白雨
2008年4月17日 BL作家ま・や・ら・わ行
真崎ひかる 幻冬舎コミックス 2008/1
まだブックレビューが直らない。不便〜。
けっこうネタバレ
---------------------------------------------
同級生の再会もの。ちょっと地味めかな。別に地味要素もないんだけど、しっとり系というか。面白かった。
キャラも好みだし、話もじっくりと書かれていて満足。
このあとは端折るんだろうなと勝手に思い込んでしまった展開のほとんどが、端折らずに書いてあるという感じ。あ、そこまで丁寧に追うんだ〜と、いちいち驚かされた。そのへんが人によっては冗長に感じるんじゃないかという気もするけど、キャラが好みなので私はそこもよかったと思う。
再会の後、ずーっと回想シーン(出会って別れるまで)が続くから、現在に戻ったらささっと終わってしまうかなあと思っていたら、ここもじっくり描かれていて、納得というか、充実感たっぷりというか。
私がこの話にキャッチをつけるとしたら、
現代に許されない恋愛があるとしたら――
とかいう感じにすると思う。でも、主人公が悲壮にならないので、テーマのわりにまったく暗さがないのも読みやすかった。
まだブックレビューが直らない。不便〜。
けっこうネタバレ
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同級生の再会もの。ちょっと地味めかな。別に地味要素もないんだけど、しっとり系というか。面白かった。
キャラも好みだし、話もじっくりと書かれていて満足。
このあとは端折るんだろうなと勝手に思い込んでしまった展開のほとんどが、端折らずに書いてあるという感じ。あ、そこまで丁寧に追うんだ〜と、いちいち驚かされた。そのへんが人によっては冗長に感じるんじゃないかという気もするけど、キャラが好みなので私はそこもよかったと思う。
再会の後、ずーっと回想シーン(出会って別れるまで)が続くから、現在に戻ったらささっと終わってしまうかなあと思っていたら、ここもじっくり描かれていて、納得というか、充実感たっぷりというか。
私がこの話にキャッチをつけるとしたら、
現代に許されない恋愛があるとしたら――
とかいう感じにすると思う。でも、主人公が悲壮にならないので、テーマのわりにまったく暗さがないのも読みやすかった。
僕に飼われてみませんか
2008年3月4日 BL作家ま・や・ら・わ行
森田しほ 二見書房 2008/02/28
完全な作家買い。
このタイトル、この表紙。私の趣味からいえば、貸してくれるといわれても丁重にお断りするところなんだけど。
別の作品を雑誌で読んだことがあって、そちらが気に入っていたので、設定が趣味に合わなくても、まあ作品そのものがハズレってことはないだろうと試しに読んでみた。
ネタバレ。
---------------------------------------------------
まずは結構好きな攻視点。しかも普通の高校生という感じなので安心して読み始めた。で、受の蛍が出てきたところで、何かを試されている気分になった。オヤジ受がダメという人がいるのと同じように、わたしは可愛いく幼く素直な天然受がダメで…。こればっかりはもう趣味なのでどうにもならない。しかもクマつきだし、紅茶だし。
まあでも落ち着いた文章と丁寧な話の運び方は、前に読んだ作品と同じで、ここで挫折ということにはならなかった。
何より作品の雰囲気が好きなのが大きい。文章や設定が合わないなら別の作品を選べばいいけど、作風が趣味に合わなかったら次作を手に取らないと思うから。雰囲気は重要だと思う。
で。作風が合うということは、基本的な感覚が合うということで、苦手系に思えた受も根本の部分で好感が持てるタイプだった。確かにずれているが、理解不能ということはなく、たまに年相応に大人っぽい言動をとるところもよかった。実はコーヒーのほうが好きは、ちょっとツボだった。
攻も年下攻らしく一途だし、頼りになったり子供っぽかったりの匙加減がよかった。
ほのぼの系かと思ったら適度に薄暗いところもあって、じっくり丁寧仕上げ、着地点にも納得。趣味には合わないが、楽しく読めた。
でもやっぱり気になったのは主役より雛形兄。彼女はいないけど友達とは遊びにいってるって…それはスピンオフを期待していいんですか?
あまりBLのシリーズものは(ホモだらけになるので)好きじゃないのだが、好みの脇キャラが出てくるとついつい期待してしまう。
三鷹が結婚しているのが惜しい…。
完全な作家買い。
このタイトル、この表紙。私の趣味からいえば、貸してくれるといわれても丁重にお断りするところなんだけど。
別の作品を雑誌で読んだことがあって、そちらが気に入っていたので、設定が趣味に合わなくても、まあ作品そのものがハズレってことはないだろうと試しに読んでみた。
ネタバレ。
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まずは結構好きな攻視点。しかも普通の高校生という感じなので安心して読み始めた。で、受の蛍が出てきたところで、何かを試されている気分になった。オヤジ受がダメという人がいるのと同じように、わたしは可愛いく幼く素直な天然受がダメで…。こればっかりはもう趣味なのでどうにもならない。しかもクマつきだし、紅茶だし。
まあでも落ち着いた文章と丁寧な話の運び方は、前に読んだ作品と同じで、ここで挫折ということにはならなかった。
何より作品の雰囲気が好きなのが大きい。文章や設定が合わないなら別の作品を選べばいいけど、作風が趣味に合わなかったら次作を手に取らないと思うから。雰囲気は重要だと思う。
で。作風が合うということは、基本的な感覚が合うということで、苦手系に思えた受も根本の部分で好感が持てるタイプだった。確かにずれているが、理解不能ということはなく、たまに年相応に大人っぽい言動をとるところもよかった。実はコーヒーのほうが好きは、ちょっとツボだった。
攻も年下攻らしく一途だし、頼りになったり子供っぽかったりの匙加減がよかった。
ほのぼの系かと思ったら適度に薄暗いところもあって、じっくり丁寧仕上げ、着地点にも納得。趣味には合わないが、楽しく読めた。
でもやっぱり気になったのは主役より雛形兄。彼女はいないけど友達とは遊びにいってるって…それはスピンオフを期待していいんですか?
あまりBLのシリーズものは(ホモだらけになるので)好きじゃないのだが、好みの脇キャラが出てくるとついつい期待してしまう。
三鷹が結婚しているのが惜しい…。
休日なので
2007年12月8日 BL作家ま・や・ら・わ行 コメント (2)切らしていたハチミツと紅茶の茶葉を買ってきたので、さっそくミルクティーをいれた。やっぱりミルクティーだわ。
午前はガ○レオ観ながら年賀状を刷った。
SASRA小冊子、感想。
ネタバレ。
いや、こういう企画ものは何が載っているかを確かめるのも楽しみのひとつだと思うし。
------------------------------------------------
カバー下。
あら、こんなところまでしっかり悲恋ものだわ。
うう……。そうじゃなくて!
