笠倉出版社 2015/05
読んだのに記録してなかった。
ネタバレ
----------------------------------------
面白かったし、読みやすかったけど、主人公の遥斗に魅力を感じなかった。
悪い子ではないけど、どうも感情移入しづらいというか。容姿が際立っていいのに目立たないという設定も、無理があるような。
そのせいか、攻の元彼が魅力的な人に思えて、ちょっと登場してほしかったかも。
どうでもいいが、体調が悪いときに読んだので、流血シーン(主人公がちょっとした事故で顔に怪我をする)を読んだとき、気持ちが悪くて吐きそうになった。
健診の採血でも、映画やドラマの流血シーンでも、小説でのちょっとした描写でも、とにかく血が苦手。血を想像すると、貧血を起こしてしまう。
はあ~、(自分に)疲れる。
これ書いてたら、また思い出しそうになった…。
読んだのに記録してなかった。
ネタバレ
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面白かったし、読みやすかったけど、主人公の遥斗に魅力を感じなかった。
悪い子ではないけど、どうも感情移入しづらいというか。容姿が際立っていいのに目立たないという設定も、無理があるような。
そのせいか、攻の元彼が魅力的な人に思えて、ちょっと登場してほしかったかも。
どうでもいいが、体調が悪いときに読んだので、流血シーン(主人公がちょっとした事故で顔に怪我をする)を読んだとき、気持ちが悪くて吐きそうになった。
健診の採血でも、映画やドラマの流血シーンでも、小説でのちょっとした描写でも、とにかく血が苦手。血を想像すると、貧血を起こしてしまう。
はあ~、(自分に)疲れる。
これ書いてたら、また思い出しそうになった…。
新書館 2014/09
すっかり忘れてたけど、雑誌掲載時に読んだ気がする。
というわけで、再読。
面白かった。
うえださんのお仕事ものは、厳しいばかりで甘さがないこともあるけど、この作品では主人公がちょっとずつ成長しながら、周囲に愛されていくのがよかった。攻くんと近づいていく過程より、現場のおっさんたちと仲良くなっていく過程のほうが面白かったかも(笑)
主人公は頼りないところもあるけど、優等生的で夢や目標もあって、頑張るタイプ。でも、あんまり熱すぎないところが、よかった。
…理系でザルなところが好みだったなあ。
しっかり者なのに、ちょっと面倒くさい年下攻くんも可愛かった。実は…って設定、いらない気がしたけど、それがストーリーに結びついてるから、しょうがないのかな。
すっかり忘れてたけど、雑誌掲載時に読んだ気がする。
というわけで、再読。
面白かった。
うえださんのお仕事ものは、厳しいばかりで甘さがないこともあるけど、この作品では主人公がちょっとずつ成長しながら、周囲に愛されていくのがよかった。攻くんと近づいていく過程より、現場のおっさんたちと仲良くなっていく過程のほうが面白かったかも(笑)
主人公は頼りないところもあるけど、優等生的で夢や目標もあって、頑張るタイプ。でも、あんまり熱すぎないところが、よかった。
…理系でザルなところが好みだったなあ。
しっかり者なのに、ちょっと面倒くさい年下攻くんも可愛かった。実は…って設定、いらない気がしたけど、それがストーリーに結びついてるから、しょうがないのかな。
ロマンチック・レプリカ
2014年5月18日 うえだ真由
幻冬 2013/10
『きっと優しい夜』のスピンオフ。
表紙右のキャラ、私の目には中学生ぐらいにしか見えないんだけど、社会人数年目。
ネタバレ
------------------------------------------
受の魅力が分からなかった。
頑張ってるけど、才能がない、ミス連発も挽回の機会なしって、うえださんの仕事描写は容赦がない(笑)
痴漢と殴り合いになった後の警察の対応や本人の態度といい、シビアすぎて、なんだか全体に後味が悪い。
義兄への失恋→直後に攻に告白っていうのも、軽すぎる。同時進行で2人と付き合っていたわけじゃないから責めることでもないけど、失恋前から攻が気になっていたということだから、気が多いのかな~と。
攻のほうも、いつ受を好きになったか分からないし、恋愛に対する必死さが伝わってこなかった。「よくある恋愛の1つ」という感じで、恋愛小説としては弱いというか。
受が義兄への恋愛を自覚するまでの話が長すぎて、攻の印象がとにかく薄い。受同様で、攻のほうも仕事で活躍するよりもダメ出しくらって落ち込んでいる話がクローズアップされてしまい、脇役っぽさが最後まで抜けなかった。
せっかく、きれい系の攻なんだから、それを生かした話を読みたかった。
後日談はほのぼのしてるけど、何か小さな出来事がきっかけで別れてしまいそうな不安も残した…。
『きっと優しい夜』のスピンオフ。
表紙右のキャラ、私の目には中学生ぐらいにしか見えないんだけど、社会人数年目。
ネタバレ
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受の魅力が分からなかった。
頑張ってるけど、才能がない、ミス連発も挽回の機会なしって、うえださんの仕事描写は容赦がない(笑)
痴漢と殴り合いになった後の警察の対応や本人の態度といい、シビアすぎて、なんだか全体に後味が悪い。
義兄への失恋→直後に攻に告白っていうのも、軽すぎる。同時進行で2人と付き合っていたわけじゃないから責めることでもないけど、失恋前から攻が気になっていたということだから、気が多いのかな~と。
攻のほうも、いつ受を好きになったか分からないし、恋愛に対する必死さが伝わってこなかった。「よくある恋愛の1つ」という感じで、恋愛小説としては弱いというか。
受が義兄への恋愛を自覚するまでの話が長すぎて、攻の印象がとにかく薄い。受同様で、攻のほうも仕事で活躍するよりもダメ出しくらって落ち込んでいる話がクローズアップされてしまい、脇役っぽさが最後まで抜けなかった。
せっかく、きれい系の攻なんだから、それを生かした話を読みたかった。
後日談はほのぼのしてるけど、何か小さな出来事がきっかけで別れてしまいそうな不安も残した…。
幻冬舎 2013/02
読み終わったのは先週。
すでに内容を忘れかけていて、自分の記憶力のなさに参った…。
ネタバレ
------------------------------------------
面白かったけど、堂上は上司として未熟でダメじゃんと思った。
自分は人事に口を出せる立場で相手は3ヶ月契約の派遣。セクハラとまでは言わないけど、自分が告白したら相手が働きづらくなるって、人を使う立場なら考えないと…。
このご時勢、転職なんて難しいのよ。
理ももっとしっかりしてほしい。精神的に弱すぎて、読んでて辛くなった。
元彼とのエピソードも、堂上への言葉も、なんだかなあという感じ。
でも、二人がしっかりしてると、告白→ごめんなさい、で話が終わっちゃうのでした…。
仕事部分は二人とも熱意があって格好よかったし、恋愛面の不器用さも応援したくなった。堂上が理の仕事ぶりを追いかけていたエピソードがとくによかった。
本編で甘さが少なかった分、焼肉屋の続編で安心した。
読み終わったのは先週。
すでに内容を忘れかけていて、自分の記憶力のなさに参った…。
ネタバレ
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面白かったけど、堂上は上司として未熟でダメじゃんと思った。
自分は人事に口を出せる立場で相手は3ヶ月契約の派遣。セクハラとまでは言わないけど、自分が告白したら相手が働きづらくなるって、人を使う立場なら考えないと…。
このご時勢、転職なんて難しいのよ。
理ももっとしっかりしてほしい。精神的に弱すぎて、読んでて辛くなった。
元彼とのエピソードも、堂上への言葉も、なんだかなあという感じ。
でも、二人がしっかりしてると、告白→ごめんなさい、で話が終わっちゃうのでした…。
仕事部分は二人とも熱意があって格好よかったし、恋愛面の不器用さも応援したくなった。堂上が理の仕事ぶりを追いかけていたエピソードがとくによかった。
本編で甘さが少なかった分、焼肉屋の続編で安心した。
勾留中のアステリアス
2012年5月13日 うえだ真由
うえだ真由 新書館 2010/09
雑誌掲載時に読んで、なぜそこまでサボテンを愛しているのか?と疑問を持っていた作品。
