幻冬舎 2016/06
久しぶりに、奈良さんのイラストの本を読んだような。
だいぶ普通な感じに…?
ネタバレ
-------------------------------------------------
最初から15年と断りが入っているものの、冗長できつかった。
日常系は好きなんだけど、まだ続くの、これ?という感じで、半分ぐらいで挫折気味に。最後まで読んだものの、「すっきり楽しく」とか「じんわり感動」もなく、まあそんな感じに収まるだろうね…という読後感で。
わりあい好評なレビューが多かったみたいだから、単に私の趣味の問題かもしれないけど、あまりいい出来とは思えなかった。
攻が台湾に行く前ぐらいに話がまとまっていたほうが面白かったかも。それまでわりとリアルに話が進んでいたのに、受の恋人と攻の恋人がくっついてしまう展開は、安いドラマに感じてしまって残念。「15年って長いから、もう1つ山を入れておくか」みたいなイメージ…。
そもそも自分より母親の希望を優先した男と一生添い遂げるのはきつい…とか思ってしまった。
あと、標識の話は何度も出てきて、しつこく感じた。このページ数でここまで繰り返すなら、少し表現を変えればいいのに。
久しぶりに、奈良さんのイラストの本を読んだような。
だいぶ普通な感じに…?
ネタバレ
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最初から15年と断りが入っているものの、冗長できつかった。
日常系は好きなんだけど、まだ続くの、これ?という感じで、半分ぐらいで挫折気味に。最後まで読んだものの、「すっきり楽しく」とか「じんわり感動」もなく、まあそんな感じに収まるだろうね…という読後感で。
わりあい好評なレビューが多かったみたいだから、単に私の趣味の問題かもしれないけど、あまりいい出来とは思えなかった。
攻が台湾に行く前ぐらいに話がまとまっていたほうが面白かったかも。それまでわりとリアルに話が進んでいたのに、受の恋人と攻の恋人がくっついてしまう展開は、安いドラマに感じてしまって残念。「15年って長いから、もう1つ山を入れておくか」みたいなイメージ…。
そもそも自分より母親の希望を優先した男と一生添い遂げるのはきつい…とか思ってしまった。
あと、標識の話は何度も出てきて、しつこく感じた。このページ数でここまで繰り返すなら、少し表現を変えればいいのに。
心交社 2016/04
ネタバレ
------------------------------------------------
ニコ視点の話は面白かった。もっと痛い話かと思ってたけど、ニコは案外強くて、切ないけど、それほど痛くはなかった。
ニコから見た榮は魅力的。まあでも、自殺しようとしてる人と自然体で話せる中学生っていうのは異常っていうか、小説の中でしかありえない人物設定で…。若干、ここで萎えた。
で、ニコの片思いがクールダウンした時点で、「王子はもういいじゃん、次の男見つけなよ」って気分になってしまった。そのせいで、榮視点にシフトした表題作では、あまり応援する気になれなかった。榮は悪い人じゃないけど、本人視点だと男としての魅力が伝わってこないというか。「まあニコが幸せなら、いいんだけど……」という微妙な読後感になった。
どーでもいいが、この「ずっと片思いをしてた主人公が相手に見切りをつけた後で、相手から強く言い寄られて、すっかり立場逆転」っていう構成は、木原さんのお得意パターンで、あ、似てるな、と思ってしまった。
そのことに難癖をつけたいわけではないけど、凪良作品を読んでると、ちょくちょく木原作品が頭にちらつく。系統が似てるのかもしれない。
ネタバレ
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ニコ視点の話は面白かった。もっと痛い話かと思ってたけど、ニコは案外強くて、切ないけど、それほど痛くはなかった。
ニコから見た榮は魅力的。まあでも、自殺しようとしてる人と自然体で話せる中学生っていうのは異常っていうか、小説の中でしかありえない人物設定で…。若干、ここで萎えた。
で、ニコの片思いがクールダウンした時点で、「王子はもういいじゃん、次の男見つけなよ」って気分になってしまった。そのせいで、榮視点にシフトした表題作では、あまり応援する気になれなかった。榮は悪い人じゃないけど、本人視点だと男としての魅力が伝わってこないというか。「まあニコが幸せなら、いいんだけど……」という微妙な読後感になった。
どーでもいいが、この「ずっと片思いをしてた主人公が相手に見切りをつけた後で、相手から強く言い寄られて、すっかり立場逆転」っていう構成は、木原さんのお得意パターンで、あ、似てるな、と思ってしまった。
そのことに難癖をつけたいわけではないけど、凪良作品を読んでると、ちょくちょく木原作品が頭にちらつく。系統が似てるのかもしれない。
累る-kasaneru-
2015年11月14日 凪良ゆうプランタン出版 2015/10
表紙が気持ち悪いので、今回は画像なしで。
ネタバレ
-----------------------------------------
あらすじを見ないで買った。表紙でドロドロ系だと覚悟して読み始めて、あ、こういう方向なのか…と意外だった。
途中は面白く読んだけど、正直、攻の魅力がさっぱり分からなかった。顔や頭はいいかもしれないけど、中身は暗い上に子供っぽくて。うーん…。
前世の生き地獄な場面ばかり印象に残ってしまって、なんだか苦い読後感。
前世がすべて明らかになった後も「二人が幸せになってよかった~」という爽快さはなかった。
現世で両親との関係が最悪なまま終わってしまったのが残念。せめて生まれ変わってからは周囲の人の優しさに触れる描写があればよかったんだけど、徹底的に人情を排除してしまっているというか、結局お互いしか頼れないままっていうのは寂しい終わり方だった…。
カタルシスが足りないから、読み返したい作品ではなかった。
これ、木原さんが書きそうな題材だな~と。
木原さんはすでに「前世で拉致監禁、殺害。生まれ変わってからは男が男にストーカー」という離れ業?設定の作品を書いてるから、そのせいかも。
つい、この作品を木原作品と比べてしまって、「重いし暗いけど、薄いな」という印象を持ってしまった。
なんだろう…どこか足りないような。もちろん、残酷描写がぬるい、とかいう意味ではなく。
視点かなあ?
大事なポイントになるような場面で、当事者視点じゃないからかもしれない。それで一歩引いて書いているように感じるのかも。
生まれたときから監禁されている「オワタリさま」は自分の不幸が分かっていないし、夢として思い出すとき以外、前世は世話役の視点で進んでいく。生まれ変わってからも虐待されているのは弟で自分じゃない、母親の不審な死に目はショックで何も覚えてない、というように、ガッツリ不幸なわりに、差し迫った絶望は感じないというか。
それと、色々な設定がすごく中途半端に感じた。
現世で父親がどうしようもない人間として描かれていることに、あまり意味を感じなかった。天気を予測できるという超能力も、前世の名残として出てくるけど、「傘を忘れない」というどうでもいい使い方しかないから、この設定は必要なの?と思ってしまった。
1つ1つは大きな意味を持つはずの設定なのに、ちぐはぐに使われて、うまく機能していない。野球に例えれば、長打も単打も出るのに完封負けで終わる、繋がりのない打線みたいだった。
表紙が気持ち悪いので、今回は画像なしで。
ネタバレ
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あらすじを見ないで買った。表紙でドロドロ系だと覚悟して読み始めて、あ、こういう方向なのか…と意外だった。
途中は面白く読んだけど、正直、攻の魅力がさっぱり分からなかった。顔や頭はいいかもしれないけど、中身は暗い上に子供っぽくて。うーん…。
前世の生き地獄な場面ばかり印象に残ってしまって、なんだか苦い読後感。
前世がすべて明らかになった後も「二人が幸せになってよかった~」という爽快さはなかった。
現世で両親との関係が最悪なまま終わってしまったのが残念。せめて生まれ変わってからは周囲の人の優しさに触れる描写があればよかったんだけど、徹底的に人情を排除してしまっているというか、結局お互いしか頼れないままっていうのは寂しい終わり方だった…。
カタルシスが足りないから、読み返したい作品ではなかった。
これ、木原さんが書きそうな題材だな~と。
木原さんはすでに「前世で拉致監禁、殺害。生まれ変わってからは男が男にストーカー」という離れ業?設定の作品を書いてるから、そのせいかも。
つい、この作品を木原作品と比べてしまって、「重いし暗いけど、薄いな」という印象を持ってしまった。
なんだろう…どこか足りないような。もちろん、残酷描写がぬるい、とかいう意味ではなく。
視点かなあ?