中世編の続編を入れてほしかった。楽しみにしてたのにーー。
ちょっと意外だったエジプト編を絡めた番外編。
そうか、本編終了時点で続編の作りようがない終わり方している話が多いから、こういう?
江戸編の続編。
続編でも濃い上に、この結末。いろいろな意味で、さすがです。
続編(しかも短編)だとどうしても本編を引きずって話の中身は大味になりやすいものだと思うけど、確実に話が進み、本編と切り離したこの作品だけの物語もあり、そうくるか!という意外な展開も用意され、内容の厚みに大満足。
…救いはないかもしれないが、悲劇だからこそ生まれる読後の余韻がいいと思う。
大正編の続編。
アクション担当で、甘いストーリー担当なんだろうか。
続編らしく、安心して楽しめる話が次にきて満足。ほっとしたというか。バランスのいい配置だ。
現代編その後のさらに続編。
4巻「last story」で転生ものらしさが排除されてしまい、なんだかなあと思っていたのだが、この作品できれいにまとめてくれた感じ。「グランドロマン」らしさが出ていてよかったのではないかと。
蓮のお兄ちゃんもきっちり邪魔しにきてくれたし、蓮の親友の名前が出てきたり、パーサーのその後が出てきたり、細かくフォローが入っているなあと。
ただ甘いだけではなく、二人がより絆を深めているのもよかった。
作者予想。
本編読了後とまったく同じ。エジプト編は和泉さんの担当だったから小冊子でも同じ、というように予想した。
和泉さん → 木原さん → 岩本さん → ひちわさん
ちなみに、ひちわさんは消去法で予想したわけではない。プロローグの担当だったと思っているので、他の3作が分からなかったとしても、ここはひちわさんという予想。
収録されていたインタビューや担当者のコメントを細かく見ていくと、どうも私の予想と食い違うところがあった。
インタビュー岩本先生のコメント → 「大正時代は〜中略〜担当者は大変」
他人事みたいな言い方だが、引っかけなんだろうか…。
作者当てに自信がないと書いていたが、少なくとも大正編には自信があったので…。
うーん、小冊子で答え合わせできるかなあと期待してたんだけどな。
午前はガ○レオ観ながら年賀状を刷った。
SASRA小冊子、感想。
ネタバレ。
いや、こういう企画ものは何が載っているかを確かめるのも楽しみのひとつだと思うし。
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カバー下。
あら、こんなところまでしっかり悲恋ものだわ。
うう……。そうじゃなくて!
中世編の続編を入れてほしかった。楽しみにしてたのにーー。
ちょっと意外だったエジプト編を絡めた番外編。
そうか、本編終了時点で続編の作りようがない終わり方している話が多いから、こういう?
江戸編の続編。
続編でも濃い上に、この結末。いろいろな意味で、さすがです。
続編(しかも短編)だとどうしても本編を引きずって話の中身は大味になりやすいものだと思うけど、確実に話が進み、本編と切り離したこの作品だけの物語もあり、そうくるか!という意外な展開も用意され、内容の厚みに大満足。
…救いはないかもしれないが、悲劇だからこそ生まれる読後の余韻がいいと思う。
大正編の続編。
アクション担当で、甘いストーリー担当なんだろうか。
続編らしく、安心して楽しめる話が次にきて満足。ほっとしたというか。バランスのいい配置だ。
現代編その後のさらに続編。
4巻「last story」で転生ものらしさが排除されてしまい、なんだかなあと思っていたのだが、この作品できれいにまとめてくれた感じ。「グランドロマン」らしさが出ていてよかったのではないかと。
蓮のお兄ちゃんもきっちり邪魔しにきてくれたし、蓮の親友の名前が出てきたり、パーサーのその後が出てきたり、細かくフォローが入っているなあと。
ただ甘いだけではなく、二人がより絆を深めているのもよかった。
作者予想。
本編読了後とまったく同じ。エジプト編は和泉さんの担当だったから小冊子でも同じ、というように予想した。
和泉さん → 木原さん → 岩本さん → ひちわさん
ちなみに、ひちわさんは消去法で予想したわけではない。プロローグの担当だったと思っているので、他の3作が分からなかったとしても、ここはひちわさんという予想。
収録されていたインタビューや担当者のコメントを細かく見ていくと、どうも私の予想と食い違うところがあった。
インタビュー岩本先生のコメント → 「大正時代は〜中略〜担当者は大変」
他人事みたいな言い方だが、引っかけなんだろうか…。
作者当てに自信がないと書いていたが、少なくとも大正編には自信があったので…。
うーん、小冊子で答え合わせできるかなあと期待してたんだけどな。
甘い恋の駆け引き
2007年10月30日 BL作家ま・や・ら・わ行真崎ひかる ワンツーマガジン社 2005/8
アルルノベルス。レーベルバトンをやってから、読むときに結構レーベルを気にするようになった。でも単行本はあんまり買わない上に、「ア**ノベルス」は多すぎて印象が混ざってしまう。
で、この作品。
キャラも話も文章もちょっとずつ物足りなかった。
ちょっとずつなので、総合評価は悪くないし、適度にリアルで読みやすい作風だと思うけど。
(小説113)
アルルノベルス。レーベルバトンをやってから、読むときに結構レーベルを気にするようになった。でも単行本はあんまり買わない上に、「ア**ノベルス」は多すぎて印象が混ざってしまう。
で、この作品。
キャラも話も文章もちょっとずつ物足りなかった。
ちょっとずつなので、総合評価は悪くないし、適度にリアルで読みやすい作風だと思うけど。
(小説113)
開拓に失敗
2007年9月7日 BL作家ま・や・ら・わ行雪/代 鞠/絵『シガ/レット・ラ/ブ』 2007/05
新規開拓のためにわさわさっと買ってきた本の中の1冊。ルチルだし、とちょっぴり期待もしていたのだが、先にキラキラ表紙本でこの作者さんの作品を目にしてしまったので、読まずに売り払おうかと思ったりもした。まあでも学園ものじゃなければ好みに合うかもしれないと思い直して読んでみた。
結果、ここまで趣味に合わない作品も珍しいというぐらい、激しく趣味に合わなかった。
テーマとしては重いが、書き方が浅く感じられ、別に痛くはなかった。