ちなみに1話目は「ももいろヘヴン」なので、背表紙のあらすじによると「エロ度150%増量」だそうだけど、心情面もきっちり。
ネタバレ
-------------------------------------------
気軽に読めて面白かった。
亭主関白・妄想癖という二重苦(笑)の攻はちっともカッコよくないと思う。そこまで男を立ててくれる女性はいないだろうし…。この作品の受のように、しょうがないなーと苦笑いしながら付き合ってくれるってシチュエーション以外に、相手が攻の理想を叶えてくれる可能性はない気がする…。
深見(『ロマンス~』の攻)にやり込められる場面では、攻めと少しタイプが似ている深見がカッコイイだけに、攻のダメさ加減も際立ってしまっていた。そのダメなとこが可愛いと思えれば魅力的な攻なんだろうけど、攻視点だと分からない。
でも、仕事に打ち込む姿は好感が持てるし、これだけ恋人に対して一途だと、まあ応援したい気持ちにはなる。
受のほうはもうちょっと愛嬌がほしい気がするけど、従順なんだか冷たいんだか分からないようなところが、飽きさせないのかもしれない。夢中になる攻の気持ちがよく分かる。
受視点の短編では攻の魅力がよく分かるし、ほだされた気持ちも分かった。攻視点では受の魅力が、受視点では攻の魅力が分かるという書き方が、恋愛物として上手だなーと思った。
受の行動の理由や攻を好きになった経緯なんかは、共感というより、なるほど!という感想。
サボテンのイラストが可愛いー。
「なぜサボテンを愛しているのか?」の回答は、ただのマニアックな趣味だった。いや、そこにたどり着くまでのきっかけ(サボテンとの馴れ初め)とかはあったのかもしれないけど、作中に説明はない。気になる~。
雑誌掲載時に読んで、なぜそこまでサボテンを愛しているのか?と疑問を持っていた作品。
ちなみに1話目は「ももいろヘヴン」なので、背表紙のあらすじによると「エロ度150%増量」だそうだけど、心情面もきっちり。
ネタバレ
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気軽に読めて面白かった。
亭主関白・妄想癖という二重苦(笑)の攻はちっともカッコよくないと思う。そこまで男を立ててくれる女性はいないだろうし…。この作品の受のように、しょうがないなーと苦笑いしながら付き合ってくれるってシチュエーション以外に、相手が攻の理想を叶えてくれる可能性はない気がする…。
深見(『ロマンス~』の攻)にやり込められる場面では、攻めと少しタイプが似ている深見がカッコイイだけに、攻のダメさ加減も際立ってしまっていた。そのダメなとこが可愛いと思えれば魅力的な攻なんだろうけど、攻視点だと分からない。
でも、仕事に打ち込む姿は好感が持てるし、これだけ恋人に対して一途だと、まあ応援したい気持ちにはなる。
受のほうはもうちょっと愛嬌がほしい気がするけど、従順なんだか冷たいんだか分からないようなところが、飽きさせないのかもしれない。夢中になる攻の気持ちがよく分かる。
受視点の短編では攻の魅力がよく分かるし、ほだされた気持ちも分かった。攻視点では受の魅力が、受視点では攻の魅力が分かるという書き方が、恋愛物として上手だなーと思った。
受の行動の理由や攻を好きになった経緯なんかは、共感というより、なるほど!という感想。
サボテンのイラストが可愛いー。
「なぜサボテンを愛しているのか?」の回答は、ただのマニアックな趣味だった。いや、そこにたどり着くまでのきっかけ(サボテンとの馴れ初め)とかはあったのかもしれないけど、作中に説明はない。気になる~。
法医学教室の美女と野獣
2012年5月12日 うえだ真由
うえだ真由 ムービック 2012/03
うえださん、お久し振りの新刊。
私の中で、うえだブームは終わってたんだけど、最近ちょっと再燃中というタイミングで、『ロマンス~』以来のヒット出ました。
ネタバレ
-----------------------------------------
これは面白かった。
うえださんは仕事の出来る強気受だと好みに合うことが多いかも。可愛くて素直な受も悪くはないけど、素直じゃないタイプのほうがいいなあ。趣味の問題で。
ゴリラ呼ばわりされてる刑事さんで、『ヒミツな二人』の強面刑事さんをちょっと思い出した。
久住の偉そうなトークがなんかツボだった。でも、間違ったことは言ってないし、四角四面でもないし、嫌味ではない。このバランスが絶妙っていうか。
久住が倉持の演奏を素直に賞賛する場面がとくによかった。こういう場面で変な意地を張らないところもいい。
倉持の気持ちをすぐに受け入れられないのも、久住の心情が伝わってきてリアルに感じた。まあ…そういう過去があるんだから、両思いまでに1つプロセス増えないほうが嘘だと思うし。
恋愛以外にも、事件、上司と同僚との関係まで含めた仕事描写、ヴァイオリンのレッスン、二人のこれまでの人生まで、丁寧に過不足なく描かれていて、欲張りな1冊だった。軽くも重くもない展開、早すぎず遅すぎずというテンポ、なによりラストの甘さ。ベテラン作家さんは違うな~と感服した。
満足~。
うえださん、お久し振りの新刊。
私の中で、うえだブームは終わってたんだけど、最近ちょっと再燃中というタイミングで、『ロマンス~』以来のヒット出ました。
ネタバレ
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これは面白かった。
うえださんは仕事の出来る強気受だと好みに合うことが多いかも。可愛くて素直な受も悪くはないけど、素直じゃないタイプのほうがいいなあ。趣味の問題で。
ゴリラ呼ばわりされてる刑事さんで、『ヒミツな二人』の強面刑事さんをちょっと思い出した。
久住の偉そうなトークがなんかツボだった。でも、間違ったことは言ってないし、四角四面でもないし、嫌味ではない。このバランスが絶妙っていうか。
久住が倉持の演奏を素直に賞賛する場面がとくによかった。こういう場面で変な意地を張らないところもいい。
倉持の気持ちをすぐに受け入れられないのも、久住の心情が伝わってきてリアルに感じた。まあ…そういう過去があるんだから、両思いまでに1つプロセス増えないほうが嘘だと思うし。
恋愛以外にも、事件、上司と同僚との関係まで含めた仕事描写、ヴァイオリンのレッスン、二人のこれまでの人生まで、丁寧に過不足なく描かれていて、欲張りな1冊だった。軽くも重くもない展開、早すぎず遅すぎずというテンポ、なによりラストの甘さ。ベテラン作家さんは違うな~と感服した。
満足~。
うえだ真由 新書館 2004/4
再読。
私にとっては、可もなく不可もなくといった読後感なので話を忘れていたが、結構面白かった。受の片思い的な本編だけだと物足りないものがあるが、続編のほうで攻の気持ちも分かるので、満足感もある。
…基本的に可愛い学生受に興味がなくても楽しめた。ほのぼの学生ものが好きな人なら、もっと楽しいんじゃないかと。
再読。
私にとっては、可もなく不可もなくといった読後感なので話を忘れていたが、結構面白かった。受の片思い的な本編だけだと物足りないものがあるが、続編のほうで攻の気持ちも分かるので、満足感もある。
…基本的に可愛い学生受に興味がなくても楽しめた。ほのぼの学生ものが好きな人なら、もっと楽しいんじゃないかと。
うえだ真由 大洋図書 2009/10
後味の悪い話だった。
ネタバレ
-----------------------------------------
気にならない人はまったく気にならないし、気にしない(むしろ好んで読む)読者のほうが多いんだろうけど、私はやっぱりムリヤリは受け付けない。
この作品の場合はムリヤリと強引の間のグレーゾーンぐらいだけど、そもそも泥酔した相手に手を出すって、置き引きみたいなものだと思うし。隙があった自分も悪いと主人公はいうが、相手に隙があると犯罪行為は正当化されるものなんですか、警備員を巡回させていない店では万引きされても仕方ないんですか、検事さん?と質問してみたい。
こんな倫理感のない検事はイヤだ…。
そもそも同性相手に、なんで警戒しなくちゃいけないのか。お互いにゲイだと分かっているならともかく、酔って先輩の家に泊めてもらうぐらい普通だし…。それがBL界の常識だとしても(?)、世間一般では非常識だと思うんだが。
しかもこの攻、余裕のある年上って設定なので、余計に気分が悪い。
相手の気持ちに隙があるって冷静に見極めてるなら、気持ちを踏みにじるような方法を取らなくても、優しくして口説けばいいんじゃないの?
