新年の挨拶もしないまま、2月が終わりかけている⋯。
あまりPCを起動しなくなった。せっかくスペックにこだわって購入したというのに、宝の持ち腐れもいいところ。

この日記のサービスが3月に終わってしまうらしい。
(まだ閲覧はできるらしいけど、新規投稿ができなくなるとか)
う~~~ん。
どうしたものか。困る。
すでに月一も書いてないし、別にいいような気もする。
が、これだけの歳月続けてきたので、ここが無くなると非常に寂しい。
書きたいときに書けなかったら、やっぱり困る!!
引っ越し先をなんとか3月中に決めて(ほとんど閲覧されていないとはいえ)、引越しのお知らせを出さなくては!!
う~~~ん⋯。
昔と違って、ブログの無料サービスって減ってるんじゃないの?と予想。
⋯まだ調べてないけど、たぶん、おそらく。
インスタとか、ほかのSNSには興味ないしなあ。

近況1(愚痴)
まだ、古いPCを処分してない。
初期化するために起動するのが(恐ろしく時間がかかるので)面倒だし、リサイクルの手続きも面倒だし。場所を取って邪魔って以外に持ってて困る理由がないため、先延ばし先延ばし⋯。
優先順位が低いんだもの。
とはいえ、邪魔だ。

職場でも家でも常に時間に追われている。細々細々とやることが多いため、薄々薄々と働いている。
もっと頑張れる気もするが、こういう小さなことの積み重ねは意外と時間・気力を奪われるもので、休日とか本当に無気力。
⋯そういうわけで、PCもほとんど起動しなかった。

もうすぐ春だし、なんとかしたいわ。
とりあえずスロトレを再開しないと。
太った!! 余分な肉がやばい。

近況2(結構深刻)
家族の通院。
ここ数か月は非常に精神的にきつかった。
→病状がとても厳しく、「この検査の結果が悪ければ、治療法はありません」と
言われて年末に検査。

毎日、検査結果を祈るしかなかった。祈る以外にできることがないって状況は辛い。朝から晩まで不安でたまらず、鬱々と過ごすしかない。結果は1週間後。

→検査結果良好で手術が可能と言われる。

神社仏閣にお礼参りに行かなければ!!と浮かれる。ちょっと手術は不安だけど⋯。手術以外に助かる道はないのだから仕方ない。

→数日後に電話で「やっぱり手術は(条件が合わなくて)無理」と言われる。

天国から地獄。手術、受けられるって言ったじゃない!!とちょっとだけ先生を恨んだ。

→だけど、他の治療法が可能かも?と専門の病院を紹介される。
→車で1時間ほどの遠方の病院へ行く。
「1つだけ治療法があります。ただし、この検査の結果が良ければ」と言われる。

また検査結果待ち。今度は2週間後。一生懸命、お祈り。
この1年ほど、いろいろいろいろ検査を受けてきたので、常に検査の結果待ちをしていたが、これが最後の結果待ちだろう。
とにかく、ひたすら祈った。

→「検査結果は良好。治療が受けられます。専門の課に行ってね」と言われる。

ありがとう、ありがとう!!と各方面に感謝。
保険適用外の先進医療なので、数百万かかるが⋯。
(誰に話しても驚かれる)
とにかく治療法があるだけ、ありがたい。

→専門の課で「治療に必要な検査受けてね」と言われる。

数百万する治療だが、予約がいっぱいで最短で1か月後だそうだ。
ちなみにその専門病院、10時台に行っても外来患者の人数が1万とかになっている。
桁、間違ってませんか?と聞きたくなる。
専門の病院なので、たぶん症状の軽い人は少ない。これだけの人数がみんな不安を抱えて来ているのだろうと思うと、なかなかに切ない。

というわけで、ただいま治療待ちの状況。春は近い。

近況3(どうでもいい)
最近はスマホのゲームばかりやっている。
電車の中で、就寝前に布団の中で、病院の待合室で。隙間時間に遊ぶには無料アプリが適当。
というわけで、マッチ3、脱出ゲーム、癒し系、やりこみ系(RPG)を揃えてウキウキと楽しんでいる。
通信料かけれないから、オフラインで楽しめるやつっていう制限はあるものの、やりこみ系以外はほとんど通信必要ないので、わりと幅広く楽しめている。
やりすぎで、ちょっと目の調子悪いわ。

