あー、面白かった。
ネタバレ感想。
備考:『檻の外』はまだ読んでない。
----------------------------------------------------------
最初のほうではそりゃあもう痛くて参った。
(いまちょっと辛いことがあると胃が痛くなる状態なので、本当に痛かった…)
痴漢の冤罪がどれだけ大変なのか多少は聞きかじっていたが、やはり木原作品だと自分の貧困な想像力ではカバーできなかったところまで描かれているので、痛さが違う。
といってもジェットコースターに乗って絶叫するようなもので(私には当てはまらない。あんなものに好んで乗らない)、楽しんではいるのだが。
でも怖いものは怖いし、痛いものは痛い。
というわけで、喜多川との心の交流(はしてないかも…)は読んでいてほっとするものがあった。徐々に堂野が心の安定を取り戻してくれたのが嬉しかったし。
だけど、彼が出所して結婚が決まったとき、もうこれで話が終わってくれないかなと思った。いや、別に喜多川を嫌っているわけでもないし、そんな結末もひどいと思う。それじゃ喜多川がかわいそうだろうけど。
ただ、堂野が辿ってきた道筋を思うと、なんかもうここで「めでたし、めでたし」にしてあげたくなったというか。せっかく平坦な道まで戻ってこられたんだから、もう喜多川とのことは思い出にしてもいいじゃんって思っちゃう。
喜多川と再会することで不幸になるとは思わないし、思いたくもないんだけど、まったく何の障害もなくハッピーエンドにはならないことは分かっているので、その乗り越えなければならない山脈(…)のことを考えると、もうそっとしておいてあげたくなる。
世の中の親の多くは子供の人生には、波乱万丈でドラマティックな展開の末に大きな幸せをつかむものより、小市民的でもいいから温かく人並みな生活を、って望むものではないかと思うのだが(もちろん違う人も大勢いるだろうけど)、そういう感覚になってしまうようで。保守的だ…。
BLとしての恋愛部分も楽しんでいたんだけど、なんか堂野の境遇が強烈だったためにそう思ってしまったらしい。BLとして弱いという意味ではなく、それだけ感情移入させる力が強かったということです。
堂野は弱さも持っていて、特別な美形でもなく、本当に普通の人だと思う。でも、情が強くて芯が強い。魅力的なキャラだ。
素敵vっていうより、いいなあと。しみじみ。
や〜、よかった。堂野に熱愛してしまうと初芝先生に申し訳ないし。(どうしても名前を出したかったらしい)
それにしても、二人の関係がうまくいっているときでも、やっぱり痛みを伴うんだなあと。
『檻の外』を読むのが楽しみ。
ネタバレ感想。
備考:『檻の外』はまだ読んでない。
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最初のほうではそりゃあもう痛くて参った。
(いまちょっと辛いことがあると胃が痛くなる状態なので、本当に痛かった…)
痴漢の冤罪がどれだけ大変なのか多少は聞きかじっていたが、やはり木原作品だと自分の貧困な想像力ではカバーできなかったところまで描かれているので、痛さが違う。
といってもジェットコースターに乗って絶叫するようなもので(私には当てはまらない。あんなものに好んで乗らない)、楽しんではいるのだが。
でも怖いものは怖いし、痛いものは痛い。
というわけで、喜多川との心の交流(はしてないかも…)は読んでいてほっとするものがあった。徐々に堂野が心の安定を取り戻してくれたのが嬉しかったし。
だけど、彼が出所して結婚が決まったとき、もうこれで話が終わってくれないかなと思った。いや、別に喜多川を嫌っているわけでもないし、そんな結末もひどいと思う。それじゃ喜多川がかわいそうだろうけど。
ただ、堂野が辿ってきた道筋を思うと、なんかもうここで「めでたし、めでたし」にしてあげたくなったというか。せっかく平坦な道まで戻ってこられたんだから、もう喜多川とのことは思い出にしてもいいじゃんって思っちゃう。
喜多川と再会することで不幸になるとは思わないし、思いたくもないんだけど、まったく何の障害もなくハッピーエンドにはならないことは分かっているので、その乗り越えなければならない山脈(…)のことを考えると、もうそっとしておいてあげたくなる。
世の中の親の多くは子供の人生には、波乱万丈でドラマティックな展開の末に大きな幸せをつかむものより、小市民的でもいいから温かく人並みな生活を、って望むものではないかと思うのだが(もちろん違う人も大勢いるだろうけど)、そういう感覚になってしまうようで。保守的だ…。
BLとしての恋愛部分も楽しんでいたんだけど、なんか堂野の境遇が強烈だったためにそう思ってしまったらしい。BLとして弱いという意味ではなく、それだけ感情移入させる力が強かったということです。
堂野は弱さも持っていて、特別な美形でもなく、本当に普通の人だと思う。でも、情が強くて芯が強い。魅力的なキャラだ。
素敵vっていうより、いいなあと。しみじみ。
や〜、よかった。堂野に熱愛してしまうと初芝先生に申し訳ないし。(どうしても名前を出したかったらしい)