その程度の手間隙惜しんでおいて、好きだとか言われても。
たいして好きじゃないんだろうなーと思ってしまう。その後、この攻は落ち込んでいる主人公を励ますために、遊びに連れ出したりする。自分の気分次第で冷たくしたり優しくしたりするってことなのかな。
主人公は強姦→脅迫という被害を受けているのに、「言い過ぎました」とか後で謝っているのも、結構不思議。うえだ作品は、いつも受には必要以上に厳しいのだが、攻のモラルの欠如にはなぜか寛容だ。うーん。作者と倫理感が違うと読みづらいなあ。
後味が悪い1
主人公が心変わりして、キス止まりの恋人と別れるのはいいのだが、恋人の株を下げることで、本命(攻)を選んでいるところがあるので、なんだかなあと。攻の本音ではあるのだろうが、恋敵の悪口を吹き込んで略奪愛って、すげえ感じ悪い。
後味が悪い2
受が担当していた事件。再犯の可能性が高いのに、起訴猶予で犯人は野放し。
これに納得せず、検事を辞める主人公の行動は格好いいといえば格好いいのだが、ただの自己満足という感も否めず…。たとえば刑事ものなんかだと、上には逆らえずに辞めるという展開になっても、犯人に一言ぐらい説教するとかなんとか、多少はフォローが入るのだが。この作品だと犯人(大臣の息子)は、受が意地を通して辞めたことなど知る由もなく、本当に何もなく野放しで…。受はある意味、筋を通してスッキリしたかもしれないが、自分の中だけで完結してしまっている。これだとせいぜい、上司や同僚に「馬鹿な奴がいた」と思われる程度だろう…。いくら小説でも、やるせないなあと。
攻も主人公もわりと好きなタイプ(※)のキャラなのだが、ストーリーの後味が悪すぎて、どうにも楽しめない作品だった。
※ 強引ぐらいで済ませてくれたら、かなり好きだったと思う。
そんなに受け付けないのに、なんでムリヤリ作品を読むのかというと、攻の反省とかその後の展開によって許せることもあるし、逆に感動できる作品もあるから。
まあムリヤリを読むときの気分は、九回表で1点ビハインド、1アウト、走者1、3塁で打席に立つぐらい? ……例が適切かどうか分からないけど。
後味の悪い話だった。
ネタバレ
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気にならない人はまったく気にならないし、気にしない(むしろ好んで読む)読者のほうが多いんだろうけど、私はやっぱりムリヤリは受け付けない。
この作品の場合はムリヤリと強引の間のグレーゾーンぐらいだけど、そもそも泥酔した相手に手を出すって、置き引きみたいなものだと思うし。隙があった自分も悪いと主人公はいうが、相手に隙があると犯罪行為は正当化されるものなんですか、警備員を巡回させていない店では万引きされても仕方ないんですか、検事さん?と質問してみたい。
こんな倫理感のない検事はイヤだ…。
そもそも同性相手に、なんで警戒しなくちゃいけないのか。お互いにゲイだと分かっているならともかく、酔って先輩の家に泊めてもらうぐらい普通だし…。それがBL界の常識だとしても(?)、世間一般では非常識だと思うんだが。
しかもこの攻、余裕のある年上って設定なので、余計に気分が悪い。
相手の気持ちに隙があるって冷静に見極めてるなら、気持ちを踏みにじるような方法を取らなくても、優しくして口説けばいいんじゃないの?
