COLD HEART in NEWYORK
2015年7月11日 木原音瀬
リブレ出版 2014/08
続編。
ネタバレ
-----------------------------------------
痛い系と聞いていたけど、1冊目はそれほど痛くなかった。
秋沢が痛い人間だったから、ある意味、痛い系だったかもしれないけど(苦笑)
性格も悪ければ、頭も悪い暴力男。
「馬鹿は死んでも治らない」と言うが、秋沢の馬鹿は最愛の相手が死んでも変わらなかった。
本編「in TOKYO」終盤の秋沢の暴走にも驚いたけど、本当の驚愕は続編に待っていた。
楠田が生きていたと知った秋沢が、再会したら楠田が謝ってくるはず、と想像する場面。楠田が自殺したと思い込んでたのに、後悔や反省をするどころか、「恋人が死んじゃって、俺って最高にかわいそう」と悲劇に酔っていただけだったとは…。
最後の最後にようやく反省を見せるものの、何か辛いことでもあれば、また楠田に暴力をふるう気がする。根本的に思いやりに欠ける人間なんだから、一時的に反省したからといって劇的に変わるとは思えない。
1年半もの長期に渡って毎日、「ごめんなさい」と書いたカードを送りつけるというストーカー行為を見ても、秋沢が常軌を逸したままなのは分かるし…。
2人の将来に対して、暗い想像しかできなかった…。
BLだから、この終わり方しかないのかもしれないけど、楠田が秋沢を許さずに終わる「バッドエンド」のほうが、気分爽快に読み終えられたかもしれない。
続編。
ネタバレ
-----------------------------------------
痛い系と聞いていたけど、1冊目はそれほど痛くなかった。
秋沢が痛い人間だったから、ある意味、痛い系だったかもしれないけど(苦笑)
性格も悪ければ、頭も悪い暴力男。
「馬鹿は死んでも治らない」と言うが、秋沢の馬鹿は最愛の相手が死んでも変わらなかった。
本編「in TOKYO」終盤の秋沢の暴走にも驚いたけど、本当の驚愕は続編に待っていた。
楠田が生きていたと知った秋沢が、再会したら楠田が謝ってくるはず、と想像する場面。楠田が自殺したと思い込んでたのに、後悔や反省をするどころか、「恋人が死んじゃって、俺って最高にかわいそう」と悲劇に酔っていただけだったとは…。
最後の最後にようやく反省を見せるものの、何か辛いことでもあれば、また楠田に暴力をふるう気がする。根本的に思いやりに欠ける人間なんだから、一時的に反省したからといって劇的に変わるとは思えない。
1年半もの長期に渡って毎日、「ごめんなさい」と書いたカードを送りつけるというストーカー行為を見ても、秋沢が常軌を逸したままなのは分かるし…。
2人の将来に対して、暗い想像しかできなかった…。
BLだから、この終わり方しかないのかもしれないけど、楠田が秋沢を許さずに終わる「バッドエンド」のほうが、気分爽快に読み終えられたかもしれない。
COLD HEART in TOKYO
2015年7月11日 木原音瀬
リブレ出版 2014/07
久しぶりの木原作品。
正直、このシリーズが苦手なので、読まずにおこうと思っていたら、お借りしたので、とても重苦しい気分で読んでみた。
ネタバレ
-----------------------------------------
痛い系と聞いていたので、覚悟して読み始めたけど、前編は結構読みやすかった。
読み始めてすぐに、うわ、またクズが出てきた!と思ったが、驚くには値しない。
秋沢は頭の悪い暴力男って感じで、ちっとも魅力を感じなかったけど、まあ木原作品の攻はクズが多いからなあと…思えば、平常運転だし。
過去の木原作品を思い返してみると、最低男のオンパレードで驚く(笑)
とりあえず透がまともになってるみたいで(?)よかった。
久しぶりの木原作品。
正直、このシリーズが苦手なので、読まずにおこうと思っていたら、お借りしたので、とても重苦しい気分で読んでみた。
ネタバレ
-----------------------------------------
痛い系と聞いていたので、覚悟して読み始めたけど、前編は結構読みやすかった。
読み始めてすぐに、うわ、またクズが出てきた!と思ったが、驚くには値しない。
秋沢は頭の悪い暴力男って感じで、ちっとも魅力を感じなかったけど、まあ木原作品の攻はクズが多いからなあと…思えば、平常運転だし。
過去の木原作品を思い返してみると、最低男のオンパレードで驚く(笑)
とりあえず透がまともになってるみたいで(?)よかった。
蒼竜社 2013/10/30
Holly NOVELSの既刊数作品の続編、番外編を集めた本。
木原さんは『リバーズエンド』の続編。
ネタバレ
-------------------------------------------
『end roll』
素晴らしい完成度だった。
最初は第三者視点か…と思ったんだけど、これが思っていた以上に効果的というか、読みやすい構成になっていた。次々と視点が入れ替わりながら、キャラたちの10年後と、十亀が自伝的作品を作り上げる過程を描いていく。
個性的で面白い脇役さんたちのその後も知れて、二人が幸せそうで、いい話だな~とほのぼのしながら読んでたら、ラストでムチャクチャ泣けた。
最後の一文が秀逸。
まとめ方が上手いし、端折り方も上手い。『リバーズエンド』を読んで落ち込んだ読者は、この「フィクション」に救われるはず。これを提案したのが万だったことで、十亀の将来の幸せも確信できる。
続編らしく、甘さもたっぷり。10年経っても変わらずに仲がいい二人に満足し、プロポーズでちょっと感動し…、ラブストーリーとしてもよかった。
Holly NOVELSの既刊数作品の続編、番外編を集めた本。
木原さんは『リバーズエンド』の続編。
ネタバレ
-------------------------------------------
『end roll』
素晴らしい完成度だった。
最初は第三者視点か…と思ったんだけど、これが思っていた以上に効果的というか、読みやすい構成になっていた。次々と視点が入れ替わりながら、キャラたちの10年後と、十亀が自伝的作品を作り上げる過程を描いていく。
個性的で面白い脇役さんたちのその後も知れて、二人が幸せそうで、いい話だな~とほのぼのしながら読んでたら、ラストでムチャクチャ泣けた。
最後の一文が秀逸。
まとめ方が上手いし、端折り方も上手い。『リバーズエンド』を読んで落ち込んだ読者は、この「フィクション」に救われるはず。これを提案したのが万だったことで、十亀の将来の幸せも確信できる。
続編らしく、甘さもたっぷり。10年経っても変わらずに仲がいい二人に満足し、プロポーズでちょっと感動し…、ラブストーリーとしてもよかった。
熱砂と月のマジュヌーン(追記)
2013年9月27日 木原音瀬 コメント (2)
海王社 2013/09
ぐえー。趣味に合わなかった。
とにかく早く読み終わりたくて、一気読みになった。
でも、なんでそこまで無理して読む必要があったんだろう?
