それが愛だとするならば
2013年7月12日 BL作家た・な・は行
ひのもとうみ 心交社 2011/08
この作者さんの本を読むのは2冊目。
前作はイマイチ趣味に合わなかったけど、設定やキャラが変われば、また違うかも?と試してみた。
ネタバレ
-----------------------------------------
攻は自分勝手で嫌な奴だけど、それ以上に受の行動が重いし身勝手できつかった…。
最初から最後まで、攻=悪者、受=健気という構図で話が進むけど、どっちもどっちだよ~と思う。
とろくて、他人に頼ってばかりの受にイラッときた私は、性格の悪い攻と同類らしい(苦笑)
普通の人なら迷惑になるかもと考えて遠慮するところで遠慮できない。幼馴染である攻と一緒にいたいからという理由で、仕事を辞めて上京。職が決まるまで置いてくれと頼ってくるって行動が、すでに理解不能。
毎日終電で帰ってる相手に愚痴を聞かせて、会社まで押しかけるって、相思相愛でも愛想を尽かされるよ…。普通に「会社でパワハラされてる」と相談してくれれば、攻も力になれたような。悪い子じゃないけど、他人への配慮に欠けるし、うっとうしい。
どこらへんが健気なのか、よく分からない。
悪気がなければ、どれだけ迷惑かけても許されるのかい!と納得のいかない気分。
そして、自分がどん底まで落ちてから、自分には受しかいないと、180度態度を変える攻も、なんだかなあという感じ。
やっぱり趣味に合わなかったなあ。
文章はわりと読みやすくて、好きなんだけど。
この作者さんの本を読むのは2冊目。
前作はイマイチ趣味に合わなかったけど、設定やキャラが変われば、また違うかも?と試してみた。
ネタバレ
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攻は自分勝手で嫌な奴だけど、それ以上に受の行動が重いし身勝手できつかった…。
最初から最後まで、攻=悪者、受=健気という構図で話が進むけど、どっちもどっちだよ~と思う。
とろくて、他人に頼ってばかりの受にイラッときた私は、性格の悪い攻と同類らしい(苦笑)
普通の人なら迷惑になるかもと考えて遠慮するところで遠慮できない。幼馴染である攻と一緒にいたいからという理由で、仕事を辞めて上京。職が決まるまで置いてくれと頼ってくるって行動が、すでに理解不能。
毎日終電で帰ってる相手に愚痴を聞かせて、会社まで押しかけるって、相思相愛でも愛想を尽かされるよ…。普通に「会社でパワハラされてる」と相談してくれれば、攻も力になれたような。悪い子じゃないけど、他人への配慮に欠けるし、うっとうしい。
どこらへんが健気なのか、よく分からない。
悪気がなければ、どれだけ迷惑かけても許されるのかい!と納得のいかない気分。
そして、自分がどん底まで落ちてから、自分には受しかいないと、180度態度を変える攻も、なんだかなあという感じ。
やっぱり趣味に合わなかったなあ。
文章はわりと読みやすくて、好きなんだけど。
愛にふるえる小説家
2013年7月6日 BL作家た・な・は行
橘かおる 海王社 2013/06
生活能力がない作家と怪我で休業中のカメラマン。
ネタバレ
----------------------------------------
よくある設定だけど、一ノ瀬が頼もしくてよかったし、面白く読んだ。
ただ、和穂があまりに子供っぽくて、彼の変身後?の姿「真樹夫」がすごく素敵に見えてしまった……。そっちがいいと思っちゃうと、話としてちょっときつい。
もっと家事の話に終始するのかと思っていたら、事件が二つと結構、もりだくさんなストーリーだし、キャラの背景も興味深い。一ノ瀬のカメラマンとしての話があると、もっとよかったんだけど。
ところで、和穂がネットに書き込みしたことで状況が変わらなかったのは、伏線の回収忘れなのかな…。かなり気になってしまい、読後感まで微妙なものになってしまった。
この作品、話のテンポがグチャグチャというか、とにかく構成が読みづらい。話がどこに向かっているのか途中で分からなくなってしまう。ツアーの添乗員を見失ったみたいな状態でストーリーが進むから、どうも落ち着かない。
早めに両思いになるし、起きる事件がきれいに2つに分かれてるんだから、二部構成にすれば読みやすかっただろうに。とりあえず両思いになったところで話を区切っておけば、きれいにまとまったと思うなあ。
読んでる途中で何度か、まだ話が終わらないのは何でだろう?という気分にさせられた。
…わりと面白く読んだんだけど。
生活能力がない作家と怪我で休業中のカメラマン。
ネタバレ
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よくある設定だけど、一ノ瀬が頼もしくてよかったし、面白く読んだ。
ただ、和穂があまりに子供っぽくて、彼の変身後?の姿「真樹夫」がすごく素敵に見えてしまった……。そっちがいいと思っちゃうと、話としてちょっときつい。
もっと家事の話に終始するのかと思っていたら、事件が二つと結構、もりだくさんなストーリーだし、キャラの背景も興味深い。一ノ瀬のカメラマンとしての話があると、もっとよかったんだけど。
ところで、和穂がネットに書き込みしたことで状況が変わらなかったのは、伏線の回収忘れなのかな…。かなり気になってしまい、読後感まで微妙なものになってしまった。
この作品、話のテンポがグチャグチャというか、とにかく構成が読みづらい。話がどこに向かっているのか途中で分からなくなってしまう。ツアーの添乗員を見失ったみたいな状態でストーリーが進むから、どうも落ち着かない。
早めに両思いになるし、起きる事件がきれいに2つに分かれてるんだから、二部構成にすれば読みやすかっただろうに。とりあえず両思いになったところで話を区切っておけば、きれいにまとまったと思うなあ。
読んでる途中で何度か、まだ話が終わらないのは何でだろう?という気分にさせられた。
…わりと面白く読んだんだけど。
金獅子の海賊 ~囚われる蜜の獣~
2013年4月28日 BL作家た・な・は行
橘かおる 海王社 2009/05
この作者さんの本を読むのは2冊目。
スピンオフだったけど、とくに気にならなかった。
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった。話のテンポもよかったし、緩急があってよかった。たまに、あらすじ説明的な文章になるのが気になったけど。
淡々と受け流すノエルの性格のせいか、普通ならキツイ場面も読みやすかった。受が活躍する話というのはいいな~と。他の船員との交流も含めて楽しめた。
ただ…、アーロンがなんで牙にこだわっていたのか、イマイチ分からなかった。牙を追い掛け回しながら、実はノエルが好きでした、というのは、浮気っぽいというか、自分勝手でずるいというか。都合がよすぎる。
あと、ブラックパール号って、まんま「パイレーツ・オブ・カリビアン」で気になった。何か元ネタがあって被ったのかな。よく知らないけど、普通は避けるところなんじゃ。
厳しいことをいえば、有名作と平気で被せるのは、ラノベだからという甘えに思える。
この作品、この作者さんに限ったことではなく、BLはこういうところがいい加減なことが多くて、もうちょっとマナーに気を遣えないものかと思ってしまう。
この作者さんの本を読むのは2冊目。
スピンオフだったけど、とくに気にならなかった。
ネタバレ