大事なポイントになるような場面で、当事者視点じゃないからかもしれない。それで一歩引いて書いているように感じるのかも。
生まれたときから監禁されている「オワタリさま」は自分の不幸が分かっていないし、夢として思い出すとき以外、前世は世話役の視点で進んでいく。生まれ変わってからも虐待されているのは弟で自分じゃない、母親の不審な死に目はショックで何も覚えてない、というように、ガッツリ不幸なわりに、差し迫った絶望は感じないというか。
それと、色々な設定がすごく中途半端に感じた。
現世で父親がどうしようもない人間として描かれていることに、あまり意味を感じなかった。天気を予測できるという超能力も、前世の名残として出てくるけど、「傘を忘れない」というどうでもいい使い方しかないから、この設定は必要なの?と思ってしまった。
1つ1つは大きな意味を持つはずの設定なのに、ちぐはぐに使われて、うまく機能していない。野球に例えれば、長打も単打も出るのに完封負けで終わる、繋がりのない打線みたいだった。
新書館 2015/08
地味系。
ネタバレ
--------------------------------------------
二人とも重たすぎる過去を背負っているわりに、穏やかというか、淡々と過ぎていく話。読みやすいし、優しい雰囲気だった。
逆に悪く言えば、設定の割に薄味というか。それぞれの持っている事情がぶつかって、ぼやけてしまったような。攻はトラウマ持ちにしないで、受の傷だけじっくり書いてくれたほうが好みだったかも。
読んでるときは、いいなあと思ってたんだけど、数日経った今では印象があまり残ってない……。
攻はいい人だけど、妹の件でトラウマがあるという以外に特徴がなくて、少し物足りない感じだった。いい人だけど、男として魅力的かどうかというと。なんでモテるのか、よく分からなかった。
受は窓際に座って川を眺めている姿が印象的だった。面白いもので(?)、受に関しては、このイメージだけで魅力は十分という気がする。
のんびり再読するには向いてると思うから、1年ぐらい経ったら読み返したい。
地味系。
ネタバレ
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二人とも重たすぎる過去を背負っているわりに、穏やかというか、淡々と過ぎていく話。読みやすいし、優しい雰囲気だった。
逆に悪く言えば、設定の割に薄味というか。それぞれの持っている事情がぶつかって、ぼやけてしまったような。攻はトラウマ持ちにしないで、受の傷だけじっくり書いてくれたほうが好みだったかも。
読んでるときは、いいなあと思ってたんだけど、数日経った今では印象があまり残ってない……。
攻はいい人だけど、妹の件でトラウマがあるという以外に特徴がなくて、少し物足りない感じだった。いい人だけど、男として魅力的かどうかというと。なんでモテるのか、よく分からなかった。
受は窓際に座って川を眺めている姿が印象的だった。面白いもので(?)、受に関しては、このイメージだけで魅力は十分という気がする。
のんびり再読するには向いてると思うから、1年ぐらい経ったら読み返したい。
プランタン出版 2014/12
『365+1』のスピンオフ。
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった。
凪良さんはもう作家買いはできないと思うけど、設定選べば好みに合う作品もあるのかな…。
美山はモデルとして頑張っているところがよかった。毒舌も納得できる意見のことが多いし。里江に対する言葉とか、厳しすぎるけど、当たってると思う。
前作での久保田はほとんど印象に残ってない。…というより、まったく覚えてなかったかから、攻は新キャラが出てくるのかな~と思ってた。
結構いいキャラ。平凡なようでいて、才能もバイタリティもあるタイプ。灰原との対決とか、男前だった。
あと、カメリアのエピソードがよかった。
プロポーズは素敵だけど、男性を「美人」「女王様」と称して、ウェディングドレスを着せる趣味はよく分からない。ドレス着せるなら、女の子のほうがいいわ。ユニセックスな服装と女装は似て非なるものだと思う。
だいたい、男前が二人いるのがBLの醍醐味なのに~。スーツやタキシードを着こなす男のほうが絶対に格好いい。
『365+1』のスピンオフ。
ネタバレ
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面白かった。
凪良さんはもう作家買いはできないと思うけど、設定選べば好みに合う作品もあるのかな…。
美山はモデルとして頑張っているところがよかった。毒舌も納得できる意見のことが多いし。里江に対する言葉とか、厳しすぎるけど、当たってると思う。
前作での久保田はほとんど印象に残ってない。…というより、まったく覚えてなかったかから、攻は新キャラが出てくるのかな~と思ってた。
結構いいキャラ。平凡なようでいて、才能もバイタリティもあるタイプ。灰原との対決とか、男前だった。
あと、カメリアのエピソードがよかった。
プロポーズは素敵だけど、男性を「美人」「女王様」と称して、ウェディングドレスを着せる趣味はよく分からない。ドレス着せるなら、女の子のほうがいいわ。ユニセックスな服装と女装は似て非なるものだと思う。
だいたい、男前が二人いるのがBLの醍醐味なのに~。スーツやタキシードを着こなす男のほうが絶対に格好いい。
徳間書店 2014/12
最近、まったく相性が合わなくなってしまった凪良さん。
この作品はイラスト買い。
発売直後に買ったのに、読む気になれなくてずっと寝かしてた…。
それはそうと、これが今年1冊目のBL小説かも(?)
(アドリアン・イングリッシュシリーズはMLとかゲイ小説って認識だから)
ネタバレ
------------------------------------------
うーん…。ちょっと『恋愛犯』を思い出す設定なだけに、軽く感じてしまった。
で、この作品とは直接関係ないんだけど、あらすじの「スクールカースト」とかいう言葉が不謹慎でものすごく気持ち悪い…。
話自体はわりと読みやすかったんだけど、二人とも共感しづらくて、ちょっと疲れた。
とくに恋愛部分では置いていかれることが多かった。主人公の気持ちがよく分からないまま話が進んでいく感じ。
最後はうまくいってよかったけど、なんだか息苦しい関係だなあ…。付き合ってく期間が長くなれば、落ち着くのかな。
イラストはやっぱりきれいでよかった。
最近、まったく相性が合わなくなってしまった凪良さん。
この作品はイラスト買い。
発売直後に買ったのに、読む気になれなくてずっと寝かしてた…。
それはそうと、これが今年1冊目のBL小説かも(?)