それにしても、二人の関係がうまくいっているときでも、やっぱり痛みを伴うんだなあと。
『檻の外』を読むのが楽しみ。
テーマが重いから…、木原作品でテーマが重いってどんなものだろう……。
って理由で発売以来ずーっと気になっていたのだが怖くて読めなくて、今頃になってようやく手にとってみた。
人様に勧めるのにはやっぱりちょっと重たいテーマだと思うけど、もっと早く素直に読んでおけばよかったなあと後悔した。
ネタバレ感想。
--------------------------------------------------------
やられた…。
初芝先生かっこいい…。
こんなに私は先生が好きなのに、先生は車の運転が下手くそな女はお好きじゃないでしょうね。
…うわ言はともかく。
えぐるような痛い展開の中で、初芝の強さと弱さが胸に迫ったし、乾の優しさが染みた。辛いだけじゃないって思える救いと後味のよさがあったと思う。
うーん、真面目に感想を書こうと思ったんだが、どうも言葉にしづらい。とにかく面白かった。
初芝という好みのキャラとストーリーの面白さが揃っているので、とくにBL的展開も期待せずに楽しく読んだ。別に初芝が彼女と結婚して幸せな家庭を作るというラストでもまったくもって構わなかったし、なんか乾は初芝にずっと片思いしてればいいじゃんとか思ったりもした。乾は乾でかなり好きなキャラなのだが、そういう意味では応援していなかったというか…。まあ初芝が幸せになれば、乾も本望なんじゃないかなあ(笑)
ただ単に、受が好みだと時々攻が邪魔になるってだけですが…。
そういえば、今回はガツンとやられずにすんだな。途中何回かひやっとさせられる場面はあったが…。
カバー下のオマケがまた嬉しかった。
って理由で発売以来ずーっと気になっていたのだが怖くて読めなくて、今頃になってようやく手にとってみた。
人様に勧めるのにはやっぱりちょっと重たいテーマだと思うけど、もっと早く素直に読んでおけばよかったなあと後悔した。
ネタバレ感想。
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やられた…。
初芝先生かっこいい…。
こんなに私は先生が好きなのに、先生は車の運転が下手くそな女はお好きじゃないでしょうね。
…うわ言はともかく。
えぐるような痛い展開の中で、初芝の強さと弱さが胸に迫ったし、乾の優しさが染みた。辛いだけじゃないって思える救いと後味のよさがあったと思う。
うーん、真面目に感想を書こうと思ったんだが、どうも言葉にしづらい。とにかく面白かった。
初芝という好みのキャラとストーリーの面白さが揃っているので、とくにBL的展開も期待せずに楽しく読んだ。別に初芝が彼女と結婚して幸せな家庭を作るというラストでもまったくもって構わなかったし、なんか乾は初芝にずっと片思いしてればいいじゃんとか思ったりもした。乾は乾でかなり好きなキャラなのだが、そういう意味では応援していなかったというか…。まあ初芝が幸せになれば、乾も本望なんじゃないかなあ(笑)
ただ単に、受が好みだと時々攻が邪魔になるってだけですが…。
そういえば、今回はガツンとやられずにすんだな。途中何回かひやっとさせられる場面はあったが…。
カバー下のオマケがまた嬉しかった。
脱がない男(上) Don’t Worry Mamaシリーズ
2006年11月10日 木原音瀬
新書 木原音瀬 ビブロス ¥893
読了〜。お借りしました、ありがとうございます。
以下はネタバレ感想です。
『セカンド・セレナーデ』のネタバレも含みますので、未読の方はご注意ください。
-----------------------------------------------------------
面白かったので一気読み。といっても、本当に一気に読むほどの時間はないのだが、読了まで自由になる時間は全部つぎ込んでしまった。
こんなに笑える告白シーンも珍しいのではないかと。や〜、読みやすかった。
藤原課長、文句なく好みだ。木原作品では多分2番目に好きなキャラだと思う。(ちなみに1位は『恋愛時間』の有田兄)
でも、甲斐谷はダメだった。まあ全否定はしないというか、嫌いではないのだが、あまり魅力は感じず。
上巻での身勝手な暴走ぶりに、お前は掛川(『セカンド・セレナーデ』の攻)系か?ってものすごく不愉快だった。掛川は木原作品の中でとくに受け付けないキャラで。常識の範囲内の嫌な奴に対して「嫌な奴だから何をしてもいいんだ、自分は悪くない」みたいな態度で、非常識な嫌がらせをしてたので。ある意味、DVキャラより救いがないというか。
で、甲斐谷はそこまで酷くはなかった。いや、やってることは明らかに犯罪なのでヨゴレなんて軽い言葉ですませられないと思うし、反省はものすごく足りなかったのだが、木原作品の気が弱くない攻にしては優しいタイプなんじゃないかと。
…しかし、言い方が悪いにしても、社会人としてごくごく当然の注意を受けて、ここまで逆恨みするのもすごいな。筋が通ったことしか言わない藤原なんて、かなりマトモな上司だと思うんだが。