主人公は特殊な状況下、精神状態に置かれているので、もとから共感はしづらい設定なのだが、それを差し引いても頭の悪さにクラクラして、全然同情できないのもきつかった。
たぶん、主人公に同情できる人にとっては切なくて感動的な話なんだろうけど。
(小説77)
新規開拓のためにわさわさっと買ってきた本の中の1冊。ルチルだし、とちょっぴり期待もしていたのだが、先にキラキラ表紙本でこの作者さんの作品を目にしてしまったので、読まずに売り払おうかと思ったりもした。まあでも学園ものじゃなければ好みに合うかもしれないと思い直して読んでみた。
結果、ここまで趣味に合わない作品も珍しいというぐらい、激しく趣味に合わなかった。
テーマとしては重いが、書き方が浅く感じられ、別に痛くはなかった。
主人公は特殊な状況下、精神状態に置かれているので、もとから共感はしづらい設定なのだが、それを差し引いても頭の悪さにクラクラして、全然同情できないのもきつかった。
たぶん、主人公に同情できる人にとっては切なくて感動的な話なんだろうけど。
(小説77)
SASRA
2007年9月4日 BL作家ま・や・ら・わ行4分の3の文章を知らないから作者当てはしないと散々書いたが、人様の推測を見てこれが正しいだろうと思ったので、なんでそれで合っていると思ったのかを考えてみた。眠れなかったのでつらつらと…。
まあ、いつもと文章変えてるだろうから文章の癖じゃ分からないだろうし、適当に勘だけで。もし、それ違うんじゃないって指摘されたら、はい、違いますって速攻で取り下げるぐらいに適当。
というわけで全巻に対してネタバレ注意。
-----------------------------------------------------
第1回(エジプト)、第2回(中国):和泉桂
単なる消去法…。この作者さん、キラキラ表紙でしか読んだことないから、本当に知らないし。
第2回は木原作品っぽい設定、展開なのでちょっと悩んだが、たぶん違う。木原音瀬の文章で引っかかったことないんだけど、この作品では何度か引っかかったので違うんじゃないかと。えらい失礼な消去法だな。
あと、この設定で木原先生がここまで抑えて書くだろうかという疑問が。最近ライトなものも増えてきているような気がするし、最初から設定が軽めなら、たぶん抑えても書けるんだろうけど、この設定じゃもうちょっと濃くなりそうかなと。
第3回(ローマ)、第7回(昭和初期):岩本薫
受が性格的には男前なんだけど微妙に乙女成分が入っているので。第7回はとくに微妙なものなので、説明は難しいけど。朝は食欲がなくてヨーグルトを食べるようなタイプ。(どんな例えなんだか…)
あと見せ場や設定が派手で、全体に華があるから。なんとなく。
第4回(ドイツ)、第5回(インカ):ひちわゆか
攻はのんびりマイペース、生活してるなーって感じが出やすい。余裕があるというか、遊びの部分があるというか。あと恋愛感情を途中であんまり激しく表に出すことがないというか、結構内に秘めるというか。確かこの人いま恋愛中だったような?って気分にさせられる。時々。
受は美形で性格きつめの男前。さくさく淡々と仕事をする。なんだか図太くて冷静なんだけど、実は結構悩んでいるというタイプ。
脇役は、自分は主演ではなく助演だと自覚しているかのように、主役を引き立てつつ個性を発揮するタイプ。当て馬にはならないで、とにかく話の脇を固める。脇役の鑑だ(?)
どうも岩本薫と判断つきづらいので、脇役の使い方を決め手にしてみた。
それとビジュアル的に派手になりそうな戦闘シーンとかをさらっとかわしちゃうあたりが、なんとなく。
第6回(江戸中期)、エピローグ、その後:木原音瀬
第6回はそうとしか思えなかったから。あえて書けば、密度が高い、吸引力が強い。キャラの癖の強さと、どこまでも引かない粘り強さ、ばっさりいくラスト。
エピローグとその後は消去法。第1回と第2回が違うと思ったので、これしか残ってない。まったく一人で書いているわけではないようなので、テイストがあんまり出ていないような気がするけど。でも、ティティの取り扱いにくさ、異色キャラぶりがなんとなく…。他の回だともうちょっと可愛げがあるような気がする。
うーん、やっぱり分からない…。
いつか答え合わせができるんだろうか…。
それにしても、次の企画は漫画の原作ですか。興味ないなあ。
第3弾の大洋の企画がどういうものになるのか楽しみ。
まあ、いつもと文章変えてるだろうから文章の癖じゃ分からないだろうし、適当に勘だけで。もし、それ違うんじゃないって指摘されたら、はい、違いますって速攻で取り下げるぐらいに適当。
というわけで全巻に対してネタバレ注意。
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第1回(エジプト)、第2回(中国):和泉桂
単なる消去法…。この作者さん、キラキラ表紙でしか読んだことないから、本当に知らないし。
第2回は木原作品っぽい設定、展開なのでちょっと悩んだが、たぶん違う。木原音瀬の文章で引っかかったことないんだけど、この作品では何度か引っかかったので違うんじゃないかと。えらい失礼な消去法だな。
あと、この設定で木原先生がここまで抑えて書くだろうかという疑問が。最近ライトなものも増えてきているような気がするし、最初から設定が軽めなら、たぶん抑えても書けるんだろうけど、この設定じゃもうちょっと濃くなりそうかなと。
第3回(ローマ)、第7回(昭和初期):岩本薫
受が性格的には男前なんだけど微妙に乙女成分が入っているので。第7回はとくに微妙なものなので、説明は難しいけど。朝は食欲がなくてヨーグルトを食べるようなタイプ。(どんな例えなんだか…)
あと見せ場や設定が派手で、全体に華があるから。なんとなく。
第4回(ドイツ)、第5回(インカ):ひちわゆか
攻はのんびりマイペース、生活してるなーって感じが出やすい。余裕があるというか、遊びの部分があるというか。あと恋愛感情を途中であんまり激しく表に出すことがないというか、結構内に秘めるというか。確かこの人いま恋愛中だったような?って気分にさせられる。時々。
受は美形で性格きつめの男前。さくさく淡々と仕事をする。なんだか図太くて冷静なんだけど、実は結構悩んでいるというタイプ。
脇役は、自分は主演ではなく助演だと自覚しているかのように、主役を引き立てつつ個性を発揮するタイプ。当て馬にはならないで、とにかく話の脇を固める。脇役の鑑だ(?)