(アドリアン・イングリッシュシリーズはMLとかゲイ小説って認識だから)
ネタバレ
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うーん…。ちょっと『恋愛犯』を思い出す設定なだけに、軽く感じてしまった。
で、この作品とは直接関係ないんだけど、あらすじの「スクールカースト」とかいう言葉が不謹慎でものすごく気持ち悪い…。
話自体はわりと読みやすかったんだけど、二人とも共感しづらくて、ちょっと疲れた。
とくに恋愛部分では置いていかれることが多かった。主人公の気持ちがよく分からないまま話が進んでいく感じ。
最後はうまくいってよかったけど、なんだか息苦しい関係だなあ…。付き合ってく期間が長くなれば、落ち着くのかな。
イラストはやっぱりきれいでよかった。
幻冬舎 2014/10
とりあえずタイトルがあんまりなので、ブログに残したくなくて省略…。
イラストも趣味に合わないし、買わなきゃよかった。
ネタバレ
----------------------------------------
うーん…。全然、楽しめなかった。
書評サイトでは好評だったから、私の好みに合わなかっただけかもしれないけど。
攻の無神経キャラがどうしても受け付けられず、ちっとも笑えなかった。
そして、笑えないコメディというのは読むのが苦痛なもので。
まあ好きな人は好きなんじゃない?としか。
でも、人殺しが野放しっていうのは、悪ノリが過ぎると思う。
凪良さん、もう作家買いは無理かもなあ。
とりあえずタイトルがあんまりなので、ブログに残したくなくて省略…。
イラストも趣味に合わないし、買わなきゃよかった。
ネタバレ
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うーん…。全然、楽しめなかった。
書評サイトでは好評だったから、私の好みに合わなかっただけかもしれないけど。
攻の無神経キャラがどうしても受け付けられず、ちっとも笑えなかった。
そして、笑えないコメディというのは読むのが苦痛なもので。
まあ好きな人は好きなんじゃない?としか。
でも、人殺しが野放しっていうのは、悪ノリが過ぎると思う。
凪良さん、もう作家買いは無理かもなあ。
プランタン出版 2014/07
たまたまだけど…このイラストレーターさんの挿絵の本が続いた。
あんまり好きな絵柄じゃなくて、キャラの魅力も少~し差し引かれてしまう…。
ネタバレ
----------------------------------------
見栄を張ってしまったり、八つ当たりしてしまったり、卑屈になってしまったり。2人の気持ちが分かるだけに、逆にもどかしくて、イラッとすることもあった。
浮気をされて(誤解だったけど)、何も言えずに逃げ帰ってしまうとか、分かる気がするけど…やっぱり読んでてイライラした。
攻の上から目線の言葉には「振られて当然!」と思ったけど、攻目線になると、哀れで同情してしまった…。上から目線の描写を読んだ後だから、余計にみじめな感じで…。
キャラはメインも脇役もあまり好きになれなかったけど、話自体は面白かった。
リアルだけど、重くなり過ぎず、テンポもよくて、読みやすい。
後半がちょっと駆け足だったのが残念。復縁も仕事のことも、上手く進み過ぎたというか。ご都合主義というか。
もう少しじっくり読みたかった。
たまたまだけど…このイラストレーターさんの挿絵の本が続いた。
あんまり好きな絵柄じゃなくて、キャラの魅力も少~し差し引かれてしまう…。
ネタバレ
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見栄を張ってしまったり、八つ当たりしてしまったり、卑屈になってしまったり。2人の気持ちが分かるだけに、逆にもどかしくて、イラッとすることもあった。
浮気をされて(誤解だったけど)、何も言えずに逃げ帰ってしまうとか、分かる気がするけど…やっぱり読んでてイライラした。
攻の上から目線の言葉には「振られて当然!」と思ったけど、攻目線になると、哀れで同情してしまった…。上から目線の描写を読んだ後だから、余計にみじめな感じで…。
キャラはメインも脇役もあまり好きになれなかったけど、話自体は面白かった。
リアルだけど、重くなり過ぎず、テンポもよくて、読みやすい。
後半がちょっと駆け足だったのが残念。復縁も仕事のことも、上手く進み過ぎたというか。ご都合主義というか。
もう少しじっくり読みたかった。
おやすみなさい、また明日
2014年2月1日 凪良ゆう
徳間書店 2014/01/25
面白かったけど…。
ネタバレ
----------------------------------------
穏やかで面白い話だった。
ノートをつけてるあたりで、記憶障害なんだろうなあと予想はついたけど、アットランダムに、しかも頻繁に記憶が消えていくっていうのは予想外だった。
重たいテーマだけど、つぐみの接し方が自然でよかったし、救いがあってよかった。
ただ、本編は穏やかだったせいか、読み終わってから一番印象に残っていたのは、お祖父さんのことだったかも…。
正直、朔太郎にそれほど魅力を感じなかった。元恋人の話、賑やかなアパートの話、お祖父さんの話、作家としての仕事の話と、詰め込みすぎていて、どれもぼやけてしまったような。
続編は朔太郎が残される側だってことが残酷にも感じた。いい話だけれど、私には少しばかり書き方が浅く感じる。せっかく重たいテーマに取り組んだんだから、もっと泥臭くしてもよかったんじゃないかな。『恋愛犯』ぐらいの書き方のほうが、読み応えがあっていいと思う。
他の記憶障害の話ほど、深く心に残る話ではなかった。
面白かったけど…。
ネタバレ
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穏やかで面白い話だった。
ノートをつけてるあたりで、記憶障害なんだろうなあと予想はついたけど、アットランダムに、しかも頻繁に記憶が消えていくっていうのは予想外だった。
重たいテーマだけど、つぐみの接し方が自然でよかったし、救いがあってよかった。
ただ、本編は穏やかだったせいか、読み終わってから一番印象に残っていたのは、お祖父さんのことだったかも…。
正直、朔太郎にそれほど魅力を感じなかった。元恋人の話、賑やかなアパートの話、お祖父さんの話、作家としての仕事の話と、詰め込みすぎていて、どれもぼやけてしまったような。
続編は朔太郎が残される側だってことが残酷にも感じた。いい話だけれど、私には少しばかり書き方が浅く感じる。せっかく重たいテーマに取り組んだんだから、もっと泥臭くしてもよかったんじゃないかな。『恋愛犯』ぐらいの書き方のほうが、読み応えがあっていいと思う。
他の記憶障害の話ほど、深く心に残る話ではなかった。
凪良ゆう 幻冬舎 2013/12
普通の凪良さん。
ネタバレ
----------------------------------------
ネット上の知り合いが姉の婚約者になる。出会いが地域別の掲示板とはいえ、すごい確率…と突っ込み入れたくなったけど、主人公がいい子だったし、描写が丁寧で読みやすい話だった。
姉弟二人共傷つけた攻の弱さはちょっと許せないものがあるけど、結果的にみんな幸せになれたからいいのかな…。なんかこう、二人の諦めきれない気持ちは分かるけど、中途半端に「誠実」という感じで。