今の気持ち。
温泉でも行って、のんびりしたい。

ほぼ復活

2021年12月31日 読書
久しぶりにPCを起動した⋯。

まず、PCが挙動不審になった。
そろそろ買い替え時かと思って、新しいPCを注文。1週間後に届くことに。
まあ、しかし古いPCが使えないとデータの引っ越しにも支障が出るし⋯と頑張って直してみることにした。(今回はデータ引っ越し用のソフトも注文したので)
まず、1番怪しいセキュリティソフトを入れ直してみることに。これで安定する確率が高い。
マニュアル通りにDLとインストールし、再起動。
⋯ここで恐ろしいことに、キーボードとマウスがWで反応しなくなった。
(USB接続がダメになったということでしょう)
キーボードとマウスが両方使えないと、まったく設定をいじれない。それどころか普通にシャットダウンすることすらできないという。
本当に恐ろしい事態なのです。
でも、以前にも同じ症状を克服したことがあるので、電源ボタン長押しで強制終了→修復画面を呼び出して、Windowsの復元をすることに。
が、復元ポイントは1週間前。前日に年賀状用の住所録を作ったばかりだったので、せめてバックアップを取りたい!と試行錯誤。(そのために何度も強制終了という荒業を繰り返すことに)
そうこうしているうちに、復元ポイントが消えてしまい、PC復活は不可能になってしまった⋯。変に欲張らなければ簡単に修復できてたのに、判断ミスが痛すぎる。
しかも強制終了を繰り返したためにハードディスクが痛めつけられたらしく、修復画面を出すのも難しくなってきた。
コマンドプロンプトを使って、なんとか大事なデータだけはサルベージできたものの、ハードディスクが弱っているためか?ものすごく時間がかかった。
結局、データ全部は救い出すことができす⋯。
いや、こまめにバックアップを取ってれば、何も問題はなかったんだけど、長くサボってたもので。

新しいPCが到着。
(プライベートが忙しすぎて、箱に入れたまま1週間以上放置。師走怖い)
とりあえずネットにつなぎ、怖々セキュリティソフトを入れて、メールや写真データだけを移植。ようやく、ほぼ復活という感じ。
たぶん取り出せなかったデータがたくさんあるけど、何が足りないのか思い出せないから、まあ諦めてもいいかな⋯。
あとは古いPCをもう1回頑張って起動して、初期化しなくては。
でも、なんか大事なデータが残っていそうで、なかなか決心がつかなかったり⋯。

新しいPCは前のPCに比べて、スペックを上げてみた。
ネットと無料ゲームを楽しむ以外に使ってないのに、こんなスペック必要ないだろと思いつつ、まあ動きが軽いほうがいいので、ついつい贅沢を。
それでも、今回は安いメーカーを選んだので、費用はかなり抑えられたと思う。いままで使っていた国内メーカーで同程度のスペックにしようと思ったら、1.5~2倍ぐらいすると思う。たぶん。
新しいPCが良い相棒になってくれますように。
ジョシュ・ラニヨン 訳:冬斗亜紀 新書館 2017/12

待ってました、のシリーズ番外編。
クリスマス時期に発売っていうのも粋でいいな~。

…密林で検索すると訳者の名前が出てこない。イラストの草間さんの名前は出てくるのに。そりゃねーだろって思う。
翻訳ものが面白いかどうかって、訳者の力量にかかってる部分が大きいと思う。
同じ内容でも文章ひとつで受ける印象はガラリと変わるわけで。
実際、古い海外作品の「新訳」が出ると、グッと読みやすくなることが多いし。

ネタバレ
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最高!
甘さが足りなかった本編を補って余りある、素敵なクリスマス。
ちょっとずつ不安があっても、二人で話し合って解決していく姿に安心。
ジェイクのほうからプロポーズって、二人の関係はもう一生磐石かな。
ちょっとウザくて憎めない家族たちも元気そうでなにより。

『雪の天使』
駆け引きを楽しむのかと思ったら、意外と不器用で純情な恋愛もので面白かった。
けど、悪気がないとはいえ、好きな相手に対する仕打ちが酷いわー。小説のモデルにして、ゲイだとバラしちゃうって、マズいでしょ…。カフェは別の仕事を見つけたのかな?