その程度の手間隙惜しんでおいて、好きだとか言われても。
たいして好きじゃないんだろうなーと思ってしまう。その後、この攻は落ち込んでいる主人公を励ますために、遊びに連れ出したりする。自分の気分次第で冷たくしたり優しくしたりするってことなのかな。
主人公は強姦→脅迫という被害を受けているのに、「言い過ぎました」とか後で謝っているのも、結構不思議。うえだ作品は、いつも受には必要以上に厳しいのだが、攻のモラルの欠如にはなぜか寛容だ。うーん。作者と倫理感が違うと読みづらいなあ。
後味が悪い1
主人公が心変わりして、キス止まりの恋人と別れるのはいいのだが、恋人の株を下げることで、本命(攻)を選んでいるところがあるので、なんだかなあと。攻の本音ではあるのだろうが、恋敵の悪口を吹き込んで略奪愛って、すげえ感じ悪い。
後味が悪い2
受が担当していた事件。再犯の可能性が高いのに、起訴猶予で犯人は野放し。
これに納得せず、検事を辞める主人公の行動は格好いいといえば格好いいのだが、ただの自己満足という感も否めず…。たとえば刑事ものなんかだと、上には逆らえずに辞めるという展開になっても、犯人に一言ぐらい説教するとかなんとか、多少はフォローが入るのだが。この作品だと犯人(大臣の息子)は、受が意地を通して辞めたことなど知る由もなく、本当に何もなく野放しで…。受はある意味、筋を通してスッキリしたかもしれないが、自分の中だけで完結してしまっている。これだとせいぜい、上司や同僚に「馬鹿な奴がいた」と思われる程度だろう…。いくら小説でも、やるせないなあと。
攻も主人公もわりと好きなタイプ(※)のキャラなのだが、ストーリーの後味が悪すぎて、どうにも楽しめない作品だった。
※ 強引ぐらいで済ませてくれたら、かなり好きだったと思う。
そんなに受け付けないのに、なんでムリヤリ作品を読むのかというと、攻の反省とかその後の展開によって許せることもあるし、逆に感動できる作品もあるから。
まあムリヤリを読むときの気分は、九回表で1点ビハインド、1アウト、走者1、3塁で打席に立つぐらい? ……例が適切かどうか分からないけど。
告白はフルコースのあとで
2010年3月5日 うえだ真由
うえだ真由 二見書房 2010/2
レストランもの。
フードコンサルタントが主人公だけど。
ネタバレ
-------------------------------------------
再読なので、まあ簡単に。
相性最悪な二人というより、どちらかというと悠里が因近を苦手に思っているだけだろうけど、まあそういう二人が仲良くなっていくまでの過程が面白かった。
情熱的になりすぎちゃうからという理由で恋愛をためらうというのも、考えてみればすごい話で。…強烈なノロケだなあと。
まあ100%ハッピーエンド保証なBLだからそういえるのかも。この100%保証は読んでいて安心な反面、途中に障害やら別れやらが入っていても効果が薄いというマイナス面もあるのかなー。
相変わらず受が女性名なので、そろそろ別路線にすればいいのになあと思ったり。萌ってやつだから変わらないかもしれないけど。
あといつもこういうタイプへの断罪(っていうと大袈裟だけど)は厳しいものがあるなあと。基本的に角が少ない作風のせいか、主人公の反省タイムがいつもちょっとキツク感じてしまうというか。まあ個人的な感覚だけど。
うえだ作品の場合、わりと攻には寛容な気がする。なんとなく。
でも悠里の隙だらけ?のクールさは結構好きだなあ。
悠里に振られた因近が、離れている期間に経営を頑張って男を上げるんじゃなくて、やる気をなくしたとかいって赤字にしてしまうヘタレぶりが個人的にツボだった。攻が年上でセレブって設定なら、私の趣味的にはこれぐらいのサービス(=ヘタレとか変人とか)がほしいところなので、これはいいなあと。
レストランもの。
フードコンサルタントが主人公だけど。
ネタバレ
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再読なので、まあ簡単に。
相性最悪な二人というより、どちらかというと悠里が因近を苦手に思っているだけだろうけど、まあそういう二人が仲良くなっていくまでの過程が面白かった。
情熱的になりすぎちゃうからという理由で恋愛をためらうというのも、考えてみればすごい話で。…強烈なノロケだなあと。
まあ100%ハッピーエンド保証なBLだからそういえるのかも。この100%保証は読んでいて安心な反面、途中に障害やら別れやらが入っていても効果が薄いというマイナス面もあるのかなー。
相変わらず受が女性名なので、そろそろ別路線にすればいいのになあと思ったり。萌ってやつだから変わらないかもしれないけど。
あといつもこういうタイプへの断罪(っていうと大袈裟だけど)は厳しいものがあるなあと。基本的に角が少ない作風のせいか、主人公の反省タイムがいつもちょっとキツク感じてしまうというか。まあ個人的な感覚だけど。
うえだ作品の場合、わりと攻には寛容な気がする。なんとなく。
でも悠里の隙だらけ?のクールさは結構好きだなあ。
悠里に振られた因近が、離れている期間に経営を頑張って男を上げるんじゃなくて、やる気をなくしたとかいって赤字にしてしまうヘタレぶりが個人的にツボだった。攻が年上でセレブって設定なら、私の趣味的にはこれぐらいのサービス(=ヘタレとか変人とか)がほしいところなので、これはいいなあと。
うえだ真由 新書館 2009/12/10
『ブラコン処方箋』の続編。
ネタバレ
前作は私の趣味としてはそれほど……だったが、和紀が好きなのでつい続きを読んでしまった。
今回は医者としての仕事がクローズアップされていた。Jリーガーが出てくるのだが、当て馬というより患者という意味合いのほうが大きかった気がする。和紀に迷いがないし、口説かれるっていっても、ワガママな患者に振り回されてる感のほうが大きかった。
そのかわり医者としての仕事では感動的な場面や考えさせられる場面が多くて、読み応えがあった。
仕事と恋愛がうまく結びついてないとか、そういうことじゃなくて、しっかり恋愛も描かれているんだけど、二人とも大人だから仕事の比重が大きいんだと思う。それで結果的に、ちょっとラブ要素が低めの職業ものって仕上がりになっているような。このへんは好みの問題で、人によって感じ方がバラつきそうだけど。
和紀は、主役になる前より「優奈の兄ちゃん」だったときのほうが好みだったかなー。まあこれも私の趣味のせいだと思うんだけど、年上の恋人に甘やかされて、ついでに頭を押さえつけられちゃってるようなイメージだし、俺様じゃなくなっちゃってる気がして。
有能で男前でちょっと意地悪な年上攻って設定は、どうも私にはつまらなくて。ちょっと意地悪なぐらいなら、包容攻のほうが好みっていうか…。
攻の京悟は前回より本音を見せてくれて、恋愛ものとしては面白くなった。…普通は鈍い受が気付かなくても、読者には攻の気持ちは分かるものだと思うんだけど、前回はほとんど何も伝わってこなかったので。言葉にしただけ、今回は分かりやすかったというか。
けど、ライバルにこっそり意地悪するって、なんか可愛いというより大人として情けなくて…。ヘタレなら可愛いんだけど、これは小さすぎてちょっと幻滅というか。受の目の前でやってれば、笑えたかもしれないけど。
…もしかして、私はもう攻が何をやっても気に入らないんじゃないかという気がしなくもない。うーん、うえだ作品の攻は趣味に合うこと多いのになあ。
というわけで、攻が趣味に合わないので、話としては面白いけど、イマイチ盛り上がれなかった。
どうでもいいが、表紙のイラストは、どっちがどっちなのか区別がつきづらいっていうか、私には同じ顔に見える。うーん、挿絵は区別つきやすかったけど。
『ブラコン処方箋』の続編。
ネタバレ