どうも岩本薫と判断つきづらいので、脇役の使い方を決め手にしてみた。
それとビジュアル的に派手になりそうな戦闘シーンとかをさらっとかわしちゃうあたりが、なんとなく。
第6回(江戸中期)、エピローグ、その後:木原音瀬
第6回はそうとしか思えなかったから。あえて書けば、密度が高い、吸引力が強い。キャラの癖の強さと、どこまでも引かない粘り強さ、ばっさりいくラスト。
エピローグとその後は消去法。第1回と第2回が違うと思ったので、これしか残ってない。まったく一人で書いているわけではないようなので、テイストがあんまり出ていないような気がするけど。でも、ティティの取り扱いにくさ、異色キャラぶりがなんとなく…。他の回だともうちょっと可愛げがあるような気がする。
うーん、やっぱり分からない…。
いつか答え合わせができるんだろうか…。
それにしても、次の企画は漫画の原作ですか。興味ないなあ。
第3弾の大洋の企画がどういうものになるのか楽しみ。
SASRA 4
2007年8月23日 BL作家ま・や・ら・わ行
Unit Vanilla リブレ出版 2007/08
読了〜!
4冊読み終えて、現在の心境を。(感想ではない…)
旅の疲れは移動時間ではなく移動距離に比例するというが、シリーズものを読むときも似たような感覚になる。
長さより濃さがポイントかなと。
時代物とか舞台が外国のBLというのは普段避けているので、立て続けに読むとそれだけで満腹信号が…。まあお腹いっぱいというのは、それだけ満足感も大きかったということで。久し振りに目新しいものを読んだ気がする。
全巻読んでみて、面白くて趣味に合ったのはやっぱり2巻。やっぱりBLだからキャラが趣味に合うのは重要。文章的にも好みに合う2作だった。
3巻の第6回が一番読み応えはあったけど、趣味には合わなかったので。
あとは1巻の第2回はわりと面白く読んだけど、ちょっと文章が趣味に合わなかったので、ところどころ引っかかってしまった。
誰が書いたのか当てるのも楽しみ方のひとつだと思う。私は残念ながらできなかったけど(本当に見当がつかない…)、挑戦してくれる人が多いと楽しくなりそうだ。
当てれば得意になっていいと思う(笑)
はずしても「あ、この作家さんだったのか」という驚きがあって楽しいし、はずれるのも一興ということで。
あ、本当だ。表紙イラスト、4冊全部繋がるわけじゃないんだ。並べて確認してしまった。
やーでも、並べても綺麗。
ネタバレ
-------------------------------------------------------
第7回 昭和初期
なんだ、このやたらと私好みな設定は…。オーダーメイドか、キリリク作品といった感じ。
だいたい大正〜昭和初期は時代物の中で唯一抵抗なく読める好きな時代だし。もう華族とか帝大とか洋装なんて言葉にもいちいち反応しちゃうぐらい好き。ヤクザも流行の経済さんより任侠な時代のほうが読みやすい。しかも年下攻ですよ、ヤクザ受ですよ。優しく一途な攻×男前受ですよ。ヤクザ×華族のお坊ちゃんのほうが絶対に売れ筋だろうに、いいんですか、こんな私の好みで。(…イバラなのでは)
なんか設定を羅列するだけで満足じゃないですか。
というわけで、設定がすごく好みだったのだが、設定だけで小説が楽しめるということもなく。取り立ててここがちょっと…というところもなく、大きな不満もない。
京介の将来を案じて冷たい態度を取るとか、「今晩が最後だから」とか、きっちり敵討ちするところとか、京介が死んでしまう?とか、三年の刑期とか、ポイントを押さえた話だったと思う。(三年の刑期は私だけのツボか…)
思うのだが、血生臭さを感じない出入りだったり、時代の暗さを感じなかったりしたせいか、それほど引き込まれなかった。キャラは確かに好みのタイプなのだが、感情移入できなかったし、すごく惹かれるということもなく…。
うーん、これだけ好みな設定なのに、残念だ。
エピローグ
面白くはあったが、前世を思い出しても劇的な感情の変化もなく、「懐かしい」とか「この人にまためぐり合えた」という感情が描かれないので、物足りなかった。やっぱりラストは転生ものらしく締めくくって欲しかったなあ。
あまり感動もなく終わってしまった。面白かったからいいけど。
last story
1巻から読んできて、転生もの「出会ってすぐに懐かしさを感じ、理由も分からないまま惹かれ合う」というのをほとんど使わないなあと思っていたが、ここにきて完全にそれをやめたようで。まあそのたびに新しく惹かれるというほうが愛は感じるが、ちょっとだけロマンは薄れるよね…とか思ってしまう私。
面白く読んだし、キャラもいいと思うのだが、いいと思うから好みというわけでもなく、さらっと読んだ。
もっと蓮のお兄ちゃんに頑張ってほしかったなあ…。説教するだけじゃなく、ちょっと邪魔して欲しかった。
まあでも、やっと早死にする運命から逃れられた二人が、末永くお幸せに〜な場面で終わってくれて、満足できるラストだった。
結構、楽しい企画だったなあ。
(小説69)
読了〜!