結局、姉や当て馬くんを傷つけてしまうなら、自分が悪者になって受くんだけでも幸せにしてあげればいいじゃない?と思ってしまった。
攻の頼りなさというか狡さに、心の中で3回ぐらい舌打ちした(笑)
当て馬の神崎のしたことは後味が悪すぎて…最後まで好きになれなかった。どんな事情があっても、相手が思い通りにならないからという理由で何度も暴力を振るう人間って信用できない。謝りにきて、また?と気持ち悪くなった。
読みながらずっと、主人公かわいそうだな~と思ってたような。
天球儀のエピソード、プラネタリウムの場面と最後のセミナーの場面がよかった。
…新開を「しんぶん(新聞)」と読み間違えて困った。人とニュースペーパーの区別が(自分のせいで)つかないので、何度も混乱した(笑)
普通の凪良さん。
ネタバレ
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ネット上の知り合いが姉の婚約者になる。出会いが地域別の掲示板とはいえ、すごい確率…と突っ込み入れたくなったけど、主人公がいい子だったし、描写が丁寧で読みやすい話だった。
姉弟二人共傷つけた攻の弱さはちょっと許せないものがあるけど、結果的にみんな幸せになれたからいいのかな…。なんかこう、二人の諦めきれない気持ちは分かるけど、中途半端に「誠実」という感じで。
結局、姉や当て馬くんを傷つけてしまうなら、自分が悪者になって受くんだけでも幸せにしてあげればいいじゃない?と思ってしまった。
攻の頼りなさというか狡さに、心の中で3回ぐらい舌打ちした(笑)
当て馬の神崎のしたことは後味が悪すぎて…最後まで好きになれなかった。どんな事情があっても、相手が思い通りにならないからという理由で何度も暴力を振るう人間って信用できない。謝りにきて、また?と気持ち悪くなった。
読みながらずっと、主人公かわいそうだな~と思ってたような。
天球儀のエピソード、プラネタリウムの場面と最後のセミナーの場面がよかった。
…新開を「しんぶん(新聞)」と読み間違えて困った。人とニュースペーパーの区別が(自分のせいで)つかないので、何度も混乱した(笑)
心交社 2013/09
とってもネタバレ
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いい話だった。…まあ通常運転の凪良さんかな。
大人が9歳の子を無断で連れ出せば誘拐になるのはよく分かるんだけど、これは誘拐なの?と何度も思ってしまった。一緒に住んでるようなものだったんだし、子供の面倒をみてたことはまわりも知ってたんだから、普通の弁護士がついてれば実刑までいかないんじゃ…という気もした。
幼い椢が波瑠を守るために選んだ手段が…逆に残酷な感じで切ない。
二人の再会後は、波瑠をこれ以上傷つけないで…と心配で。
伯父夫婦が乗り込んできた場面では、椢ももう子供じゃないんだし、毅然とした態度で説明してほしかった…。
なんというか、伯父夫婦が来るような場所に波瑠を来させること自体、考えが足りない。守るというわりに、いつも椢の行動が波瑠を追い詰めてる気がする。
椢はまだ頼りにならないという印象のまま終わってしまった。
正直なところ、売れない役者で、告白もできなかった裕也のほうが好み。亡くなっているだけに美化されちゃってるというか、切ない恋愛って素敵ね…というか。一番心に残ったのも、あのラブレターだし。…椢とうまくいったときより、こっちのほうが感動した。
好きなタイプの話なんだけど、攻より素敵な男がいるせいか、ちょっと微妙な読後感だった。
とってもネタバレ
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いい話だった。…まあ通常運転の凪良さんかな。
大人が9歳の子を無断で連れ出せば誘拐になるのはよく分かるんだけど、これは誘拐なの?と何度も思ってしまった。一緒に住んでるようなものだったんだし、子供の面倒をみてたことはまわりも知ってたんだから、普通の弁護士がついてれば実刑までいかないんじゃ…という気もした。
幼い椢が波瑠を守るために選んだ手段が…逆に残酷な感じで切ない。
二人の再会後は、波瑠をこれ以上傷つけないで…と心配で。
伯父夫婦が乗り込んできた場面では、椢ももう子供じゃないんだし、毅然とした態度で説明してほしかった…。
なんというか、伯父夫婦が来るような場所に波瑠を来させること自体、考えが足りない。守るというわりに、いつも椢の行動が波瑠を追い詰めてる気がする。
椢はまだ頼りにならないという印象のまま終わってしまった。
正直なところ、売れない役者で、告白もできなかった裕也のほうが好み。亡くなっているだけに美化されちゃってるというか、切ない恋愛って素敵ね…というか。一番心に残ったのも、あのラブレターだし。…椢とうまくいったときより、こっちのほうが感動した。
好きなタイプの話なんだけど、攻より素敵な男がいるせいか、ちょっと微妙な読後感だった。
凪良ゆう 幻冬舎 2012/12
ほのぼの系なのかな。
ネタバレ
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のんびりした話。二人が一歩ずつ近づいていくようなテンポがよかった。丁寧というよりは、先を急いでいないというような印象。
のんびりした話なのに、わりとシビアな現実を描いているところが良くも悪くも凪良さんらしいと思った。
こういう匙加減って難しいんだろうと思う。世界中がハッピーなおとぎ話じゃ共感できないし…。
ただ、凪良さんはほのぼの系が上手くないというか、慣れてないのかな?
あちこちに、ぎこちなさを感じる。
シビアな面を描くにしても、もうちょっと角を丸めればいいのにって思う。とくに受のほうが、口に出さないだけで結構厳しいことを考えているので、外面はのんびりなのに、腹の中では……という感じになってしまっている。
地の文で主人公を「月浦くん」と書くのは逆にやりすぎ感が…。主人公の親を「お父さん」「お母さん」としているので、小学生が主人公の話かと思った…。しかも受は「呂久さん」、友達は「四谷くん」なのに、受の元カレだけは「奥田」と呼び捨てというのも中途半端で。
あと、受の仕事の件が中途半端に終わってしまったような…。「何も進展がないからその後は書きませんでした」ということなんだろうけど、フォローが足りないから書き方が雑なように感じてしまった…。凪良作品はこういうことが多くて、好みの問題かもしれないけど、もったいない。
もう1つ。
「作中の猫は、漫画に出てくる猫をモデルにしました」と、あとがきで言っちゃうのはどうだろう…。いくら猫といってもジュリアーノは漫画のキャラとしてしっかり成立しているわけで、しかも文章だけならまだしも、イラストまでつくわけで。
呂久さんの好物は丼もお茶漬けも食べてみたくならなかったなあ……。あんまり想像したくない食べ物だった。
ほのぼの系なのかな。
ネタバレ
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のんびりした話。二人が一歩ずつ近づいていくようなテンポがよかった。丁寧というよりは、先を急いでいないというような印象。
のんびりした話なのに、わりとシビアな現実を描いているところが良くも悪くも凪良さんらしいと思った。
こういう匙加減って難しいんだろうと思う。世界中がハッピーなおとぎ話じゃ共感できないし…。
ただ、凪良さんはほのぼの系が上手くないというか、慣れてないのかな?
