もう一度キスから
2011年10月29日 BL作家た・な・は行
火崎勇 ムービック 2011/10
ルナノベルズって初めて買ったかも。
とくに本が薄いとか文字が大きいってわけでもなさそうだけど、1時間半で読み終わってしまってまいった。
サクサク読めるのはありがたいけど、行きの電車で読み終わると、帰りに読むものが~!というわけで、仕方なく本屋に寄ってから帰った。
表紙見て、リーマンで年の差もなさそうで、設定も普通そうだったから買ってみた。
表紙を見ても気付かなかったんだけど、このイラスト描いてる漫画家さん、趣味の問題でちょっと避けたい人だった…。ああ…、ほんと表紙買いの失敗率高い。
ネタバレ
-----------------------------------------
まとまりがあって読みやすい話だった。
設定も適度に地味で好みだし。たぶんちょっと薄味。
文章はところどころ読みづらい。意味が分かりづらいときもあるし、主語が分かりづらいときもある。あと、一人称の地の文でたまに「お前」って呼びかけるんだけど、とくに強調する必要がない場所で急に二人称使われると違和感あるなー。
過去シーンはともかく、現在進行形のシーンで回想してるっぽい文章が入るのも、どんな効果を狙ってるのかよく分からなかった。日本語の文章で時制が気になるのは珍しい…。
攻がわりと早い段階で自分の過ちに気付くので、「攻が思い知らされる」っていう部分の楽しみ?は弱かった。
やっぱり浮気攻とか傲慢攻はガツンと思い知らされてほしい(笑)
最後にプライド捨てて本当のこと話すところがよかった。
けど、この受もなんだかなあ。
別れる前の最後の電話、それどころじゃなかったのかもしれないけど、「でも」の一言で状況を察しろっていうのは酷じゃないかな~。冷たくされた時点で黙って電話を叩き切ってれば、まだ共感できたかも。
両親が死んだなんて大事なことも言わないで、いままで一度も文句言わないで、ある日いきなり消えるってどうなのか…。最後通牒もなしって、きついわー。
悪いのはもちろん攻だけど、受が浮気とか黙認して逃げてきた結果として、そんな関係になってたって面も大きいわけで…。
まあ浮気するほうが100%悪いけど。
ラストで同じ失敗はしないと言って、毅然とした態度をとってた受は成長したなあ。これなら長続きするかも。
ルナノベルズって初めて買ったかも。
とくに本が薄いとか文字が大きいってわけでもなさそうだけど、1時間半で読み終わってしまってまいった。
サクサク読めるのはありがたいけど、行きの電車で読み終わると、帰りに読むものが~!というわけで、仕方なく本屋に寄ってから帰った。
表紙見て、リーマンで年の差もなさそうで、設定も普通そうだったから買ってみた。
表紙を見ても気付かなかったんだけど、このイラスト描いてる漫画家さん、趣味の問題でちょっと避けたい人だった…。ああ…、ほんと表紙買いの失敗率高い。
ネタバレ
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まとまりがあって読みやすい話だった。
設定も適度に地味で好みだし。たぶんちょっと薄味。
文章はところどころ読みづらい。意味が分かりづらいときもあるし、主語が分かりづらいときもある。あと、一人称の地の文でたまに「お前」って呼びかけるんだけど、とくに強調する必要がない場所で急に二人称使われると違和感あるなー。
過去シーンはともかく、現在進行形のシーンで回想してるっぽい文章が入るのも、どんな効果を狙ってるのかよく分からなかった。日本語の文章で時制が気になるのは珍しい…。
攻がわりと早い段階で自分の過ちに気付くので、「攻が思い知らされる」っていう部分の楽しみ?は弱かった。
やっぱり浮気攻とか傲慢攻はガツンと思い知らされてほしい(笑)
最後にプライド捨てて本当のこと話すところがよかった。
けど、この受もなんだかなあ。
別れる前の最後の電話、それどころじゃなかったのかもしれないけど、「でも」の一言で状況を察しろっていうのは酷じゃないかな~。冷たくされた時点で黙って電話を叩き切ってれば、まだ共感できたかも。
両親が死んだなんて大事なことも言わないで、いままで一度も文句言わないで、ある日いきなり消えるってどうなのか…。最後通牒もなしって、きついわー。
悪いのはもちろん攻だけど、受が浮気とか黙認して逃げてきた結果として、そんな関係になってたって面も大きいわけで…。
まあ浮気するほうが100%悪いけど。
ラストで同じ失敗はしないと言って、毅然とした態度をとってた受は成長したなあ。これなら長続きするかも。
不器用、なんです
2011年10月8日 BL作家た・な・は行
中原一也 二見書房 2011/07
刑事もの。
堅物オヤジ×狂犬な20代
ネタバレ
-----------------------------------------
面白かった~。
中原さんらしくオヤジ攻だけど、このオヤジが堅物で温和なところが、ちょっと珍しいような。受も最後まで「自分の中に女見つける」とか言わないので(苦手、なんです)、まあ読みやすかった。個人的にはエッチ控えめなのも読みやすくてよかった…。