整形外科医の仕事も、年上の恋人・京悟(きょうご)との院内恋愛も順調で充実した毎日を送っていた和紀(かずき)。そんな時、靭帯の手術で人気Jリーガーの小波仁(こなみ・じん)が入院してくる。担当医となった和紀は、常識はないが可愛げがあって憎めない彼を窘めたり元気づけたりしているうちに懐かれ、告白されてしまう。今まで京悟以外の男に好かれたことなどなかったのに……。動揺した和紀は!? イジワル攻×意地っ張り受の人気シリーズ続篇
前作は私の趣味としてはそれほど……だったが、和紀が好きなのでつい続きを読んでしまった。
今回は医者としての仕事がクローズアップされていた。Jリーガーが出てくるのだが、当て馬というより患者という意味合いのほうが大きかった気がする。和紀に迷いがないし、口説かれるっていっても、ワガママな患者に振り回されてる感のほうが大きかった。
そのかわり医者としての仕事では感動的な場面や考えさせられる場面が多くて、読み応えがあった。
仕事と恋愛がうまく結びついてないとか、そういうことじゃなくて、しっかり恋愛も描かれているんだけど、二人とも大人だから仕事の比重が大きいんだと思う。それで結果的に、ちょっとラブ要素が低めの職業ものって仕上がりになっているような。このへんは好みの問題で、人によって感じ方がバラつきそうだけど。
和紀は、主役になる前より「優奈の兄ちゃん」だったときのほうが好みだったかなー。まあこれも私の趣味のせいだと思うんだけど、年上の恋人に甘やかされて、ついでに頭を押さえつけられちゃってるようなイメージだし、俺様じゃなくなっちゃってる気がして。
有能で男前でちょっと意地悪な年上攻って設定は、どうも私にはつまらなくて。ちょっと意地悪なぐらいなら、包容攻のほうが好みっていうか…。
攻の京悟は前回より本音を見せてくれて、恋愛ものとしては面白くなった。…普通は鈍い受が気付かなくても、読者には攻の気持ちは分かるものだと思うんだけど、前回はほとんど何も伝わってこなかったので。言葉にしただけ、今回は分かりやすかったというか。
けど、ライバルにこっそり意地悪するって、なんか可愛いというより大人として情けなくて…。ヘタレなら可愛いんだけど、これは小さすぎてちょっと幻滅というか。受の目の前でやってれば、笑えたかもしれないけど。
…もしかして、私はもう攻が何をやっても気に入らないんじゃないかという気がしなくもない。うーん、うえだ作品の攻は趣味に合うこと多いのになあ。
というわけで、攻が趣味に合わないので、話としては面白いけど、イマイチ盛り上がれなかった。
どうでもいいが、表紙のイラストは、どっちがどっちなのか区別がつきづらいっていうか、私には同じ顔に見える。うーん、挿絵は区別つきやすかったけど。
純愛の仮面舞踏会(マスカレード)
2009年10月28日 うえだ真由
うえだ真由 リブレ出版 2009/05
タイトルにもあらすじにもまったく惹かれるところがなかったんで、読まなくていいやと思ってたんだけど、…麻生さんのイラストなのでちょっと気になってはいた。
ネタバレ
社長×苦学生。
作者がうえださんじゃなければ、私には相当つまらない作品だっただろうなあという設定とあらすじ。こういう設定でも、うえださんらしい暖かみと生真面目さのある作品だった。タイトルの仮面舞踏会を重要な場面で2回も活用するあたり、ほんと丁寧というか、らしいなあと。
攻の理人は大人っぽく見えるけど、あんまり包容力はないタイプ。カッコいいけど、不器用っていえばいいのかな。ラスト、一回ぐらいは謝っとけよと思ったけど、まあいいのか。
受の出帆は普通でちょっと生真面目な学生で、いい子だなーと思うんだけど、ふたりが別れるきっかけになったやり取りは、やっぱり出帆が悪いと思う。まったく事情も知らないのに直感だけで人間関係にしつこく口出しされたら普通は怒る…。「お前には関係ない」っていう、かなりキツく聞こえる理人の台詞は、出帆が言わせてしまったもので…。いくら自分の意見が正しくて相手のためになると信じていても、人に押し付けるのはイヤな人だよなあ。長所の裏返しってやつなんだろうけど、こういうところがどうにも……。最後に少しフォローがほしかった。うえださんの作品はいつも、攻は趣味に合うけど受がちょっと…という感じ。この作品では途中まで好みの受だったんだけどなあ。
タイトルやあらすじからは予想できない話で面白かった。
とくにラストの幸せそうなふたりがよかった。
タイトルにもあらすじにもまったく惹かれるところがなかったんで、読まなくていいやと思ってたんだけど、…麻生さんのイラストなのでちょっと気になってはいた。
ネタバレ
セレブの集うパーティーでバーテンダーを務める出帆は、一際目を惹く若きエリート・理人と、自分の身を賭けたダーツ勝負をすることに。ゲームの結果、出帆は理人の住まう超高級マンションへと連れて行かれ、いきなり襲われてしまい!?最初は反発していた出帆だが、若すぎる成功者、理人の有能さゆえの孤独に触れるうちに…二人で過ごす都心のバカンスの期限は、たった二週間。大人のスタイリッシュラブ。
社長×苦学生。
作者がうえださんじゃなければ、私には相当つまらない作品だっただろうなあという設定とあらすじ。こういう設定でも、うえださんらしい暖かみと生真面目さのある作品だった。タイトルの仮面舞踏会を重要な場面で2回も活用するあたり、ほんと丁寧というか、らしいなあと。
攻の理人は大人っぽく見えるけど、あんまり包容力はないタイプ。カッコいいけど、不器用っていえばいいのかな。ラスト、一回ぐらいは謝っとけよと思ったけど、まあいいのか。
受の出帆は普通でちょっと生真面目な学生で、いい子だなーと思うんだけど、ふたりが別れるきっかけになったやり取りは、やっぱり出帆が悪いと思う。まったく事情も知らないのに直感だけで人間関係にしつこく口出しされたら普通は怒る…。「お前には関係ない」っていう、かなりキツく聞こえる理人の台詞は、出帆が言わせてしまったもので…。いくら自分の意見が正しくて相手のためになると信じていても、人に押し付けるのはイヤな人だよなあ。長所の裏返しってやつなんだろうけど、こういうところがどうにも……。最後に少しフォローがほしかった。うえださんの作品はいつも、攻は趣味に合うけど受がちょっと…という感じ。この作品では途中まで好みの受だったんだけどなあ。
タイトルやあらすじからは予想できない話で面白かった。
とくにラストの幸せそうなふたりがよかった。
うえだ真由 新書館 2009/4
冬のベタな作品、3作目。
雑誌掲載時は私的うえだフェアを開催中だったので、とても楽しく読めたのだが、冷めてしまってから読み返すと、あまりに自分の趣味とかけ離れていて厳しかった。
年上攻で歳の差、健気受。うう…。高2の受を「ずっと好きだった」って、ずっとっていつからなんだ。この攻は紛れもなくショタだ……。
ただ、健気受の相手が包容攻ってあたりは読みやすかった。あと、地味系の設定なのに見せ場が多くテンポもよく、盛り上がりも雰囲気もばっちり、キャラの好感度も高く、爽やかめストーリーなので、ベタでもOKって人にはお奨めできる作品だと思う。個人的な趣味からは大きく外れるのに(ひねくれてるから健気系は好きになれない)、小説を読む気持ちよさみたいなものがあった。感情移入できなかったから、すごく感動はしなかったけど満足…というような感想。
冬のベタな作品、3作目。
雑誌掲載時は私的うえだフェアを開催中だったので、とても楽しく読めたのだが、冷めてしまってから読み返すと、あまりに自分の趣味とかけ離れていて厳しかった。
年上攻で歳の差、健気受。うう…。高2の受を「ずっと好きだった」って、ずっとっていつからなんだ。この攻は紛れもなくショタだ……。