追記(ネタバレ)
-------------------------------------------
ぐえええ…っていう設定は置いといて。(あ、思い出しちゃった。気持ち悪い…)
まあ、こういう読み方をする作品じゃないのは百も承知の上で、思ったことを書いてみる。
金持ちの息子だった受の家が破産して、父親の奴隷だった男たちに父親の身代わりとして復讐されるという話。
受を奴隷として買った復讐者たちが「本当のことを話しても、一言の謝罪もない」と受の人格を否定するシーンがあって、ここでものすごく引っかかってしまった。
いま、あなたたちがしていることは何なの?と。
受を犯すのは復讐だから除外する。
だけど、他の奴隷が酷い扱いを受けていても、冷静に無視している人間が、なぜ「父親の所業を傍観しているだけで、自分たちを助けてくれなかった」と言って、他人を責められるのか?
受を苛める無駄金があれば、かつての自分たちと同じ境遇の奴隷たちを救えるはずなのに、哀れみの目さえ向けない。復讐のためとはいえ、奴隷のショーまで主催する始末。
この矛盾には、まったく触れられていない。
いくらエンタメ作品でも、薄っぺらいんじゃないか?
そして、最後は復讐者の1人と受がハッピーエンドになるのだが、自分を愛しているという受の言葉が信じられないからといって、盲目になって男娼をしている受を見ても、冷静に観察を続ける攻。…これで好きだといわれても、読者には伝わりません。一応は恋愛小説の体裁を取っているのだから、それぐらいはきちんと書いてほしかった。
最後には、受の愛情が本物だと攻にも分かるのだが、ここに至っても受の口から父親の昔の所業に対する謝罪の言葉は出てこない。
あ、それもスルーなんだ?と呆然。
罪を償うために修道院に入ってました、とか言われても困るが、ここまで相手が何も変わってないのに、受をずっと蔑みの目で見ていた攻は気にならないんだろうか…。
趣味に走るのは(好き嫌いは別として)構わないんだけど、中身が薄っぺらかったのが残念。
ぐえー。趣味に合わなかった。
とにかく早く読み終わりたくて、一気読みになった。
でも、なんでそこまで無理して読む必要があったんだろう?
追記(ネタバレ)
-------------------------------------------
ぐえええ…っていう設定は置いといて。(あ、思い出しちゃった。気持ち悪い…)
まあ、こういう読み方をする作品じゃないのは百も承知の上で、思ったことを書いてみる。
金持ちの息子だった受の家が破産して、父親の奴隷だった男たちに父親の身代わりとして復讐されるという話。
受を奴隷として買った復讐者たちが「本当のことを話しても、一言の謝罪もない」と受の人格を否定するシーンがあって、ここでものすごく引っかかってしまった。
いま、あなたたちがしていることは何なの?と。
受を犯すのは復讐だから除外する。
だけど、他の奴隷が酷い扱いを受けていても、冷静に無視している人間が、なぜ「父親の所業を傍観しているだけで、自分たちを助けてくれなかった」と言って、他人を責められるのか?
受を苛める無駄金があれば、かつての自分たちと同じ境遇の奴隷たちを救えるはずなのに、哀れみの目さえ向けない。復讐のためとはいえ、奴隷のショーまで主催する始末。
この矛盾には、まったく触れられていない。
いくらエンタメ作品でも、薄っぺらいんじゃないか?
そして、最後は復讐者の1人と受がハッピーエンドになるのだが、自分を愛しているという受の言葉が信じられないからといって、盲目になって男娼をしている受を見ても、冷静に観察を続ける攻。…これで好きだといわれても、読者には伝わりません。一応は恋愛小説の体裁を取っているのだから、それぐらいはきちんと書いてほしかった。
最後には、受の愛情が本物だと攻にも分かるのだが、ここに至っても受の口から父親の昔の所業に対する謝罪の言葉は出てこない。
あ、それもスルーなんだ?と呆然。
罪を償うために修道院に入ってました、とか言われても困るが、ここまで相手が何も変わってないのに、受をずっと蔑みの目で見ていた攻は気にならないんだろうか…。
趣味に走るのは(好き嫌いは別として)構わないんだけど、中身が薄っぺらかったのが残念。
リブレ出版 2013/07
漫画の原作とかスピンオフとか昔の作品の新装版とか、そういう但し書きのない、新作が読みたいな~と思いつつ。
漫画を先に読んでから、小説を読んだ。
ネタバレ
-------------------------------------------
あー、木原作品は感想が書きやすい!
好き嫌いは別として、ポイントが掴みやすいし、これだけは言っておきたい!みたいな感想が自然と浮かんでくるから。
それはそうと…、漫画で結構ソフトな作品だな~と油断させておいて、小説版はやっぱり木原節だった。炸裂とまでは言わないが、他の作家がこれ書いたら(どうしてしまったのかと心配になって)ビビるよ…。
表題作は、なんでこんな悪臭男を見限れないのかね?と思った。いくら昔カッコよくても、いまはホームレス。それでも愛が冷めないって、宇野は粘着系だな~と。
けど、村上が立ち直っていく姿を見てると、宇野によかったね、と声をかけたくなった。
『人でなしの恋』は、これだけの迷惑をかけられても許してくれる村上の友達は寛容だ…と思った。
宇野に助けられた村上が、やっぱり恋愛は無理と思う点には共感できた。相手が恩人だからって恋はできないし。なんとなく付き合っていくより、真面目に考えるほうが誠実という気がする。
ただ、自分の生活が安定してきたからといって、宇野をこっぴどく振るのは違うだろうと…。振るのは、いいんです。他になんぼでも言い方あるだろうと思うだけ。
で、宇野の彼女を巻き込む形で、強引によりを戻すのは…。
しかも「愛せないかもしれないけど」という台詞付。
…すげえ、さすが木原作品の攻、半端なく最低だ!と感心?しました。
こんな木原先生が(担当さんに指摘されて)自粛したという鬼畜な文って、どんな内容だったのか……。
そして、ここまで酷いことをしておいて、それでもハッピーエンドらしくまとめる力技が、良くも悪くも木原節。
今回の痛い系箇所。
特殊清掃描写より、親の自殺後の描写がきつかった…。
それはパチ中毒にもなるわ~。
漫画の原作とかスピンオフとか昔の作品の新装版とか、そういう但し書きのない、新作が読みたいな~と思いつつ。
漫画を先に読んでから、小説を読んだ。
ネタバレ
-------------------------------------------
あー、木原作品は感想が書きやすい!