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面白かった。話のテンポもよかったし、緩急があってよかった。たまに、あらすじ説明的な文章になるのが気になったけど。
淡々と受け流すノエルの性格のせいか、普通ならキツイ場面も読みやすかった。受が活躍する話というのはいいな~と。他の船員との交流も含めて楽しめた。
ただ…、アーロンがなんで牙にこだわっていたのか、イマイチ分からなかった。牙を追い掛け回しながら、実はノエルが好きでした、というのは、浮気っぽいというか、自分勝手でずるいというか。都合がよすぎる。
あと、ブラックパール号って、まんま「パイレーツ・オブ・カリビアン」で気になった。何か元ネタがあって被ったのかな。よく知らないけど、普通は避けるところなんじゃ。
厳しいことをいえば、有名作と平気で被せるのは、ラノベだからという甘えに思える。
この作品、この作者さんに限ったことではなく、BLはこういうところがいい加減なことが多くて、もうちょっとマナーに気を遣えないものかと思ってしまう。
お掃除します!~愛のレールはどこまでも~
2013年4月13日 BL作家た・な・は行
早瀬亮 二見書房 2009/08
タイトルは…どうにかならんのか、と思ったけど、清掃会社っていうのも面白いかな~と読んでみた。
ネタバレ
------------------------------------------
職業ものとしては物足りなかった。なんせ受が社長、攻がバイト。同じ現場で働いてないので、何か事件があっても後から人伝に状況確認するだけ。問題ばっかり起こすバイトくんに大企業の経営が任せられるとは思えない…。
読者サービスなのかもしれないけど、エロが唐突な感じだったし、もっと他のきっかけで距離が縮まったほうが好みだった。遊び半分に手を出してくる攻、流される受。なんだかなあ。他の部分が不器用なだけに、ここだけ浮き上がって感じた。
1年以上も経ってから急に戻ってきた攻と、あっさりよりを戻すほどの絆を感じなかったというか。
あと、攻が仕事を頑張る理由って、父親から逃げるためだけなのかと思うと、後味の悪い話って気が…。もうちょっと前向きな理由でできてれば、いい話だったろうけど。
キャラが好みなら、もうちょっと楽しめたかも。
タイトルは…どうにかならんのか、と思ったけど、清掃会社っていうのも面白いかな~と読んでみた。
ネタバレ
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職業ものとしては物足りなかった。なんせ受が社長、攻がバイト。同じ現場で働いてないので、何か事件があっても後から人伝に状況確認するだけ。問題ばっかり起こすバイトくんに大企業の経営が任せられるとは思えない…。
読者サービスなのかもしれないけど、エロが唐突な感じだったし、もっと他のきっかけで距離が縮まったほうが好みだった。遊び半分に手を出してくる攻、流される受。なんだかなあ。他の部分が不器用なだけに、ここだけ浮き上がって感じた。
1年以上も経ってから急に戻ってきた攻と、あっさりよりを戻すほどの絆を感じなかったというか。
あと、攻が仕事を頑張る理由って、父親から逃げるためだけなのかと思うと、後味の悪い話って気が…。もうちょっと前向きな理由でできてれば、いい話だったろうけど。
キャラが好みなら、もうちょっと楽しめたかも。
こねこねこね
2013年3月8日 BL作家た・な・は行
早瀬亮 二見書房 2013/2
前作が素晴らしかったので、かなり楽しみにしていた続編。
ネタバレ
------------------------------------------
期待が大きかった分、ガッカリ感も大きくなってしまった。
「これ1冊で読めるようにしました」ということだけど、前作のあらすじが長すぎて、話の最初からうんざりしてしまった。
ここでもうかなり脱落状態だったのが、ハンクラ仲間が出てきて嫉妬する場面もダラダラ続いて、追い討ちをかけられた。せっかくの新キャラが3人も出てきてるのに、まったく魅力を感じないどころか、イラッとさせられることのほうが多いという…。
それでも、趣味の話が広がれば楽しめただろうけど、成見の料理を食べて一緒に材料を買いに行くぐらい…。
続編なら当然出てくるだろうと思っていた、二人で趣味を楽しむ場面もなく、滝本のカッコよさが目減りしただけ。滝本は納期に追われるだけで趣味を楽しんでる場面が少ないし、趣味仲間が出てこないのも不自然。基本的に一人で楽しむ趣味だから会わないにしても、まったく交流がないわけでもないだろうに。
キルト小山は確かにウザいけど、成見を傷つけて脅迫までした人に似てるって…ひどくないか。実際に似ていたとしても、嫌いな人に似てるなんて、普通の人間なら相手に申し訳なくて口に出せないでしょう…。
前作で素敵だった成見姉も我が強いだけになってしまい、鼻についた。
高校生のときのトラブルは脅迫までされていたから助けるのが正解だけど、いい大人になった弟に「彼が浮気してるみたい」って相談?されて、相手を呼びつけて口出しするなんて…。夫婦喧嘩に小姑が出てきました、というのと何が違うのか分からない。
二人の問題を二人で解決できないのも残念。
タイトルも…残念。
この作品には成見の優しい視点が必須なのかも。作品全体から優しさが減っちゃってた。
周囲の人に対する暖かい目線とか、料理や作品にこめる愛情の描写が少なかった。
前作が素晴らしかったので、かなり楽しみにしていた続編。
ネタバレ
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期待が大きかった分、ガッカリ感も大きくなってしまった。
「これ1冊で読めるようにしました」ということだけど、前作のあらすじが長すぎて、話の最初からうんざりしてしまった。
ここでもうかなり脱落状態だったのが、ハンクラ仲間が出てきて嫉妬する場面もダラダラ続いて、追い討ちをかけられた。せっかくの新キャラが3人も出てきてるのに、まったく魅力を感じないどころか、イラッとさせられることのほうが多いという…。
それでも、趣味の話が広がれば楽しめただろうけど、成見の料理を食べて一緒に材料を買いに行くぐらい…。
続編なら当然出てくるだろうと思っていた、二人で趣味を楽しむ場面もなく、滝本のカッコよさが目減りしただけ。滝本は納期に追われるだけで趣味を楽しんでる場面が少ないし、趣味仲間が出てこないのも不自然。基本的に一人で楽しむ趣味だから会わないにしても、まったく交流がないわけでもないだろうに。
キルト小山は確かにウザいけど、成見を傷つけて脅迫までした人に似てるって…ひどくないか。実際に似ていたとしても、嫌いな人に似てるなんて、普通の人間なら相手に申し訳なくて口に出せないでしょう…。
前作で素敵だった成見姉も我が強いだけになってしまい、鼻についた。
高校生のときのトラブルは脅迫までされていたから助けるのが正解だけど、いい大人になった弟に「彼が浮気してるみたい」って相談?されて、相手を呼びつけて口出しするなんて…。夫婦喧嘩に小姑が出てきました、というのと何が違うのか分からない。
二人の問題を二人で解決できないのも残念。
タイトルも…残念。
この作品には成見の優しい視点が必須なのかも。作品全体から優しさが減っちゃってた。
周囲の人に対する暖かい目線とか、料理や作品にこめる愛情の描写が少なかった。
飛鳥沢総帥のタブー
2013年2月8日 BL作家た・な・は行
バーバラ片桐 フランス書院 2010/12
いつも素敵なお道具使いのバーバラ先生。
今回は何かしら?