4冊読み終えて、現在の心境を。(感想ではない…)
旅の疲れは移動時間ではなく移動距離に比例するというが、シリーズものを読むときも似たような感覚になる。
長さより濃さがポイントかなと。
時代物とか舞台が外国のBLというのは普段避けているので、立て続けに読むとそれだけで満腹信号が…。まあお腹いっぱいというのは、それだけ満足感も大きかったということで。久し振りに目新しいものを読んだ気がする。
全巻読んでみて、面白くて趣味に合ったのはやっぱり2巻。やっぱりBLだからキャラが趣味に合うのは重要。文章的にも好みに合う2作だった。
3巻の第6回が一番読み応えはあったけど、趣味には合わなかったので。
あとは1巻の第2回はわりと面白く読んだけど、ちょっと文章が趣味に合わなかったので、ところどころ引っかかってしまった。
誰が書いたのか当てるのも楽しみ方のひとつだと思う。私は残念ながらできなかったけど(本当に見当がつかない…)、挑戦してくれる人が多いと楽しくなりそうだ。
当てれば得意になっていいと思う(笑)
はずしても「あ、この作家さんだったのか」という驚きがあって楽しいし、はずれるのも一興ということで。
あ、本当だ。表紙イラスト、4冊全部繋がるわけじゃないんだ。並べて確認してしまった。
やーでも、並べても綺麗。
ネタバレ
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第7回 昭和初期
なんだ、このやたらと私好みな設定は…。オーダーメイドか、キリリク作品といった感じ。
だいたい大正〜昭和初期は時代物の中で唯一抵抗なく読める好きな時代だし。もう華族とか帝大とか洋装なんて言葉にもいちいち反応しちゃうぐらい好き。ヤクザも流行の経済さんより任侠な時代のほうが読みやすい。しかも年下攻ですよ、ヤクザ受ですよ。優しく一途な攻×男前受ですよ。ヤクザ×華族のお坊ちゃんのほうが絶対に売れ筋だろうに、いいんですか、こんな私の好みで。(…イバラなのでは)
なんか設定を羅列するだけで満足じゃないですか。
というわけで、設定がすごく好みだったのだが、設定だけで小説が楽しめるということもなく。取り立ててここがちょっと…というところもなく、大きな不満もない。
京介の将来を案じて冷たい態度を取るとか、「今晩が最後だから」とか、きっちり敵討ちするところとか、京介が死んでしまう?とか、三年の刑期とか、ポイントを押さえた話だったと思う。(三年の刑期は私だけのツボか…)
思うのだが、血生臭さを感じない出入りだったり、時代の暗さを感じなかったりしたせいか、それほど引き込まれなかった。キャラは確かに好みのタイプなのだが、感情移入できなかったし、すごく惹かれるということもなく…。
うーん、これだけ好みな設定なのに、残念だ。
エピローグ
面白くはあったが、前世を思い出しても劇的な感情の変化もなく、「懐かしい」とか「この人にまためぐり合えた」という感情が描かれないので、物足りなかった。やっぱりラストは転生ものらしく締めくくって欲しかったなあ。
あまり感動もなく終わってしまった。面白かったからいいけど。
last story
1巻から読んできて、転生もの「出会ってすぐに懐かしさを感じ、理由も分からないまま惹かれ合う」というのをほとんど使わないなあと思っていたが、ここにきて完全にそれをやめたようで。まあそのたびに新しく惹かれるというほうが愛は感じるが、ちょっとだけロマンは薄れるよね…とか思ってしまう私。
面白く読んだし、キャラもいいと思うのだが、いいと思うから好みというわけでもなく、さらっと読んだ。
もっと蓮のお兄ちゃんに頑張ってほしかったなあ…。説教するだけじゃなく、ちょっと邪魔して欲しかった。
まあでも、やっと早死にする運命から逃れられた二人が、末永くお幸せに〜な場面で終わってくれて、満足できるラストだった。
結構、楽しい企画だったなあ。
(小説69)
SASRA 3
2007年8月22日 BL作家ま・や・ら・わ行
Unit Vanilla リブレ出版 2007/08
まだ読み終わってないけど(…)、雑誌掲載時に読んでるから、たぶん問題ないはず。
完全ネタバレ
-------------------------------------------------------
第5回 インカ編
キャラもわりと好きだし、結構面白く読んだが、あんまり盛り上がらないまま終わってしまったような。受の感情の動きが激しくなりそうなところで、いつも攻視点だからか。個人的な好みの問題だが、やっぱり視点が頻繁に入れ替わると感情移入しづらい。
ラストも中途半端に感じた。まあたぶんキリヤだけ死ぬんだろうし、リカルドは誰にも読ませられない回顧録(?)を書くらしいから、結末は分かっているが…。
第6回 江戸中期編
さすが木原先生。読み応えが違いますね。
ここまで断言しておいて別の作家さんの作品だったら笑えるが、それはそれで気持ちよく騙されました、ということで。
BLで晒し首が出てくるなんて、最初で最後の快挙(?)では…。
この作品だけは雑誌で読んでいた。全体にものすごく濃い上にちょっと後味が悪いので、これを再読するのはイヤだから『SASRA』は買わないでおこうと思ったり、これだけの読み応えがある作品が入っているなら買うだけの価値があるんじゃないかと思ったり、この作品だけを基準に迷ってしまったのを思い出した。
再読してみたら、最初の衝撃が薄れたせいか、思っていたより読みやすかった。最初の読後は救いがあるようなないような、でも悲しいなというものだったが、二度目の読後はただしんみり。(まだ読み終わってないのに予測で読後感を語ってみた)
最期の言葉がとても悲しくて、とてもやさしい。
(小説68)
まだ読み終わってないけど(…)、雑誌掲載時に読んでるから、たぶん問題ないはず。
完全ネタバレ
-------------------------------------------------------
第5回 インカ編
キャラもわりと好きだし、結構面白く読んだが、あんまり盛り上がらないまま終わってしまったような。受の感情の動きが激しくなりそうなところで、いつも攻視点だからか。個人的な好みの問題だが、やっぱり視点が頻繁に入れ替わると感情移入しづらい。
ラストも中途半端に感じた。まあたぶんキリヤだけ死ぬんだろうし、リカルドは誰にも読ませられない回顧録(?)を書くらしいから、結末は分かっているが…。
第6回 江戸中期編
さすが木原先生。読み応えが違いますね。
ここまで断言しておいて別の作家さんの作品だったら笑えるが、それはそれで気持ちよく騙されました、ということで。
BLで晒し首が出てくるなんて、最初で最後の快挙(?)では…。
この作品だけは雑誌で読んでいた。全体にものすごく濃い上にちょっと後味が悪いので、これを再読するのはイヤだから『SASRA』は買わないでおこうと思ったり、これだけの読み応えがある作品が入っているなら買うだけの価値があるんじゃないかと思ったり、この作品だけを基準に迷ってしまったのを思い出した。
再読してみたら、最初の衝撃が薄れたせいか、思っていたより読みやすかった。最初の読後は救いがあるようなないような、でも悲しいなというものだったが、二度目の読後はただしんみり。(まだ読み終わってないのに予測で読後感を語ってみた)
最期の言葉がとても悲しくて、とてもやさしい。
(小説68)
SASRA 2
2007年8月1日 BL作家ま・や・ら・わ行
Unit Vanilla リブレ出版 2007/07
2巻、好みだ!
1巻も面白く読んだが、2巻はキャラが好みで楽しめた。
男前受って素晴らしい!
2巻の画像がどうしても出せないので、1巻で代用。
うーん?