『欠けた景色』
遠距離恋愛は無理だから別れるって、そりゃアメリカ国内での遠距離は無理だろうな~と。
最初から切ない話だけど、相手が行方不明になってしまって、バッドエンドなのかと思ったら、やっぱり一発逆転でほっとした。前向きな別れ方なら、失恋エンドも嫌いじゃないけど、さすがに死別は悲しすぎる。
二人のその後もよみたくなった。

最初から最後まで読み応え十分の短編集で、大満足。
この作家さんは長編よりも中編ぐらいのほうが、甘さの分量がちょうどよくなるかも?と思った。甘ければいいってもんじゃないかもしれないけど、やっぱり甘いほうが読みやすい。

電子

2016年5月14日 読書
初めて電子書籍を読んでみた。
電子版でしか読めないない漫画があって(同人誌らしい)、仕方なくアプリを入れようとしたら、「あなた、電子書籍持ってないじゃ~ん。先に仕入れてよ」というメッセージが。
じゃあ、とりあえず無料版を…と試し読みの漫画をDLして、コミック1冊分読んだら目が死んだ。右目が死ぬ感覚(ピントがまったく合わなくなる)、久しぶりに味わった…。

うう…やっぱり、PCの画面で漫画読むの、無理、目辛すぎだわ。ところどころ台詞の文字も小さすぎて読めないし。(いちいち拡大とかの操作はしたくない。気が削がれるから)
小説だともう少し読みやすいんだろうか…。
やっぱり、私はアナログ派だな~と改めて実感。電子版は目が疲れて集中できない。
あと、紙媒体と違って、なんか作品の世界に浸れないというか。上手く言えないけど、壁に貼ってある漫画を立って読んでるみたいなイメージ。美術館で「お手を触れないでください」って書いてある作品を鑑賞してるみたいな。作品と自分の間に距離があって、眺められるけど、入り込めないものがあった。
紙媒体は体感型で、もっとバーチャルな世界で、すーっと入り込みやすい。
まあ、こういうのはものすごく個人的な感覚なんだろうけど。

本命の漫画は面白くて、満足~。これも紙媒体(同人誌版)で欲しいなあ…。

ドライブ

2016年4月24日 読書
ドライブ
ドライブ
新車でドライブ。
パワーがあって小回りも効くし、エンジンは静か。なかなか快適なドライブだった。満足。
ひとつ難があるとすれば、発進と停車がギクギクっとすること。電気とガソリンの切り替えが滑らかにいかなくて、こうなるらしい。
ハイブリットはこういうものなのか、他社ならクリアしてる問題なのか、そこらへんは不明。

名前はどうにも適当なのが思いつかなくて、とりあえずマリンと呼んでいる。
南国の海みたいな色だから。
可愛すぎる気がするけど、他に思いつかなければ、この名前で定着するかも。

美味しいカフェご飯食べて、湖のほとりのベンチに座り、のんびり風に吹かれてきた。癒しの時間。
この季節は新緑がきれい。あとは八重桜が見頃だった。


仕事は相変わらず忙しい。慢性的に寝不足だから、休日は寝ても寝ても眠い。

せっかくブルーレイのプレイヤーを買ったのに、『ロード・オブ・ザ・リング』を観終わって以来、1回も使っていない。まさにLotR専用機。
今度レンタル屋で何か借りてこよう…。
宮部みゆき 新潮社 2014/10

6冊、読了。
いや~、読み応えがあった。
私はこの作品には、この長さが必要だったと思うけど、全6冊という長編だから、当然ついていけない読者も多かったようで。
(長い先品はみんなそうだけど)
古本屋に置いてある冊数の違いで「読者のついていけなかった度」がよく分かった(笑)
ただ、ついていけなかったのは、長さだけが原因じゃないだろうなとも思う。


がっつりネタバレ
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大満足!
あ~、面白かった。

たぶん、純粋にミステリとして読むと、冗長に感じると思う。それほど大きな謎があるわけでもない。
「ある中学生が転落死した。ほとんどの人が自殺だと思っていたところに、彼は同級生に殺された、という告発状が届く」というのが事件の概要。
まあ、事件としては地味だし、告発状が嘘だということは最初から明かされているわけで、そもそも事件性が薄いというか。
しかも、冒頭のシーンだけで「事件の真相」が薄っすら分かってしまった読者もいたはず。
(私は分かったけど、「結末に驚いた」という感想も多い気がするから、分かるかどうかは人によるのかな)
冒頭の伏線は軽いミスリードで、いわゆる引っかけではなかった。
つまり、「謎解き」ばかりを楽しみに読むと、長い!と感じるんじゃないかと。

まず、第I部で事件に関わる人たちの事情や心情がじっくり語られる。
ここでガッツリと土台を作っているからこそ、後の法廷劇が面白くなるんだけど、中学生たちの悩みにじっくり付き合わされるから、読んでて少し息苦しいようなところもあった。
事件の関係者を「いい人」「悪い人」に分類しないで、「みんな、いい面も悪い面も持ち合わせている」という描き方なのがいい。
後半では、「真相はだいたい見えている」と思ってたのに、小さな謎が次々と出てきて、話が複雑になっていった。