という、またしても頭の固い感想を持ちつつ読んでいたのだが(時々、自分の読書傾向はBLに向かないんじゃないかと思う)、藤原が好きだし、話そのものがとにかく面白いので、まあ甲斐谷がバカなことぐらいいいかという気になった。
藤原の身体に関するコンプレックスは少しも笑えないものだったので、正直ちょっと痛かったが、それはそれとして話自体は楽しめた。
それにしても、主人公二人とも、よく泣いて、よく吐く話だったなあ(笑)
追記。
おおう、読み返すとどこが面白かったのか、ちっとも分からない感想になっている……。ラブな部分はもちろん面白かったし、甲斐谷の成長ものとして読んでも面白かったんじゃないかと。
最初から最後まで藤原に悩殺されていたので、素敵vみたいな感想ばっかりで…。
読了〜。お借りしました、ありがとうございます。
以下はネタバレ感想です。
『セカンド・セレナーデ』のネタバレも含みますので、未読の方はご注意ください。
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面白かったので一気読み。といっても、本当に一気に読むほどの時間はないのだが、読了まで自由になる時間は全部つぎ込んでしまった。
こんなに笑える告白シーンも珍しいのではないかと。や〜、読みやすかった。
藤原課長、文句なく好みだ。木原作品では多分2番目に好きなキャラだと思う。(ちなみに1位は『恋愛時間』の有田兄)
でも、甲斐谷はダメだった。まあ全否定はしないというか、嫌いではないのだが、あまり魅力は感じず。
上巻での身勝手な暴走ぶりに、お前は掛川(『セカンド・セレナーデ』の攻)系か?ってものすごく不愉快だった。掛川は木原作品の中でとくに受け付けないキャラで。常識の範囲内の嫌な奴に対して「嫌な奴だから何をしてもいいんだ、自分は悪くない」みたいな態度で、非常識な嫌がらせをしてたので。ある意味、DVキャラより救いがないというか。
で、甲斐谷はそこまで酷くはなかった。いや、やってることは明らかに犯罪なのでヨゴレなんて軽い言葉ですませられないと思うし、反省はものすごく足りなかったのだが、木原作品の気が弱くない攻にしては優しいタイプなんじゃないかと。
…しかし、言い方が悪いにしても、社会人としてごくごく当然の注意を受けて、ここまで逆恨みするのもすごいな。筋が通ったことしか言わない藤原なんて、かなりマトモな上司だと思うんだが。
という、またしても頭の固い感想を持ちつつ読んでいたのだが(時々、自分の読書傾向はBLに向かないんじゃないかと思う)、藤原が好きだし、話そのものがとにかく面白いので、まあ甲斐谷がバカなことぐらいいいかという気になった。
藤原の身体に関するコンプレックスは少しも笑えないものだったので、正直ちょっと痛かったが、それはそれとして話自体は楽しめた。
それにしても、主人公二人とも、よく泣いて、よく吐く話だったなあ(笑)
追記。
おおう、読み返すとどこが面白かったのか、ちっとも分からない感想になっている……。ラブな部分はもちろん面白かったし、甲斐谷の成長ものとして読んでも面白かったんじゃないかと。
最初から最後まで藤原に悩殺されていたので、素敵vみたいな感想ばっかりで…。
木原音瀬 蒼竜社 2006/07/20 ¥900
こういうのが読みたかったんだ。
以下、ネタバレかも?
-----------------------------------------------------------
最後の最後まで小心者の私は「本当に痛くしない?」って怯えながら読んだのだが、本当にほのぼのしてた。
朝霞が酒に逃げ始めたときは、このままアル中になったりしないかと本気で心配したが、よかった…。笹川もキレて鬼畜になったりしなかったし(笑)
まあ木原作品の場合は、痛ければ痛いなりに快感なので、痛くても構わなかったわけだけど……。
は〜、すごい満足した。
やっぱり仕事のできる受はかっこいいなあと。
しかも最近なんだかヘタレ攻が好きだ。
最初のほうページが切れてて、この本を買った同じ書店で、やはり汚損本を買ってしまったことがあったので、「またかよ?」ってムカついたけど、そんなことどうでもよくなるぐらいに面白かった。
こういうのが読みたかったんだ。
以下、ネタバレかも?
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最後の最後まで小心者の私は「本当に痛くしない?」って怯えながら読んだのだが、本当にほのぼのしてた。
朝霞が酒に逃げ始めたときは、このままアル中になったりしないかと本気で心配したが、よかった…。笹川もキレて鬼畜になったりしなかったし(笑)
まあ木原作品の場合は、痛ければ痛いなりに快感なので、痛くても構わなかったわけだけど……。
は〜、すごい満足した。
やっぱり仕事のできる受はかっこいいなあと。
しかも最近なんだかヘタレ攻が好きだ。
最初のほうページが切れてて、この本を買った同じ書店で、やはり汚損本を買ってしまったことがあったので、「またかよ?」ってムカついたけど、そんなことどうでもよくなるぐらいに面白かった。