ネタバレ
--------------------------------------------
と思っていたら、今回はお道具というよりネタだった。
攻の趣味で受に女性ものを…とかいうのは萎えるけど、自分が好きだからお揃いでって笑える。
庭で溺れたり、口止めとしてムリヤリなさろうとして失敗したり、総帥の間抜けさ加減が楽しい。
話の突っ込みどころは多いものの、そもそも最初からトンデモなので、突っ込むのも野暮という感じ(笑)
この作品の取説:「小さなことは、まあいいか~と気にせず読み飛ばしましょう」
同居するようになってからの、ほのぼのとした関係がよかった。
いつも素敵なお道具使いのバーバラ先生。
今回は何かしら?
ネタバレ
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と思っていたら、今回はお道具というよりネタだった。
攻の趣味で受に女性ものを…とかいうのは萎えるけど、自分が好きだからお揃いでって笑える。
庭で溺れたり、口止めとしてムリヤリなさろうとして失敗したり、総帥の間抜けさ加減が楽しい。
話の突っ込みどころは多いものの、そもそも最初からトンデモなので、突っ込むのも野暮という感じ(笑)
この作品の取説:「小さなことは、まあいいか~と気にせず読み飛ばしましょう」
同居するようになってからの、ほのぼのとした関係がよかった。
嫌よ嫌よも好きのうち?
2013年2月2日 BL作家た・な・は行
月村奎 新書館 2012/11
個人的には、お久しぶりの月村さん。
ネタバレ
--------------------------------------------
月村さんのエッチシーンを読みながら、思えば遠くに来たもんだ…と思った(笑)
いまだ朝チュン作家のイメージなので、ああ、本番ありなのね?とか…。
それはそうと、面白かった。
攻の大介のいじめっ子ぶりは大人としてどうなのかと思うレベルで、嫌がりつつも上手に攻を利用(同居とか)している受の裕貴のほうが上手(うわて)なんだろうなあ…と。
大介のストーカー疑惑は微笑ましかった。
ボロいけど静かで味のある一軒家、訪ねてくる幼馴染の夫婦、クラフトの仕事。
月村さんらしい、穏やかで暖かい描写が素敵だった。なので、引っ越してしまったのは、ちょっと残念。
まあそのちょっと寂しい感じが、弱ってる時に大介と同居することになって、徐々に想いを自覚していくっていう王道の展開に上手く繋がっていっててよかったんだけど。
猫も可愛いし、クラフトの仕事は楽しそうだし、ほんわりしてて好きだな~。
ただ…大介にボロクソ言われた「仕事じゃない、趣味だ」を全肯定してしまったラストは残念。恋愛だけじゃなくて、仕事でも前進とか成長が欲しかった。周囲に認められるとかいう分かりやすいステップアップじゃなくても、小さな夢ができたとか、そういう前向きエピソードが読みたかった。
エッチシーンに限らず、作風がライトになってきたせいか、ちょっと心情描写で物足りない面も出てきた。昔の月村さんなら、仕事のことももうちょっと書いたんじゃないかな…。
あと、最初のほうの文章の荒さが、正直気になった。
個人的には、お久しぶりの月村さん。
ネタバレ
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月村さんのエッチシーンを読みながら、思えば遠くに来たもんだ…と思った(笑)
いまだ朝チュン作家のイメージなので、ああ、本番ありなのね?とか…。
それはそうと、面白かった。
攻の大介のいじめっ子ぶりは大人としてどうなのかと思うレベルで、嫌がりつつも上手に攻を利用(同居とか)している受の裕貴のほうが上手(うわて)なんだろうなあ…と。
大介のストーカー疑惑は微笑ましかった。
ボロいけど静かで味のある一軒家、訪ねてくる幼馴染の夫婦、クラフトの仕事。
月村さんらしい、穏やかで暖かい描写が素敵だった。なので、引っ越してしまったのは、ちょっと残念。
まあそのちょっと寂しい感じが、弱ってる時に大介と同居することになって、徐々に想いを自覚していくっていう王道の展開に上手く繋がっていっててよかったんだけど。
猫も可愛いし、クラフトの仕事は楽しそうだし、ほんわりしてて好きだな~。
ただ…大介にボロクソ言われた「仕事じゃない、趣味だ」を全肯定してしまったラストは残念。恋愛だけじゃなくて、仕事でも前進とか成長が欲しかった。周囲に認められるとかいう分かりやすいステップアップじゃなくても、小さな夢ができたとか、そういう前向きエピソードが読みたかった。
エッチシーンに限らず、作風がライトになってきたせいか、ちょっと心情描写で物足りない面も出てきた。昔の月村さんなら、仕事のことももうちょっと書いたんじゃないかな…。
あと、最初のほうの文章の荒さが、正直気になった。
戦神、恋うる雛
2013年2月2日 BL作家た・な・は行
藤龍河 白泉社 2011/05
初めて読む作家さん。
タイトルから、まーったく期待していなかったので、逆に面白く読めたかも。
ネタバレ
---------------------------------------------
最初のほうは古臭い少女漫画みたいなストーリーで萎えた。主人公はみにくいアヒルの子で、美しい兄を持ち、まわりの可愛らしい小姓たちにいじめられながらも健気に耐えているという設定。
主人公が耐える姿は、「健気受」自体が好きじゃないせいか、単に頭と要領が悪いだけにしか……。
それに、まわりの小姓にとっても主人公にとっても、「殿様の閨に呼ばれること」が何よりの目標ってところが、少女漫画にしちゃ生々しいというか、下品というか。
家臣や小姓の実家でも、それが出世と思っているあたり、嫌な世界だな~と。これが女性の話なら、子供を産んで跡継ぎにっていう話に繋がるから、まだ希望があると思うんだけど。
突っ込みどころは満載だったかな。
たとえば、兄の出奔によって、父親や主人公は切腹を覚悟し、悪ければ家が断絶かっていうときに、居場所の分かっている兄の我儘がそのまま通っていること。いくら自殺するって騒いでも、いくらでもやり方はあると思う。話の都合上としか思えない展開。
後半の戦のシーンでも、なぜ国の一大事に国主をはじめ誰も彼もが、一人の近習のことを考えているのか。いくら時代物という名前のファンタジーでも、そりゃ無理があるだろう。
私が一番引っかかったのは、攻(国主)の妻子の話がまるっきり出てこないこと。一緒に住んでいるのに、国主からも家臣からも空気以下の扱いを受けてるってこと??