ネタバレ感想
----------------------------------------------------------
第3回 古代ローマ編
時代物らしい雰囲気で、最初から読み応えあり。考証がきちっとしているかどうかは分からないけど、明らかに変なところがなければいいし。
指揮官から敗戦で捕虜になり剣闘士に…。これだけで結構、小説として面白いが、この攻がストイックで渋いので、BLとしても面白い。受のほうは女顔なので最初はがっかりしたが、中身が男らしくてカッコいい。
受は攻の親友を戦場で殺してしまっているのだが、そうとは知らずに出会った二人は試合をし、相棒として闘技場でともに戦い…友情が芽生えるという展開でも満足できそうなぐらいだが、やっぱり惹かれあってしまい、親友の敵だと知っても復讐はできず…。テンポよく盛り上がってきたところで、闘技場での受の処刑が決まり、その相手として攻が指名される。死力を尽くして戦う二人。
BL要素を除いても面白く読める展開が続くが、追い詰められていく中で愛し合うところが悲恋ものとして切ない。
ラストは二人の穏やかな会話が感動的。
第4回 中世ヨーロッパ編
かなり好みだった古代ローマの後なので、こちらはそんなに楽しめないかと思ったのだが、そうでもなかった。話としてはどうってことのない(?)盗賊たちとの心暖まる捕虜ライフが続いていくのだが、別にいいや、キャラが好みだから。
攻は強いらしいが、とくに大きな見せ場はない…。でも小さな積み重ねで伝わってくる人柄が魅力的なので、これも問題はないと思う。
そういうふうに表面は穏やかに進んでいく中で裏切りがあったり葛藤があったりして、実は結構深い内容になっている。水面下で大きく話が動いていき、クライマックスできれいにおさまる。
え、どっちか死ななくていいの?とか思ってしまったが、二人の未来は明るくないと分かっているだけで切ない。もし二人のその後の人生まで話が進んでいっても、やっぱりクライマックスはここだろうと思えたので、このラストには満足だ。
(小説62)
2巻、好みだ!
1巻も面白く読んだが、2巻はキャラが好みで楽しめた。
男前受って素晴らしい!
2巻の画像がどうしても出せないので、1巻で代用。
うーん?
ネタバレ感想
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第3回 古代ローマ編
時代物らしい雰囲気で、最初から読み応えあり。考証がきちっとしているかどうかは分からないけど、明らかに変なところがなければいいし。
指揮官から敗戦で捕虜になり剣闘士に…。これだけで結構、小説として面白いが、この攻がストイックで渋いので、BLとしても面白い。受のほうは女顔なので最初はがっかりしたが、中身が男らしくてカッコいい。
受は攻の親友を戦場で殺してしまっているのだが、そうとは知らずに出会った二人は試合をし、相棒として闘技場でともに戦い…友情が芽生えるという展開でも満足できそうなぐらいだが、やっぱり惹かれあってしまい、親友の敵だと知っても復讐はできず…。テンポよく盛り上がってきたところで、闘技場での受の処刑が決まり、その相手として攻が指名される。死力を尽くして戦う二人。
BL要素を除いても面白く読める展開が続くが、追い詰められていく中で愛し合うところが悲恋ものとして切ない。
ラストは二人の穏やかな会話が感動的。
第4回 中世ヨーロッパ編
かなり好みだった古代ローマの後なので、こちらはそんなに楽しめないかと思ったのだが、そうでもなかった。話としてはどうってことのない(?)盗賊たちとの心暖まる捕虜ライフが続いていくのだが、別にいいや、キャラが好みだから。
攻は強いらしいが、とくに大きな見せ場はない…。でも小さな積み重ねで伝わってくる人柄が魅力的なので、これも問題はないと思う。
そういうふうに表面は穏やかに進んでいく中で裏切りがあったり葛藤があったりして、実は結構深い内容になっている。水面下で大きく話が動いていき、クライマックスできれいにおさまる。
え、どっちか死ななくていいの?とか思ってしまったが、二人の未来は明るくないと分かっているだけで切ない。もし二人のその後の人生まで話が進んでいっても、やっぱりクライマックスはここだろうと思えたので、このラストには満足だ。
(小説62)
SASRA 1
2007年7月31日 BL作家ま・や・ら・わ行
Unit Vanilla リブレ出版 2007/07
Unit Vanilla:(和泉桂・岩本薫・木原音瀬・ひちわゆか)
勢いで買ってしまった1、2巻だが、本当に読むのか?と自分で疑問だった。
普段は企画ものキライ、時代物苦手、外国もの避けてる、アンハッピーはしばらく立ち直れなくなるから読む前から気が重い。
…勢いって怖いな。
で、いざ読もうとしたら読む前にわりとネットでは評判悪いみたいと聞いて、じゃあ私はべた褒めで決まりね!と読む前から意気込んだ。ひねくれていて、どうしようもない。
まあでも、先入観に感想そのものを左右されるなんていうのはよくあることで。最初から斜に構えて読むより、絶賛態勢で読むほうが楽しく読めるから、いいかなーと。
で、せっかくの企画ものだし、犯人当て…じゃなくて作者当てもやってみようかと思ったのだが、そもそも作者を一人しか知らない…。木原 or Not木原じゃ、あんまりだ。やめておこう。
友人にならってワタクシのそれぞれの作者への思い入れ?を…。
和泉桂:名前しか知らない。代表作すら思いつかない…。
岩本薫:エビリティの人。セレブでイケメン、スタイリッシュ重視作家。エビリティを3冊読んだだけなので、キャラは3足千円の靴下を履きそうにないとか、ゴミ箱はダストボックスって呼ぶとか、方向性を間違えたイメージばかりある。でも妙に気障な攻は結構好みなことがあるし読みやすいので、決して趣味に合わないわけではない。
木原音瀬:好きな作家さんの一人。既刊はイメージ7割既読。
ひちわゆか:5作品だけ読んでいる。初期より最近の作風が好みなようだが、実はよく知らない。文章は読みやすい。
すでに前置きで体力を使い果たしたが、
以下、ネタバレで誉めるはず。
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それぞれの回ごとに見れば、アンハッピー。これって連作の「引き」としても上手く機能していると思う。毎回、転生して容姿も性格も変わってしまう話の性質上、「めでたし、めでたし」で終わってしまうと、読みきりとして楽しんでしまい、1冊読めばいいやって読者が増えると思う。
主役たちと同じように愛にも幸福感にも飢えた状態になってしまうことで、最後まで読もうっていう気になりやすいというか。
プロローグ
男の顔を普通に誉める親友、やけに過保護な兄、豪放磊落系の攻と、BLらしさたっぷり。テンポよく進むので読みやすいし、アイテム紹介も上手で、導入にふさわしい作品じゃないかと。
…エジプトの少年として真っ当な髪形をしているのに、「つかぬことをお伺いしますが、囲碁はお好きですか?」と聞きたくなるイラストつき。
第1回 物語の起点となるエジプト編
この受にイライラしたのは、読んでいるとき空腹だったからか?