第II部は、「学校内裁判」をすることが決まって、検事側、弁護側の双方+関係者たちが裁判の準備を進めるところまで。
証言を集める、と言っても、証言してくれるように説得する必要があったり、事実関係を捜査していく難しさは、実際の裁判と同じだと思う。
判事、検事、弁護人の3人はスーパー中学生といってもいいような、すごく頭のいい子供たちとして描かれているけど、あくまで「子供たち」。捜査権があるわけでもないし、できないことも多い。開廷までの期日も短い。
それでも、力を合わせて取り組む姿が爽やかだし、有力な証言や証拠を見つけ出した時は痛快だし。ちらちらと垣間見える神原弁護人の謎部分も興味深い。
陪審員や同級生、被告人、先生や刑事や保護者といった大人たちも含めて、登場人物はすごい数だけど、それぞれの「役割」ではなく、人柄や心情が丁寧に語られるところがいい。
「スーパー中学生」の活躍も楽しいけど、とくに活躍しない登場人物たちの語りこそが面白かった。
いきなり法廷の場面から始まったら、たぶんこれほど楽しめなかった。この準備期間があるからこそ、事件の背景がはっきり見えて、法廷でのやり取りに興味が尽きなかったんだと思う。
多くのミステリでは、刑事や探偵の助手といった話の進行役の視点で固定されてしまうから、関係者の心情にはそこまで深く踏み込めないことが多い。でも、この作品では視点が固定されていないから、もう一歩踏み込んだところまで語られていて深みがある。

第III部はいよいよ「学校内裁判」の本番。
検事も弁護人も最初から攻めるなあ。裁判冒頭から「空想です」って断言、いいなあ。
判事、検事、弁護人の三人はもちろん有能ですごいけど、事件に真面目に向き合う陪審員たちや廷吏も立派だと思う。
本当に見事な法廷劇で。
圧倒的に不利なところで戦っている検事側にちょっと肩入れして読んでしまったけど、弁護側の論証も鮮やかで面白い。
証言自体は、学校内裁判といっても現実に死者が出ている事件を扱っているから、結構痛ましい。なかでも、嘘だと分かっている三宅樹里の証言は痛々しく感じた。
聞かされる陪審員たちもそれぞれ、しんどそうだったし。
ここまで読んできて詳しく事件について知っているのに、ちっとも退屈しないどころか、新鮮に驚くことも多かった。佐々木刑事が裁判の序盤で帰ってしまう傍聴人に対して持った「先が気にならないのかしら」という疑問には深く頷いてしまった。ほんと、先が気になって仕方なかった。
大体の着地点は最初から分かっているというのに、先の展開が気になるのが凄い。最後まで「次は誰がどう出るんだろう」という興味が尽きなかった。
被告人のアリバイがほぼ成立した後で、新証言が出てくるとか、ちゃんと退屈させないように作られていて、ぐいぐい読めた。
被告に対する弁護側の尋問は圧巻。これが検事からの尋問ではないところがポイント。これがないと救われない人も多かった。
最終日の三人目の証人に対する検事側からの尋問は、最初からこの仕掛けに気づいていたというのに、裁判の中で誰も逃げずに辛い真相を明らかにしていく過程が見事で引き込まれた。
生徒たちの成長とか、それを見守る大人たちの気持ちも含めて、事件の全容を見渡せる特等席が名探偵ではなく読者のために用意されているのがよかった。
最後に下された陪審員たちの評決もお見事!

裁判後の彼らがどうなったか、もっと知りたかったけど、詳しく語られないところがよかったのかもしれない。
「あの裁判が終わってから僕ら――友達になりました」という台詞だけで十分という気もする。
とてもいいものを読んだ。

文庫版にはおまけの中編が入っている。続編って書かれてるけど、番外編という感じかな。20年後の藤野涼子も頼もしかった。
中央公論新社 2009/09

読みたいときに見つからなくて、古本屋に売っちゃったのかなあと思っていた本。
…本棚のスペースを確保するために、半分は勢いで、かなり思い切りよく処分しちゃうことがあるので。
で、久しぶりに本を整理することにしたら、普通に本棚に入ってた。
本格的な捜索に乗り出した時、なんで目に入らなかったのか…!

