転生ものや記憶の戻らない記憶喪失ものより、よほど確かに同一人物というか。
SF+ファンタジー+アラブ。この世界観で、萩尾望都さんの『マージナル』と今市子さんの初期作品を思い出して、ちょっと懐かしくなった。
で、あとがきに『マージナル』の長官に捧げるオマージュだとあって、上手いなあと。カレルとメイヤードは全然キャラが被るところはないんだけど、イメージは近いというか。実際、私はメイヤード長官を思い出しながら読んでたし。
いい作品を読んだ。
幻冬舎 2013/05
実はちょっと心配してたけど…、
ちゃんと完結しました!!
ネタバレ
----------------------------------------------
面白かった。
検察の仕事も恋愛も丁寧に描かれていて読み応えがあった。
間違いなくエリートなのに、地味に頑張っている二人に親近感がわいたし、後半のデートとか、甘くて素敵だった。一緒にいる場面はかなり少ないのに、しっかり絆があって、無理も感じない。なんか、いいなー。
原口が興味深いキャラだった。自らは闇に向かいながら、野々宮には光へ進めと言える(普通は言えない)独特の強さが魅力的。
ジャンル分けすればBLなんだけど、恋愛以外の要素をしっかり描き込んでいるところが、この作品の魅力のひとつだと思う。
ふだんは事件が解決していないと、お仕事ものなのに…!と文句を言う私だが、この作品については、納得できた。
事件を解決させなかったのは…たぶん、現実の難しさと向き合いながら、長く険しい道程を進んでいくことを決意する話だから、「事件解決、乾杯!」なんてラストにしたくなかったのでは。きれいに解決しちゃったら、2時間ドラマみたいな軽いノリになってしまったんじゃないかな~。
困難に立ち向かっていく二人を描くのに、ふさわしいラストだと思った。
恋愛より仕事に割かれるページ数のほうが多いと思うんだけど、それで恋愛ものとして物足りなくなるということはなかった。仕事シーンが多ければ多いほど、キャラの魅力に厚みが出て、「仕事に生きている魅力的な男性二人の恋愛」というBLとしての楽しみも増えるという、いい作品だった。
実はちょっと心配してたけど…、
ちゃんと完結しました!!
ネタバレ
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面白かった。
検察の仕事も恋愛も丁寧に描かれていて読み応えがあった。
間違いなくエリートなのに、地味に頑張っている二人に親近感がわいたし、後半のデートとか、甘くて素敵だった。一緒にいる場面はかなり少ないのに、しっかり絆があって、無理も感じない。なんか、いいなー。
原口が興味深いキャラだった。自らは闇に向かいながら、野々宮には光へ進めと言える(普通は言えない)独特の強さが魅力的。
ジャンル分けすればBLなんだけど、恋愛以外の要素をしっかり描き込んでいるところが、この作品の魅力のひとつだと思う。
ふだんは事件が解決していないと、お仕事ものなのに…!と文句を言う私だが、この作品については、納得できた。
事件を解決させなかったのは…たぶん、現実の難しさと向き合いながら、長く険しい道程を進んでいくことを決意する話だから、「事件解決、乾杯!」なんてラストにしたくなかったのでは。きれいに解決しちゃったら、2時間ドラマみたいな軽いノリになってしまったんじゃないかな~。
困難に立ち向かっていく二人を描くのに、ふさわしいラストだと思った。
恋愛より仕事に割かれるページ数のほうが多いと思うんだけど、それで恋愛ものとして物足りなくなるということはなかった。仕事シーンが多ければ多いほど、キャラの魅力に厚みが出て、「仕事に生きている魅力的な男性二人の恋愛」というBLとしての楽しみも増えるという、いい作品だった。
かわい有美子 幻冬舎 2013/03
新装版。
好きな作品だけど、2巻で止まって10年ぐらい放置?
待ちくたびれた…。
とにかく完結までは、安心できない。
まあ、完結したらちゃんと感想を書こうかと。
旧版の内容はかなり忘れてしまっていて、どれだけ加筆訂正があったのか、いまいち分からない。そうそう、こんな話だったと思ったり、こんな場面あったっけ?と思ったり。伊能は低音の美声だったような気がするんだけど、今回はそういう描写がまったくなかった。別の作品と混じっちゃってるのかも。
親子丼が美味しそう~!
新装版。
好きな作品だけど、2巻で止まって10年ぐらい放置?
待ちくたびれた…。
とにかく完結までは、安心できない。
まあ、完結したらちゃんと感想を書こうかと。
旧版の内容はかなり忘れてしまっていて、どれだけ加筆訂正があったのか、いまいち分からない。そうそう、こんな話だったと思ったり、こんな場面あったっけ?と思ったり。伊能は低音の美声だったような気がするんだけど、今回はそういう描写がまったくなかった。別の作品と混じっちゃってるのかも。
親子丼が美味しそう~!
かわい有美子 幻冬舎 2013/01
やっと読めた…。買ったのいつだ?