「愛している」と言われてもキスされても、「兄がわりの自分への親愛の情」って思い込むのはどうもなあ。それに何千年も罪を許されず、都合8〜9回?の転生をするにはインパクトが弱いので、もうちょっと神への畏れを強く出しておくべきだったのではないかと。
私としては、二人を国のために生きる王子と信仰に生きる神官という高潔なタイプ(または仕事に生きるタイプ)にして、もっと読者が憧れるようにしたほうが好みだった。そんな神官が愛する人のために半ば狂気にかられて罪に手を汚し、王子もこの人の罪なら自分も一緒に償おうと思って命を落とす。神官は「王子に罪はない。罰は我が身だけに」と祈りを捧げてナイルに身を投じる…っていうような思いっきりベタでドラマティックなラストのほうが、この後の長い話に思い入れができたような気がする。
実際の展開では「王子もティティもなんらかの罰が下るはず」とか考えている、どうにも俗っぽさの抜けないような神官が気になる。
ここで思うのが、この第1回に必要なのは何かということ。
私の好みはともかくとして、あんまり時代物をドラマティックに仕上げると、たぶん古臭くなる。いくら時代物でも、書き方が古臭いのは読者を選びそうだ。
しかも古代であることを考えると、主役二人から親近感をなくして伝説風にしてしまうと、続きが気にならなくなってしまうかもしれない。
どうにも私の好みではないが、これはこれで効果的な書き方なのかもしれない。
第2回 古代中国編
受は顔に痣のある劣等感の強いタイプ、攻は物乞いの子で高官に出世しても受の前ではヘタレ。なんとなく木原先生が好きそうな設定だけど書き方がぬるいので違うかもしれないなとか、思わず作者当てをしたくなったが、3/4を知らないんじゃなあ…。それに企画の性質上、ふだんと違う書き方をするように意識しているかもしれないし。
そんなことはともかく面白かった。ヘタレ包容攻。
これもラストがちょっと薄かった。やっぱり引き裂かれた恋人たちの転生ものなら、現世であまり満足しないほうがいいはず…。鷹峻に薬を届けられずに早く帰らなくちゃって思いながら死んでいく紅蓮、何も知らずに帰りを楽しみにしている鷹峻っていうほうが、悲劇性があると思う。
ただこれも、時代物、悲恋ものでありながら、取っ付きやすく後味をよくしていて、読みやすくしようと思っているなら大成功ではないだろうか。
正直、10作も重たい悲劇を読むのはしんどい上に、途中できっと飽きる。最初から主役のどちらかが必ず死ぬと分かっているために、思っていたほどアンハッピー、死にネタも読みづらくない。
それなら「引き裂かれた恋人たち」にこだわるより、「同じ相手と何度も恋に落ちる」って側面でバリエーション豊かに楽しんだほうがいいのかもしれない。
1冊読み終わって、そんな風に考えを改めた。
とっつきづらいテーマをとっつきやすく仕上げていて読みやすい作品。
さすがに実力派の作家さんが集まっているだけある。
(小説61)
Unit Vanilla:(和泉桂・岩本薫・木原音瀬・ひちわゆか)
勢いで買ってしまった1、2巻だが、本当に読むのか?と自分で疑問だった。
普段は企画ものキライ、時代物苦手、外国もの避けてる、アンハッピーはしばらく立ち直れなくなるから読む前から気が重い。
…勢いって怖いな。
で、いざ読もうとしたら読む前にわりとネットでは評判悪いみたいと聞いて、じゃあ私はべた褒めで決まりね!と読む前から意気込んだ。ひねくれていて、どうしようもない。
まあでも、先入観に感想そのものを左右されるなんていうのはよくあることで。最初から斜に構えて読むより、絶賛態勢で読むほうが楽しく読めるから、いいかなーと。
で、せっかくの企画ものだし、犯人当て…じゃなくて作者当てもやってみようかと思ったのだが、そもそも作者を一人しか知らない…。木原 or Not木原じゃ、あんまりだ。やめておこう。
友人にならってワタクシのそれぞれの作者への思い入れ?を…。
和泉桂:名前しか知らない。代表作すら思いつかない…。
岩本薫:エビリティの人。セレブでイケメン、スタイリッシュ重視作家。エビリティを3冊読んだだけなので、キャラは3足千円の靴下を履きそうにないとか、ゴミ箱はダストボックスって呼ぶとか、方向性を間違えたイメージばかりある。でも妙に気障な攻は結構好みなことがあるし読みやすいので、決して趣味に合わないわけではない。
木原音瀬:好きな作家さんの一人。既刊はイメージ7割既読。
ひちわゆか:5作品だけ読んでいる。初期より最近の作風が好みなようだが、実はよく知らない。文章は読みやすい。
すでに前置きで体力を使い果たしたが、
以下、ネタバレで誉めるはず。
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それぞれの回ごとに見れば、アンハッピー。これって連作の「引き」としても上手く機能していると思う。毎回、転生して容姿も性格も変わってしまう話の性質上、「めでたし、めでたし」で終わってしまうと、読みきりとして楽しんでしまい、1冊読めばいいやって読者が増えると思う。
主役たちと同じように愛にも幸福感にも飢えた状態になってしまうことで、最後まで読もうっていう気になりやすいというか。
プロローグ
男の顔を普通に誉める親友、やけに過保護な兄、豪放磊落系の攻と、BLらしさたっぷり。テンポよく進むので読みやすいし、アイテム紹介も上手で、導入にふさわしい作品じゃないかと。
…エジプトの少年として真っ当な髪形をしているのに、「つかぬことをお伺いしますが、囲碁はお好きですか?」と聞きたくなるイラストつき。
第1回 物語の起点となるエジプト編
この受にイライラしたのは、読んでいるとき空腹だったからか?