まあとりあえず、買い直す前に見つかってよかった。

この本読むと、やたらとスープとサンドイッチが食べたくなる。
明日も寒そうだけど、食パン買ってきて、サンドイッチを作ろうかな。
我が家近辺では、美味しいパン屋さんはあるけど、美味しいサンドイッチ屋さんはないのです…。
(美味しいパン屋さんのサンドイッチは美味しくない)

どうでもいいが、コンビニのサンドイッチは、地元(田舎)で買うより都会で買うほうが断然美味しい。
売れ残りがないから、いつでもパンがふんわりしてる。
サンドイッチは鮮度が重要!
ジョシュ・ラニヨン 訳:冬斗亜紀 新書館 2015/12

ついにシリーズ完結。
ああ、終わっちゃった…。

ネタバレ
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ジェイクが甘い男になってた!
いままでとのギャップが凄い…。いや、それはないだろ!!というぐらい、酷い仕打ちをしてきただけに。まあ、今回は相当反省を見せていたし、我慢強く待っててよかった。
彼の弱さと強さには惹かれるものがある。
ガイやメルもいい人だけど、アドリアンがジェイクを選んだのに納得。
相性抜群。考え方は違うのに、互いに唯一自分をさらけ出せる相手って、素敵な関係だ。
恋愛に焦点を当てつつ、このシリーズらしい雰囲気の事件も絡んで、読み応えたっぷりだった。
1巻ではどこか孤独だったアドリアンも、ジェイクとプール付の家で同居が決まり、新しい家族を受け入れ、アンガス、猫や犬にも囲まれて、幸せいっぱいのラスト。
最初はうるさかったリタも今ではよき理解者だし。なんでこんなに干渉するの!と思ってたけど、リタも少し変わって、うるさいけど愛情たっぷりの母親になった。
新居orクリスマスのプレゼントもよかった。

できれば続きが読みたい。
このシリーズはどちらかといえば苦い世界観なのに、5巻はすごく暖かく感じた。もう少し彼らと一緒にいたい、と思うような、親密さがあったというか。雰囲気のいい作品だった。

ガソリン生活

2015年5月27日 読書
朝日新聞出版 2013/03

緑デミオが主人公。もちろん、広島の工場生まれ。

面白かった。車達の会話が楽しい。次男と玉ちゃんのコンビも楽しい。
車が主人公だから車外で起こったことは分からなくて、もどかしいこともあれば、逆に車だから手に入る情報もあったりと、車視点を堪能できる。
緑デミが帰ってきたシーンがすごくよかった。
あと、表紙がすごく可愛いし、本文のディテールをしっかり拾ってて、読み終わった後にもう1度見直した。
光文社 2000/06

入門とあるけど、これの前に超入門書を読んでおかないと、用語の説明が分かりづらい。Aという単語がよく分からないのに、「BとはAによって~する」と説明されてしまう。
たぶん、書いてある内容自体は難しくない。
もしかしたら、翻訳のせいで分かりづらいんじゃないかという気もした。もう少し分かりやすい日本語にできなかったのかな、と。
他の本で仏教用語を押さえてから読めば、頭に入ってくるかもしれない。

「他の宗教に対して、尊敬の気持ちを持つように」という教えがよかった。宗教家って本来はこういうものじゃないかな。
他人が大事にしている信仰を否定するとか、攻撃するとか。そういう宗教は、どんな御大層な言葉で飾り立てても、底が浅く感じちゃう。
まあ、一神教より多神教のほうが、異教に寛容なのは当然かもしれないけど。
NHK出版 2015/03

往復4時間という通勤時間を少しでも有効活用するために(?)、電車の中では本を読むことが多いので(忙しい時期は貴重な睡眠時間になるけど)、ふだん、家では漫画しか読まない。
電車の中では片手で持てる文庫しか読めないから、ハードカバーや大判の本だけは家で読む。

というわけで、気になりつつ休日の今日まで寝かせてしまっていた本をようやく読むことができた。
最近、仏教関係の本を立て続けに買ったせいか、「出家しそうな勢いだね(笑)」とか言われちゃったけど、まあ癒されたいのです…。

「100分で」と謳っているだけあって、とても分かりやすい本だった。概要だけだけど、ポイントを押さえてあっていい。
入門書としてぴったり。
良い本を教えてくれて、ありがとうございました♪
(…実はこの番組、知ってはいたけど、微妙に反発心があった。文学作品の概要だけ知って、何の意味があるの? 読まないと意味ないんじゃない?と思ってた。
でも、小説じゃない本ならOKかもって、ちょっと思い直した…。)

大乗は、うーん?と思ってしまうことが多いけど、「釈迦の仏教」は受け入れやすい気がする。(仏教徒になりたいって意味じゃなく)
なんというか、「信じる者は救われる」「とにかく神を信じろ、信じないと罰が当たるぞ」って宗教はハードルが高い。だって、凡人だもの。それが悪魔の教えじゃないってことすら自分で判断できないのに、無条件に丸ごと信じるのって難しい。
そいうわけで、「精神修養すれば救われる」って考え方のほうが分かりやすいというか。
まあ、それはともかく。
出家と在家にきっちり分ける考え方って、理にかなってるなあと。実は以前から、全員が信者になったら、食べていけないじゃん?と疑問に思ってたので、なるほどね!と。