好き嫌いは別として、ポイントが掴みやすいし、これだけは言っておきたい!みたいな感想が自然と浮かんでくるから。
それはそうと…、漫画で結構ソフトな作品だな~と油断させておいて、小説版はやっぱり木原節だった。炸裂とまでは言わないが、他の作家がこれ書いたら(どうしてしまったのかと心配になって)ビビるよ…。
表題作は、なんでこんな悪臭男を見限れないのかね?と思った。いくら昔カッコよくても、いまはホームレス。それでも愛が冷めないって、宇野は粘着系だな~と。
けど、村上が立ち直っていく姿を見てると、宇野によかったね、と声をかけたくなった。
『人でなしの恋』は、これだけの迷惑をかけられても許してくれる村上の友達は寛容だ…と思った。
宇野に助けられた村上が、やっぱり恋愛は無理と思う点には共感できた。相手が恩人だからって恋はできないし。なんとなく付き合っていくより、真面目に考えるほうが誠実という気がする。
ただ、自分の生活が安定してきたからといって、宇野をこっぴどく振るのは違うだろうと…。振るのは、いいんです。他になんぼでも言い方あるだろうと思うだけ。
で、宇野の彼女を巻き込む形で、強引によりを戻すのは…。
しかも「愛せないかもしれないけど」という台詞付。
…すげえ、さすが木原作品の攻、半端なく最低だ!と感心?しました。
こんな木原先生が(担当さんに指摘されて)自粛したという鬼畜な文って、どんな内容だったのか……。
そして、ここまで酷いことをしておいて、それでもハッピーエンドらしくまとめる力技が、良くも悪くも木原節。
今回の痛い系箇所。
特殊清掃描写より、親の自殺後の描写がきつかった…。
それはパチ中毒にもなるわ~。
糸井のぞ リブレ出版 2013/07
小説と一緒に注文。
小説はすぐに読みたい気分じゃなかったから、漫画から読んだ。
あんまり得意な絵柄じゃないけど、原作付って感じのしない、上手な漫画だった。
内容は小説と被るし、感想はそっちで。
小説と一緒に注文。
小説はすぐに読みたい気分じゃなかったから、漫画から読んだ。
あんまり得意な絵柄じゃないけど、原作付って感じのしない、上手な漫画だった。
内容は小説と被るし、感想はそっちで。
お願いだから、やめてください。
2013年2月13日 木原音瀬今度は『美しいこと』が講談社から文庫化されるそうで。
日高ショーコさんのイラストまで含めて大好きな作品なだけに、ショックも大きい。
BLじゃないレーベルから続編を削ってまで文庫化する意味が分からないし、BLに興味のない人が手に取ったら不快になるだけじゃない?
ファンは喜んでるの??
私にとっては本当に残念な話でしかないけど。
お願いだから、やめてください。
日高ショーコさんのイラストまで含めて大好きな作品なだけに、ショックも大きい。
BLじゃないレーベルから続編を削ってまで文庫化する意味が分からないし、BLに興味のない人が手に取ったら不快になるだけじゃない?
ファンは喜んでるの??
私にとっては本当に残念な話でしかないけど。
お願いだから、やめてください。
蒼竜社 2012/09
雑誌の付録の小冊子(表題作)+漫画『キャッスルマンゴー』の続編。
漫画を読んだ後のほうが楽しめそうな小説。
ネタバレ
----------------------------------------
表題作は十亀の貧乏生活を描いたもので、十亀がゲイだという以外、BLらしい要素はない気がする。
なので、BLとして読む場合は時系列で読むより、漫画を読んだ後にキャラの過去話の番外編として小説を読んだほうが楽しめるんじゃないかと。
二宮がいい子な分だけ、ただの友情で終わらなかったのが切ないような。
…最初に読んだときは、十亀のお姉さんと二宮がうまくいってくれたらいいなと思いながら読んでいた。
続編『god bless you』は映画製作の過程が面白かった。
完全に恋愛のほうが添え物になっているのが、いっそ清々しい(笑)
続編なら、かえってこのほうが楽しめる気もする。
スタッフの人間関係まで含めた「映画作り」が面白くて、一気読みしてしまった。
映画製作が中止になるところが木原さんらしいなーと思った。BLでは少ない、ちょっぴりビター風味というか。ただ、十亀の将来が開けた感があるあたり、木原さんも丸くなったよなーと思ったりも。
これ、小説単体で読んだらどうだったんだろうと考えてみた。
BLとしては物足りないだろうけど、十亀という人間を描いた話という視点なら、小説だけで完成している気がする。むしろ、万との馴れ初めのほうが番外編的に感じたかもしれない。
すぐに諦めてしまう十亀に万が体当たりするところが見せ場だろうし。
面白かった。万のラブホ繁盛記も読みたいなー。
雑誌の付録の小冊子(表題作)+漫画『キャッスルマンゴー』の続編。
漫画を読んだ後のほうが楽しめそうな小説。
ネタバレ
----------------------------------------
表題作は十亀の貧乏生活を描いたもので、十亀がゲイだという以外、BLらしい要素はない気がする。
なので、BLとして読む場合は時系列で読むより、漫画を読んだ後にキャラの過去話の番外編として小説を読んだほうが楽しめるんじゃないかと。
二宮がいい子な分だけ、ただの友情で終わらなかったのが切ないような。
…最初に読んだときは、十亀のお姉さんと二宮がうまくいってくれたらいいなと思いながら読んでいた。
続編『god bless you』は映画製作の過程が面白かった。
完全に恋愛のほうが添え物になっているのが、いっそ清々しい(笑)
続編なら、かえってこのほうが楽しめる気もする。
スタッフの人間関係まで含めた「映画作り」が面白くて、一気読みしてしまった。
映画製作が中止になるところが木原さんらしいなーと思った。BLでは少ない、ちょっぴりビター風味というか。ただ、十亀の将来が開けた感があるあたり、木原さんも丸くなったよなーと思ったりも。
これ、小説単体で読んだらどうだったんだろうと考えてみた。
BLとしては物足りないだろうけど、十亀という人間を描いた話という視点なら、小説だけで完成している気がする。むしろ、万との馴れ初めのほうが番外編的に感じたかもしれない。
すぐに諦めてしまう十亀に万が体当たりするところが見せ場だろうし。
面白かった。万のラブホ繁盛記も読みたいなー。
パラスティック・ソウル ~おわりの章~
2012年3月31日 木原音瀬
新書館 2012/03
初出一覧で掲載誌を見ると、少女漫画誌にこれを載せたのか~!というような軽い驚きがあって楽しかった。
ネタバレ注意
-------------------------------------------------
痛さ少なめで、暖かい描写が多かった。恋愛メインでありながらも、家族ものっぽい話が多いというか。