ちらっと奥方がいるようなことは書いてるので、いることはいるんだろう。それなのに、殿の寵愛を受けることがすべてという世界で話題にならないはずがない。
子供もいるんだろう。跡継ぎがいないなら大問題のはずだから。どう考えても、小説として割愛できることじゃないはず。
武士の世界はどうのこうのとシビアな面も出す割りに、BLとして都合の悪いことは丸無視で、細かい点を挙げればキリがないけど、とにかくご都合主義が目に余った。
ただ、後半からは主人公の成長も感じられて面白かった。卑屈な面が薄れてくると、もともと勤勉な努力家なので、魅力が分かりやすい。
恋愛より、意地悪だった小姓が改心するところとか、お兄さんへの複雑な思いのほうが読み応えあったけど。
ラブストーリーとしてイマイチ楽しめなかったのは、攻に魅力を感じなかったせいかも。プライベート面での子供っぽさは、その歳で?と呆れを感じてしまう。
…主従ものは、従×主のほうが好き。そうじゃないなら、主従は歳が近くて、腹心という設定がいいという趣味の私には、歳の差で主×従、健気受という設定は、ちょっとキツかった。
ただ、小説として面白かった。突っ込みどころは満載だけど、面白かったからOKという、結構珍しい作品。
最後にイラスト。
…攻が短髪なのはいくらなんでも。出家でもしたのか?
イラストレーターは「戦国時代は詳しいです!ゲームやってますから」という人なんだろうか?
元服しても髪型の変わらない主人公といい、きれいなイラストなんだけど、キャラの髪型が気になってしかたなかった……。
初めて読む作家さん。
タイトルから、まーったく期待していなかったので、逆に面白く読めたかも。
ネタバレ
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最初のほうは古臭い少女漫画みたいなストーリーで萎えた。主人公はみにくいアヒルの子で、美しい兄を持ち、まわりの可愛らしい小姓たちにいじめられながらも健気に耐えているという設定。
主人公が耐える姿は、「健気受」自体が好きじゃないせいか、単に頭と要領が悪いだけにしか……。
それに、まわりの小姓にとっても主人公にとっても、「殿様の閨に呼ばれること」が何よりの目標ってところが、少女漫画にしちゃ生々しいというか、下品というか。
家臣や小姓の実家でも、それが出世と思っているあたり、嫌な世界だな~と。これが女性の話なら、子供を産んで跡継ぎにっていう話に繋がるから、まだ希望があると思うんだけど。
突っ込みどころは満載だったかな。
たとえば、兄の出奔によって、父親や主人公は切腹を覚悟し、悪ければ家が断絶かっていうときに、居場所の分かっている兄の我儘がそのまま通っていること。いくら自殺するって騒いでも、いくらでもやり方はあると思う。話の都合上としか思えない展開。
後半の戦のシーンでも、なぜ国の一大事に国主をはじめ誰も彼もが、一人の近習のことを考えているのか。いくら時代物という名前のファンタジーでも、そりゃ無理があるだろう。
私が一番引っかかったのは、攻(国主)の妻子の話がまるっきり出てこないこと。一緒に住んでいるのに、国主からも家臣からも空気以下の扱いを受けてるってこと??
ちらっと奥方がいるようなことは書いてるので、いることはいるんだろう。それなのに、殿の寵愛を受けることがすべてという世界で話題にならないはずがない。
子供もいるんだろう。跡継ぎがいないなら大問題のはずだから。どう考えても、小説として割愛できることじゃないはず。
武士の世界はどうのこうのとシビアな面も出す割りに、BLとして都合の悪いことは丸無視で、細かい点を挙げればキリがないけど、とにかくご都合主義が目に余った。
ただ、後半からは主人公の成長も感じられて面白かった。卑屈な面が薄れてくると、もともと勤勉な努力家なので、魅力が分かりやすい。
恋愛より、意地悪だった小姓が改心するところとか、お兄さんへの複雑な思いのほうが読み応えあったけど。
ラブストーリーとしてイマイチ楽しめなかったのは、攻に魅力を感じなかったせいかも。プライベート面での子供っぽさは、その歳で?と呆れを感じてしまう。
…主従ものは、従×主のほうが好き。そうじゃないなら、主従は歳が近くて、腹心という設定がいいという趣味の私には、歳の差で主×従、健気受という設定は、ちょっとキツかった。
ただ、小説として面白かった。突っ込みどころは満載だけど、面白かったからOKという、結構珍しい作品。
最後にイラスト。
…攻が短髪なのはいくらなんでも。出家でもしたのか?
イラストレーターは「戦国時代は詳しいです!ゲームやってますから」という人なんだろうか?
元服しても髪型の変わらない主人公といい、きれいなイラストなんだけど、キャラの髪型が気になってしかたなかった……。
濡れ男
2013年1月26日 BL作家た・な・は行 コメント (2)
中原一也 幻冬舎 2012/12
准教授×営業。
中原作品にしては設定も話も地味かも。
ネタバレ
--------------------------------------------
面白かった。
地味な話だけど、キャラがいい。一見クールでハイスペックな攻は、暴走するし、結構ヘタレだし。マイペースで浮世離れした感じの受は、意外と一途で素直なところがあって、いいカップルだった。ニューハーフのお友達も、いい味を出していた。
オヤジ万歳!ハード設定な中原作品も好きだけど、こういう同級生同士の気持ちのすれ違いなんていう地味設定も、のんびり楽しめていいな~。
タイトルの濡れ男は話の中で重要な意味はないんだけど、受の雰囲気を分かりやすく(象徴的に)伝えているし、攻はそんなところが好きなんだと思う。
准教授×営業。
中原作品にしては設定も話も地味かも。
ネタバレ
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面白かった。
地味な話だけど、キャラがいい。一見クールでハイスペックな攻は、暴走するし、結構ヘタレだし。マイペースで浮世離れした感じの受は、意外と一途で素直なところがあって、いいカップルだった。ニューハーフのお友達も、いい味を出していた。
オヤジ万歳!ハード設定な中原作品も好きだけど、こういう同級生同士の気持ちのすれ違いなんていう地味設定も、のんびり楽しめていいな~。
タイトルの濡れ男は話の中で重要な意味はないんだけど、受の雰囲気を分かりやすく(象徴的に)伝えているし、攻はそんなところが好きなんだと思う。
シガレット