生まれ変わらないことが最大の目的っていう、ネガティブにも思える到達点も、私には受け入れやすい。
そして、ネガティブなようでいて、実際は「よりよく生きろ」というポシティブでシンプルな教えってところが興味深い。

それと。
以前読んだ脳神経学の本では、「意識とは錯覚にすぎない」みたいな結論だったんだけど、二千五百年も前にブッダが語ったことと変わらないのね~なんて思った。
余談。脳神経学のテーマは宗教や哲学の命題と被ることが多くて、なかなか面白い。

癒し?

2015年4月12日 読書
飛鳥新社 2014/10

私、いま癒されたいんだろうなあ…。
なんだか、この本がすごく心にしみた。
もうちょっと仏教について知りたいなあと思って、関連本を探してみたら、検索にカルト系も引っかかってくる。そもそも入門本を探している身としては、どれがカルトなのかなんて判断がつかない。
べつに仏教徒になりたいわけじゃないから、あまり信仰心を前面に出されるのは読みづらいというか、敷居が高いというか。
学術的な本ならOKなのかもしれないけど、学術書というのは「入門書」と銘打たれていても、門外漢には分かりづらいことが多い。専門知識は豊富でも、人に教えるのは下手な学者さんって多いから。

信仰とは関係ない次元で、ただ教養の一つとして宗教を学びたいと思っても、なんとな~くリスクを感じてしまうのは残念なことで。
このシリーズ、好きだなあ。
ジョシュ・ラニヨン 訳:冬斗亜紀 新書館 2015/02

楽しみにしていた新刊。
次で完結らしい。

ネタバレ
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この表紙も素敵だなあ。草間さんの挿絵はもともと好きだけど、このシリーズの表紙はとくにいい。

面白かった!
婚約者の他に男の恋人までいたなんて…。前回に引き続き、ジェイクの酷さに驚いた…。まあ、だからこそクライマックスシーンが(裏切ったのかもって)盛り上がったのかもしれないけど。
ジェイクにとって計算通りにいかないのは、アドリアンへの想いだけってことなのかな。その辺の「特別」感はラブストーリーとして美味しい。ただ、結婚後に友達として付き合うのなんて無理って、早く気付いてほしかった…。
色々間違った方向に進んでいた彼が、最後に正しい決断をしてくれてよかった。

最初はガイが気の毒だと思ってたのに、なんでそんなハリポタもどきと手を切れないのか…。アドリアンとは別れるしかないから、ガイにとってはいいことなんだろうけど、もっとマトモな相手がよかった~。

ジェイクとの会話の中でハッとさせられるような台詞がいくつかあった。
帯の「これは、僕らがやっと互いに言えた本当のさよならだよ」もよかったけど、「お前ほど度胸のある男は見たことがない」「それはただ、僕らが同じものを怖がっていないだけだよ」ってやり取りがよかった。

今回も事件の謎解きはテンポよかったし、スリルもあったし、甘さも切なさもあって最高だった。結構、分厚い文庫なのに、さくさく読了しちゃった。
最終巻が待ち遠しい。
新潮社 1974/12

表紙のデザインが素敵。

切ない短編集。
学生の時に読んで「何が言いたいのかさっぱり分からない」で終わってしまった本だったけど、再読してよかった。
今回も、「分かるような、分からないような」というのが正直な感想だけど。
たぶん、解説本とかで「これはこういう暗喩でね」と説明してて、定説なんかもあるんだろうけど、自分が感じたままで(分からないままで)いいや、と思った。自分で読み取らないと意味がないというか。面白くないというか。
結局、なんだったの?と思ってしまうラストもあったけど、分かりやすいエンタメ作品では決して味わえない深みがあった。(もちろん、エンタメにはエンタメの良さがある)

深く考えると救いのないような話もあったし、やるせないラストもあったけど、どこか優しい視線を感じるような話ばかりだった。
『エズミに捧ぐ』と『テディ』がとくに面白かった。
白水社 2006/04

若いころは読む気になれなかったけど、『翻訳夜話2』で訳者解説を読んで、手に取った。

この作品、日本では白水社しか翻訳出版権を持ってないんだそうで。
なんか意外だった。あちこちから出てるのかと思ってた。
しかも、翻訳者の解説をつけてはいけないという契約になっているそうで、だからわざわざ『翻訳夜話2』のほうに解説を載せたらしい。
…普通の翻訳者では、やりたくてもやれないだろうなあ。出版しても、解説メインの本って売れない気がするし。