テンポよく謎も解き明かされて、最初から最後まで楽しめた。
前巻読んだとき、タイトルの意味を結構考えてみたのに、ハイビルアの正体は思いつかなかったなー。もうちょっと観念的な意味合いかと思ってたら、そのものズバリとは。まあ、木原さんらしいタイトルのつけ方かも。
ただ、「フェードアウト」後にホープタウンに向かうことの謎は、最後まで解明されなかったような。証拠隠滅のため? でも、ビルア種に記憶が残らない以上、そんな必要もなさそうだし。
どこかにヒントがあるかもしれないから再読したいんだけど、本のサイズがでかくて片手で読むのが大変…。文庫か、幅の狭い新書がよかったなあ。
八尋とジョエル、ミアとスタンリーがそれぞれ幸せになったのもよかった。薬の最後の1粒は、いまも八尋が持ってるのかな…。
ライヴァンはもう人工体も手に入らないし、70%という状態だし、芭亜斗と一緒に歳を重ねていくのかな。芭亜斗が現れなかったら、ライヴァンは今後どうするつもりだったんだろう。
結局、「願いの叶う薬」は誰も幸せにしなかったという皮肉。マッドサイエンティストが作ったものだからというより、薬で願いを叶えるという発想自体が歪んでるのかもしれない。
第3話の二人も…続編では穏やかに暮らしていたし、、本来の形に戻っただけとも言えるし、あれはあれで一つの幸せの形なのか。医学の発達した世界だけに、リハビリでもすれば話せるようになれそうだけど。うーん…。
初出一覧で掲載誌を見ると、少女漫画誌にこれを載せたのか~!というような軽い驚きがあって楽しかった。
ネタバレ注意
-------------------------------------------------
痛さ少なめで、暖かい描写が多かった。恋愛メインでありながらも、家族ものっぽい話が多いというか。
テンポよく謎も解き明かされて、最初から最後まで楽しめた。
前巻読んだとき、タイトルの意味を結構考えてみたのに、ハイビルアの正体は思いつかなかったなー。もうちょっと観念的な意味合いかと思ってたら、そのものズバリとは。まあ、木原さんらしいタイトルのつけ方かも。
ただ、「フェードアウト」後にホープタウンに向かうことの謎は、最後まで解明されなかったような。証拠隠滅のため? でも、ビルア種に記憶が残らない以上、そんな必要もなさそうだし。
どこかにヒントがあるかもしれないから再読したいんだけど、本のサイズがでかくて片手で読むのが大変…。文庫か、幅の狭い新書がよかったなあ。
八尋とジョエル、ミアとスタンリーがそれぞれ幸せになったのもよかった。薬の最後の1粒は、いまも八尋が持ってるのかな…。
ライヴァンはもう人工体も手に入らないし、70%という状態だし、芭亜斗と一緒に歳を重ねていくのかな。芭亜斗が現れなかったら、ライヴァンは今後どうするつもりだったんだろう。
結局、「願いの叶う薬」は誰も幸せにしなかったという皮肉。マッドサイエンティストが作ったものだからというより、薬で願いを叶えるという発想自体が歪んでるのかもしれない。
第3話の二人も…続編では穏やかに暮らしていたし、、本来の形に戻っただけとも言えるし、あれはあれで一つの幸せの形なのか。医学の発達した世界だけに、リハビリでもすれば話せるようになれそうだけど。うーん…。
パラスティック・ソウル ~はじまりの章~
2012年2月4日 木原音瀬
新書館 2012/01
BLではない作品も混ざっている短編連作。
興味持てない設定だから、正直そんなに期待してなくて、ソフトカバーの単行本とかやめて、文庫で出してくれよとか思っていたのだが、面白かった。
ネタバレ
---------------------------------------------
犬耳&犬尻尾の人がいるというファンタジックなSFなのだが、その内容はあまりにも殺伐としていて、「らしいな~」と笑ってしまった。
それぞれの人生が「願いの叶う薬」で変わっていく(歪められる感じ)ストーリーに、ハイビルアの謎と研究所の悪行が絡んでリンクしていく。どの話も先が気になってしょうがなかった。
とくに第3話の犬の話が面白くて好き。被害者側が主人公だから、感情移入もしやすい。木原さんらしいブラックなラストは、面白いけど後味が悪い…。
書き下ろしの続編もとくに救いというわけではなく…これはこれでハッピーエンドなのかもしれないが、諦観の漂うハッピーエンド。リアリティーがあるのかも?
救いがあるエンドだった1話は、唯一、ニアではないBLだったが、恋愛ものとしてはあまり盛り上がらなかった。
ラブストーリーなのに、ラストで主人公(視点キャラ)が恋愛感情を持っていなくて、家族愛で終わっているというのは、やはり続編がないと厳しい。
主人公が片思いをしている側なら、話が片思いのまま終わってもいいのだが、片思いされる側では、…そもそもラブストーリーとして成立しているのかどうか。ラブストーリーと呼べたとしても、読者には少なからず不満が残ると思う。
ここで終わらないで!!と思った2話はブラックなラストで、主人公兄弟が両方とも人殺しという…、これまたなんともブラックなキャラ設定。
この話には続きがあるみたいだが、好き嫌いが分かれそうだなー。
ただ、単純ながら面白いストーリーで、恋愛ではないのだが、1話より恋愛色が強いぐらいかもしれない。
イラストは…年齢の描き分けができないイラストレーターなので、二十代後半以上のキャラが出てくると苦しい。
可愛い絵柄で人気はあるみたいだけど。
最近読んだ漫画で、二十代のキャラの過去として十代後半の番外編が入っていたのだが、顔がちゃんと若くなっていて感心したばかりだったから、余計に気になったのかもしれない。
「おわりの章」も楽しみ。
BLではない作品も混ざっている短編連作。
興味持てない設定だから、正直そんなに期待してなくて、ソフトカバーの単行本とかやめて、文庫で出してくれよとか思っていたのだが、面白かった。
ネタバレ
---------------------------------------------
犬耳&犬尻尾の人がいるというファンタジックなSFなのだが、その内容はあまりにも殺伐としていて、「らしいな~」と笑ってしまった。
それぞれの人生が「願いの叶う薬」で変わっていく(歪められる感じ)ストーリーに、ハイビルアの謎と研究所の悪行が絡んでリンクしていく。どの話も先が気になってしょうがなかった。
とくに第3話の犬の話が面白くて好き。被害者側が主人公だから、感情移入もしやすい。木原さんらしいブラックなラストは、面白いけど後味が悪い…。
書き下ろしの続編もとくに救いというわけではなく…これはこれでハッピーエンドなのかもしれないが、諦観の漂うハッピーエンド。リアリティーがあるのかも?