あちこちに、ぎこちなさを感じる。
シビアな面を描くにしても、もうちょっと角を丸めればいいのにって思う。とくに受のほうが、口に出さないだけで結構厳しいことを考えているので、外面はのんびりなのに、腹の中では……という感じになってしまっている。
地の文で主人公を「月浦くん」と書くのは逆にやりすぎ感が…。主人公の親を「お父さん」「お母さん」としているので、小学生が主人公の話かと思った…。しかも受は「呂久さん」、友達は「四谷くん」なのに、受の元カレだけは「奥田」と呼び捨てというのも中途半端で。
あと、受の仕事の件が中途半端に終わってしまったような…。「何も進展がないからその後は書きませんでした」ということなんだろうけど、フォローが足りないから書き方が雑なように感じてしまった…。凪良作品はこういうことが多くて、好みの問題かもしれないけど、もったいない。
もう1つ。
「作中の猫は、漫画に出てくる猫をモデルにしました」と、あとがきで言っちゃうのはどうだろう…。いくら猫といってもジュリアーノは漫画のキャラとしてしっかり成立しているわけで、しかも文章だけならまだしも、イラストまでつくわけで。
呂久さんの好物は丼もお茶漬けも食べてみたくならなかったなあ……。あんまり想像したくない食べ物だった。
お菓子の家: 〜un petit nid〜
2012年9月18日 凪良ゆう
フランス書院 2012/09
作家買いして、スピンオフと知らずに買った。
『夜明け~』の加瀬が主人公。
前作と出版社も違うから、本当に驚いた。
ネタバレ
---------------------------------------------
久し振りに好みの凪良作品だった。
加瀬の話だ!と気付いて、1ページ目からテンション高くなった。しかも、受で嬉しい~!!と朝からウキウキ読んだ。
そんなに加瀬が好きだったのか、自分……。なぜ…。
火事の場面が切なかった。事情も知らずに、シャツ1枚のために火の中に入る阿木はいい人だ…。
あと、要と再会して、穏やかに話せたのはよかったなーと。
加瀬はDV攻だったのに、あまりに可愛くなってしまっていて、戸惑うほどだった。執着系の性格が、素直に甘えるという、いい方向に変化したようで。これだけ一途に懐かれたら、暗くてもデカくても、確かに可愛いと思う。
相談に乗るとか、印象的な言葉を与えるとかじゃなくて、普通の生活の中でちょっとずつ加瀬の心をほぐしていく阿木の優しさもよかった。お互いに惹かれた理由がよく分かるというか。
加瀬は確かにネガティブだけど、変ろうと努力してるし、変るための努力が役に立たないとは考えるほど後ろ向きじゃない。一足飛びには変れないだろうけど、もう人に暴力をふるったりしないだろうし、大丈夫だろうと思えた。
黒猫も可愛かった~。
作家買いして、スピンオフと知らずに買った。
『夜明け~』の加瀬が主人公。
前作と出版社も違うから、本当に驚いた。
ネタバレ
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久し振りに好みの凪良作品だった。
加瀬の話だ!と気付いて、1ページ目からテンション高くなった。しかも、受で嬉しい~!!と朝からウキウキ読んだ。
そんなに加瀬が好きだったのか、自分……。なぜ…。
火事の場面が切なかった。事情も知らずに、シャツ1枚のために火の中に入る阿木はいい人だ…。
あと、要と再会して、穏やかに話せたのはよかったなーと。
加瀬はDV攻だったのに、あまりに可愛くなってしまっていて、戸惑うほどだった。執着系の性格が、素直に甘えるという、いい方向に変化したようで。これだけ一途に懐かれたら、暗くてもデカくても、確かに可愛いと思う。
相談に乗るとか、印象的な言葉を与えるとかじゃなくて、普通の生活の中でちょっとずつ加瀬の心をほぐしていく阿木の優しさもよかった。お互いに惹かれた理由がよく分かるというか。
加瀬は確かにネガティブだけど、変ろうと努力してるし、変るための努力が役に立たないとは考えるほど後ろ向きじゃない。一足飛びには変れないだろうけど、もう人に暴力をふるったりしないだろうし、大丈夫だろうと思えた。
黒猫も可愛かった~。
凪良ゆう 徳間書店 2012/06
重たい系。
凪良さんは…まだ作家買いしてるけど、今後どうなるかな。
高久さんのイラストいいなー。
ネタバレ
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凪良さんの場合、どっぷりシリアスのほうが逃げずに書いてる感じで面白い。「ちょっと切ない系」ぐらいだと、踏み込み方が甘くて物足りなかったりするから。
けど、この作品は肝心の恋愛部分でちょっと感情移入しづらかった。カップルの二人ともが現在進行形で重たいものを背負っているせいで、読んでるこっちは恋愛にまで気が回らないというか、あれもこれもと詰め込みすぎというか。
ダブル訳ありより、片方の事情に絞ったほうがじっくり楽しめた思う。どうも読み方が散漫になってしまった。
しかも、二人の抱える問題の両方ともが、とことん他者とぶつかって解決に持っていくのではなく、「自分の気持ちと、どう折り合いをつけるか」が主眼になっているので、客観的に見てスッキリ解決とはいかない。
…そりゃ現実はそんなにうまくいかないし、このほうがリアリティーはあるんだろうけど、こういう描き方をするならリアルタイムな悩みではなく、過去に決着がついているけど後悔している、という描き方のほうが読みやすかったような。
小説の演出として。
いい意味でも悪い意味でも「このテーマなら、まあこんなものでしょう」という範囲内で、つまらなくはないけど、感動もないし、カタルシスもない。
うーん…、個人的な好みの問題も大きいと思うけど、最近の凪良作品は「悪くはないけど、上手にまとめすぎて小さくなってしまっている」という印象。水と砂糖を足して、分量増やしたジュースみたいな感じ?
別に悪い作品じゃないけど、重たいテーマのわりに、あまり印象に残らなかった。
重たい系。
凪良さんは…まだ作家買いしてるけど、今後どうなるかな。
高久さんのイラストいいなー。
ネタバレ
-----------------------------------------
凪良さんの場合、どっぷりシリアスのほうが逃げずに書いてる感じで面白い。「ちょっと切ない系」ぐらいだと、踏み込み方が甘くて物足りなかったりするから。
けど、この作品は肝心の恋愛部分でちょっと感情移入しづらかった。カップルの二人ともが現在進行形で重たいものを背負っているせいで、読んでるこっちは恋愛にまで気が回らないというか、あれもこれもと詰め込みすぎというか。
ダブル訳ありより、片方の事情に絞ったほうがじっくり楽しめた思う。どうも読み方が散漫になってしまった。
しかも、二人の抱える問題の両方ともが、とことん他者とぶつかって解決に持っていくのではなく、「自分の気持ちと、どう折り合いをつけるか」が主眼になっているので、客観的に見てスッキリ解決とはいかない。
…そりゃ現実はそんなにうまくいかないし、このほうがリアリティーはあるんだろうけど、こういう描き方をするならリアルタイムな悩みではなく、過去に決着がついているけど後悔している、という描き方のほうが読みやすかったような。
小説の演出として。
いい意味でも悪い意味でも「このテーマなら、まあこんなものでしょう」という範囲内で、つまらなくはないけど、感動もないし、カタルシスもない。
うーん…、個人的な好みの問題も大きいと思うけど、最近の凪良作品は「悪くはないけど、上手にまとめすぎて小さくなってしまっている」という印象。水と砂糖を足して、分量増やしたジュースみたいな感じ?
別に悪い作品じゃないけど、重たいテーマのわりに、あまり印象に残らなかった。
凪良ゆう 心交社 2012/05
幽霊もの。
ネタバレ、ネタバレ
--------------------------------------------
面白かった。
いいなー、穏やかな攻とちょっとキツイ美形受。
幽霊ものだから、いい意味でJUNEっぽい展開になるのかと思ったら、あくまでBL路線だった。好みのタイプのキャラだし、話も面白いから、もうちょっと掘り下げて書いてほしかったなあ。深刻になり過ぎないから読みやすいのかもしれないけど、良くも悪くも、テーマのわりにさらっとした書き方だった。
まあ、こういう書き方が凪良さんらしさなのかもしれないけど。どの作品も踏み込み過ぎない書き方っていうか。浅いとか、書き込みが足りないっていうのとも、またちょっと違ってて、丁寧だし、説明不足なところはない。読みやすさ優先なのかな?
これはこれで、きれいにまとまってて好きなんだけど、今回は少し物足りなく感じてしまった。
実は二人とも生きてました、というラストだから、「BL的に読みやすく」が重要だったのかもしれない。あんまり重たくしてもねえ?という感じか。
ただ、途中を重苦しく(痛く)しといたほうが、ラストの感動が大きくなった気がする。
地震で植物状態に…というストーリーだから、しばらく刊行できなかったらしい。まあ確かに、去年の今頃だったら、私も読めなかったかも。
『夏より』の雰囲気がよかった。幽霊ものから、霊能力ものにしても面白いかも?とか、ちょっと思った。
ところで、あとがきの「ちょっとした試み」とは、やっぱり手書き文字のことだろうか。
やり方が、実に、もったいなかった。
素直な読者なら、あそこでウルウルしたのかもしれないが、ひねくれた私はページを開いて苦笑いしてしまった。
違うんだよ~、そういう風に使っても効果が小さいんだって!
