猫屋敷先生と縁側の編集者
2017年2月3日 砂原糖子
徳間書店 2017/1
好みに合う作品だった。
ネタバレ
----------------------------------------------
面白かった。
ありがちな変人作家と世話焼き編集者というカップルかと思ったら、傲慢に見えて実は可愛い年下攻と、チャラそうに見えて真面目に仕事する(重要)有能な受という、私好みのカップルだった。
攻は売れっ子作家設定で、ここまで素直なタイプも珍しいというか。気に入られたくて頑張っちゃうところも、出張先まで来ちゃって、ピンチに活躍しちゃうところもよかった。
猫まみれな日本家屋も素敵…と言いつつ、にゃんこよりも続編のお利口なワンコさんのほうにハートを持っていかれた。飼うなら断然猫だけど(散歩できないから)、ゴールデンはやっぱり憧れるわ~。
満足。
好みに合う作品だった。
ネタバレ
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面白かった。
ありがちな変人作家と世話焼き編集者というカップルかと思ったら、傲慢に見えて実は可愛い年下攻と、チャラそうに見えて真面目に仕事する(重要)有能な受という、私好みのカップルだった。
攻は売れっ子作家設定で、ここまで素直なタイプも珍しいというか。気に入られたくて頑張っちゃうところも、出張先まで来ちゃって、ピンチに活躍しちゃうところもよかった。
猫まみれな日本家屋も素敵…と言いつつ、にゃんこよりも続編のお利口なワンコさんのほうにハートを持っていかれた。飼うなら断然猫だけど(散歩できないから)、ゴールデンはやっぱり憧れるわ~。
満足。
世界のすべてを君にあげるよ
2016年7月23日 砂原糖子
新書館 2016/07
表紙が綺麗だな~。
------------ネタバレ------------
学生と社会人の駆け落ちって、学生は人生変わっちゃうから実際のリスクは学生のほうが大きいけど、心理的負担は社会人のほうが大きいよなあ、と。
「時限爆弾」はどうかと思ったけど、休学届は大人の配慮だったと思う。
攻からの手紙がすごくよかった。読まれなければいいな、と思って書く別れの手紙。切ない…。自分のためを思って離れていこうとしている相手に「ちゃんと家に帰るから、安心して」って泣ける~。
医者として一人前になるまで8年。待ち続けると決めるのも勇気がいる…。ちょっと頼りない感じの受だけど、芯は強いんだろうなあ。
そこらへんをしっかり描いた続編もよかった。
時間がかかった分、幸せになってほしい。
表紙が綺麗だな~。
------------ネタバレ------------
学生と社会人の駆け落ちって、学生は人生変わっちゃうから実際のリスクは学生のほうが大きいけど、心理的負担は社会人のほうが大きいよなあ、と。
「時限爆弾」はどうかと思ったけど、休学届は大人の配慮だったと思う。
攻からの手紙がすごくよかった。読まれなければいいな、と思って書く別れの手紙。切ない…。自分のためを思って離れていこうとしている相手に「ちゃんと家に帰るから、安心して」って泣ける~。
医者として一人前になるまで8年。待ち続けると決めるのも勇気がいる…。ちょっと頼りない感じの受だけど、芯は強いんだろうなあ。
そこらへんをしっかり描いた続編もよかった。
時間がかかった分、幸せになってほしい。
新書館 2015/10
結構、好みの話だった。
ネタバレ
--------------------------------------------
攻×攻っぽくて、面白かった。
ちょっとどうかと思うほど子供っぽい槻島だけど、「ヒールを演じる」だけで、実際には口が悪いだけだと思う。
まあ、中学生と口喧嘩するのはどうかと思うし、女性への態度は要反省だけど。
保護者に愛されずに育ったわりには真っ直ぐ育ったほうじゃないかと。
中身が分かってくると、口の悪さも可愛く思える。攻や秘書の気持ちが分かるというか。
アパートとの繋がりが意外でよかった。永沼が気になってアパートに住み始めたのかと思ったけど、考えてみれば永沼と出会う前にわざわざ部屋に入ってるわけで、伏線が利いてた。
永沼が穏やかなおかげか、痛くなりそうな展開でも痛くならなくてよかった。途中何度か、槻島が(自分の行いのせいで)精神的に痛くなりそうな場面があるんだけど、永沼があまりこだわらないので、あっさりと進む。あっさりし過ぎの感もあるけど、あっさり流さないと、相当暗い話になりそうだし。
槻島の初恋の相手の委員長は…最初から計算キャラだったのか~と読んでるこっちもガックリ。
秘書さんはなんかストーカー的な気質が見えて怖いけど、まあ優しい人だし、楽しい。
結構、好みの話だった。
ネタバレ
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攻×攻っぽくて、面白かった。
ちょっとどうかと思うほど子供っぽい槻島だけど、「ヒールを演じる」だけで、実際には口が悪いだけだと思う。
まあ、中学生と口喧嘩するのはどうかと思うし、女性への態度は要反省だけど。
保護者に愛されずに育ったわりには真っ直ぐ育ったほうじゃないかと。
中身が分かってくると、口の悪さも可愛く思える。攻や秘書の気持ちが分かるというか。
アパートとの繋がりが意外でよかった。永沼が気になってアパートに住み始めたのかと思ったけど、考えてみれば永沼と出会う前にわざわざ部屋に入ってるわけで、伏線が利いてた。
永沼が穏やかなおかげか、痛くなりそうな展開でも痛くならなくてよかった。途中何度か、槻島が(自分の行いのせいで)精神的に痛くなりそうな場面があるんだけど、永沼があまりこだわらないので、あっさりと進む。あっさりし過ぎの感もあるけど、あっさり流さないと、相当暗い話になりそうだし。
槻島の初恋の相手の委員長は…最初から計算キャラだったのか~と読んでるこっちもガックリ。
秘書さんはなんかストーカー的な気質が見えて怖いけど、まあ優しい人だし、楽しい。
全寮制男子校のお約束事
2015年6月5日 砂原糖子
新書館 2014/12
王道の斜め上を行く学園もの。
ネタバレ
----------------------------------------