このシリーズは、ポツポツとしか読んでないから、「この人、違う作品では主人公なんだろうなあ」というキャラが出てきても、知らなかったり。
…そんなわけで?、やたらと男前ばかりが出てくるシリーズ。
ネタバレ
-------------------------------------------
読みやすかったし、面白かったけど、二人の始まり方がなあ…。
飯田の強引さは、合意に近い形だったから、それほど悪いと思わなかった。そこまで反省できるなら、踏みとどまっておけよ、とは思うけど。
ただ、高梁の流されっぷりが、ちょっと痛々しい。他に好きな人がいて、なんでこの状況で抵抗しないんだ?と考えると、恋愛以前に人からの愛情に飢えてるから、という理由しかなくて。
飯田を受け入れちゃった軽さが、かわいそうになる…。
まあ、これから飯田が辛かった過去の分まで大事にしてくれるでしょう。
個人的には二人とも好みじゃなかったけど、いいカップルだと思った。
タイトルはあんまり合ってない気がする。というか、かなり深読みしない限り、意味が分からない。
このシリーズはSATの任務の過酷さを前面に出してるから、銀行の事件のイメージに合わせたのかな。
やっと読めた…。買ったのいつだ?
このシリーズは、ポツポツとしか読んでないから、「この人、違う作品では主人公なんだろうなあ」というキャラが出てきても、知らなかったり。
…そんなわけで?、やたらと男前ばかりが出てくるシリーズ。
ネタバレ
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読みやすかったし、面白かったけど、二人の始まり方がなあ…。
飯田の強引さは、合意に近い形だったから、それほど悪いと思わなかった。そこまで反省できるなら、踏みとどまっておけよ、とは思うけど。
ただ、高梁の流されっぷりが、ちょっと痛々しい。他に好きな人がいて、なんでこの状況で抵抗しないんだ?と考えると、恋愛以前に人からの愛情に飢えてるから、という理由しかなくて。
飯田を受け入れちゃった軽さが、かわいそうになる…。
まあ、これから飯田が辛かった過去の分まで大事にしてくれるでしょう。
個人的には二人とも好みじゃなかったけど、いいカップルだと思った。
タイトルはあんまり合ってない気がする。というか、かなり深読みしない限り、意味が分からない。
このシリーズはSATの任務の過酷さを前面に出してるから、銀行の事件のイメージに合わせたのかな。
かわい有美子 幻冬舎 2012/11
平河寮シリーズ。
このシリーズはほとんど未読だったような。
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった。
再会当初は攻の山下の「須和に失望した」という描写がやるせなく感じた。須和の気持ちが変わっていないだけに、かわいそうだったというか。
このあたりは読みづらかったかなあ。少し傲慢で冷たい攻と、健気に耐える受みたいな関係が好きじゃなくて。…わりと、かわい作品には多いんで、個人的な趣味としてハズレかなと思ったら、その後は読みやすかった。
その分、山下が須和に惚れ直していってメロメロになっちゃうのがよかった。
書き下ろしの二年後もいい雰囲気。遠距離で誠意を証明って、すごいと思う。
基本的に攻視点だけど、たまに受視点になる。きっちり二等分にする必要もないけど、分量が違いすぎて、攻視点に統一したほうが読みやすいと思った。
あと、刑事と検事という職業が恋愛にも絡んでくるのかと思ったら、まったく絡んでこなかった。公私混同の恋愛ものは嫌だけど、事件捜査や内偵にかなりのページを割いているのに、須和とはまったく関係ないラインで動いていくというのがちょっと……。1つの作品として、まとまりが悪すぎる。恋愛ドラマと刑事ドラマを交互に見せられているような感じだった。いくら主人公は同じでも、2時間枠に両方のテーマを詰め込むのはキツイというか。
シリーズに対する愛着がないから、寮での描写は余計に感じちゃった。激務なのに「寮の行事については、掲示板で告示してあった」とか責められたら…、そりゃ寮暮らしなんて嫌になるわ~というエピソードで。…自分が基本的に団体行動が苦手だから、寮生活のよさが分からないだけかな。
おっさんトナカイは素敵だったけど!
平河寮シリーズ。
このシリーズはほとんど未読だったような。
ネタバレ
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面白かった。
再会当初は攻の山下の「須和に失望した」という描写がやるせなく感じた。須和の気持ちが変わっていないだけに、かわいそうだったというか。
このあたりは読みづらかったかなあ。少し傲慢で冷たい攻と、健気に耐える受みたいな関係が好きじゃなくて。…わりと、かわい作品には多いんで、個人的な趣味としてハズレかなと思ったら、その後は読みやすかった。
その分、山下が須和に惚れ直していってメロメロになっちゃうのがよかった。
書き下ろしの二年後もいい雰囲気。遠距離で誠意を証明って、すごいと思う。
基本的に攻視点だけど、たまに受視点になる。きっちり二等分にする必要もないけど、分量が違いすぎて、攻視点に統一したほうが読みやすいと思った。
あと、刑事と検事という職業が恋愛にも絡んでくるのかと思ったら、まったく絡んでこなかった。公私混同の恋愛ものは嫌だけど、事件捜査や内偵にかなりのページを割いているのに、須和とはまったく関係ないラインで動いていくというのがちょっと……。1つの作品として、まとまりが悪すぎる。恋愛ドラマと刑事ドラマを交互に見せられているような感じだった。いくら主人公は同じでも、2時間枠に両方のテーマを詰め込むのはキツイというか。
シリーズに対する愛着がないから、寮での描写は余計に感じちゃった。激務なのに「寮の行事については、掲示板で告示してあった」とか責められたら…、そりゃ寮暮らしなんて嫌になるわ~というエピソードで。…自分が基本的に団体行動が苦手だから、寮生活のよさが分からないだけかな。
おっさんトナカイは素敵だったけど!