…また、上から目線の感想になってしまうが。
まず、この話の最大のクライマックスは令が生きていたと判明する場面で、この場面を読む頃にはすでに気持ちが落ち着いていた。確かにここも感動する場面ではあるんだけど、そこまで強調する必要性を感じないから、手書き文字は「さあ、泣いてください」と言わんばかりの過剰な演出に感じてしまった。
顔文字の出てくるネット小説は例外(論外)として、活字の小説で手書き文字を使う(文章以外で表現する)っていうのは、いわば反則技。どうせ反則技を使うなら、もっとあざとく、狙い澄ました箇所で挿入すればよかったのに。この手紙を見て初めて恋人が生きていると判明する、とかね…。
さらにいえば、手書き文字は活字に囲まれているほうが視覚的なインパクトが増す。挿絵みたいに1ページ使ってしまうと、逆に効果が薄れるような。
子供の頃読んだ小説で、ものすごく重要かつ盛り上がる場面で、赤いインクを使っていたことがあった。傑作といわれる小説の中で、恐らく一番インパクトがある箇所で赤い活字が出てくるという、あの驚きはいまだに忘れられない。
活字の色を変えるなんて、一人の作家さんが何度もできることではないはず。何度もやったら、意味も効果もないし。
そこで、「赤を使うなら、この作品のこの場面しかあるまい」という箇所を選ぶ作家さんのセンスに、本当に才能を感じたものだった。
逆に、伊坂さんはルールを分かりやすく説明するためだけの目的で、地の文で麻雀牌の絵を気軽に、さりげなく使ってきたりする。軽妙な文章と合わさって、あれもセンスがあるなあと感心した。
…そんなわけで、こんな使い方はもったいないよーと思ってしまったんだけど、凪良さんは別に一生一度とか思わず、気軽に使ったんだろうし、まあ余計なことだろう。
幽霊もの。
ネタバレ、ネタバレ
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面白かった。
いいなー、穏やかな攻とちょっとキツイ美形受。
幽霊ものだから、いい意味でJUNEっぽい展開になるのかと思ったら、あくまでBL路線だった。好みのタイプのキャラだし、話も面白いから、もうちょっと掘り下げて書いてほしかったなあ。深刻になり過ぎないから読みやすいのかもしれないけど、良くも悪くも、テーマのわりにさらっとした書き方だった。
まあ、こういう書き方が凪良さんらしさなのかもしれないけど。どの作品も踏み込み過ぎない書き方っていうか。浅いとか、書き込みが足りないっていうのとも、またちょっと違ってて、丁寧だし、説明不足なところはない。読みやすさ優先なのかな?
これはこれで、きれいにまとまってて好きなんだけど、今回は少し物足りなく感じてしまった。
実は二人とも生きてました、というラストだから、「BL的に読みやすく」が重要だったのかもしれない。あんまり重たくしてもねえ?という感じか。
ただ、途中を重苦しく(痛く)しといたほうが、ラストの感動が大きくなった気がする。
地震で植物状態に…というストーリーだから、しばらく刊行できなかったらしい。まあ確かに、去年の今頃だったら、私も読めなかったかも。
『夏より』の雰囲気がよかった。幽霊ものから、霊能力ものにしても面白いかも?とか、ちょっと思った。
ところで、あとがきの「ちょっとした試み」とは、やっぱり手書き文字のことだろうか。
やり方が、実に、もったいなかった。
素直な読者なら、あそこでウルウルしたのかもしれないが、ひねくれた私はページを開いて苦笑いしてしまった。
違うんだよ~、そういう風に使っても効果が小さいんだって!
…また、上から目線の感想になってしまうが。
まず、この話の最大のクライマックスは令が生きていたと判明する場面で、この場面を読む頃にはすでに気持ちが落ち着いていた。確かにここも感動する場面ではあるんだけど、そこまで強調する必要性を感じないから、手書き文字は「さあ、泣いてください」と言わんばかりの過剰な演出に感じてしまった。
顔文字の出てくるネット小説は例外(論外)として、活字の小説で手書き文字を使う(文章以外で表現する)っていうのは、いわば反則技。どうせ反則技を使うなら、もっとあざとく、狙い澄ました箇所で挿入すればよかったのに。この手紙を見て初めて恋人が生きていると判明する、とかね…。
さらにいえば、手書き文字は活字に囲まれているほうが視覚的なインパクトが増す。挿絵みたいに1ページ使ってしまうと、逆に効果が薄れるような。
子供の頃読んだ小説で、ものすごく重要かつ盛り上がる場面で、赤いインクを使っていたことがあった。傑作といわれる小説の中で、恐らく一番インパクトがある箇所で赤い活字が出てくるという、あの驚きはいまだに忘れられない。
活字の色を変えるなんて、一人の作家さんが何度もできることではないはず。何度もやったら、意味も効果もないし。
そこで、「赤を使うなら、この作品のこの場面しかあるまい」という箇所を選ぶ作家さんのセンスに、本当に才能を感じたものだった。
逆に、伊坂さんはルールを分かりやすく説明するためだけの目的で、地の文で麻雀牌の絵を気軽に、さりげなく使ってきたりする。軽妙な文章と合わさって、あれもセンスがあるなあと感心した。
…そんなわけで、こんな使い方はもったいないよーと思ってしまったんだけど、凪良さんは別に一生一度とか思わず、気軽に使ったんだろうし、まあ余計なことだろう。
凪良ゆう 角川書店 2011/12
凪良さんの初ルビー作品。
ネタバレ
---------------------------------------------
さくさく読めるし、面白かった。
ただ、コメディとしては笑えなかったかなあ。何も考えずに楽しめばいいと思うんだけど…。
主人公の日向が図々しくて、ついていけなかった。幼馴染といっても疎遠だったのに、相手が嫌がってるのに居候、しかもベッドにまで入ってくるって。「こんな奴とは友達になりたくない」級の図々しさにイラッとした。ケーキの話とかも、あ~、基本的に自分のことしか考えてないよねって感じで冷めてしまって、魅力を感じなかった。素直ゆえに鈍感で図々しいっていうキャラは、ある意味リアル過ぎるのかも?(苦笑)
攻の亭主関白ぶりは、コメディの範囲として面白く感じた。
外面王子様っていう攻のキャラは、最初からコメディむきで、変な奴ーって流せる。だけど、受は頭の中がお花畑の家族の中で、唯一常識的っていうポジションからスタートしたので、節約の押し付け以外の図々しさには引いてしまったのかも。
あと、お姉さんの駆け落ちの相手が、偶然攻の知り合いだったっていうのも、そんなに意味がなかったような。
まあ、「コメディだから」で全部流せることなんだけど、趣味には合わなかったかなー。
凪良さんの初ルビー作品。
ネタバレ
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さくさく読めるし、面白かった。
ただ、コメディとしては笑えなかったかなあ。何も考えずに楽しめばいいと思うんだけど…。
主人公の日向が図々しくて、ついていけなかった。幼馴染といっても疎遠だったのに、相手が嫌がってるのに居候、しかもベッドにまで入ってくるって。「こんな奴とは友達になりたくない」級の図々しさにイラッとした。ケーキの話とかも、あ~、基本的に自分のことしか考えてないよねって感じで冷めてしまって、魅力を感じなかった。素直ゆえに鈍感で図々しいっていうキャラは、ある意味リアル過ぎるのかも?(苦笑)
攻の亭主関白ぶりは、コメディの範囲として面白く感じた。
外面王子様っていう攻のキャラは、最初からコメディむきで、変な奴ーって流せる。だけど、受は頭の中がお花畑の家族の中で、唯一常識的っていうポジションからスタートしたので、節約の押し付け以外の図々しさには引いてしまったのかも。
あと、お姉さんの駆け落ちの相手が、偶然攻の知り合いだったっていうのも、そんなに意味がなかったような。
まあ、「コメディだから」で全部流せることなんだけど、趣味には合わなかったかなー。
凪良ゆう 徳間書店 2011/11
幼馴染もの。
イラストは穂波さんという、私にとっては豪華な1冊。
ネタバレ
----------------------------------------
面白かった。
幼馴染の2人が仲良くなっていく過程とか小説として面白いし、何気ない場面でもトキオの恋心が透けて見えるようなところがよかった。
2話構成になっているところで、話が引き締まっていていいなあと。ナツメのさっぱりしたキャラがよかったし、離れてから自分の気持ちに気付くあたりも切ない。
1話目で気になったのは、実はいじめの話。守ってくれる幼馴染もいなくなって、相手は欠片も反省してないのに、その後無事だったの??