こんなに女性に免疫がない高校生って、エリートにはなれないだろうなあ…とかツッコミを入れてはいけないコメディ。
トンデモ設定で軽~くいくのかと思ったら、女子高生の登場で学園のアイドル(男)が信者たちにあっさり見捨てられてしまうあたりとか、ビターな展開もあった。
うーん、普通にお気楽な学園物のほうがよかったな~。
とはいえ、受のピンチに攻のお約束な登場が盛り上がったから、これでいいのかな。
あの場面で同情してから、受に親近感が持てたというのも確か。
バイオリンで告白もいいんじゃないかしら。
『純情アイランド』キャラが懐かしかった。
王道の斜め上を行く学園もの。
ネタバレ
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こんなに女性に免疫がない高校生って、エリートにはなれないだろうなあ…とかツッコミを入れてはいけないコメディ。
トンデモ設定で軽~くいくのかと思ったら、女子高生の登場で学園のアイドル(男)が信者たちにあっさり見捨てられてしまうあたりとか、ビターな展開もあった。
うーん、普通にお気楽な学園物のほうがよかったな~。
とはいえ、受のピンチに攻のお約束な登場が盛り上がったから、これでいいのかな。
あの場面で同情してから、受に親近感が持てたというのも確か。
バイオリンで告白もいいんじゃないかしら。
『純情アイランド』キャラが懐かしかった。
灰とラブストーリー (キャラ文庫)
2014年11月1日 砂原糖子
徳間書店 2014/10
砂原さんは、私にとって数少ない作家買いの作家さんだけど、イラストが穂波さんってところも嬉しい。
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった。
灰との戦い?だけでもご当地ものとして面白いけど、職業ものとしてもよかった。
鹿児島の降灰が、それほどひどいとは知らなかったなあ…。
口の悪い久我山だけど、意外と素直にアドバイスを聞いたり、会社の同僚に親切にしたり(左遷されても相手を責めないし)、仕事熱心でいい奴だな~と。
…バスでの出会いは、久我山のほうに同情するなあ。割り込みの後に公共の場でイチャついてるカップルとか、許せないわ。差別発言は最低だけど、キレちゃう気持ちは分かる。もちろん、いくらキレても、言っちゃいけないことはある…。
続編は中馬の登場の仕方がよかった。これで追いかけてこないようなら、本当に気持ちを疑っちゃいそう。
でも、支局長が格好よすぎて、美味しいところを持っていかれたような(笑)
火山の噴火を待ち望む主人公。
この時期に発売するのは、大変だっただろうなあ…。どこでどういう非難をされるか分からないだけに、出版社も気を遣うというか。よく自主規制しなかったなあ、と驚いた。
ラノベじゃなければ、延期したかも。
砂原さんは、私にとって数少ない作家買いの作家さんだけど、イラストが穂波さんってところも嬉しい。
ネタバレ
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面白かった。
灰との戦い?だけでもご当地ものとして面白いけど、職業ものとしてもよかった。
鹿児島の降灰が、それほどひどいとは知らなかったなあ…。
口の悪い久我山だけど、意外と素直にアドバイスを聞いたり、会社の同僚に親切にしたり(左遷されても相手を責めないし)、仕事熱心でいい奴だな~と。
…バスでの出会いは、久我山のほうに同情するなあ。割り込みの後に公共の場でイチャついてるカップルとか、許せないわ。差別発言は最低だけど、キレちゃう気持ちは分かる。もちろん、いくらキレても、言っちゃいけないことはある…。
続編は中馬の登場の仕方がよかった。これで追いかけてこないようなら、本当に気持ちを疑っちゃいそう。
でも、支局長が格好よすぎて、美味しいところを持っていかれたような(笑)
火山の噴火を待ち望む主人公。
この時期に発売するのは、大変だっただろうなあ…。どこでどういう非難をされるか分からないだけに、出版社も気を遣うというか。よく自主規制しなかったなあ、と驚いた。
ラノベじゃなければ、延期したかも。
新書館 2014/08
シリーズ3作目。
ネタバレ
------------------------------------------
面白かった。
最初はカンナの性格があんまり好みじゃないというか、感情移入しにくかった。人の役に立ちたいとか、最初のエロにいく流れとか、額田じゃなくても、宗教?と聞きたくなる。悪い人間じゃないと思うけど、胡散臭いし、好きにもなれない…。
ただ、そういうカンナが困ってる人を放って、額田のために駅まで駆けつけるとか、後から「いい子設定」が効いてくるし、いい子になった理由がまた切ない…。
話はだんだんテンポがよくなっていき、後半とくに甘くてよかった。
好みの問題かもしれないけど、1作目のパラレル設定は要らなかった。ハッピーエンドで終わった話を、続編ではなくスピンオフで引っくり返すのは、個人的には反則だと思う…。メインに据えなければ十分に描ききれないと分かっているのに、なぜ引っくり返すのか。
2作目ではそんなに感じなかったけど、3作目の今回はパラレル設定だけが浮き上がっていたような。自分の母親以外に、初めて「声」を聞ける人に会えたというのは、この話の中では大きな出来事のはず。なのに、結局会わずに終わってしまうのは、かなり不自然だし、中途半端に感じた。
シリーズ3作目。
ネタバレ
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面白かった。
最初はカンナの性格があんまり好みじゃないというか、感情移入しにくかった。人の役に立ちたいとか、最初のエロにいく流れとか、額田じゃなくても、宗教?と聞きたくなる。悪い人間じゃないと思うけど、胡散臭いし、好きにもなれない…。
ただ、そういうカンナが困ってる人を放って、額田のために駅まで駆けつけるとか、後から「いい子設定」が効いてくるし、いい子になった理由がまた切ない…。
話はだんだんテンポがよくなっていき、後半とくに甘くてよかった。
好みの問題かもしれないけど、1作目のパラレル設定は要らなかった。ハッピーエンドで終わった話を、続編ではなくスピンオフで引っくり返すのは、個人的には反則だと思う…。メインに据えなければ十分に描ききれないと分かっているのに、なぜ引っくり返すのか。