かわい有美子 ムービック 2012/09
最後のルナノベルズらしい。
ネタバレ
------------------------------------------
実のところ、タイトルでビビッてしばらく買えなかった。
ヘンタイっぽい話かしら?という意味での心配が…。
実際に読んでみたら、まあヘンタイじゃないとは言わないが、恐れるほどのものではなく、スパイス程度で安心して読めた。
…じゃなくて、終始穏やかな話で驚いた。大人向けのシンデレラストーリーかな~、と。
かわい作品とも思えない(?)、おとなしくて柔らかい話だった。
普通なら絶対にお近づきになれない相手との恋という設定そのものがシンデレラなわけで、私はこういうまったり、しっとりした話好きだけど、若い人はちょっと地味に感じるんじゃないかな、と思った。
恋愛面どころか仕事においてもトラブルは一切なし。サプライズな展開もなく、攻を上司として尊敬し、プライベートでも親しくなっていき…とデパートの仕事をしながら、段階を踏んで関係が進んでいく。まさに大人の恋愛だけど、完璧に近いラッカムとのやり取りはやっぱりファンタジーで甘くて、バランスもよかった。
イギリスの老舗デパートということで、かわいさんの本領発揮という描写が多くて、それだけでも楽しめる。タイトルになってる靴の話も素敵だった。
銭湯で浴衣を着て寛ぐ場面もよかったな~。ちょっとテルマエ風(笑)
かわいさんにしてはおとなしい話だなーと思っていたら、最後にスイッチが…(笑)
こんなスイッチ入ってないほうが私は読みやすいけど、他の人の感想を見てたら、おおむね好評だった…。…そっか。
それにしても、誤字と名前間違いが多すぎ…。普通に読んでるだけで、5、6箇所はあったか。いちいち数えてないけど、とにかく目に余る数だった。
キャラの名前を間違えている場面では、「中田さんはいつ来たの?」と思わず前に戻って読み返してしまった。うーん。そして、地の文でずっと名字だった攻がいきなり「ダニエル」と書かれていて、誰?と思ってしまった。(名前自体は)間違っちゃいないけど、間違えたんだよね?とここは笑ってしまった。
最後のルナノベルズらしい。
ネタバレ
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実のところ、タイトルでビビッてしばらく買えなかった。
ヘンタイっぽい話かしら?という意味での心配が…。
実際に読んでみたら、まあヘンタイじゃないとは言わないが、恐れるほどのものではなく、スパイス程度で安心して読めた。
…じゃなくて、終始穏やかな話で驚いた。大人向けのシンデレラストーリーかな~、と。
かわい作品とも思えない(?)、おとなしくて柔らかい話だった。
普通なら絶対にお近づきになれない相手との恋という設定そのものがシンデレラなわけで、私はこういうまったり、しっとりした話好きだけど、若い人はちょっと地味に感じるんじゃないかな、と思った。
恋愛面どころか仕事においてもトラブルは一切なし。サプライズな展開もなく、攻を上司として尊敬し、プライベートでも親しくなっていき…とデパートの仕事をしながら、段階を踏んで関係が進んでいく。まさに大人の恋愛だけど、完璧に近いラッカムとのやり取りはやっぱりファンタジーで甘くて、バランスもよかった。
イギリスの老舗デパートということで、かわいさんの本領発揮という描写が多くて、それだけでも楽しめる。タイトルになってる靴の話も素敵だった。
銭湯で浴衣を着て寛ぐ場面もよかったな~。ちょっとテルマエ風(笑)
かわいさんにしてはおとなしい話だなーと思っていたら、最後にスイッチが…(笑)
こんなスイッチ入ってないほうが私は読みやすいけど、他の人の感想を見てたら、おおむね好評だった…。…そっか。
それにしても、誤字と名前間違いが多すぎ…。普通に読んでるだけで、5、6箇所はあったか。いちいち数えてないけど、とにかく目に余る数だった。
キャラの名前を間違えている場面では、「中田さんはいつ来たの?」と思わず前に戻って読み返してしまった。うーん。そして、地の文でずっと名字だった攻がいきなり「ダニエル」と書かれていて、誰?と思ってしまった。(名前自体は)間違っちゃいないけど、間違えたんだよね?とここは笑ってしまった。