ま、なんにも書いてないから、何もなかったんだろうけど、凪良作品はこのへんがいつも大味なんだよね……。それまでの心理描写が細かいだけに、実はちょっと気になる。
2話目はトキオの影が薄かった……。全体に影が薄いだけに、最初の冷たい反応がやけに印象に残っちゃって、なんだかなあと思ってしまった。惚れ直しちゃうようなエピソードが少なかったというか。ナツメとヤコ先生の友情?のほうが、恋愛より目立ってしまったというか。
ラスト近くもヤコ先生との和解?に重点が置かれて、普通の人の主人公たちが脇役に食われちゃってたような…。ヤコ先生の存在が話を盛り上げたのは確かだし、
両思いになってから2人だけのエピソードがもうちょっとあれば、また印象も違ったかもしれないけど。
あと、未成年を酔わせて関係持っちゃうような大人が、本当にいい人なのか?っていうモヤモヤが残った。
2話目で少しずつナツメが成長していくところが楽しかったから、彼が就職して、夢を追いかける話がメインの続編が読みたいなあ<それBLじゃない。
幼馴染もの。
イラストは穂波さんという、私にとっては豪華な1冊。
ネタバレ
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面白かった。
幼馴染の2人が仲良くなっていく過程とか小説として面白いし、何気ない場面でもトキオの恋心が透けて見えるようなところがよかった。
2話構成になっているところで、話が引き締まっていていいなあと。ナツメのさっぱりしたキャラがよかったし、離れてから自分の気持ちに気付くあたりも切ない。
1話目で気になったのは、実はいじめの話。守ってくれる幼馴染もいなくなって、相手は欠片も反省してないのに、その後無事だったの??
ま、なんにも書いてないから、何もなかったんだろうけど、凪良作品はこのへんがいつも大味なんだよね……。それまでの心理描写が細かいだけに、実はちょっと気になる。
2話目はトキオの影が薄かった……。全体に影が薄いだけに、最初の冷たい反応がやけに印象に残っちゃって、なんだかなあと思ってしまった。惚れ直しちゃうようなエピソードが少なかったというか。ナツメとヤコ先生の友情?のほうが、恋愛より目立ってしまったというか。
ラスト近くもヤコ先生との和解?に重点が置かれて、普通の人の主人公たちが脇役に食われちゃってたような…。ヤコ先生の存在が話を盛り上げたのは確かだし、
両思いになってから2人だけのエピソードがもうちょっとあれば、また印象も違ったかもしれないけど。
あと、未成年を酔わせて関係持っちゃうような大人が、本当にいい人なのか?っていうモヤモヤが残った。
2話目で少しずつナツメが成長していくところが楽しかったから、彼が就職して、夢を追いかける話がメインの続編が読みたいなあ<それBLじゃない。
凪良ゆう フランス書院 2011/10
凪良さん、いいなあ。
時間の節約のために読書メーターで感想書いて終わらせるつもりだったけど、文字数が全然足りない。
感想を書かされちゃう作品って嬉しい。
イラスト、きれいだなーと思う。
ちょっと顔怖いけど、甘くなりすぎないのがいい。
表紙の加賀谷は大変失礼だと思いつつ書くと(書くな…)、薄毛で悩みそうな人だなーと。すみません、すみません。第一印象でそう思っちゃったもので…。
ネタバレ
------------------------------------------
面白かった!
凪良さんの作品は人の心の痛みと暖かさを両方描いてくれるから好きだなー。
蓮の生い立ちがかわいそうっていうより、詐欺を「自分が与えられなかったものを取り返している」と考えているあたりで、その気持ち分かる~ってなって、悲しくなる。もちろん詐欺は悪いことだけど、同情してしまう。「家が欲しい」っていうのも、ほんと泣ける。ほんと加賀谷に会えてよかった。
告発されて逮捕されたときは、痛い展開が待っているのかなーと思っていたら、わりとさらっと書かれてて、「この匙加減が凪良さん」って思った。ディープなテーマでも、手を緩めるところは手を緩めるから、読みやすい。読むのに心の準備も要らない。まあ、たまには突き抜けちゃってもいいような気もするけどー。
続編も面白かった。
バイトをクビになった件は、誤解されたままだったのに驚いた。おばあさんが寂しいままかと思うと余計に後味悪いし、次の話で当然フォローが入ると思ってた。
でも、人を騙して傷つけた犯罪が簡単に許されるような世界なら、逆に蓮が誰かに傷つけられても「しょうがないでしょ」で終わっちゃうわけで…。主人公だけ特別に許されるファンタジーでは、蓮と加賀谷がちょっとずつ積み上げていく幸せさえも嘘くさくなって、感動も薄れたかもしれない。
あと、蓮がバイトをクビになったって加賀谷に言えなかった気持ちがすごい分かるんで、怒らないでやってよ…と思った。プライドもあるし、外での辛いことを家にまで持ち込みたくないって人、結構いると思うな~。
そのへん、もうちょっと話し合ってほしかった気もする。
観覧車の場面は泣けた。あ~、よかったね!!って暖かい気持ちなった。
新年の話は、加賀谷がちょっと甘やかし方上手くなってて、おお~!と(笑)
辛いことがあるから、優しさが暖かいのかもって思える作品だった。
凪良さん、いいなあ。
時間の節約のために読書メーターで感想書いて終わらせるつもりだったけど、文字数が全然足りない。
感想を書かされちゃう作品って嬉しい。
イラスト、きれいだなーと思う。
ちょっと顔怖いけど、甘くなりすぎないのがいい。
表紙の加賀谷は大変失礼だと思いつつ書くと(書くな…)、薄毛で悩みそうな人だなーと。すみません、すみません。第一印象でそう思っちゃったもので…。
ネタバレ
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面白かった!