2作目ではそんなに感じなかったけど、3作目の今回はパラレル設定だけが浮き上がっていたような。自分の母親以外に、初めて「声」を聞ける人に会えたというのは、この話の中では大きな出来事のはず。なのに、結局会わずに終わってしまうのは、かなり不自然だし、中途半端に感じた。
幻冬舎 2014/07
表紙の猫のおしりがラブリー。
ネタバレ
---------------------------------------------
読みやすいけど、どうもピンとこない作品。夏に温泉ものという微妙さそのままに(?)、内容も悪くないけどなあ?というような感想。
女装受より女装攻のほうが好きだ!…という趣味なので、そこはよかったんだけど。
まず、女将が女装の男だって秘密を暴き立てて、わざわざ出版物で公表する必要ある?と首を傾げてしまう。温泉宿の女将が男だと分かっても、別にショックを受ける客なんていないだろうに、「お客を騙すのはよくない!」と大騒ぎするのも、なんだかよく分からない。
町内でバレた後は「着物のイケメンがお出迎え」って宿にしてもよかったような。
朱川はもう少し包容力のあるタイプだったらなあ。なんだか怒ってる印象ばかり残ってしまった。
主人公が朱川を好きになった理由が、後から明かされるのもよくなかったかも。この人、そんなに魅力的かなあ?と思ってしまった。
主人公の穂積は、感情が動くポイント(好きになる→秘密を知りたがる)が理解しづらかった。穂積に感情移入しづらいから、話にもいま一つ乗り切れない。
後半、活躍したのはよかったけど、「茜谷を取材したことがきっかけで編集の仕事の面白さに目覚めた」みたいな、ベタな展開がないのが物足りない。仕事にこだわりがないなら、遠距離恋愛を続けるより引っ越しちゃえばいいのに。
挿絵は過去と現在を同時に見せる絵が面白かった。特別上手いとも思わないけど、すっきりしててきれいというか。
表紙の猫のおしりがラブリー。
ネタバレ
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読みやすいけど、どうもピンとこない作品。夏に温泉ものという微妙さそのままに(?)、内容も悪くないけどなあ?というような感想。
女装受より女装攻のほうが好きだ!…という趣味なので、そこはよかったんだけど。
まず、女将が女装の男だって秘密を暴き立てて、わざわざ出版物で公表する必要ある?と首を傾げてしまう。温泉宿の女将が男だと分かっても、別にショックを受ける客なんていないだろうに、「お客を騙すのはよくない!」と大騒ぎするのも、なんだかよく分からない。
町内でバレた後は「着物のイケメンがお出迎え」って宿にしてもよかったような。
朱川はもう少し包容力のあるタイプだったらなあ。なんだか怒ってる印象ばかり残ってしまった。
主人公が朱川を好きになった理由が、後から明かされるのもよくなかったかも。この人、そんなに魅力的かなあ?と思ってしまった。
主人公の穂積は、感情が動くポイント(好きになる→秘密を知りたがる)が理解しづらかった。穂積に感情移入しづらいから、話にもいま一つ乗り切れない。
後半、活躍したのはよかったけど、「茜谷を取材したことがきっかけで編集の仕事の面白さに目覚めた」みたいな、ベタな展開がないのが物足りない。仕事にこだわりがないなら、遠距離恋愛を続けるより引っ越しちゃえばいいのに。
挿絵は過去と現在を同時に見せる絵が面白かった。特別上手いとも思わないけど、すっきりしててきれいというか。
新書館 2014/02
同じ出版社で一字違いのタイトルって、いいのか…と思ってたら、遊び心だったようで(笑)
ネタバレ
----------------------------------------
雪野千星(受)って、すごいネーミング。しかも、図書室の天使(笑)
砂原さんらしいギャグテイストのキャラ設定…。いつもと違う系統のイロモノか…?!と身構えてたら、そう見せかけておいて実は…というギャップ持ちのイロモノだった。
「変人すぎて無理」って感じの受だったけど、主人公と親しくなっていくと徐々に魅力が伝わってきて、最初は変だったけど、わりと普通の恋愛になった。
受はずれてるけど、就職も決まってたり、しっかりしている部分もある。
逆に普通の人の攻は、普通すぎて、イマイチ魅力が分からなかった。決して悪い子ではないし、それなりにモテそうなタイプではあるんだけど、攻キャラとしてはイマイチになってしまうというか。
受とお父さんとの関係がよかった。お互い気になりながらも気持ちを伝えられないあたりが恋愛っぽくて、攻が勘違いするのも無理はないかも。
砂原さんの変人受は健気に頑張ってるタイプが多くて、趣味には合わないけど、なんだか応援したくなる。
この作品、読みやすいし、悪くはないんだけど、キャラもストーリーも趣味に合わなかった。
同じ出版社で一字違いのタイトルって、いいのか…と思ってたら、遊び心だったようで(笑)
ネタバレ
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雪野千星(受)って、すごいネーミング。しかも、図書室の天使(笑)
砂原さんらしいギャグテイストのキャラ設定…。いつもと違う系統のイロモノか…?!と身構えてたら、そう見せかけておいて実は…というギャップ持ちのイロモノだった。
「変人すぎて無理」って感じの受だったけど、主人公と親しくなっていくと徐々に魅力が伝わってきて、最初は変だったけど、わりと普通の恋愛になった。
受はずれてるけど、就職も決まってたり、しっかりしている部分もある。
逆に普通の人の攻は、普通すぎて、イマイチ魅力が分からなかった。決して悪い子ではないし、それなりにモテそうなタイプではあるんだけど、攻キャラとしてはイマイチになってしまうというか。
受とお父さんとの関係がよかった。お互い気になりながらも気持ちを伝えられないあたりが恋愛っぽくて、攻が勘違いするのも無理はないかも。
砂原さんの変人受は健気に頑張ってるタイプが多くて、趣味には合わないけど、なんだか応援したくなる。
この作品、読みやすいし、悪くはないんだけど、キャラもストーリーも趣味に合わなかった。