この作品にネタバレってあるのかなあ?
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若いときに、超有名な『ライ麦畑で捕まえて』を避けて通ったのは、「訳知り顔で社会に反抗する若者の話とか、無理…」と思ったから。
ちなみに「訳知り顔で」というのは私が勝手に持った印象で、「社会に反抗する」という部分は国語の資料集の紹介文に書いてあったもの。
高校生の時の私は「主義主張もない、若い人間の反抗って、多くの場合は社会に対する甘えでしかないよね~。人の役に立つことをしてるわけでもないのに、文句だけは一人前ってことでしょ?」と苦々しく思っていて、『ライ麦畑~』も同じ括りで見てしまっていた。
長い前置き終わり。

実際に読んでみて、思っていたより読みやすかったし、面白かった。
ストーリーの筋がどこに向かっているか分からないのに、語り口はやけに軽妙というところが、主人公の不安定さを表現してるように感じた。
主人公のホールデンにシンクロできれば感動するかもしれないけど、若くない私には無理だった。
読み応えはあるけど、あまり考えさせられずにさらっと読めてしまう。
ホールデンに対して「ちょっと立ち止まって、深呼吸をするといいよ」とか「空を見上げてごらん」とか、そんなアドバイスをしたくなった(笑)

彼は反抗をしているというより、ただ打ちのめされて、疲れているように思えた。
誰もが持っているような、多少の問題はあるにせよ、差し迫った問題とか、深刻な問題はないのに、感受性が強すぎて、穏やかな気持ちになれないでいる。常に、ありもしない影に怯えているみたい。

彼は自分でも認めている通り臆病すぎて、兄や妹以外の人間には心を開けない。知らない女性に声をかけるのは平気だけど、昔のガールフレンドに電話をかけることはできない。親しい友人というものがいなくて、成績不良で退学になったことを話せる相手もいない。ようやく以前通っていた学校の先生に気持ちを話すんだけど、うまく理解してもらえず、夜中に頭を撫でられて(それがセクシャルな意味だと思い)逃げ出してしまう。
孤独といえば、孤独なのかもしれない。
兄とは物理的にも気持ちの面でも、ちょっと離れてしまっている。大好きな弟は死んでしまっていて、大好きな妹はまだ幼くて、頼るわけにはいかない。
精神的に頼れる相手が必要なんだろうと思うけど、本人が望むことは「大人のいないライ麦畑で子供たちを見守りたい」とか、「知り合いのいない土地に移り住んで、森のそばの小屋で引きこもって暮らしたい」とか、徹底的に他人と触れ合うことを拒否する方向。
ホールデンが語りかける「君」というのは、もう一人の自分であったり、読者であったり、はっきり定義できる存在ではないと思う。ただ、ホールデンにとって「君」という存在は、なんでも話せる相手らしい。兄にはなんでも話しているらしいけど、兄はいつも不在で、たぶん近くに戻ってくることはないんだと思う。
ホールデンに必要なのは、生身の「君」なんじゃないかな。話を聞いてくれて気持ちを理解してくれて、ときには意見してくれる存在としての「君」。
でも、彼は家族以外の人間と親しくなるのは怖いのかもしれない。
たぶん、彼はリターンよりリスクを先に考え、重視してしまう人間。孤独になることよりも、他人と触れ合って傷つけられるリスクを先に恐れるんじゃないだろうか。

まあ、結局のところ、何が言いたいのか、話がどこに向かっているのか、最後までよく分からなかった。
いろいろ深い意味とか考えずに読めば、わりとダラダラした話なんだけど、不思議なぐらい引き込まれる文章だった。
どこに向かっているか分からないお喋りが続いていくのに、退屈はしないし、なんかよく分からないけど読後にずっしりくる。重苦しいって意味じゃなく、知らない間に容量を食っていたというか、読んでいる間には気付かなかったけど、密度が濃かったというか。
この作品のどこがそんなに凄いのか私には分からない。でも、説明できない、感覚的な部分で手応えがある。音楽とか絵画に近いかもしれない。技術とか解釈とか難しいことは分からないけど、なんだか迫力があったよ、という感じ。