救いがあるエンドだった1話は、唯一、ニアではないBLだったが、恋愛ものとしてはあまり盛り上がらなかった。
ラブストーリーなのに、ラストで主人公(視点キャラ)が恋愛感情を持っていなくて、家族愛で終わっているというのは、やはり続編がないと厳しい。
主人公が片思いをしている側なら、話が片思いのまま終わってもいいのだが、片思いされる側では、…そもそもラブストーリーとして成立しているのかどうか。ラブストーリーと呼べたとしても、読者には少なからず不満が残ると思う。
ここで終わらないで!!と思った2話はブラックなラストで、主人公兄弟が両方とも人殺しという…、これまたなんともブラックなキャラ設定。
この話には続きがあるみたいだが、好き嫌いが分かれそうだなー。
ただ、単純ながら面白いストーリーで、恋愛ではないのだが、1話より恋愛色が強いぐらいかもしれない。
イラストは…年齢の描き分けができないイラストレーターなので、二十代後半以上のキャラが出てくると苦しい。
可愛い絵柄で人気はあるみたいだけど。
最近読んだ漫画で、二十代のキャラの過去として十代後半の番外編が入っていたのだが、顔がちゃんと若くなっていて感心したばかりだったから、余計に気になったのかもしれない。
「おわりの章」も楽しみ。
リブレ出版 2012/01
久々の新作。
1は…確か数年前。
面白いから、続き出ないのかなーとずっと気になっていた。
ネタバレ
----------------------------------------
木原コメディはパワーがあって面白い。
この作品に関しては、とくに1がパワーとテンポがあって面白かった。
万引き犯に仕立て上げられた松尾を救うシーンなんて、カッコいいのにやっぱりヘンな友晴が笑える。あと、メイド喫茶のシーンとか、お気に入り。
友晴はオネエだけど男前。脇役のときはもうちょっと癖のあるタイプに感じたけど(甲斐谷へのメールとか/笑)、こうしてみると真面目でいい人だ~。
あと、東山があまりにカッコよくて、優しいだけに、あの趣味がザンネン(笑)
松尾は木原作品のキャラらしい粘っこさだった。ジメジメしつこく粘着質な性格は、木原作品の攻に多いタイプだから、まさか松尾が攻?!とか…最後の最後までダイエットに失敗したマグナム(伏せずに申し訳ない)の行方を気にしてしまった。
本質的には悪い子じゃないけど、あんまり魅力を感じない性格だった…。
このカップルに関しては、逆にならなくてよかったなあと。オネエ言葉のキャラには攻であってほしい。
2で友晴がマタギに弟子入りしてるところには笑ってしまった。
イラストは…軽い作風に合う絵柄なんだけど、友晴はオネエ言葉のほうが本質なんだし、もっとオネエっぽいイラストが欲しかった。
表紙では本性を隠す?のが、このシリーズのお約束だから、しょうがないのかもしれないけど。
久々の新作。
1は…確か数年前。
面白いから、続き出ないのかなーとずっと気になっていた。
ネタバレ
----------------------------------------
木原コメディはパワーがあって面白い。
この作品に関しては、とくに1がパワーとテンポがあって面白かった。
万引き犯に仕立て上げられた松尾を救うシーンなんて、カッコいいのにやっぱりヘンな友晴が笑える。あと、メイド喫茶のシーンとか、お気に入り。
友晴はオネエだけど男前。脇役のときはもうちょっと癖のあるタイプに感じたけど(甲斐谷へのメールとか/笑)、こうしてみると真面目でいい人だ~。
あと、東山があまりにカッコよくて、優しいだけに、あの趣味がザンネン(笑)
松尾は木原作品のキャラらしい粘っこさだった。ジメジメしつこく粘着質な性格は、木原作品の攻に多いタイプだから、まさか松尾が攻?!とか…最後の最後までダイエットに失敗したマグナム(伏せずに申し訳ない)の行方を気にしてしまった。
本質的には悪い子じゃないけど、あんまり魅力を感じない性格だった…。
このカップルに関しては、逆にならなくてよかったなあと。オネエ言葉のキャラには攻であってほしい。
2で友晴がマタギに弟子入りしてるところには笑ってしまった。
イラストは…軽い作風に合う絵柄なんだけど、友晴はオネエ言葉のほうが本質なんだし、もっとオネエっぽいイラストが欲しかった。
表紙では本性を隠す?のが、このシリーズのお約束だから、しょうがないのかもしれないけど。
リブレ出版 2011/11
面白かったけど、ちょっと感想書きづらいな。
ネタバレ
-------------------------------------------
珍しく穏やか系というか、日常に終始した話だった。
事件も事故も犯罪もなく、人生の浮き沈みもな……って書いてて、リストラとか海外への転勤は普通の人にとって大事件だわ、と思い出した(笑)
リストラされた谷地に悲壮感がなくて、海外の企業への転職は榛野にとっては大きな決断ではなかったから、さらっと流してしまっていたようで。
まあでも、そこは話のきっかけではあったけど、大きなポイントではなかった気がする。
いつもの木原作品なら感想を書くポイントは作品の内容で自動的に決まってしまうから選ぶ必要がないんだけど、今回はポイントを絞り込む必要があった分、少し感想が書きづらい。
谷地は癒し系だな~。わりと常識的で、穏やかなタイプ。日本家屋&猫とセットって感じ。確かに40過ぎてバイトでは金銭的に結婚は難しそうだけど、本人が満足してるなら、こういう生き方もいいと思った。
谷地とは真逆っぽい考え方の榛野が谷地に惹かれるのも分かる気がした。自分にはない、ある種の余裕に惹かれたのかな~と。
榛野は仕事はできるけど、ほんと、他人の心が分からないタイプだと思った。弁当屋の同僚が「少しぐらい気持ちを察すればいいのに」って言ってたのが、まさにそのとおりって感じ。
なんだか宇宙人みたいな感覚だったり、非常識だったりするキャラが出てきても、こういう真っ当な感覚も同時に書かれてるあたりが、木原作品の安心ポイントだなーと。いや、先行き不安感のほうが大きくて、決して安心して読めないけど(笑)
そういや、最初は榛野の空気の読めなさというか、マイペース過ぎるところがちょっと…って思ったけど、続編のほうでは谷地の鈍さも相当だなーって思ったから、どっちもどっちって感じなのかな…。
谷地が榛野に好意を持ったのは、一緒にいて情がわいたっていう部分が大きい気がした。で、榛野は谷地といると落ち着くっていう理由で愛情が深まったのかな~って気がする。
そういう理由で付き合いだしたのなら、なんか長続きしそう。
1のラストがよかったから、ここで終わってもよかったなーと思った。まあ、BLの場合、ここで終わりって話を刊行するのは恐らく無理だと思うし、本当にここで終わりだったら、「続き~~!!」って感想になったけど(笑)