恋はドーナツの穴のように
2013年12月27日 砂原糖子
砂原糖子 新書館 2013/11/09
雑誌掲載時に読んでたから、冒頭の面接場面が懐かしかった。
ネタバレ
----------------------------------------
面白かった。
面接時の店長さんの気持ち、分かるな~。バイトに「はぁ」なんて返事されたら疲れるよ。
…そんな話はともかく、高校生の凜生が倉林に惹かれた理由はちょっと分かりづらい。本人も分かってないわけだけど、そこから恋を自覚していく過程で、倉林のどこに惹かれたのか見えてくるところがよかった。
高校生から見たら、29歳ってリアルにおじさんかも…と思ったりも。相手の年齢考えて、必要以上に身構えてしまう倉林の気持ちも分かるし。
店長のために苦手だった接客も頑張る高校生が可愛すぎる。年下攻はこういうところがいいなー。
自覚がないまま嫉妬したりする、ぼやーっとしたところも面白かった。
口の悪い親友くんは、もうちょっと出番があってもよかったような。
鉛筆彫刻はこの作品が雑誌掲載された頃、ちょうど記事になってて、写真を見たことあるけど、鉛筆の芯のアルファベットが連なってた…凄過ぎ。手先の器用さも凄いけど、よくこんな細かい作業する気になるなっていう意味でも凄い。
雑誌掲載時に読んでたから、冒頭の面接場面が懐かしかった。
ネタバレ
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面白かった。
面接時の店長さんの気持ち、分かるな~。バイトに「はぁ」なんて返事されたら疲れるよ。
…そんな話はともかく、高校生の凜生が倉林に惹かれた理由はちょっと分かりづらい。本人も分かってないわけだけど、そこから恋を自覚していく過程で、倉林のどこに惹かれたのか見えてくるところがよかった。
高校生から見たら、29歳ってリアルにおじさんかも…と思ったりも。相手の年齢考えて、必要以上に身構えてしまう倉林の気持ちも分かるし。
店長のために苦手だった接客も頑張る高校生が可愛すぎる。年下攻はこういうところがいいなー。
自覚がないまま嫉妬したりする、ぼやーっとしたところも面白かった。
口の悪い親友くんは、もうちょっと出番があってもよかったような。
鉛筆彫刻はこの作品が雑誌掲載された頃、ちょうど記事になってて、写真を見たことあるけど、鉛筆の芯のアルファベットが連なってた…凄過ぎ。手先の器用さも凄いけど、よくこんな細かい作業する気になるなっていう意味でも凄い。
恋愛できない仕事なんです
2013年6月15日 砂原糖子
新書館 2013/06
地味系の砂原さん。
地味好き、スーツ好きなので、面白かった。
ネタバレ
-------------------------------------------
砂原さんのキャラやストーリーは色物じゃなくても、癖が強いことが多いと思うんだけど、この作品は癖を抑えて、わりと地に足がついているというか、平凡系というか。そこが読みやすくてよかった。…まあ、二人ともイケメンなんだけど。
人気ドラマ『片棒』(笑)みたいに派手な活躍はできない刑事もの。
「恋愛できない」といってるだけあって、仕事してる時間が長いのも好み。やっぱり仕事を放り出して恋愛に走られると萎えるし…。
ちゃっかりした後輩×しっかりした先輩って感じかな。
口実と丸分かりの「お試し」を持ちかけられて、男同士の恋愛についても真面目に考えてみようとする本名が面白い。変なところで素直というか。
塚原にもらった携帯灰皿を大事にしすぎて使えないとか、なんか可愛いし。
塚原も年下らしい可愛げがあってよかった。素直になれなくて、本名と仲が悪いみたいになっちゃってるあたりも、不器用で好き。
続編の斉田と真帆の話も暖かくてよかった。人情のある刑事ものって、やっぱりいいなー。
動物園のツナギペアルックもツボ(笑)
地味系の砂原さん。
地味好き、スーツ好きなので、面白かった。
ネタバレ
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砂原さんのキャラやストーリーは色物じゃなくても、癖が強いことが多いと思うんだけど、この作品は癖を抑えて、わりと地に足がついているというか、平凡系というか。そこが読みやすくてよかった。…まあ、二人ともイケメンなんだけど。
人気ドラマ『片棒』(笑)みたいに派手な活躍はできない刑事もの。
「恋愛できない」といってるだけあって、仕事してる時間が長いのも好み。やっぱり仕事を放り出して恋愛に走られると萎えるし…。
ちゃっかりした後輩×しっかりした先輩って感じかな。
口実と丸分かりの「お試し」を持ちかけられて、男同士の恋愛についても真面目に考えてみようとする本名が面白い。変なところで素直というか。
塚原にもらった携帯灰皿を大事にしすぎて使えないとか、なんか可愛いし。
塚原も年下らしい可愛げがあってよかった。素直になれなくて、本名と仲が悪いみたいになっちゃってるあたりも、不器用で好き。
続編の斉田と真帆の話も暖かくてよかった。人情のある刑事ものって、やっぱりいいなー。
動物園のツナギペアルックもツボ(笑)
ファンタスマゴリアの夜
2013年4月21日 砂原糖子
砂原糖子 幻冬舎 2013/04
やっぱりルチルの砂原さんは好きな作品が多い。
ネタバレ
------------------------------------------------
まとまりもよくて、面白かった。
冒頭のシーンに戻るまでに何が起こるのかという興味を保ったままテンポよく読めるし、適度に重たいところも読み応えがあってよかった。
走馬灯のように、ぐるっと一周して戻ってくる構成もいい。走馬灯に合わせたサブタイトルも気が利いていて、素敵だな~と。
一途で寡黙な永見も格好よかったし、冷めてるように見えても、義理で同窓会に出席してしまう束井の律儀さと、不器用な優しさもよかった。二人ともちょっとずつ勇気が足りなくて、すれ違ってしまうのが、もどかしくて切なかった。
全体にしっとりとして、やるせなくもあるけど、根底は優しい話。
妻田さんも渋くて好き。しんどい思いをしながらも束井が金貸しを続けているのは、妻田への義理があるからで…。結構、ひどい取立てもしてるけど、子供に罵られても腹を立てないあたり、まともだなーと思える。