回転木馬のシーンが印象的。激しい雨が降る中、屋根の付いた回転木馬に乗っている、青いコートを着た妹を見守るというクライマックスの場面。
美しいとも切ないともつかないけど、目に浮かぶよう…。
とくに翻訳に興味があるわけでもないんだけど、1が面白かったら、2も…と手に取ってみた。
タイトルはこうだけど、サリンジャーを中心に翻訳論みたいなものを展開していくのかと思っていたら、1冊丸々『キャッチャー』(春樹の新訳版『ライ麦畑~』)について、だった。まさに惹句の通り、「語り尽くす」という感じ。
困ったなあ、『ライ麦畑~』読んだことないんだよね~と思いつつ読み始めたら、内容を知らなくても結構楽しめて、するすると読めてしまった。
未読なのに、なんだか1冊(『キャッチャー』を)読み終えたような気分。
まあ、ついでに?『キャッチャー』も読んでみようかと、野崎訳の『ナイン・ストーリーズ』とセットで買ってみた。

そもそも、若いときに、超有名な『ライ麦畑で捕まえて』を避けて通ったのは、「訳知り顔で社会に反抗する若者の話とか、無理…」と思ったから。
…まあ、中学か高校で使う国語の資料集にそんな感じの紹介文が載っていたんだと思う。高校生の時、その資料集を使って、「これから自分が読むべき本」というのをリストアップしたんだけど、『ライ麦畑~』の紹介文は捻くれた高校生の私には耐え難くて、リストから外してしまい、今に至る…。

ただ、サリンジャーをまったく読まないというわけにもいかないだろうと『ナイン・ストーリーズ』は読んだ。漫画の『バナナフィッシュ』を読んで興味を引かれたという…(私にとっては)ちょっと恥ずかしい理由もあった。(何かの影響を受けたことを人に知られるのが、なんだか気恥ずかしいという意味)
でも、面白いとか面白くないとか、好きとか嫌いとかいう以前に、何が書かれているのか、さっぱり分からなかった。世界的に評価の高いサリンジャーを少しも理解できないなんて、私には読解力とか文学的素養とかいうものが、徹底的に足りていないんだろうなあと思い知らされて、なんだか苦い読後感だった。

それにしても、この年齢で『ライ麦畑~』初挑戦とは。
時期を外しまくっている気がする。音楽や絵画と違って、文学にはそれを受け取るのにふさわしい時期ってものがあると思うから、もしかしたら何も感じないまま読み終えるかもしれない。現在の自分が、初めて読んだ時と比べて、読解力が上がったとか、人間的に成長したとは思えないし。
けど、趣味や感じ方が変わっているという可能性はある。
どうかなあ、今度こそ楽しめるかなあ?? ちょっと不安。
東野圭吾 角川書店 2012/03

久しぶりに図書館で借りて読んだ本。
ハートフルで、すっごく面白かった!!

これは単行本。文庫出たら絶対買う!と思ってたら、なんと来月発売が決まっていた。嬉しいわ。
再読してから、感想を書こうかな。

時空を超えて交わされる、温かな手紙交換。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。すべての人に捧げる、心ふるわす物語。

ジョシュ・ラニヨン 訳:冬斗亜紀 新書館 2013/10

翻訳はこれも冬斗さん。
実はもともと、この方の文章が好きだったから、アドリアン・イングリッシュシリーズも手に取っただけで、内容にはとくに期待してなかった…。
で、読んだら予想外に面白かったので、同じ作者の別作品も読んでみることに。


ネタバレ
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これも面白かった。
事件を追うミステリというより、記憶喪失になったことがきっかけで、人生を見直していく話だと思う。美術館とコテージの描写もいいし、テンポもよくて読みやすい。
単純な話を短めにまとめているのも、上手だな~と。…もっと長くしようとしたら、たぶんドロドロした内容になるだろうし、この長さに収めて正解というか。

自分の失敗から一度失った相手を取り戻す場面がよかった。
ジョシュ・ラニヨン 訳:冬斗亜紀 新書館 2013/12

翻訳もの。
BL的な扱いで売ってるけど、別のジャンルって気がする。
ゲイの小説?

ネタバレ
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面白かった。
海外ものを読む際の重要ポイントである翻訳の文章も上手かった。
書き方が、いわゆるラノベじゃないと思う。だから、BLでもないと思う。
じゃあ一般文芸のミステリとかサスペンスかというと、それもちょっと違う気がする。日本でもよく見かける軽いノリのミステリって感じかなあ。描写がしっかりしてるから、読み応えがあった。

後半、この1冊で事件は解決するのかと心配になったけど、きれいにまとまるテンポもよかった。主人公と刑事が惹かれ合っていく過程なんかは、きっちりロマンス仕立てだし。続きも楽しみ。
シリーズ3冊目が賞を取ったと書いてあったので、3冊目まで無事に刊行するといいな~と。

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