2012年12月28日 BL作家た・な・は行
羽生有輝 大洋図書 2012/05
この作家さん読むのは2作目かな。
デビュー作のスピンオフらしい。
ネタバレ
----------------------------------------------
面白かった。
不満を溜め込んで突然爆発させてしまう飯田のようなキャラは苦手に感じるときもあるけど、去年まで学生だったと思えば、むしろ人間ができているほうだろうなあと。
牧はいい人なんだけど、おっさん臭くて二十代半ばとは思えない…。そのせいか、年上なのに(ここが強調されちゃう)いまひとつ包容力が足りない気がした。
で、弟が格好いいので、ついつい比べてしまい…。
しかもスピンオフなので、兄弟で2カップル。個人的な趣味で、1作品につきカップルは1組までにしてほしいので、ちょっとキツかった。
面白かったと書いたわりに文句ばっかりだけど、何度もポエム調で悩みが出てくるのも、うるさく感じた。
亡き父親に愛されていなかったという悩みを大きく取り上げすぎているのも気になった。なんというか、書き方がしつこい。
そりゃ、相手が亡くなってるんだから気持ちの持って行き場がないんだろうけど、恋愛面よりこっちが印象に残ってしまって。
家族小説と恋愛小説の二本立てという感じで、家族の比率が高すぎた。
この作家さん読むのは2作目かな。
デビュー作のスピンオフらしい。
ネタバレ
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面白かった。
不満を溜め込んで突然爆発させてしまう飯田のようなキャラは苦手に感じるときもあるけど、去年まで学生だったと思えば、むしろ人間ができているほうだろうなあと。
牧はいい人なんだけど、おっさん臭くて二十代半ばとは思えない…。そのせいか、年上なのに(ここが強調されちゃう)いまひとつ包容力が足りない気がした。
で、弟が格好いいので、ついつい比べてしまい…。
しかもスピンオフなので、兄弟で2カップル。個人的な趣味で、1作品につきカップルは1組までにしてほしいので、ちょっとキツかった。
面白かったと書いたわりに文句ばっかりだけど、何度もポエム調で悩みが出てくるのも、うるさく感じた。
亡き父親に愛されていなかったという悩みを大きく取り上げすぎているのも気になった。なんというか、書き方がしつこい。
そりゃ、相手が亡くなってるんだから気持ちの持って行き場がないんだろうけど、恋愛面よりこっちが印象に残ってしまって。
家族小説と恋愛小説の二本立てという感じで、家族の比率が高すぎた。
愛してるとは言えないけど
2012年12月1日 BL作家た・な・は行
名高江莉 海王社 2011/05
初読の作家さん。これがデビュー作らしい。
ネタバレ
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…いろいろ中途半端で、置いてけぼり食らった。
2人とも仕事にプライドを持っているという設定なら、土地の買収話で徹底的にロミジュリっぽく敵対させちゃったほうが面白かった気がする。仕事に私情を差し挟むくせに、変に意地を張るから、感情が追いづらい。せめてもうちょっと、店を守ることと、昔こっぴどく振られた相手である攻への感情の間で揺れ動く描写があればいいんだけど、「また好きになっちゃった、どうしよう。嫌われたくない!」みたいな流れなので、えー?という感じ。
受は時々、卑屈に感じるぐらい弱気な態度なのに、いざとなると相手を脅迫までする。恋に溺れているがゆえ、と言ってしまえばそれまでだけど、イマイチ感情移入しづらい展開が続いたので、なんで脅迫??とここで置いていかれた。
攻が学生時代に別れを決めた理由も共感しづらいし。強すぎる執着心のせいで束縛してしまいそうだから別れたって…。7年も会わないで我慢できる程度の執着心なのに、会うと束縛・拘束は我慢できないの??
ああ、あれ? アル中になると節酒というのは無理で、断酒するしか道はない、みたいな?
…監禁とか興味ないから、そういう気持ちは理解できないんだよね~。
そして、実際に監禁された受がショックを受けないのも、よく分からない。仕事に行けないってことより、好きな人の病的な行動のほうが大問題では…?
受は自分の店に放火されてもスルーできるし、犯罪への耐性が常人の10倍ぐらいあるのかもしれない。一体、どんな無法地帯で育ったんだろう…。
土地の買収話も、異常なほどの(?)執着心も、とくに状況の変化もないのに、なぜか最後にはノープロブレムになっていた。いままでの話はなんだったの??としか。
あと、放火犯がお咎めなしは怖くない? …いくら理由があっても、許される行為じゃないと思う。しかも、「姉が婚約破棄されたから」って…まったく同情もできない理由だし。こんな短絡的な人間を野放しにして、最愛の人(攻)をよろしくとか頭下げちゃう感覚って、ついてけない。
…いろいろ残念な作品だった。
初読の作家さん。これがデビュー作らしい。
ネタバレ
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…いろいろ中途半端で、置いてけぼり食らった。
2人とも仕事にプライドを持っているという設定なら、土地の買収話で徹底的にロミジュリっぽく敵対させちゃったほうが面白かった気がする。仕事に私情を差し挟むくせに、変に意地を張るから、感情が追いづらい。せめてもうちょっと、店を守ることと、昔こっぴどく振られた相手である攻への感情の間で揺れ動く描写があればいいんだけど、「また好きになっちゃった、どうしよう。嫌われたくない!」みたいな流れなので、えー?という感じ。
受は時々、卑屈に感じるぐらい弱気な態度なのに、いざとなると相手を脅迫までする。恋に溺れているがゆえ、と言ってしまえばそれまでだけど、イマイチ感情移入しづらい展開が続いたので、なんで脅迫??とここで置いていかれた。
攻が学生時代に別れを決めた理由も共感しづらいし。強すぎる執着心のせいで束縛してしまいそうだから別れたって…。7年も会わないで我慢できる程度の執着心なのに、会うと束縛・拘束は我慢できないの??
ああ、あれ? アル中になると節酒というのは無理で、断酒するしか道はない、みたいな?
…監禁とか興味ないから、そういう気持ちは理解できないんだよね~。
そして、実際に監禁された受がショックを受けないのも、よく分からない。仕事に行けないってことより、好きな人の病的な行動のほうが大問題では…?