束井を守るために永見が取った行動も男らしかった。片思いなのに、大事な店を売ってしまうのがすごい。口説く手間さえ惜しむ攻も多いのに(苦笑)
うまくいってよかった。
冒頭のシーンに戻るまでにもっと痛い展開になるのかと思ったけど、そこまで痛い描写じゃなかった。まあ故意に車で撥ね飛ばされてるんだから、きつい出来事なんだけど、束井本人が落ち込まなかったからかな。
芸能人に戻るっていう展開にならなかったのも、個人的によかった。その理由がまたよくて(笑)
満足~。
やっぱりルチルの砂原さんは好きな作品が多い。
ネタバレ
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まとまりもよくて、面白かった。
冒頭のシーンに戻るまでに何が起こるのかという興味を保ったままテンポよく読めるし、適度に重たいところも読み応えがあってよかった。
走馬灯のように、ぐるっと一周して戻ってくる構成もいい。走馬灯に合わせたサブタイトルも気が利いていて、素敵だな~と。
一途で寡黙な永見も格好よかったし、冷めてるように見えても、義理で同窓会に出席してしまう束井の律儀さと、不器用な優しさもよかった。二人ともちょっとずつ勇気が足りなくて、すれ違ってしまうのが、もどかしくて切なかった。
全体にしっとりとして、やるせなくもあるけど、根底は優しい話。
妻田さんも渋くて好き。しんどい思いをしながらも束井が金貸しを続けているのは、妻田への義理があるからで…。結構、ひどい取立てもしてるけど、子供に罵られても腹を立てないあたり、まともだなーと思える。
束井を守るために永見が取った行動も男らしかった。片思いなのに、大事な店を売ってしまうのがすごい。口説く手間さえ惜しむ攻も多いのに(苦笑)
うまくいってよかった。
冒頭のシーンに戻るまでにもっと痛い展開になるのかと思ったけど、そこまで痛い描写じゃなかった。まあ故意に車で撥ね飛ばされてるんだから、きつい出来事なんだけど、束井本人が落ち込まなかったからかな。
芸能人に戻るっていう展開にならなかったのも、個人的によかった。その理由がまたよくて(笑)
満足~。
砂原糖子 徳間書店 2012/10
キャラ文庫初登場、だそうで。
そういや最近、作家さんの名前で手にとって、このレーベルから出てるの?と驚くことが多いような。
ネタバレ
---------------------------------------------
砂原さんにしては珍しく、普通っぽいキャラの話だった。イロモノ系じゃなくても、変人キャラのことが多いから。…まあ攻のほうは、かなり無神経で普通じゃないかもしれないけど。
さすがに読みやすい。最初から攻の無神経発言にうんざりさせられたのに、最後までサクサク読めるあたり、さすがというか。
「吐きそう」って、恋愛の相手以前に人としてどうなの? 「好きだから」とか「嫉妬だった」とかいう理由が、何の言い訳になるのか…。
そんな攻の無神経さに耐える受は、ネガティブに見えて、わりと芯が強いタイプなんじゃないかと。「吐きそう」まで言われたら、それがトラウマになって次の恋ができなくなっても不思議じゃなく…これでもう1作できそうな勢いだと思うんだけど(笑)
素直になれないところも含めて、好みのタイプだった。
そして、攻に少しフォローを入れれば、無神経で大雑把なタイプだからこそ、ストレートな愛情表現でぶつかってくるんだろうし、自分に自信のない受を引っ張ってくれていいんだと思う。
キャラ文庫初登場、だそうで。
そういや最近、作家さんの名前で手にとって、このレーベルから出てるの?と驚くことが多いような。
ネタバレ
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砂原さんにしては珍しく、普通っぽいキャラの話だった。イロモノ系じゃなくても、変人キャラのことが多いから。…まあ攻のほうは、かなり無神経で普通じゃないかもしれないけど。
さすがに読みやすい。最初から攻の無神経発言にうんざりさせられたのに、最後までサクサク読めるあたり、さすがというか。
「吐きそう」って、恋愛の相手以前に人としてどうなの? 「好きだから」とか「嫉妬だった」とかいう理由が、何の言い訳になるのか…。
そんな攻の無神経さに耐える受は、ネガティブに見えて、わりと芯が強いタイプなんじゃないかと。「吐きそう」まで言われたら、それがトラウマになって次の恋ができなくなっても不思議じゃなく…これでもう1作できそうな勢いだと思うんだけど(笑)
素直になれないところも含めて、好みのタイプだった。
そして、攻に少しフォローを入れれば、無神経で大雑把なタイプだからこそ、ストレートな愛情表現でぶつかってくるんだろうし、自分に自信のない受を引っ張ってくれていいんだと思う。
新書館 2012/06
また、イロモノか…と雑誌掲載時はスルーしてしまったけど、読んだら結構面白かった。
イロモノ設定なら、砂原さんでしょ、という地位を確立してしまったような気もする(笑)
ネタバレ
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パワーがあってテンポがよくて、面白いコメディだった。
人型をしていないときは、ちょっと偉そうで強気だったのに、人型だとヘタレというギャップがまた面白い。
結構な数の宇宙人が入り込んでいるらしいので、子孫繁栄はしなくていいのかな…。
宇宙人は家族単位で生活しているんだろうか? コミュニティーはないのか?というような疑問は、とくにわいてこない、脱力系ストーリー。
葛餅が好物っていいな~(笑)
また、イロモノか…と雑誌掲載時はスルーしてしまったけど、読んだら結構面白かった。
イロモノ設定なら、砂原さんでしょ、という地位を確立してしまったような気もする(笑)
ネタバレ
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パワーがあってテンポがよくて、面白いコメディだった。
人型をしていないときは、ちょっと偉そうで強気だったのに、人型だとヘタレというギャップがまた面白い。