だから、ここで一旦区切りがついてるのがいいなーと。
で、2もすごく楽しかったから、続きを書いてくれてよかったなーとしみじみ。
谷地の家でほのぼのしてる場面と、2人で料理を作る場面と、マフラーのエピソードがとくによかった。
面白かったけど、ちょっと感想書きづらいな。
ネタバレ
-------------------------------------------
珍しく穏やか系というか、日常に終始した話だった。
事件も事故も犯罪もなく、人生の浮き沈みもな……って書いてて、リストラとか海外への転勤は普通の人にとって大事件だわ、と思い出した(笑)
リストラされた谷地に悲壮感がなくて、海外の企業への転職は榛野にとっては大きな決断ではなかったから、さらっと流してしまっていたようで。
まあでも、そこは話のきっかけではあったけど、大きなポイントではなかった気がする。
いつもの木原作品なら感想を書くポイントは作品の内容で自動的に決まってしまうから選ぶ必要がないんだけど、今回はポイントを絞り込む必要があった分、少し感想が書きづらい。
谷地は癒し系だな~。わりと常識的で、穏やかなタイプ。日本家屋&猫とセットって感じ。確かに40過ぎてバイトでは金銭的に結婚は難しそうだけど、本人が満足してるなら、こういう生き方もいいと思った。
谷地とは真逆っぽい考え方の榛野が谷地に惹かれるのも分かる気がした。自分にはない、ある種の余裕に惹かれたのかな~と。
榛野は仕事はできるけど、ほんと、他人の心が分からないタイプだと思った。弁当屋の同僚が「少しぐらい気持ちを察すればいいのに」って言ってたのが、まさにそのとおりって感じ。
なんだか宇宙人みたいな感覚だったり、非常識だったりするキャラが出てきても、こういう真っ当な感覚も同時に書かれてるあたりが、木原作品の安心ポイントだなーと。いや、先行き不安感のほうが大きくて、決して安心して読めないけど(笑)
そういや、最初は榛野の空気の読めなさというか、マイペース過ぎるところがちょっと…って思ったけど、続編のほうでは谷地の鈍さも相当だなーって思ったから、どっちもどっちって感じなのかな…。
谷地が榛野に好意を持ったのは、一緒にいて情がわいたっていう部分が大きい気がした。で、榛野は谷地といると落ち着くっていう理由で愛情が深まったのかな~って気がする。
そういう理由で付き合いだしたのなら、なんか長続きしそう。
1のラストがよかったから、ここで終わってもよかったなーと思った。まあ、BLの場合、ここで終わりって話を刊行するのは恐らく無理だと思うし、本当にここで終わりだったら、「続き~~!!」って感想になったけど(笑)
だから、ここで一旦区切りがついてるのがいいなーと。
で、2もすごく楽しかったから、続きを書いてくれてよかったなーとしみじみ。
谷地の家でほのぼのしてる場面と、2人で料理を作る場面と、マフラーのエピソードがとくによかった。
継続、一時中断して再開
2011年11月19日 木原音瀬再読は箱檻。
これも最初に読んだときより、ショックが少なくて面白く読めた。
次は今朝届いた新刊を読んでから、再読用に?買ってきた『プレイス』の新装版でも読もうかと。
その後は『NOW HERE』にするか『秘密』にするか。
再読ロードも長いなあ……。
これも最初に読んだときより、ショックが少なくて面白く読めた。
次は今朝届いた新刊を読んでから、再読用に?買ってきた『プレイス』の新装版でも読もうかと。
その後は『NOW HERE』にするか『秘密』にするか。
再読ロードも長いなあ……。
なんだか分からないけど、木原作品の再読フェアを開催中。
『薔薇色の人生』→『美しいこと』→『恋について』→『リベット』と、好きで読みやすいタイトルを続けた。好きなだけに再読でも盛り上がるし、読み始めると止まらない。
今日はとっても読みづらい『あいの、うた』に挑戦。
最初に読んだときは、挫折の連続で息苦しい上に、表題作は珍しく(?)話運びが単調というか、いまいち盛り上がれなかったりして、どうもね~と思っていたが、再読の今回は読みやすかった。読みづらさ(過剰な感情移入)が取れると、細部をゆっくり味わえるし。わりと再読向きの作品かも。
次は箱かなー。
『薔薇色の人生』→『美しいこと』→『恋について』→『リベット』と、好きで読みやすいタイトルを続けた。好きなだけに再読でも盛り上がるし、読み始めると止まらない。
今日はとっても読みづらい『あいの、うた』に挑戦。
最初に読んだときは、挫折の連続で息苦しい上に、表題作は珍しく(?)話運びが単調というか、いまいち盛り上がれなかったりして、どうもね~と思っていたが、再読の今回は読みやすかった。読みづらさ(過剰な感情移入)が取れると、細部をゆっくり味わえるし。わりと再読向きの作品かも。
次は箱かなー。
薔薇色の人生(再読)
2011年11月12日 木原音瀬
再読。たぶん3回目くらい。
最初は1,155円、高!って驚いたけど、これだけ分厚くて、2回も3回も感動できるような内容なら、決して高くはないなーと思う。
だって、600円のつまらない文庫を1回読むより、何度も再読する本のほうが単価安いし(笑)
このカップル、好きだなー。
百田の「頑張っている今」を見てくれるロンちゃんの真っ直ぐなところがカッコいい。
あと、お兄さんの借金を返す場面とか、時計をもらう場面で感動する。
最初は1,155円、高!って驚いたけど、これだけ分厚くて、2回も3回も感動できるような内容なら、決して高くはないなーと思う。
だって、600円のつまらない文庫を1回読むより、何度も再読する本のほうが単価安いし(笑)
このカップル、好きだなー。
百田の「頑張っている今」を見てくれるロンちゃんの真っ直ぐなところがカッコいい。
あと、お兄さんの借金を返す場面とか、時計をもらう場面で感動する。
1~4巻を再読。
寝不足で気持ち悪くなったりしたけど(ダメな社会人…)、面白かった。
なんか初読のときは、先の読めるストーリーとアルの子供っぽさがどうにも物足りなかった。なんていうか、ネタバレしてる本を読むみたいな感じ。
「BLなんて、ほとんど先が読めるじゃない」って言ってしまえばそれまでだけど。
再読だと先が分かるのは当然、「この続きはどうなるの?」っていう楽しみがないのも当然で、のんびり楽しめた。
ねむいー。目が疲れたー。
5巻のネタバレ
-------------------------------------------
読み返していて、激しく思ったこと。
そういえば、忽滑谷も酒入も高校の同級生なのに、暁の高校時代も出てくる番外編にまったく出番なしだった!
忽滑谷好きとしては、残念でならない。これはやっぱり忽滑谷でスピンオフを!