受は自分の店に放火されてもスルーできるし、犯罪への耐性が常人の10倍ぐらいあるのかもしれない。一体、どんな無法地帯で育ったんだろう…。
土地の買収話も、異常なほどの(?)執着心も、とくに状況の変化もないのに、なぜか最後にはノープロブレムになっていた。いままでの話はなんだったの??としか。
あと、放火犯がお咎めなしは怖くない? …いくら理由があっても、許される行為じゃないと思う。しかも、「姉が婚約破棄されたから」って…まったく同情もできない理由だし。こんな短絡的な人間を野放しにして、最愛の人(攻)をよろしくとか頭下げちゃう感覚って、ついてけない。
…いろいろ残念な作品だった。
好きになるのが、怖い。
2012年11月3日 BL作家た・な・は行
羽生有輝 大洋図書 2012/10
表紙買い。
初めて読む作家さん。
SHY文庫って買ったことないし~という理由も。
ネタバレ
-----------------------------------------
文章はちょーっと硬いところあるけど、だいたい読みやすい。
ポエム調が入るのは、個人的な趣味の問題もあっていただけなかった。
1つの話題を語っている間に、何の前置きもなく場面転換するのも。悩みについて人と話している→地の文で掘り下げる→その話題を続けながら前置きなしで数日後に話が飛んでいる、という感じ。
これって…わざとなのかな? 読みづらいだけで、何の効果を狙ってるのか分からなかった。
こういうモラトリアムというか、駄目な受は嫌いじゃないし、途中から成長するのもよかった。
攻の無駄に偉そうなところは好きになれなかった。根はいい人なんだけど、最初に楓に突っかかってきた場面は納得いかない。愛想笑いぐらいしろ、と人に言う前に、社会人として失格の自分の態度を改めてみては…?と言いたくなる。慰問を受ける側だから下手に出ろ、という意味じゃなく、普通に、初対面の相手に対する礼儀ってものがあるでしょうに。
恋愛に関しては、ちょっとずつ心が近づいてる感じがよかった。
好きだと自覚した後で、急に相手を失うのが怖くなるという心理はわかるけど、一歩踏み出すきっかけが簡単すぎて、物足りない気がした。同じ境遇の子の意見だから素直に受け入れやすいというだけで、二十年以上抱えてきた障害をあっさり乗り越えられるものなのかなー。
それと、慰問や奨学金によって企業のイメージアップができたのかどうか書かれていないので、中途半端な印象だった。恋愛がメインとはいえ、前半でかなりのページを割いているわけだから、もうちょっとしっかり書いてほしかったような。
表紙買い。
初めて読む作家さん。
SHY文庫って買ったことないし~という理由も。
ネタバレ
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文章はちょーっと硬いところあるけど、だいたい読みやすい。
ポエム調が入るのは、個人的な趣味の問題もあっていただけなかった。
1つの話題を語っている間に、何の前置きもなく場面転換するのも。悩みについて人と話している→地の文で掘り下げる→その話題を続けながら前置きなしで数日後に話が飛んでいる、という感じ。
これって…わざとなのかな? 読みづらいだけで、何の効果を狙ってるのか分からなかった。
こういうモラトリアムというか、駄目な受は嫌いじゃないし、途中から成長するのもよかった。
攻の無駄に偉そうなところは好きになれなかった。根はいい人なんだけど、最初に楓に突っかかってきた場面は納得いかない。愛想笑いぐらいしろ、と人に言う前に、社会人として失格の自分の態度を改めてみては…?と言いたくなる。慰問を受ける側だから下手に出ろ、という意味じゃなく、普通に、初対面の相手に対する礼儀ってものがあるでしょうに。
恋愛に関しては、ちょっとずつ心が近づいてる感じがよかった。
好きだと自覚した後で、急に相手を失うのが怖くなるという心理はわかるけど、一歩踏み出すきっかけが簡単すぎて、物足りない気がした。同じ境遇の子の意見だから素直に受け入れやすいというだけで、二十年以上抱えてきた障害をあっさり乗り越えられるものなのかなー。
それと、慰問や奨学金によって企業のイメージアップができたのかどうか書かれていないので、中途半端な印象だった。恋愛がメインとはいえ、前半でかなりのページを割いているわけだから、もうちょっとしっかり書いてほしかったような。
大人の憂鬱
2012年9月27日 BL作家た・な・は行姫野百合 心交社 2000/07
なぜタイトルに「大人」とつくのかイマイチ分からないけど、良質な続編だった。
丁寧でいい仕事をしてるなー。
ベタな展開の連続なんだけど、テンポもいいし盛り上がりもあるし、いい意味で「ありがち」というか。
将来のことを真剣に考える年齢になって、いきなり同性と付き合うことになったら、これぐらい悩まないと嘘だと思う。(そういう意味で、ファンタジー設定のBLが多すぎる…。)
謝るときはきちんと謝る綴喜は男前だった。久城のほうはヘタレっていうか、あんまりカッコよさはないんだけど、人はよさそう。
2年後に出た続編ということで、時代色も2年分薄まっていた気がする。
なぜタイトルに「大人」とつくのかイマイチ分からないけど、良質な続編だった。
丁寧でいい仕事をしてるなー。
ベタな展開の連続なんだけど、テンポもいいし盛り上がりもあるし、いい意味で「ありがち」というか。
将来のことを真剣に考える年齢になって、いきなり同性と付き合うことになったら、これぐらい悩まないと嘘だと思う。(そういう意味で、ファンタジー設定のBLが多すぎる…。)
謝るときはきちんと謝る綴喜は男前だった。久城のほうはヘタレっていうか、あんまりカッコよさはないんだけど、人はよさそう。
2年後に出た続編ということで、時代色も2年分薄まっていた気がする。
大人の恋
2012年9月26日 BL作家た・な・は行姫野百合 心交社 1998/03
刊行されたのが前世紀なので当然かもしれないけど、文章に時代を感じた。
いま読んでるラノベも15年も経ったら、古く感じるのか?と思ったけど、自分の感性はもう固定されちゃってるだろうから、これからは新しいものを受け入れられなくなっていくだけなのかもしれない。
…とか、しみじみ考えてしまった。
それはそれとして、この作品は丁寧に仕上げられていて、面白かった。決して上手いとはいえないけど、読みやすい文章だし。
私の趣味にはちょっと合わない。でも、合わないなりに楽しめるというか、質はいいというか。まあ、のんびり読めてよかった。
刊行されたのが前世紀なので当然かもしれないけど、文章に時代を感じた。
いま読んでるラノベも15年も経ったら、古く感じるのか?と思ったけど、自分の感性はもう固定されちゃってるだろうから、これからは新しいものを受け入れられなくなっていくだけなのかもしれない。
…とか、しみじみ考えてしまった。
それはそれとして、この作品は丁寧に仕上げられていて、面白かった。決して上手いとはいえないけど、読みやすい文章だし。
私の趣味にはちょっと合わない。でも、合わないなりに楽しめるというか、質はいいというか。まあ、のんびり読めてよかった。
ザクザクザク
2012年9月8日 BL作家た・な・は行
早瀬亮 二見書房 2012/03
面白かった!
かなり気に入りました!
ネタバレ
-----------------------------------------
主人公の特技は手芸に料理。同じぐらいの時期に「レース編みの好きな男」って設定のBLが出てて(この作品が先)、似たような設定の話が続くわね~と、両方スルーした記憶がある。(結局、両方読んだけど)
手芸好きって乙女系男子ってやつね、と思って読み始めたら、可愛いものが好きとかじゃなくて、純粋に趣味なのがよかった。
羊毛フェルトって初めて知った。そっか、フェルトって布みたいになってるものだけじゃなく、綿状?のものもあるんだ~。
なんか製作しているところだけじゃなくて、手芸用品選んでる描写だけでも楽しい。
手先が超超不器用な私は、凄いな~としか思えないけど。
あと、料理に愛情をこめるっていうのは、こういうことかと分かった。成見の作ったお弁当なら、そりゃ滝本も惚れるし、お姉さんたちも毎朝取りに行くよな~と。
一手間加えるって意味が分かるというか。
終始優しいストーリーだった。
成見は普通にカッコイイと思うし、滝本もさっぱりして好印象。ほんと、一緒に趣味を楽しめるカップルって楽しいだろうな~。
成見の姉、妹、職場の先輩、とたくさん女性が出てくるんだけど、みんな素敵な女性でよかった。
ガンプラよく知らなくて、『アレ』がシャア専用機だと始めは気付かなかった。
タイトルの意味が分かったときは、上手い!と思わず拍手しちゃった(笑)
や~、堪能しました。
面白かった!