結構な数の宇宙人が入り込んでいるらしいので、子孫繁栄はしなくていいのかな…。
宇宙人は家族単位で生活しているんだろうか? コミュニティーはないのか?というような疑問は、とくにわいてこない、脱力系ストーリー。
葛餅が好物っていいな~(笑)
幻冬舎 2012/03
面白かった。
危うく、電車乗り過ごしそうになった……。
ネタバレ
------------------------------------------
久し振りに、色物じゃない砂原さん…とか言ったら失礼だろうけど、まあわりと普通のキャラ。
設定が凝っているから、内容が濃くて、最後まで楽しめた。
郷愁を誘う田舎の情景や、幼いころの思い出、現在の二人のぎこちない心理描写。
どれをとっても、砂原作品らしい細やかさで、さすがだと思った。
辛い恋愛なのに、切なさより暖かさを感じるのは、手紙と小学生カップルの効果かも。
ここまで10年かかるだけの説得力のある過去には泣けた。まあ田舎町じゃなくても(同窓会とかで)一生話題にされちゃうだけの出来事だし、母親しかいない子が親を泣かせるのはキツイだろうな…。
結婚までされてちゃ、真頼を追って上京した訓も強気で押せなかっただろうし、逆にそこまでしないと訓を拒めそうになかった真頼の一途さがよかった。
けど、オサムの正体は意外すぎた(笑)
そういえば、アパートでの話相手も同じタイプ(?)だったっけ…。
うん、観葉植物は可愛いよ。話しかけたくなる気持ちは分かるよ! あれは育てるっていうより、飼ってるって感覚だよね。(作品にそんなことは書いてません)
あと、リゾットが食べたくなった。
イラストは可愛いけど、顔が幼すぎて高校生カップルみたいやな~と。ただ、文章から受ける印象より攻がカッコよくなってて、これはいいんじゃないかと。
砂原さんの攻はヘタレ優しくて好きだけど、ちょっと野暮ったい感じなので。
面白かった。
危うく、電車乗り過ごしそうになった……。
ネタバレ
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久し振りに、色物じゃない砂原さん…とか言ったら失礼だろうけど、まあわりと普通のキャラ。
設定が凝っているから、内容が濃くて、最後まで楽しめた。
郷愁を誘う田舎の情景や、幼いころの思い出、現在の二人のぎこちない心理描写。
どれをとっても、砂原作品らしい細やかさで、さすがだと思った。
辛い恋愛なのに、切なさより暖かさを感じるのは、手紙と小学生カップルの効果かも。
ここまで10年かかるだけの説得力のある過去には泣けた。まあ田舎町じゃなくても(同窓会とかで)一生話題にされちゃうだけの出来事だし、母親しかいない子が親を泣かせるのはキツイだろうな…。
結婚までされてちゃ、真頼を追って上京した訓も強気で押せなかっただろうし、逆にそこまでしないと訓を拒めそうになかった真頼の一途さがよかった。
けど、オサムの正体は意外すぎた(笑)
そういえば、アパートでの話相手も同じタイプ(?)だったっけ…。
うん、観葉植物は可愛いよ。話しかけたくなる気持ちは分かるよ! あれは育てるっていうより、飼ってるって感覚だよね。(作品にそんなことは書いてません)
あと、リゾットが食べたくなった。
イラストは可愛いけど、顔が幼すぎて高校生カップルみたいやな~と。ただ、文章から受ける印象より攻がカッコよくなってて、これはいいんじゃないかと。
砂原さんの攻はヘタレ優しくて好きだけど、ちょっと野暮ったい感じなので。
新書館 2011/9
金ひかるさんのイラストって、変らないなー、いつも似たようだなーと思う。
けど、しばらくゴツイ感じだったのが、今回はすっきりした輪郭に戻っていて、攻がカッコよかった。
ネタバレ
-----------------------------------------
MR×医者、年下攻。
また真面目な敬語受とちょっと性格の悪い攻か~と最初からテンションを下げつつ読んだ。もうこの組み合わせ、飽きたよ…。とはいえ、これだけハイペースで新刊出してて、いつも新鮮なわけがないし、そもそもカップルのバリエーション自体、そこまで多くないし。
(受は「元気で強気」か「真面目で素直」、「健気」が売れ筋だから、それ外すと大変だろうしなあ)
砂原さんだから、さすがに読み応えはあるし、面白い。好みかどうかは別として、さくさく読めた。
攻は一言で表せば、可愛げのないヘタレ。
告白する勇気がないからって、受を傷つける方法取るなよ~と思った。けどまあ、ちょっとズルいところのある、普通にカッコイイ男って感じかな。まあこの程度の守りに入っちゃうのはしょうがない気も。
先生はもうちょっと年齢相応の考え方を持ってほしいけど、これが可愛いのかな?
攻以上に、「あなた、しっかりしなさいよ」という感じだった。
先生が一番カッコよかったのは、女装しないで攻に会いに行ったシーン。
金ひかるさんのイラストって、変らないなー、いつも似たようだなーと思う。
けど、しばらくゴツイ感じだったのが、今回はすっきりした輪郭に戻っていて、攻がカッコよかった。
ネタバレ
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MR×医者、年下攻。
また真面目な敬語受とちょっと性格の悪い攻か~と最初からテンションを下げつつ読んだ。もうこの組み合わせ、飽きたよ…。とはいえ、これだけハイペースで新刊出してて、いつも新鮮なわけがないし、そもそもカップルのバリエーション自体、そこまで多くないし。
(受は「元気で強気」か「真面目で素直」、「健気」が売れ筋だから、それ外すと大変だろうしなあ)
砂原さんだから、さすがに読み応えはあるし、面白い。好みかどうかは別として、さくさく読めた。
攻は一言で表せば、可愛げのないヘタレ。
告白する勇気がないからって、受を傷つける方法取るなよ~と思った。けどまあ、ちょっとズルいところのある、普通にカッコイイ男って感じかな。まあこの程度の守りに入っちゃうのはしょうがない気も。
先生はもうちょっと年齢相応の考え方を持ってほしいけど、これが可愛いのかな?
攻以上に、「あなた、しっかりしなさいよ」という感じだった。
先生が一番カッコよかったのは、女装しないで攻に会いに行ったシーン。
ラブストーリーまであとどのくらい?