寝不足で気持ち悪くなったりしたけど(ダメな社会人…)、面白かった。
なんか初読のときは、先の読めるストーリーとアルの子供っぽさがどうにも物足りなかった。なんていうか、ネタバレしてる本を読むみたいな感じ。
「BLなんて、ほとんど先が読めるじゃない」って言ってしまえばそれまでだけど。
再読だと先が分かるのは当然、「この続きはどうなるの?」っていう楽しみがないのも当然で、のんびり楽しめた。
ねむいー。目が疲れたー。
5巻のネタバレ
-------------------------------------------
読み返していて、激しく思ったこと。
そういえば、忽滑谷も酒入も高校の同級生なのに、暁の高校時代も出てくる番外編にまったく出番なしだった!
忽滑谷好きとしては、残念でならない。これはやっぱり忽滑谷でスピンオフを!
吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.5
2011年10月22日 木原音瀬
蒼竜社 2011/10/14
木原吸血鬼5冊目。
期待以上に面白かった。
ギャッギャッ。
ネタバレ
-----------------------------------------
今回はコメディ要素どころか、BL要素さえ薄かった気がするけど、いままでの巻より内容的に読み応えがあった。
なんかこう、アルはおバカな蝙蝠って印象しかなかったんで、アメリカで頑張っている姿には成長を感じた。しかも、暁に対する気持ちも深まったというか、いや、元から一途だったけど、大人っぽいものに変って、応援したくなった。
応援といえば、三谷の恋も応援したい。がんばれー。
暁の番外編は、久々に木原作品らしい濃さがあったなと。
パッタリ新作が出なくなる前の数作は、正直に言えば、少しばかりパワー不足というか、薄くなっていたような気がするから、こういう雰囲気が戻ってくれたのは嬉しい。…木原作品に読みやすさはあんまり求めてない。
暁がエンバーマーという特殊な仕事に就いた理由が描かれているから(だけじゃないが)、テーマは重たい。暗い。
でも、次々と人に裏切られても、裏切らない人もいる、優しい人もいる。ちゃんと救いがあるから、読みづらくはないと思う。
裏切られた場面より、母親との初対面のほうが切なかったかも。暁の母親が子供を捨てた理由って、他の巻に書いてあったかな…。とにかく、暁は母親の遺体を見ても、自分が捨てられた理由を問わない。成功している女優で、金持ちの恋人がいるのに、息子を親戚の家に預けたまま、金銭的援助もしない母親。酷い話だと思うのに、ただ母親を慕う姿がかわいそうで……。
施設の園長に裏切られたときも、暁はぎりぎりまで園長の裏切りに気付かない。ヒントはいくつもあったし、高校生とはいえ頭のいい子だから、考えれば分かったんだろうけど、信じて疑おうとしないところが痛々しい。
裏切りに気付いても、一言も責められないところも…。
潔癖で、不器用で、我慢強い。いい子だけど、生きづらい性格だなあ。
1巻から読み返したくなった。
木原吸血鬼5冊目。
期待以上に面白かった。
ギャッギャッ。
ネタバレ
-----------------------------------------
今回はコメディ要素どころか、BL要素さえ薄かった気がするけど、いままでの巻より内容的に読み応えがあった。
なんかこう、アルはおバカな蝙蝠って印象しかなかったんで、アメリカで頑張っている姿には成長を感じた。しかも、暁に対する気持ちも深まったというか、いや、元から一途だったけど、大人っぽいものに変って、応援したくなった。
応援といえば、三谷の恋も応援したい。がんばれー。
暁の番外編は、久々に木原作品らしい濃さがあったなと。
パッタリ新作が出なくなる前の数作は、正直に言えば、少しばかりパワー不足というか、薄くなっていたような気がするから、こういう雰囲気が戻ってくれたのは嬉しい。…木原作品に読みやすさはあんまり求めてない。
暁がエンバーマーという特殊な仕事に就いた理由が描かれているから(だけじゃないが)、テーマは重たい。暗い。
でも、次々と人に裏切られても、裏切らない人もいる、優しい人もいる。ちゃんと救いがあるから、読みづらくはないと思う。
裏切られた場面より、母親との初対面のほうが切なかったかも。暁の母親が子供を捨てた理由って、他の巻に書いてあったかな…。とにかく、暁は母親の遺体を見ても、自分が捨てられた理由を問わない。成功している女優で、金持ちの恋人がいるのに、息子を親戚の家に預けたまま、金銭的援助もしない母親。酷い話だと思うのに、ただ母親を慕う姿がかわいそうで……。
施設の園長に裏切られたときも、暁はぎりぎりまで園長の裏切りに気付かない。ヒントはいくつもあったし、高校生とはいえ頭のいい子だから、考えれば分かったんだろうけど、信じて疑おうとしないところが痛々しい。
裏切りに気付いても、一言も責められないところも…。
潔癖で、不器用で、我慢強い。いい子だけど、生きづらい性格だなあ。
1巻から読み返したくなった。
今日は朝からどんより曇ってて蒸し暑い。
とても10月半ばとは思えないし、夕方だといわれれば、そうかも?っていう不思議な感じ。
そんな朝に、『吸血鬼~』が届いた。
裏表紙が折れてしまっていて、普段ならギーギー怒ったと思うけど、裏表紙のイラストを見てクールダウン。
「見て見て、これひどくなーい?」と訴えたかったんだけど、露出度高めの血だらけの男のイラストなので、やば、隠さなきゃ!という自衛に走り…、結果、まあいっか~に落ち着いた。
密林に注文したものの、発売延期が決まってキャンセルして(大型書店で買うほうが早く手に入るから)…と確か何度か注文とキャンセルを繰り返したはず。途中で面倒になってキャンセルをやめたのが、密林の履歴によると2010年4月。
長かったなあ。
確か2年ぶりぐらいの(新装版、再版じゃない)新刊。
調子が悪かったのはこのシリーズのせいではないのかもしれないけど、このシリーズにこだわるより、他の新作を読ませてほしいなあ……というのが正直な気持ち。
…5巻でストーリーに決着がついてない(らしい)のも、ガックリきたー。
ギャッギャッ。
とても10月半ばとは思えないし、夕方だといわれれば、そうかも?っていう不思議な感じ。
そんな朝に、『吸血鬼~』が届いた。
裏表紙が折れてしまっていて、普段ならギーギー怒ったと思うけど、裏表紙のイラストを見てクールダウン。
「見て見て、これひどくなーい?」と訴えたかったんだけど、露出度高めの血だらけの男のイラストなので、やば、隠さなきゃ!という自衛に走り…、結果、まあいっか~に落ち着いた。
密林に注文したものの、発売延期が決まってキャンセルして(大型書店で買うほうが早く手に入るから)…と確か何度か注文とキャンセルを繰り返したはず。途中で面倒になってキャンセルをやめたのが、密林の履歴によると2010年4月。
長かったなあ。
確か2年ぶりぐらいの(新装版、再版じゃない)新刊。
調子が悪かったのはこのシリーズのせいではないのかもしれないけど、このシリーズにこだわるより、他の新作を読ませてほしいなあ……というのが正直な気持ち。
…5巻でストーリーに決着がついてない(らしい)のも、ガックリきたー。
ギャッギャッ。
(いつも情報、ありがとうございます!)