かなり気に入りました!
ネタバレ
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主人公の特技は手芸に料理。同じぐらいの時期に「レース編みの好きな男」って設定のBLが出てて(この作品が先)、似たような設定の話が続くわね~と、両方スルーした記憶がある。(結局、両方読んだけど)
手芸好きって乙女系男子ってやつね、と思って読み始めたら、可愛いものが好きとかじゃなくて、純粋に趣味なのがよかった。
羊毛フェルトって初めて知った。そっか、フェルトって布みたいになってるものだけじゃなく、綿状?のものもあるんだ~。
なんか製作しているところだけじゃなくて、手芸用品選んでる描写だけでも楽しい。
手先が超超不器用な私は、凄いな~としか思えないけど。
あと、料理に愛情をこめるっていうのは、こういうことかと分かった。成見の作ったお弁当なら、そりゃ滝本も惚れるし、お姉さんたちも毎朝取りに行くよな~と。
一手間加えるって意味が分かるというか。
終始優しいストーリーだった。
成見は普通にカッコイイと思うし、滝本もさっぱりして好印象。ほんと、一緒に趣味を楽しめるカップルって楽しいだろうな~。
成見の姉、妹、職場の先輩、とたくさん女性が出てくるんだけど、みんな素敵な女性でよかった。
ガンプラよく知らなくて、『アレ』がシャア専用機だと始めは気付かなかった。
タイトルの意味が分かったときは、上手い!と思わず拍手しちゃった(笑)
や~、堪能しました。
ダブルブッキング ─同居は甘い恋の罠─
2012年5月19日 BL作家た・な・は行
橘かおる 白泉社 2011/11
初読の作家さん。
巨大コングロマリットのCEO×元ヤン介護士
ネタバレ
----------------------------------------
面白かった!
主人公は面倒見がよくて仕事熱心な男前で、性格がさっぱりしているし。好感が持てるキャラだった。仕事描写が面白かったなあ。
ちょっとズレてるイケメン社長もカッコよかった。穏やかな執事さんとセットで、いい味を出していた。
二人とも自分の非を潔く認めたり、素直に相手の意見を聞くところがよかった。できそうで、なかなかできないことだし。
テンポもいいし、中身も濃いし、最後まで楽しく読んだ。
ただ…、惹かれあっていく過程が丁寧だったのに、エッチだけで終わりって残念。その先の関係にこそ期待していたし、この二人にとって身体の関係ってそこまで重要じゃないと思う。もったいないラストだった。
あと3ページでいいから続きを書いてくれていたら…と残念でならない。面白いだけに。
初読の作家さん。
巨大コングロマリットのCEO×元ヤン介護士
ネタバレ
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面白かった!
主人公は面倒見がよくて仕事熱心な男前で、性格がさっぱりしているし。好感が持てるキャラだった。仕事描写が面白かったなあ。
ちょっとズレてるイケメン社長もカッコよかった。穏やかな執事さんとセットで、いい味を出していた。
二人とも自分の非を潔く認めたり、素直に相手の意見を聞くところがよかった。できそうで、なかなかできないことだし。
テンポもいいし、中身も濃いし、最後まで楽しく読んだ。
ただ…、惹かれあっていく過程が丁寧だったのに、エッチだけで終わりって残念。その先の関係にこそ期待していたし、この二人にとって身体の関係ってそこまで重要じゃないと思う。もったいないラストだった。
あと3ページでいいから続きを書いてくれていたら…と残念でならない。面白いだけに。
恋しらずなチェリー
2012年5月18日 BL作家た・な・は行
早瀬亮 二見書房 2010/09
「学生時代から男にもてまくり、近寄る奴はみんなゲイ、女たちには遠巻きにされ続け~」というのが、あらすじ。
ネタバレ
----------------------------------------
流され受なのが残念。ほんと、何のために今まで男を拒んできたの?という流されっぷりが、よく分からなかった。
しかも、それほど美形でもないのに、なぜか男限定でモテまくるというファンタジー設定に、最後まで何の理由付けもされないのが気になる。…妖精の呪いレベル(C中原先生)のモテっぷりなのに、「とくに理由はない、モテるだけだ」というのは、ファンタジー設定でも無理があるっていうか。ファンタジーにはファンタジーなりに筋が通っている必要があるわけで。
攻は一途なんだろうけど、数年越しの片思いなのに、酔い潰して強引にって、なんか違うと思う。この人、そんなにいい男なのか?
攻の星野と当て馬の米田はどっちもどっちというタイプなので、ここに第三の男(テクニシャン/笑)が現れたら、主人公はあっさりそっちにいっちゃうんじゃないかな~とか思ってしまった。
…好みの問題かもしれないけど、米田は仲のいい親友のままのほうが、キャラとして魅力があったんじゃないかな。なんか、印象悪くなって終わってしまった。
そして、ファンタジー設定と当て馬が目立ちすぎているせいで、肝心の主人公と攻の恋愛はピントがぼやけたまま、盛り上がりなく終わってしまったような。
「攻と付き合うなら、何のために今まで男を拒み続けてきたのか?」という主人公の悩みを聞いたわけでもないのに、攻がその悩みに回答を与えるのも、なんか不自然だった。
だいたい仕事中に職場に男を引っ張り込むのは、いくらなんでも非常識だろうよ。流されやすいにも程があります……。
「学生時代から男にもてまくり、近寄る奴はみんなゲイ、女たちには遠巻きにされ続け~」というのが、あらすじ。
ネタバレ
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流され受なのが残念。ほんと、何のために今まで男を拒んできたの?という流されっぷりが、よく分からなかった。
しかも、それほど美形でもないのに、なぜか男限定でモテまくるというファンタジー設定に、最後まで何の理由付けもされないのが気になる。…妖精の呪いレベル(C中原先生)のモテっぷりなのに、「とくに理由はない、モテるだけだ」というのは、ファンタジー設定でも無理があるっていうか。ファンタジーにはファンタジーなりに筋が通っている必要があるわけで。
攻は一途なんだろうけど、数年越しの片思いなのに、酔い潰して強引にって、なんか違うと思う。この人、そんなにいい男なのか?