ただ、健気受の相手が包容攻ってあたりは読みやすかった。あと、地味系の設定なのに見せ場が多くテンポもよく、盛り上がりも雰囲気もばっちり、キャラの好感度も高く、爽やかめストーリーなので、ベタでもOKって人にはお奨めできる作品だと思う。個人的な趣味からは大きく外れるのに(ひねくれてるから健気系は好きになれない)、小説を読む気持ちよさみたいなものがあった。感情移入できなかったから、すごく感動はしなかったけど満足…というような感想。
うえだ真由 竹書房 2004/12
ラヴァーズ文庫を買うのは珍しいような気がする。
うえだ真由だし、イラストは富士山ひょうただし~、ということで購入。
ネタバレ。
------------------------------------------
珍しくも年下攻のリーマンものだった。しかも受上司は有能クール系。買うときにまったくあらすじを見なかったので、なんて私の趣味にぴったりな設定なの!と驚きながら読みはじめた。
うえださんのリーマンはちゃんと仕事をするので、読んでいて楽しい。しかもちょっと数が少なめの攻視点なのも嬉しいところで。
というわけで楽しく読んでいたのだが、あまりにも受がつれないので、読んでいてちょっとイラッとした。…つれないタイプのほうが好きだけど、やりすぎると単に自分勝手なだけに見えてしまうというか。個人的な趣味の問題でしかないけど、ここらへんの匙加減がどうにも合わなかった。うーん、キャラが「素直じゃない」ことを歓迎したことは数多いが、もうちょっと可愛げがあっても…と思ったのは珍しい。
…確かに、じれったい話だった。
あとどうでもいいけど、地の文で「!」を連発されるのは、やっぱり好きじゃない。まあ軽いノリの話だから雰囲気を損なうということはないんだけど。
…世の中には顔文字やら絵文字やら、ブログ記事のように文字を装飾した小説もあるらしいが、私は読めないだろうなあ。
ラヴァーズ文庫を買うのは珍しいような気がする。
うえだ真由だし、イラストは富士山ひょうただし~、ということで購入。
ネタバレ。
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珍しくも年下攻のリーマンものだった。しかも受上司は有能クール系。買うときにまったくあらすじを見なかったので、なんて私の趣味にぴったりな設定なの!と驚きながら読みはじめた。
うえださんのリーマンはちゃんと仕事をするので、読んでいて楽しい。しかもちょっと数が少なめの攻視点なのも嬉しいところで。
というわけで楽しく読んでいたのだが、あまりにも受がつれないので、読んでいてちょっとイラッとした。…つれないタイプのほうが好きだけど、やりすぎると単に自分勝手なだけに見えてしまうというか。個人的な趣味の問題でしかないけど、ここらへんの匙加減がどうにも合わなかった。うーん、キャラが「素直じゃない」ことを歓迎したことは数多いが、もうちょっと可愛げがあっても…と思ったのは珍しい。
…確かに、じれったい話だった。
あとどうでもいいけど、地の文で「!」を連発されるのは、やっぱり好きじゃない。まあ軽いノリの話だから雰囲気を損なうということはないんだけど。
…世の中には顔文字やら絵文字やら、ブログ記事のように文字を装飾した小説もあるらしいが、私は読めないだろうなあ。
嘘と愛と甘い罠 (アルルノベルス)
2008年9月12日 うえだ真由 コメント (2)
私はあんまり面白くなかった。
ネタバレ
恋愛至上主義の流され受という、かなり苦手なタイプのキャラだったので、読んでいてイライラしたし、価値観が違いすぎてちっとも同情できなかった。
まず副社長と攻の画策で父親(社長)がリコールされるのだが、それに対して受が一番気にしたことは「なんで電話もくれないの?」というもの。フォローが入れば許せる範囲の裏切りだったらしい…。すでにここで私には分からない。
で、次の攻の酷い仕打ちは、受を父親のかわりの新しい社長の秘書にすることだった。屈辱ダブル?かと思いきや、別れるとかいう選択肢もないし、会社を辞めるということにもならない。事情はよく分からないけど、攻が好きだから一緒に働きたいというのが辞めない理由。せめて職場や仕事が好きだからっていう理由で辞めないのなら、頑張ってるねと思えたんだけど……。
ちなみに攻が受を秘書にした理由は一緒に働きたいから。で、受がそもそも父親の会社に入社したのも恋人と一緒に働きたいから。
なんかパパがかわいそうなんですが…。
これが親子の愛情が薄いという設定なら理解できたんだけど、遅くにできた一人息子ということで大事に育てられたという設定なのに、父親を失脚に追い込んだ新社長に秘書として尽くし、信頼関係まで作ってしまう。えーっと、会社を辞めない限りきちんと仕事をするのは正しいけど、普通の神経なら居たたまれなくて働けないよなあと…。受の価値観としては、新社長は経営者として有能で父親はダメだから、まあ仕方ないよねってことらしい。お前には親子の情ってものがないのか?と詰りたくなった。単に優等生的思考で割り切っているだけなので冷たい人間としか思えない。
最終的には、受が社長秘書として会社に残れたのは攻の温情ってことで片がつくのだが、感謝なにそれ、ここは恨むところじゃないの?と思ってしまった私はこの受とは価値観が相容れないらしい。会社に残るにしても、普通の感覚なら社長秘書にだけはなりたくないと思うんだが、「そこは我慢しとけ、俺と一緒に働きたいなら」って、ひどすぎないか……。自分の経営理念?のためなら恋人を傷つけても構わないっていう攻が優しい人として描かれているのも納得がいかなかった…。
だんだん父親が不正を働いていたからリコールされたのでは?という疑惑が出てくるのだが、最終的にはたいした不正ではなく、やっぱり攻は自分とは経営方針が違うからって理由でリコールに加担したらしいと判明。だって受と会社を大きくしようって約束したんだもん、というオマケもついたのだが、受は攻の愛情深さに感動していたようだ。なんだかなあ。
とにかく攻も受も冷たい性格に感じてニガテ。
誰かが悪かった→謝罪を受け入れて許すっていう図式なら納得がいったし感動したかもしれないが、すべてが仕方なかった、みたいな終わり方だったので物語としてのカタルシスもなかった。
ネタバレ
御曹司・相原和奏と社長秘書・久世貴史は恋人同士。愛を誓う二人だったが、和奏の父である相原社長がリコールされ失脚!?そして貴史がリコールに関わっていたという裏切りを知る。和奏は絶望するも、愛する想いを消せず心を痛めていた。返り咲くという父に加担するが、貴史から『おしおき』という凌辱を受けて!?初めて受ける乱暴な行為に、抵抗できず快感を享受する。卑猥にいたぶられ、貴史の熱い鼓動に包まれるうち、次第にそれが歓びとなるけど、それも甘い罠で―。
恋愛至上主義の流され受という、かなり苦手なタイプのキャラだったので、読んでいてイライラしたし、価値観が違いすぎてちっとも同情できなかった。
まず副社長と攻の画策で父親(社長)がリコールされるのだが、それに対して受が一番気にしたことは「なんで電話もくれないの?」というもの。フォローが入れば許せる範囲の裏切りだったらしい…。すでにここで私には分からない。
で、次の攻の酷い仕打ちは、受を父親のかわりの新しい社長の秘書にすることだった。屈辱ダブル?かと思いきや、別れるとかいう選択肢もないし、会社を辞めるということにもならない。事情はよく分からないけど、攻が好きだから一緒に働きたいというのが辞めない理由。せめて職場や仕事が好きだからっていう理由で辞めないのなら、頑張ってるねと思えたんだけど……。
ちなみに攻が受を秘書にした理由は一緒に働きたいから。で、受がそもそも父親の会社に入社したのも恋人と一緒に働きたいから。
なんかパパがかわいそうなんですが…。