「愛している」と言われてもキスされても、「兄がわりの自分への親愛の情」って思い込むのはどうもなあ。それに何千年も罪を許されず、都合8〜9回?の転生をするにはインパクトが弱いので、もうちょっと神への畏れを強く出しておくべきだったのではないかと。
私としては、二人を国のために生きる王子と信仰に生きる神官という高潔なタイプ(または仕事に生きるタイプ)にして、もっと読者が憧れるようにしたほうが好みだった。そんな神官が愛する人のために半ば狂気にかられて罪に手を汚し、王子もこの人の罪なら自分も一緒に償おうと思って命を落とす。神官は「王子に罪はない。罰は我が身だけに」と祈りを捧げてナイルに身を投じる…っていうような思いっきりベタでドラマティックなラストのほうが、この後の長い話に思い入れができたような気がする。
実際の展開では「王子もティティもなんらかの罰が下るはず」とか考えている、どうにも俗っぽさの抜けないような神官が気になる。
ここで思うのが、この第1回に必要なのは何かということ。
私の好みはともかくとして、あんまり時代物をドラマティックに仕上げると、たぶん古臭くなる。いくら時代物でも、書き方が古臭いのは読者を選びそうだ。
しかも古代であることを考えると、主役二人から親近感をなくして伝説風にしてしまうと、続きが気にならなくなってしまうかもしれない。
どうにも私の好みではないが、これはこれで効果的な書き方なのかもしれない。
第2回 古代中国編
受は顔に痣のある劣等感の強いタイプ、攻は物乞いの子で高官に出世しても受の前ではヘタレ。なんとなく木原先生が好きそうな設定だけど書き方がぬるいので違うかもしれないなとか、思わず作者当てをしたくなったが、3/4を知らないんじゃなあ…。それに企画の性質上、ふだんと違う書き方をするように意識しているかもしれないし。
そんなことはともかく面白かった。ヘタレ包容攻。
これもラストがちょっと薄かった。やっぱり引き裂かれた恋人たちの転生ものなら、現世であまり満足しないほうがいいはず…。鷹峻に薬を届けられずに早く帰らなくちゃって思いながら死んでいく紅蓮、何も知らずに帰りを楽しみにしている鷹峻っていうほうが、悲劇性があると思う。
ただこれも、時代物、悲恋ものでありながら、取っ付きやすく後味をよくしていて、読みやすくしようと思っているなら大成功ではないだろうか。
正直、10作も重たい悲劇を読むのはしんどい上に、途中できっと飽きる。最初から主役のどちらかが必ず死ぬと分かっているために、思っていたほどアンハッピー、死にネタも読みづらくない。
それなら「引き裂かれた恋人たち」にこだわるより、「同じ相手と何度も恋に落ちる」って側面でバリエーション豊かに楽しんだほうがいいのかもしれない。
1冊読み終わって、そんな風に考えを改めた。
とっつきづらいテーマをとっつきやすく仕上げていて読みやすい作品。
さすがに実力派の作家さんが集まっているだけある。
(小説61)
どういう状況なの?
2007年6月25日 BL作家ま・や・ら・わ行『バル/コニーから飛び/降りろ!』 水/無月 さ/らら
タイトルの意味がすっげー気になった1冊。
ネタバレ。
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いや、市役所勤務だからスマイルなしでも済まされるって考えは甘いと思う。
とか思いつつ、思いっきり捻くれた形でのスクエア系っていうのが新鮮で楽しかった。イヤなやつだけど憎めない山中と、なんでもできるしカッコいいけど離婚歴13回、無職住所不定な町田。ってあたりまではわりと標準的(?)な設定だったし、最後まで読むと王道だと思うんだけど、途中がどうにも読めない展開が多くて。その読めない具合が面白かった。
ライト系かと思ったら、しっかり奥深いし、かといって重たくもない。据わりが悪そうなんだけど、実はバランスがいいというギャップも面白かった。
乙女な部分にもオヤジな部分にも引っかからなかったが、話として面白くて満足だった。
タイトルの意味は、うわ、そんなところから?と、また意外なところから来てて、最後まで飽きさせないでくれた。
(小説46)
タイトルの意味がすっげー気になった1冊。
ネタバレ。
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いや、市役所勤務だからスマイルなしでも済まされるって考えは甘いと思う。
とか思いつつ、思いっきり捻くれた形でのスクエア系っていうのが新鮮で楽しかった。イヤなやつだけど憎めない山中と、なんでもできるしカッコいいけど離婚歴13回、無職住所不定な町田。ってあたりまではわりと標準的(?)な設定だったし、最後まで読むと王道だと思うんだけど、途中がどうにも読めない展開が多くて。その読めない具合が面白かった。
ライト系かと思ったら、しっかり奥深いし、かといって重たくもない。据わりが悪そうなんだけど、実はバランスがいいというギャップも面白かった。
乙女な部分にもオヤジな部分にも引っかからなかったが、話として面白くて満足だった。
タイトルの意味は、うわ、そんなところから?と、また意外なところから来てて、最後まで飽きさせないでくれた。
(小説46)
灼熱を呼べ
2005年10月26日 BL作家ま・や・ら・わ行
文庫 夜光花 竹書房 2005/01/22 ¥600
著者名が違っていたので、書き直してみた。
最近、記憶力が低下してるから著者名覚えられないし、書き直さずにすむようにしてほしいなあ。
ネタバレあり
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このタイトル、この表紙、このあらすじ、そして口絵。
きっと私にはハードすぎる話だろうなと思っていたのだが、そんな痛い内容ではなかった。
口絵のところの文章とか、ネタバレになるかもしれないと思って読まなかったので、目隠しだと思ってました。や、そうであってもBL的には珍しくなさそうだけど、それが勘違いだったっていうところが恥ずかしい(笑)
ストーリー自体は結構ハードなんだろうけど、読むのがつらいような痛さはなくて、なんというか、全体的に救いがあるので、ドロドロ系が苦手な私には読みやすかった。
やってるシーンが長くて、まだやるんかいとか思ったけど(笑)
素直で賢く、適度に男らしい主人公も、破滅型な上に不器用だけど愛情深い竜治も好感の持てるキャラで、続編が読みたい。
もう少し犯人が分かりづらいと、もっと楽しめたのだが。最初から分かっちゃったのは残念。
…ミステリー離れしてから長いから、ちょっと恋しくなってきたのかも。
著者名が違っていたので、書き直してみた。
最近、記憶力が低下してるから著者名覚えられないし、書き直さずにすむようにしてほしいなあ。
ネタバレあり
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このタイトル、この表紙、このあらすじ、そして口絵。
きっと私にはハードすぎる話だろうなと思っていたのだが、そんな痛い内容ではなかった。
口絵のところの文章とか、ネタバレになるかもしれないと思って読まなかったので、目隠しだと思ってました。や、そうであってもBL的には珍しくなさそうだけど、それが勘違いだったっていうところが恥ずかしい(笑)
ストーリー自体は結構ハードなんだろうけど、読むのがつらいような痛さはなくて、なんというか、全体的に救いがあるので、ドロドロ系が苦手な私には読みやすかった。
やってるシーンが長くて、まだやるんかいとか思ったけど(笑)
素直で賢く、適度に男らしい主人公も、破滅型な上に不器用だけど愛情深い竜治も好感の持てるキャラで、続編が読みたい。
もう少し犯人が分かりづらいと、もっと楽しめたのだが。最初から分かっちゃったのは残念。
…ミステリー離れしてから長いから、ちょっと恋しくなってきたのかも。