復刊、書下ろしがつくんですか……。そうですか……。……。
…よ、読みたくない。
ああでも、どこまで痛いのかちょっと試してみたいような気分になるのが困ったところで。
怖いもの見たさ?(苦笑)
復刊、書下ろしがつくんですか……。そうですか……。……。
…よ、読みたくない。
ああでも、どこまで痛いのかちょっと試してみたいような気分になるのが困ったところで。
怖いもの見たさ?(苦笑)
セカンド・セレナーデ―full complete version
2010年7月29日 木原音瀬
木原音瀬 リブレ出版 2010/07
新装版の新装版…。
5年前に新装版が出たときは、掛川、ムリ。私の中では鬼門キャラ…と思って買わなかったんだけど、新刊に飢えていたので、今回は勢いで買ってしまった。
ネタバレ
-----------------------------------------
掛川の性格の悪さが苦手で。なんで受の橋本じゃないのかと思われそうな気がするけど、わたし『FRAGILE』の大河内も平気なんで、橋本なんて可愛いもので…。
前に読んだときは。
掛川は相手が嫌な奴だから何をしても罪悪感を持たずにすむという理由で、橋本に好きだと言って利用して、こっそり嫌がらせをしたりするので、お前のほうがよっぽど性格悪いじゃん…としか思えず。
そしてそんな掛川の悪いところはほとんど責められることもなく…。我を通してもいつでも許されるあたり、恵まれすぎてて感情移入もできなかった。
けどまあ、読み直せば掛川も平気になるかも?と思って読んでみた。
で、まず『水のナイフ』を読んで、なんで掛川が苦手だったんだろう、明智のほうが~~!!と衝撃を受けた。
うーん、この作品を読むとこんな子供を好きになってしまった先生が気の毒になる。…にしても、癇癪を起こして?手首まで切るって凄すぎる。
そしてちっとも明智の魅力は分からないんだけど、二人が最終的にうまくいって、ほっとしている自分がいる。木原マジック…。
で、『セカンド・セレナーデ』に移って。
正直、映画を撮っている場面が一番楽しい。観てみたいとは思わないけど、情景が浮かんでくる。
それに掛川は橋本が相手じゃなければ、結構優しいし、まともなので、橋本が出てこないほうが読んでるこっちは楽だ…。相変わらず掛川は嫌な奴だったが、もちろん橋本も性格が悪いので、割れ鍋に綴じ蓋で、いいのかな~という気がした。
というわけで、掛川は好きとは言わないまでも平気になった。
すべてを失くした橋本が掛川のところに転がり込んできてハッピーエンドというのも、いいのか?という気がしてしまうのだが、そんな些細な(?)問題は力技でねじ伏せられてしまうのだった。心情的にどうも納得はできないけど、面白いと思っているから、まあいいのかと。
その後も、掛川の橋本に対する甘やかし方とかは私には感覚的に理解できないけど、まあ本人たちが幸せなんだからいっかと思ったり、ちっとも羨ましくないラブラブぶりなんだけど、話として引き込まれるんで、読んでよかったなあという気になった。
…相変わらず、趣味に合わないけど面白いな。
あと、『脱がない男』でCMに起用された、名前も出てこない新人俳優はやっぱり掛川かなあと改めて思った。だとすると、自分からCMなんて出たがらないだろう掛川に、オーディションを受けにいかせるのは大変だったろうなあとマネージャーの割石の苦労を想像してホロリときた(笑)
新装版の新装版…。
5年前に新装版が出たときは、掛川、ムリ。私の中では鬼門キャラ…と思って買わなかったんだけど、新刊に飢えていたので、今回は勢いで買ってしまった。
ネタバレ
-----------------------------------------
掛川の性格の悪さが苦手で。なんで受の橋本じゃないのかと思われそうな気がするけど、わたし『FRAGILE』の大河内も平気なんで、橋本なんて可愛いもので…。
前に読んだときは。
掛川は相手が嫌な奴だから何をしても罪悪感を持たずにすむという理由で、橋本に好きだと言って利用して、こっそり嫌がらせをしたりするので、お前のほうがよっぽど性格悪いじゃん…としか思えず。
そしてそんな掛川の悪いところはほとんど責められることもなく…。我を通してもいつでも許されるあたり、恵まれすぎてて感情移入もできなかった。
けどまあ、読み直せば掛川も平気になるかも?と思って読んでみた。
で、まず『水のナイフ』を読んで、なんで掛川が苦手だったんだろう、明智のほうが~~!!と衝撃を受けた。
うーん、この作品を読むとこんな子供を好きになってしまった先生が気の毒になる。…にしても、癇癪を起こして?手首まで切るって凄すぎる。
そしてちっとも明智の魅力は分からないんだけど、二人が最終的にうまくいって、ほっとしている自分がいる。木原マジック…。
で、『セカンド・セレナーデ』に移って。
正直、映画を撮っている場面が一番楽しい。観てみたいとは思わないけど、情景が浮かんでくる。
それに掛川は橋本が相手じゃなければ、結構優しいし、まともなので、橋本が出てこないほうが読んでるこっちは楽だ…。相変わらず掛川は嫌な奴だったが、もちろん橋本も性格が悪いので、割れ鍋に綴じ蓋で、いいのかな~という気がした。
というわけで、掛川は好きとは言わないまでも平気になった。
すべてを失くした橋本が掛川のところに転がり込んできてハッピーエンドというのも、いいのか?という気がしてしまうのだが、そんな些細な(?)問題は力技でねじ伏せられてしまうのだった。心情的にどうも納得はできないけど、面白いと思っているから、まあいいのかと。
その後も、掛川の橋本に対する甘やかし方とかは私には感覚的に理解できないけど、まあ本人たちが幸せなんだからいっかと思ったり、ちっとも羨ましくないラブラブぶりなんだけど、話として引き込まれるんで、読んでよかったなあという気になった。
…相変わらず、趣味に合わないけど面白いな。
あと、『脱がない男』でCMに起用された、名前も出てこない新人俳優はやっぱり掛川かなあと改めて思った。だとすると、自分からCMなんて出たがらないだろう掛川に、オーディションを受けにいかせるのは大変だったろうなあとマネージャーの割石の苦労を想像してホロリときた(笑)