これが親子の愛情が薄いという設定なら理解できたんだけど、遅くにできた一人息子ということで大事に育てられたという設定なのに、父親を失脚に追い込んだ新社長に秘書として尽くし、信頼関係まで作ってしまう。えーっと、会社を辞めない限りきちんと仕事をするのは正しいけど、普通の神経なら居たたまれなくて働けないよなあと…。受の価値観としては、新社長は経営者として有能で父親はダメだから、まあ仕方ないよねってことらしい。お前には親子の情ってものがないのか?と詰りたくなった。単に優等生的思考で割り切っているだけなので冷たい人間としか思えない。
最終的には、受が社長秘書として会社に残れたのは攻の温情ってことで片がつくのだが、感謝なにそれ、ここは恨むところじゃないの?と思ってしまった私はこの受とは価値観が相容れないらしい。会社に残るにしても、普通の感覚なら社長秘書にだけはなりたくないと思うんだが、「そこは我慢しとけ、俺と一緒に働きたいなら」って、ひどすぎないか……。自分の経営理念?のためなら恋人を傷つけても構わないっていう攻が優しい人として描かれているのも納得がいかなかった…。
だんだん父親が不正を働いていたからリコールされたのでは?という疑惑が出てくるのだが、最終的にはたいした不正ではなく、やっぱり攻は自分とは経営方針が違うからって理由でリコールに加担したらしいと判明。だって受と会社を大きくしようって約束したんだもん、というオマケもついたのだが、受は攻の愛情深さに感動していたようだ。なんだかなあ。
とにかく攻も受も冷たい性格に感じてニガテ。
誰かが悪かった→謝罪を受け入れて許すっていう図式なら納得がいったし感動したかもしれないが、すべてが仕方なかった、みたいな終わり方だったので物語としてのカタルシスもなかった。
うえだ真由 オークラ出版 1998/09
デビュー作ということで買ってみた。
文章が読みづらいし、視点の変え方に違和感があるし、正直、他の作品にくらべて完成度は落ちると思った。でも、しっとりとした雰囲気があって、感情移入がしやすく、引き込まれる作品だった。
デビュー作ということで買ってみた。
文章が読みづらいし、視点の変え方に違和感があるし、正直、他の作品にくらべて完成度は落ちると思った。でも、しっとりとした雰囲気があって、感情移入がしやすく、引き込まれる作品だった。
うえだ真由 オークラ出版 1999/03
強面刑事×生意気美少年の2時間サスペンス。
というわけで、他の作品にくらべて元気がいいし、テンポもいい。軽くてさらっと読めてしまう。
刺激の強いBLにちょっと疲れたわ、なんてときの私にはお薦めな1冊かも。この作者さんの丁寧爽やかな作風が私には合っているみたいで、何を読んでも結構読みやすくて、人様にお薦めできるのかどうかイマイチ客観的に判断できない…。けど、たぶんBL初心者にも読みやすい作品だと思う。理由、エッチがぬるいから……。でもまあ、あんまり長いと途中で読むのが面倒くさくなっちゃうし(…)、これぐらいでもいいような。
強面刑事×生意気美少年の2時間サスペンス。
というわけで、他の作品にくらべて元気がいいし、テンポもいい。軽くてさらっと読めてしまう。
刺激の強いBLにちょっと疲れたわ、なんてときの私にはお薦めな1冊かも。この作者さんの丁寧爽やかな作風が私には合っているみたいで、何を読んでも結構読みやすくて、人様にお薦めできるのかどうかイマイチ客観的に判断できない…。けど、たぶんBL初心者にも読みやすい作品だと思う。理由、エッチがぬるいから……。でもまあ、あんまり長いと途中で読むのが面倒くさくなっちゃうし(…)、これぐらいでもいいような。
放課後のサイクロメーター
2008年8月28日 うえだ真由うえだ真由 オークラ出版 2002/07
ものすごく今更だが、やっぱり惜しまれるレーベルだ、アイスノベルズ……。
高校生もの。同級生。
テーマパークみたいな(どこを向いても作り物の)学園ものではなく、もうちょっとリアルな高校生活で、楽しく読めた。テーマパークでも面白いときはあるんだけど、なかなか趣味に合うものに出会わないので。
かわいいなあ、高校生。最近、十代のキャラはどんなにカッコよくても、おばちゃん目線でかわいいわ〜と思ってしまうことが増えた。うーん。
やっぱりこの作者さんでは同い年のカップルが好きだなー。キャラが二人ともまっすぐなところもよかったし、特殊な設定を使わないストーリーが爽やかでよかった。
ものすごく今更だが、やっぱり惜しまれるレーベルだ、アイスノベルズ……。
高校生もの。同級生。
テーマパークみたいな(どこを向いても作り物の)学園ものではなく、もうちょっとリアルな高校生活で、楽しく読めた。テーマパークでも面白いときはあるんだけど、なかなか趣味に合うものに出会わないので。
かわいいなあ、高校生。最近、十代のキャラはどんなにカッコよくても、おばちゃん目線でかわいいわ〜と思ってしまうことが増えた。うーん。
やっぱりこの作者さんでは同い年のカップルが好きだなー。キャラが二人ともまっすぐなところもよかったし、特殊な設定を使わないストーリーが爽やかでよかった。
恋はhigh interest―高利まわり
2008年8月21日 うえだ真由うえだ真由 オークラ出版 2001/12
同じ作家さんを続けて読むのが好き。好きっていうか、読みやすい。
同期の銀行員もの。
やっぱりうえだ先生の作品は同い年のほうが趣味に合うことが多い。
というわけで、この作品も面白かった。
ネタバレ
---------------------------------------------
この作品はもう今と変わらない文章だったような。やっぱり作品の雰囲気の違いだったのかも。
鳴海の彼女に対する冷たい態度にがちょっと…だったんだけど、それはたぶん普通はこんなものだろうという意味でのリアリティがあるからかなーとか。この時点では攻の貴士より、彼女のほうを応援したい気分だったせいもあるかも。いや、この攻が気に入らなかったからではないが、なんとなく……。
まあそんなどうでもいい感想はともかく、職業ものとして面白かった。銀行っていろいろ厳しいよね…。
で、エリートの主人公二人にも当然、結婚の問題があるわけだが、結論が出ないまま終わってしまった。ここであっさり二人そろって転職されると、それはそれで職業ものとして楽しんだだけにガックリきそうなので、こういう終わり方でよかった。仕事のために別れるってことはないだろうし、どちらにしても転職以外に選択肢がないわけだから、急いで話を進めずに保留って形が一番納得できた気がする。
同じ作家さんを続けて読むのが好き。好きっていうか、読みやすい。
同期の銀行員もの。
やっぱりうえだ先生の作品は同い年のほうが趣味に合うことが多い。
というわけで、この作品も面白かった。
ネタバレ
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この作品はもう今と変わらない文章だったような。やっぱり作品の雰囲気の違いだったのかも。
鳴海の彼女に対する冷たい態度にがちょっと…だったんだけど、それはたぶん普通はこんなものだろうという意味でのリアリティがあるからかなーとか。この時点では攻の貴士より、彼女のほうを応援したい気分だったせいもあるかも。いや、この攻が気に入らなかったからではないが、なんとなく……。
まあそんなどうでもいい感想はともかく、職業ものとして面白かった。銀行っていろいろ厳しいよね…。
で、エリートの主人公二人にも当然、結婚の問題があるわけだが、結論が出ないまま終わってしまった。ここであっさり二人そろって転職されると、それはそれで職業ものとして楽しんだだけにガックリきそうなので、こういう終わり方でよかった。仕事のために別れるってことはないだろうし、どちらにしても転職以外に選択肢がないわけだから、急いで話を進めずに保留って形が一番納得できた気がする。
『甘い探検』
うえだ真由 オークラ出版 2000/11