攻の星野と当て馬の米田はどっちもどっちというタイプなので、ここに第三の男(テクニシャン/笑)が現れたら、主人公はあっさりそっちにいっちゃうんじゃないかな~とか思ってしまった。
…好みの問題かもしれないけど、米田は仲のいい親友のままのほうが、キャラとして魅力があったんじゃないかな。なんか、印象悪くなって終わってしまった。
そして、ファンタジー設定と当て馬が目立ちすぎているせいで、肝心の主人公と攻の恋愛はピントがぼやけたまま、盛り上がりなく終わってしまったような。
「攻と付き合うなら、何のために今まで男を拒み続けてきたのか?」という主人公の悩みを聞いたわけでもないのに、攻がその悩みに回答を与えるのも、なんか不自然だった。
だいたい仕事中に職場に男を引っ張り込むのは、いくらなんでも非常識だろうよ。流されやすいにも程があります……。
池上准教授の恋愛学異論
2012年1月7日 BL作家た・な・は行
野坂花流 大洋図書 2011/11
初読の作家さん。
表紙の色使いが好きで買ってみた。
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった。池上のキャラが立っていたし、話のペース配分もちょうどいい。
なんか池上が嫌な奴扱いだけど、社会人になれば誰だって外面のよさは身につけるわけで…。それが社会性ってものだしーって気にならなかった。
…私が単にこういうタイプが好きなだけかもしれないけど。
攻の榛名の行動にはまったく共感できなかった。最初から喧嘩腰で余計な口出しして(あんたには関係ないじゃん?)、セクハラして脅しまでかけてくる榛名のほうが、池上よりよーっぽど性格悪いような。
好きなら何をしてもいいのか?
恋愛感情は免罪符になりませんよ?
失恋した池上の傷口に塩をすり込んでおいて、ろくにフォローもできないって最悪…。支えられる度量がないなら、せめて放っておいてあげて。
別に好きな人に媚び諂えとはいわないが、普通は嫌われるよね?という言動を繰り返すのはいかがなものかと…。
まあそういうわけで、榛名にはムカついたが、後味のいいハッピーエンドでよかった。
初読の作家さん。
表紙の色使いが好きで買ってみた。
ネタバレ
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面白かった。池上のキャラが立っていたし、話のペース配分もちょうどいい。
なんか池上が嫌な奴扱いだけど、社会人になれば誰だって外面のよさは身につけるわけで…。それが社会性ってものだしーって気にならなかった。
…私が単にこういうタイプが好きなだけかもしれないけど。
攻の榛名の行動にはまったく共感できなかった。最初から喧嘩腰で余計な口出しして(あんたには関係ないじゃん?)、セクハラして脅しまでかけてくる榛名のほうが、池上よりよーっぽど性格悪いような。
好きなら何をしてもいいのか?
恋愛感情は免罪符になりませんよ?
失恋した池上の傷口に塩をすり込んでおいて、ろくにフォローもできないって最悪…。支えられる度量がないなら、せめて放っておいてあげて。
別に好きな人に媚び諂えとはいわないが、普通は嫌われるよね?という言動を繰り返すのはいかがなものかと…。
まあそういうわけで、榛名にはムカついたが、後味のいいハッピーエンドでよかった。
六法なんかじゃ間に合わない!
2011年12月31日 BL作家た・な・は行
深沢梨絵 二見書房 2011/12
弁護士もののラノベとしては面白いけど、まったく恋愛要素がないものをBL(恋愛小説)って云われてもね……。
続編にラブを期待していいのかどうか。(続編、読むつもりない…)
ちなみにペーパーにはそれらしき描写があるんだけど、あまり色っぽくなかった。
…シャレードから出ている高遠さんのシリーズものも似たような状態なのに、どこが違うのか、ちょっと考えてみた。あちらは全体にセンシティブだから、恋愛ものっぽい雰囲気があるんだと思う。たぶん。
弁護士もののラノベとしては面白いけど、まったく恋愛要素がないものをBL(恋愛小説)って云われてもね……。
続編にラブを期待していいのかどうか。(続編、読むつもりない…)
ちなみにペーパーにはそれらしき描写があるんだけど、あまり色っぽくなかった。
…シャレードから出ている高遠さんのシリーズものも似たような状態なのに、どこが違うのか、ちょっと考えてみた。あちらは全体にセンシティブだから、恋愛ものっぽい雰囲気があるんだと思う。たぶん。
Over The Rain
2011年12月29日 BL作家た・な・は行
橘紅緒 大洋図書 2011/12
なんとなく読んでみた。
ネタバレ
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うーん…、とにかく読みづらい。別に文章がまずいわけではないのだが、ぼんやりした、変った感性の男の子の一人称で共感できない上に、話の都合上、伏線ばかり。そして、やはり設定の都合で冒頭や回想が長すぎて、途中で息切れした。
事情はだいたい予想がついたし、さあ解答編を読ませて!と思ってからが、とにかく長かった。
謎を残したまま終盤まで引っ張られ…、後半は飛ばして読んでしまった。そのせいで見落としたのか、「それで結局、結はなんで雨の日に休むの?」とか、細かい謎が結構残ったような。
もしかして、どこかに説明あったのかな?
解かれた謎もちょーっと不満。母親の再婚相手の息子が、亡くなった父親と同じレーサー志望なのは、もしかしてレース繋がりの再婚なのかな?とか納得できるけど、2人が偶然同じ赤い髪(地毛)とか、強引すぎて。子供が両親を名前で呼び捨てって珍しい習慣にも違和感しかないし…。攻の母親だか親戚だか分からないモデルと仕事(駆け出しの翻訳家)で出会うっていうのも、凄すぎる偶然だし。世の中、狭すぎるだろう。
…前半のぼんやり重たい書き方と、恋愛部分の子供っぽさがアンバランスという気もした。病気だからかもしれないけど、受の恋愛感情の流れがどうもつかみづらいし。
過去>恋愛という比重なのも、ちょっと物足りない。
…まあ、色々書いたけど、話もキャラも好みじゃなかったから気になった部分だと思う。こういう作風が好きな人なら、感動的な話なんじゃないかと。
なんとなく読んでみた。
ネタバレ
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うーん…、とにかく読みづらい。別に文章がまずいわけではないのだが、ぼんやりした、変った感性の男の子の一人称で共感できない上に、話の都合上、伏線ばかり。そして、やはり設定の都合で冒頭や回想が長すぎて、途中で息切れした。
事情はだいたい予想がついたし、さあ解答編を読ませて!と思ってからが、とにかく長かった。
謎を残したまま終盤まで引っ張られ…、後半は飛ばして読んでしまった。そのせいで見落としたのか、「それで結局、結はなんで雨の日に休むの?」とか、細かい謎が結構残ったような。
もしかして、どこかに説明あったのかな?
解かれた謎もちょーっと不満。母親の再婚相手の息子が、亡くなった父親と同じレーサー志望なのは、もしかしてレース繋がりの再婚なのかな?とか納得できるけど、2人が偶然同じ赤い髪(地毛)とか、強引すぎて。子供が両親を名前で呼び捨てって珍しい習慣にも違和感しかないし…。攻の母親だか親戚だか分からないモデルと仕事(駆け出しの翻訳家)で出会うっていうのも、凄すぎる偶然だし。世の中、狭すぎるだろう。
…前半のぼんやり重たい書き方と、恋愛部分の子供っぽさがアンバランスという気もした。病気だからかもしれないけど、受の恋愛感情の流れがどうもつかみづらいし。
過去>恋愛という比重なのも、ちょっと物足りない。
…まあ、色々書いたけど、話もキャラも好みじゃなかったから気になった部分だと思う。こういう作風が好きな人なら、感動的な話なんじゃないかと。