2011年8月7日 砂原糖子
砂原糖子 幻冬舎 2011/07
スピンオフ。
なんで似たようなタイトルなんだろうって思いながらも、スピンオフという可能性を思いつかないで、まったく別の作品と思い込んで買った…。
ネタバレ
-----------------------------------------
正直、「またこれか」って思った。スピンオフだからじゃなく、キャラが。
浮気攻×変人真面目受。
いままでの砂原作品の中に、滝村(攻)のそっくりさんや森尾(受)のそっくりさんはいないと思う。不真面目系×真面目系が何作も続いているというわけでもない。
でもなんか、軽いモテ系×真面目で恋愛不慣れってパターンは多い気がする。BL全体でも多いパターンだからしょうがないんだけど、砂原さんの「真面目+変人」っていうキャラは印象が強いせいか、「また変人真面目キャラか」って思ってしまうようで。
なにかもう、恋愛どうのこうのより先に変人ぶりが気になってしまう。皆勤にこだわりがある社会人なんて理解できない!とか、いくら母子家庭でもママに下着を選んでもらう24歳はイヤだ!とか、そういう…。
一方で滝村のほうも、相手に嫌がられながら、しつこく食事とかに誘っているわりに、恋愛の自覚が薄い。なんで?って思ってしまう。自分の行動の理由を考えなさ過ぎて、どうにも理解しづらい。
アクシデント?の後に「責任取る」くだりも、共感しづらかった。
ただ、後半はよかったと思う。なんだかんだいって森尾に合わせている滝村も、いじらしいところがある森尾も、気持ちが分かると思った。滝村の携帯のデータを勝手に消して、チマチマ手入力で戻しちゃうところ、よかったな~。砂原さんらしい、こまやかな心理描写があったと思う。
キャラもストーリーもとくに趣味には合わなかったし、作品としてのインパクトも薄かったけど、これはこれでいいんじゃないかと。
スピンオフ。
なんで似たようなタイトルなんだろうって思いながらも、スピンオフという可能性を思いつかないで、まったく別の作品と思い込んで買った…。
ネタバレ
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正直、「またこれか」って思った。スピンオフだからじゃなく、キャラが。
浮気攻×変人真面目受。
いままでの砂原作品の中に、滝村(攻)のそっくりさんや森尾(受)のそっくりさんはいないと思う。不真面目系×真面目系が何作も続いているというわけでもない。
でもなんか、軽いモテ系×真面目で恋愛不慣れってパターンは多い気がする。BL全体でも多いパターンだからしょうがないんだけど、砂原さんの「真面目+変人」っていうキャラは印象が強いせいか、「また変人真面目キャラか」って思ってしまうようで。
なにかもう、恋愛どうのこうのより先に変人ぶりが気になってしまう。皆勤にこだわりがある社会人なんて理解できない!とか、いくら母子家庭でもママに下着を選んでもらう24歳はイヤだ!とか、そういう…。
一方で滝村のほうも、相手に嫌がられながら、しつこく食事とかに誘っているわりに、恋愛の自覚が薄い。なんで?って思ってしまう。自分の行動の理由を考えなさ過ぎて、どうにも理解しづらい。
アクシデント?の後に「責任取る」くだりも、共感しづらかった。
ただ、後半はよかったと思う。なんだかんだいって森尾に合わせている滝村も、いじらしいところがある森尾も、気持ちが分かると思った。滝村の携帯のデータを勝手に消して、チマチマ手入力で戻しちゃうところ、よかったな~。砂原さんらしい、こまやかな心理描写があったと思う。
キャラもストーリーもとくに趣味には合わなかったし、作品としてのインパクトも薄かったけど、これはこれでいいんじゃないかと。
砂原糖子 新書館 2006/08
再読。
砂原さんはものすごく好きというわけでもないのに、読みやすいせいか、なんかコンプリートしそうな勢いで買ってるなあ。って気付いて、じゃあ入手可能な(絶版してない)文庫だけでもコンプリートしておくか、と買ってみた。
ネタバレ
-----------------------------------------
初読のときは、また変な設定やね~と思って、しかも天然受でギブアップしそうになり、なんだかなあと思いながら読了した。
コメディー作品だと分かっていながら、コメディー設定に引っかかりを覚える人(私)には向かなかったんだと思う。
でも、なんだかなあと思いつつ最後まで読めちゃうのは、読みやすいからかなあ。私にとっては、趣味に合うとか面白いとかいう以前に、感覚的に読みやすい砂原さん。
再読の今回は、この天然受が思ったより、マトモなことに気付き、なんだか可愛く思えたせいか、前回より楽しく読めた。
たぶん、「これはこういう生き物だから」って認識がしっかりできると、ちょっとぐらい(?)変なのは気にならなくなるんだと思う。
話はベタ過ぎてわりとどーでもいい展開なのだが(笑)、ところどころ、なんかキャラの心情が染みるあたりがいいなあと。
…攻が酔っ払ってドナドナ歌ってたシーンに、ちょっとグッときた。
再読。
砂原さんはものすごく好きというわけでもないのに、読みやすいせいか、なんかコンプリートしそうな勢いで買ってるなあ。って気付いて、じゃあ入手可能な(絶版してない)文庫だけでもコンプリートしておくか、と買ってみた。
ネタバレ
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初読のときは、また変な設定やね~と思って、しかも天然受でギブアップしそうになり、なんだかなあと思いながら読了した。
コメディー作品だと分かっていながら、コメディー設定に引っかかりを覚える人(私)には向かなかったんだと思う。
でも、なんだかなあと思いつつ最後まで読めちゃうのは、読みやすいからかなあ。私にとっては、趣味に合うとか面白いとかいう以前に、感覚的に読みやすい砂原さん。
再読の今回は、この天然受が思ったより、マトモなことに気付き、なんだか可愛く思えたせいか、前回より楽しく読めた。
たぶん、「これはこういう生き物だから」って認識がしっかりできると、ちょっとぐらい(?)変なのは気にならなくなるんだと思う。
話はベタ過ぎてわりとどーでもいい展開なのだが(笑)、ところどころ、なんかキャラの心情が染みるあたりがいいなあと。
…攻が酔っ払ってドナドナ歌ってたシーンに、ちょっとグッときた。
砂原糖子 新書館 2011/2
『恋のはなし』の続編。
この話、受の多和田が真面目でいい人なのはいいんだけど、どうも共感しづらいんだよなあ…とか思って積んでて、やっと読了。
ネタバレ
------------------------------------------
いきなり他人の評価を引き合いに出しちゃうけど、密林レビューを読んでて思った。