高校生、同級生もの。
こういうの好きだなあ。余計な刺激は入れずに、地味で等身大でちょっとカッコいい主人公の心情を丁寧に追っていくストーリーがよかった。尖ったところがなくて優しい雰囲気だけど、甘ったるくもなく、適度にリアルなのもいい。
迷って悩んで、やりたいことなんて見つからなくてっていう青春ものの醍醐味もあるし、受を女の子に置き換えたら成立しない、BLらしい要素もきっちり入っている。
最近の作品の文章にくらべると、ちょっと流れが悪くて洗練されていない感じで、その分丁寧で直球勝負って気がする。どちらも読みやすいけど、この作品にはこの書き方のほうが合うと思う。文章からして学生ものっぽいというか。
最近はいろいろなタイプの作品を楽しんでるけど、私はもともとこういうのが趣味なんだって思い出させてもらった。
うえだ真由 オークラ出版 2000/11
高校生、同級生もの。
こういうの好きだなあ。余計な刺激は入れずに、地味で等身大でちょっとカッコいい主人公の心情を丁寧に追っていくストーリーがよかった。尖ったところがなくて優しい雰囲気だけど、甘ったるくもなく、適度にリアルなのもいい。
迷って悩んで、やりたいことなんて見つからなくてっていう青春ものの醍醐味もあるし、受を女の子に置き換えたら成立しない、BLらしい要素もきっちり入っている。
最近の作品の文章にくらべると、ちょっと流れが悪くて洗練されていない感じで、その分丁寧で直球勝負って気がする。どちらも読みやすいけど、この作品にはこの書き方のほうが合うと思う。文章からして学生ものっぽいというか。
最近はいろいろなタイプの作品を楽しんでるけど、私はもともとこういうのが趣味なんだって思い出させてもらった。
うえだ真由 新書館 2008/6
読むものがなくて…と嘆く私に、友人が救援物資を送ってくれた。いそいそと箱を開けると、この作品が入っていたのでちょっと笑ってしまった。
…私のほうが貸そうと思ったのに。
と書いていて思い出したが、買ったら貸してねと頼んでいた気がする。それをすっかり忘れて自分で買ってしまったのかもしれないけど、本当のところどうだったのか自信がない。
ああ、記憶力の衰えが怖い…。
『Missing You』のスピンオフ。
優奈の兄ちゃんが主人公。
ネタバレ。
-------------------------------------------------
数ヶ月前に、うえだブームが突然過ぎ去ってしまったので、もう新刊が出ても買わないつもりだった。それにタイトルが…ブラコンか、ブラコンは興味がないなとか思ったのだが、ついあらすじをチェックしてしまい、スピンオフだと知ってしまい、
うわ、これは買わないわけにいかないじゃない!
と、ちょっと負けた気分になった。まあ新刊をチェックした時点ですでに敗北だが。
『Missing You』を読んだとき、お兄ちゃんがあんまり好みだったんで、お兄ちゃんが主役だったら!と思っていたのだが、本当にスピンオフで読めるとは。嬉しい。
しかも受だ!
素晴らしい。てなわけで興奮して読み始めた。相変わらずブラコンな兄ちゃんが可愛い。や、ブラコンには興味がないが、この兄ちゃんの可愛げのひとつとして楽しいというか。そして徐々に弟の恋愛に反対する自分に疑問を持ち始め、最後は頑固オヤジ…いやいやお兄ちゃんも折れて、という流れが面白かった。寂しい感じがすごくよく出てたし、兄弟が互いを思いやる気持ちが伝わってきて、暖かい気分になれる。いい話だ〜。弟に自分も同性の恋人ができたって打ち明けるのにまた苦労しそうで、想像するのも楽しい。
というわけでかなり楽しく読んだけど、恋愛ものとしては物足りなかった。単に私の趣味じゃなかっただけか…。
器用で優秀な主人公が自分よりさらに「できる」男に惹かれていくって構図がそもそもあんまり好きじゃない…。BLの攻がカッコよくて、いい男なのは当然過ぎてポイントにならないというか、モテるタイプだからモテるんだね、で終わってしまうというか。
顔がいい、頭がいい、性格もいい、けどちょっと意地悪。…この攻の個人的な魅力がイマイチよく分からなかったし、お互いに惹かれたのは「いい男」だからって感じがしてしまった。なんかもうちょっと攻の本気が見たかったかな。隙がなさ過ぎて、感情移入するところまでいかなかったから。
あー、だから、つまり…攻に可愛げがないんだよ。それを攻に求めるのが間違いなのか。
それに、俺様で可愛いお兄ちゃんだが、恋愛が絡むと、どうにもおとなしくなりすぎちゃってちょっとつまらない。結局、流されてるように見えるあたりがね…。せっかく攻っぽい受なんだから、もっと強気な魅力を出してほしかったな。
私の趣味的結論。というか極論。
これで年下攻なら完璧だったのに…。
読むものがなくて…と嘆く私に、友人が救援物資を送ってくれた。いそいそと箱を開けると、この作品が入っていたのでちょっと笑ってしまった。
…私のほうが貸そうと思ったのに。
と書いていて思い出したが、買ったら貸してねと頼んでいた気がする。それをすっかり忘れて自分で買ってしまったのかもしれないけど、本当のところどうだったのか自信がない。
ああ、記憶力の衰えが怖い…。
『Missing You』のスピンオフ。
優奈の兄ちゃんが主人公。
ネタバレ。
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数ヶ月前に、うえだブームが突然過ぎ去ってしまったので、もう新刊が出ても買わないつもりだった。それにタイトルが…ブラコンか、ブラコンは興味がないなとか思ったのだが、ついあらすじをチェックしてしまい、スピンオフだと知ってしまい、
うわ、これは買わないわけにいかないじゃない!
と、ちょっと負けた気分になった。まあ新刊をチェックした時点ですでに敗北だが。
『Missing You』を読んだとき、お兄ちゃんがあんまり好みだったんで、お兄ちゃんが主役だったら!と思っていたのだが、本当にスピンオフで読めるとは。嬉しい。
しかも受だ!
素晴らしい。てなわけで興奮して読み始めた。相変わらずブラコンな兄ちゃんが可愛い。や、ブラコンには興味がないが、この兄ちゃんの可愛げのひとつとして楽しいというか。そして徐々に弟の恋愛に反対する自分に疑問を持ち始め、最後は頑固オヤジ…いやいやお兄ちゃんも折れて、という流れが面白かった。寂しい感じがすごくよく出てたし、兄弟が互いを思いやる気持ちが伝わってきて、暖かい気分になれる。いい話だ〜。弟に自分も同性の恋人ができたって打ち明けるのにまた苦労しそうで、想像するのも楽しい。
というわけでかなり楽しく読んだけど、恋愛ものとしては物足りなかった。単に私の趣味じゃなかっただけか…。
器用で優秀な主人公が自分よりさらに「できる」男に惹かれていくって構図がそもそもあんまり好きじゃない…。BLの攻がカッコよくて、いい男なのは当然過ぎてポイントにならないというか、モテるタイプだからモテるんだね、で終わってしまうというか。
顔がいい、頭がいい、性格もいい、けどちょっと意地悪。…この攻の個人的な魅力がイマイチよく分からなかったし、お互いに惹かれたのは「いい男」だからって感じがしてしまった。なんかもうちょっと攻の本気が見たかったかな。隙がなさ過ぎて、感情移入するところまでいかなかったから。
あー、だから、つまり…攻に可愛げがないんだよ。それを攻に求めるのが間違いなのか。
それに、俺様で可愛いお兄ちゃんだが、恋愛が絡むと、どうにもおとなしくなりすぎちゃってちょっとつまらない。結局、流されてるように見えるあたりがね…。せっかく攻っぽい受なんだから、もっと強気な魅力を出してほしかったな。
私の趣味的結論。というか極論。
これで年下攻なら完璧だったのに…。
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