凪良さんの作品は人の心の痛みと暖かさを両方描いてくれるから好きだなー。
蓮の生い立ちがかわいそうっていうより、詐欺を「自分が与えられなかったものを取り返している」と考えているあたりで、その気持ち分かる~ってなって、悲しくなる。もちろん詐欺は悪いことだけど、同情してしまう。「家が欲しい」っていうのも、ほんと泣ける。ほんと加賀谷に会えてよかった。
告発されて逮捕されたときは、痛い展開が待っているのかなーと思っていたら、わりとさらっと書かれてて、「この匙加減が凪良さん」って思った。ディープなテーマでも、手を緩めるところは手を緩めるから、読みやすい。読むのに心の準備も要らない。まあ、たまには突き抜けちゃってもいいような気もするけどー。
続編も面白かった。
バイトをクビになった件は、誤解されたままだったのに驚いた。おばあさんが寂しいままかと思うと余計に後味悪いし、次の話で当然フォローが入ると思ってた。
でも、人を騙して傷つけた犯罪が簡単に許されるような世界なら、逆に蓮が誰かに傷つけられても「しょうがないでしょ」で終わっちゃうわけで…。主人公だけ特別に許されるファンタジーでは、蓮と加賀谷がちょっとずつ積み上げていく幸せさえも嘘くさくなって、感動も薄れたかもしれない。
あと、蓮がバイトをクビになったって加賀谷に言えなかった気持ちがすごい分かるんで、怒らないでやってよ…と思った。プライドもあるし、外での辛いことを家にまで持ち込みたくないって人、結構いると思うな~。
そのへん、もうちょっと話し合ってほしかった気もする。
観覧車の場面は泣けた。あ~、よかったね!!って暖かい気持ちなった。
新年の話は、加賀谷がちょっと甘やかし方上手くなってて、おお~!と(笑)
辛いことがあるから、優しさが暖かいのかもって思える作品だった。
凪良ゆう 白泉社 2008/09
続編~。
うーん、それにしてもこのイラスト、着物に見えないなあ。
まあ白薔薇の柄の着物って、私にはそもそも想像がつかないけど。
ネタバレ
--------------------------------------------
サクサク読めるし、面白かったけど、まあ続編でしかないなあ。正直、物足りない。
拓海と朝倉の魅力があまり活かされていなかった気がする。すれ違いは定番だけど、前作ほど盛り上がらなかったような。朝倉家のことがメインだった感じ。
もうちょっと二人の間だけの話がほしかったなあ。
舅と姑の話は、復縁するとか言われても後味が悪かった。とにかく舅がすごく嫌…。最初に素直になれなかったのは仕方がないとしても、愛人に子供産ませて、何十年も一緒に暮らしてる人が、いまさら本命は正妻みたいに言ってもね~。
これで性格の悪い愛人は捨てらるわけですか? そして朝倉以上にかわいそうな子供がもう一人…。これのどこがハッピーなのか。嫌な話でしかない。
エディと美花のショートショートは気軽に読めて楽しかった。
続編~。
うーん、それにしてもこのイラスト、着物に見えないなあ。
まあ白薔薇の柄の着物って、私にはそもそも想像がつかないけど。
ネタバレ
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サクサク読めるし、面白かったけど、まあ続編でしかないなあ。正直、物足りない。
拓海と朝倉の魅力があまり活かされていなかった気がする。すれ違いは定番だけど、前作ほど盛り上がらなかったような。朝倉家のことがメインだった感じ。
もうちょっと二人の間だけの話がほしかったなあ。
舅と姑の話は、復縁するとか言われても後味が悪かった。とにかく舅がすごく嫌…。最初に素直になれなかったのは仕方がないとしても、愛人に子供産ませて、何十年も一緒に暮らしてる人が、いまさら本命は正妻みたいに言ってもね~。
これで性格の悪い愛人は捨てらるわけですか? そして朝倉以上にかわいそうな子供がもう一人…。これのどこがハッピーなのか。嫌な話でしかない。
エディと美花のショートショートは気軽に読めて楽しかった。
花嫁はマリッジブルー
2011年8月25日 凪良ゆう
凪良ゆう 白泉社 2007/11
凪良さんのデビュー作。
花丸文庫の花嫁ものを手に取る日がくるなんて…!
この作品は現代ものだし「女だと偽って、身内の身代わりに嫁に行く」という無茶な設定(テンプレ)は入ってないから、まだ読みやすいかなあと思いつつ…花嫁ものか~とゲッソリ。
続編のタイトルが『新妻はマタニティブルー』だろうと、受が「旦那様に愛されるために、僕がんばる!」って本気でほざく成人男子だろうと驚かない…という要らん覚悟をして読み始めた。
すみませんでした…本当にマトモで、覚悟する必要なかったです。
ちなみに、本当の続編のタイトルは『花嫁は今夜もブルー』でーす。
ネタバレ
------------------------------------------------
や~、面白かった。
顔が相当整っている以外はわりと普通の大学生と、嫌味な俺様セレブ攻っていう組み合わせが趣味に合うかどうかというと、とくに合わないんだけど、BL小説として面白かった。
どうでもいいが、それだけ顔がいいのに、よくそんな真っ当&平凡に育ったなあと、麻生家の教育には感心してしまうものがある。
主人公の感覚が普通なので、最初から感情移入しやすかったし、コメディだから読みやすい。強引な脇キャラの姉と、ヘタレな姉の元彼、エディもいい味を出していて、テンポがいい。
サクサク読んでいくうちに、大人気ないところも含めて攻が可愛く思えてくる。で、主人公のよさも見えてくるから、惹かれ合うのがごく自然。途中の切ない展開と、きっちり「花嫁もの」を取り入れたラストがよかったなあ。
…いくら「花嫁もの」アレルギーがあっても、このタイトルで女装花嫁じゃなかったら、そりゃガッカリってなもので(笑)
…花嫁もので満足するとは思わなかった。
上から目線で読み始めたが、自然と頭が下がって、最後は上目遣いになりましたよ。
さあ、密林で続編を買ってこよう。
凪良さんのデビュー作。
花丸文庫の花嫁ものを手に取る日がくるなんて…!
この作品は現代ものだし「女だと偽って、身内の身代わりに嫁に行く」という無茶な設定(テンプレ)は入ってないから、まだ読みやすいかなあと思いつつ…花嫁ものか~とゲッソリ。
続編のタイトルが『新妻はマタニティブルー』だろうと、受が「旦那様に愛されるために、僕がんばる!」って本気でほざく成人男子だろうと驚かない…という要らん覚悟をして読み始めた。
すみませんでした…本当にマトモで、覚悟する必要なかったです。
ちなみに、本当の続編のタイトルは『花嫁は今夜もブルー』でーす。
ネタバレ
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や~、面白かった。
顔が相当整っている以外はわりと普通の大学生と、嫌味な俺様セレブ攻っていう組み合わせが趣味に合うかどうかというと、とくに合わないんだけど、BL小説として面白かった。
どうでもいいが、それだけ顔がいいのに、よくそんな真っ当&平凡に育ったなあと、麻生家の教育には感心してしまうものがある。
主人公の感覚が普通なので、最初から感情移入しやすかったし、コメディだから読みやすい。強引な脇キャラの姉と、ヘタレな姉の元彼、エディもいい味を出していて、テンポがいい。
サクサク読んでいくうちに、大人気ないところも含めて攻が可愛く思えてくる。で、主人公のよさも見えてくるから、惹かれ合うのがごく自然。途中の切ない展開と、きっちり「花嫁もの」を取り入れたラストがよかったなあ。
…いくら「花嫁もの」アレルギーがあっても、このタイトルで女装花嫁じゃなかったら、そりゃガッカリってなもので(笑)
…花嫁もので満足するとは思わなかった。
上から目線で読み始めたが、自然と頭が下がって、最後は上目遣いになりましたよ。
さあ、密林で続編を買ってこよう。
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