あ、続編にそーいうものを求めるんだ~、私は違うなあと。
「続編」は、めまぐるしい展開より、こういうBLでは「ありがち」なエピソードを積み重ねていって、絆を深めていく話のほうが好きだなあ。
だから、続編としては、こういう話の持っていき方が好き。あとがきでも触れられてたけど、砂原さんは基本的に「続編なしで、本編の中ですべて書ききる」というスタイルの人だし、続編で大きな事件(障害)を持ってくるより、すれ違ったりしながらちょっとずつ二人の生き方が重なっていくほうが「その後の二人の話」としてふさわしいんじゃないかな。
今回はキャラに感情移入しやすかった。
喧嘩したくないから、とっさに嘘ついちゃうとか、見栄を張ったために一人で煮詰まっちゃいました、とか。そういうことあるよな~と。
多和田は真面目で不器用すぎてちょっと浮世離れしてるし、新山は脚本家っていう(イメージ的に)派手な職業だけど、恋愛の悩みはわりとよくあるもので、いろいろ共感できた。
新山に合わせることの多い多和田が、自分から新山の手を取ろうと決心するところがよかった。いい方向に影響を受けてるってことだし、長続きしそうな「つづき」に安心できた。
『恋のはなし』の続編。
この話、受の多和田が真面目でいい人なのはいいんだけど、どうも共感しづらいんだよなあ…とか思って積んでて、やっと読了。
ネタバレ
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いきなり他人の評価を引き合いに出しちゃうけど、密林レビューを読んでて思った。
あ、続編にそーいうものを求めるんだ~、私は違うなあと。
「続編」は、めまぐるしい展開より、こういうBLでは「ありがち」なエピソードを積み重ねていって、絆を深めていく話のほうが好きだなあ。
だから、続編としては、こういう話の持っていき方が好き。あとがきでも触れられてたけど、砂原さんは基本的に「続編なしで、本編の中ですべて書ききる」というスタイルの人だし、続編で大きな事件(障害)を持ってくるより、すれ違ったりしながらちょっとずつ二人の生き方が重なっていくほうが「その後の二人の話」としてふさわしいんじゃないかな。
今回はキャラに感情移入しやすかった。
喧嘩したくないから、とっさに嘘ついちゃうとか、見栄を張ったために一人で煮詰まっちゃいました、とか。そういうことあるよな~と。
多和田は真面目で不器用すぎてちょっと浮世離れしてるし、新山は脚本家っていう(イメージ的に)派手な職業だけど、恋愛の悩みはわりとよくあるもので、いろいろ共感できた。
新山に合わせることの多い多和田が、自分から新山の手を取ろうと決心するところがよかった。いい方向に影響を受けてるってことだし、長続きしそうな「つづき」に安心できた。
スイーツキングダムの王様
2011年5月26日 砂原糖子
砂原糖子 新書館 2011/04
タイトルから、傲慢パティシエ攻を想像していたので(…なぜ傲慢)、こんな話だったのか~と驚いた。
砂原さんの心がきれいで年下にも丁寧語で、ズレまくった変人ってキャラは、「またですか」って思ったが、今回も結構笑えた。
でも、どんなに宇宙人キャラが出てきても、作品内で宇宙人は宇宙人として認識されるので、読んでて疲れるようなことはない。
受の辛い過去やら、成長やら、これまた砂原さんらしい描き方で面白かった。
お互い拗ねると面倒くさいカップル(笑)
この作品で特筆すべきなのは、合鴨の中の人のプロフェッショナルぶりだ。
遊園地のアヒルの着ぐるみキャラのことなんだけど、ちょっとした?試練が…。
まずアヒルはホテルのロビーで待たされました。待たされた上に、リーマンから男子高校生に贈られる花束を渡す係でした。花束の理由は「二人が出会ってから半年の記念日v」、その後はセミスイートにご案内しました。
合鴨の中の人、よく頑張ったね。誉めてあげたい。
タイトルから、傲慢パティシエ攻を想像していたので(…なぜ傲慢)、こんな話だったのか~と驚いた。
砂原さんの心がきれいで年下にも丁寧語で、ズレまくった変人ってキャラは、「またですか」って思ったが、今回も結構笑えた。
でも、どんなに宇宙人キャラが出てきても、作品内で宇宙人は宇宙人として認識されるので、読んでて疲れるようなことはない。
受の辛い過去やら、成長やら、これまた砂原さんらしい描き方で面白かった。
お互い拗ねると面倒くさいカップル(笑)
この作品で特筆すべきなのは、合鴨の中の人のプロフェッショナルぶりだ。
遊園地のアヒルの着ぐるみキャラのことなんだけど、ちょっとした?試練が…。
まずアヒルはホテルのロビーで待たされました。待たされた上に、リーマンから男子高校生に贈られる花束を渡す係でした。花束の理由は「二人が出会ってから半年の記念日v」、その後はセミスイートにご案内しました。
合鴨の中の人、よく頑張ったね。誉めてあげたい。
砂原糖子 幻冬舎コミックス 2011/2
アラブものなら王子受でしょ~という私には朗報でしたよ。
…でも、たぶんイバラ設定。
ネタバレ
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アラブものの作法に則り、まずは拉致→ムリヤリ(もれなく媚薬のオプションつき)。
襲い受っていうのも、これまたイバラ設定なのでは?(笑)
砂原さんのこういうところが好きです。
急須でいれたような緑茶攻の適度にお人好しな性格も楽しかった。結構ひどい仕打ちを受けているのに大らかだ…。
王子のほうは、これまた砂原さんらしいキャラ。つまり、感覚はかなり変、かなり同情すべき過去を持ち、好きになるといじらしい面を(こっそり)見せる。素直じゃないというか。
この王子が変なりにかわいいと思えれば、この話は面白いんじゃないかと。
好みかと聞かれると困るけど、まとまりがよくて面白かった。
…「そう思う」1万回には笑った。
アラブものなら王子受でしょ~という私には朗報でしたよ。
…でも、たぶんイバラ設定。
ネタバレ
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アラブものの作法に則り、まずは拉致→ムリヤリ(もれなく媚薬のオプションつき)。
襲い受っていうのも、これまたイバラ設定なのでは?(笑)
砂原さんのこういうところが好きです。
急須でいれたような緑茶攻の適度にお人好しな性格も楽しかった。結構ひどい仕打ちを受けているのに大らかだ…。
王子のほうは、これまた砂原さんらしいキャラ。つまり、感覚はかなり変、かなり同情すべき過去を持ち、好きになるといじらしい面を(こっそり)見せる。素直じゃないというか。
この王子が変なりにかわいいと思えれば、この話は面白いんじゃないかと。
好みかと聞かれると困るけど、まとまりがよくて面白かった。
…「そう思う」1万回には笑った。