ストーリーは1つの事件に的を絞り、横に逸れることなく、きっちり進んでいくし、「黒幕が分かっているのに証拠がない」というのも盛り上がってよかった。
暗い気持ちになるような事件ではあるんだけど、きちんと解決してるので、話の後味は悪くならない。犯人がどうやって暴行を教唆したのか解き明かされなかったのが、ちょっと残念なところだけど、それとは別に自分で監禁と傷害起こして現行犯逮捕されてるから、逃げ切られてしまうという可能性がなくてスッキリしてる。
刑事ものとして読んでも楽しいけど、不器用な百済と麻生の、仲良しな恋愛もよかったなあと。
百済は美形だけど中身に可愛げがない。強暴だからではなく、かなり攻に甘えてるんだけど、自立しすぎているというか、感じ。中性的な受が好きな読者には好かれなそう。
私としては男前で好きだけど、こういうのは好み分かれるよね~と思ったもので。
どうでもいいが「百済」という名字、私は「くだら」としか読めず…、「ももずみ」という読みに慣れるまで時間がかかった。
刑事もの。
堅物オヤジ×狂犬な20代
ネタバレ
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面白かった~。
中原さんらしくオヤジ攻だけど、このオヤジが堅物で温和なところが、ちょっと珍しいような。受も最後まで「自分の中に女見つける」とか言わないので(苦手、なんです)、まあ読みやすかった。個人的にはエッチ控えめなのも読みやすくてよかった…。
ストーリーは1つの事件に的を絞り、横に逸れることなく、きっちり進んでいくし、「黒幕が分かっているのに証拠がない」というのも盛り上がってよかった。
暗い気持ちになるような事件ではあるんだけど、きちんと解決してるので、話の後味は悪くならない。犯人がどうやって暴行を教唆したのか解き明かされなかったのが、ちょっと残念なところだけど、それとは別に自分で監禁と傷害起こして現行犯逮捕されてるから、逃げ切られてしまうという可能性がなくてスッキリしてる。
刑事ものとして読んでも楽しいけど、不器用な百済と麻生の、仲良しな恋愛もよかったなあと。
百済は美形だけど中身に可愛げがない。強暴だからではなく、かなり攻に甘えてるんだけど、自立しすぎているというか、感じ。中性的な受が好きな読者には好かれなそう。
私としては男前で好きだけど、こういうのは好み分かれるよね~と思ったもので。
どうでもいいが「百済」という名字、私は「くだら」としか読めず…、「ももずみ」という読みに慣れるまで時間がかかった。
世界のすべてが敵だとしても
2011年9月11日 BL作家た・な・は行
ふゆの仁子 フロンティアワークス 2011/4
このタイトルが素敵だと思えれば、きっとこの作品は面白いはず。
…すみませんが、突っ込み入れるだけの感想なんで、お好きな方はスルーしてください。
ネタバレ
いやもう、設定自体がすでに…でも名称がまたすごい。
まず、主人公はあらすじに書いてある囮役を引き受けるために警察を辞めたのだが、警察にいるときの通称は「ナイフ」。(ちなみに、結城の屋敷の前で犯人に襲われたとき以外、ナイフは使用していない)
「結城の私設警護部」というのは、「ガーディアン」と呼ばれている。その呼称は名乗るとき相当恥ずかしいと思うのだが、ナチのSSの制服に似たデザインの制服を採用しているらしい。当主の趣味なのか…?
名前も見た目もすごい私設警護部だが、設定はもう手がつけられないことになっている…。
「国内で唯一、私的機関でありながら、非公式にではあるが、拳銃の携帯を許されている」って設定ですよ。非公式に許されるっていうのは「金を積んで黙認させている」という意味ではない。なんと警察のオリエンテーションで説明するそうだ。
百歩譲って、「先輩から噂を聞いた」程度なら、なんとか説明がついたんだろうが。もうここで破綻してます…。
…警護部の説明部分だけで、これだけツッコミどころがあるというのもすごい。
囮役を引き受けた主人公は接触してくる人間の情報を伝えるのが役目なのだが、警護部の人が「疲れていそうだから」という理由で報告を怠る。…いや、その人たちが疲れてるのは犯人捜ししてるせいだから、情報は渡してあげて?と言いたくなる。
そして、「当主の孫」として主人公がお披露目されるパーティーで、主人公は拉致されてしまう。狙われていると分かっている囮役から目を離すなんて、ガーディアンって組織はダメすぎないか?? …まあ囮の安全など一切考慮するに値せず、という非情な組織なのかもしれないが(笑)
そして、誰が犯人か分からないと言われているのに、「反対勢力に会わせてあげる」と言われて疑いもせず、誰にも告げずに1人でついていって捕まってしまう主人公。…元警察。
攻を活躍させるために、受が捕まってしまうという展開が必要なのは分かるが、もう少し捕まってもしょうがない状況で捕まってほしい。これじゃピーチ姫(敵に捕まるのがお仕事)だ。
ここまででもかなり息切れしていたのだが、とどめ。
そもそも主人公が結城の屋敷に行って、犯人に孫と間違えられて襲われたのは、当主から「会いに来てくれ」という手紙をもらったせい。
で、当主が主人公にその手紙を出したのは、主人公に一目惚れしていたという孫(攻)の恋をかなえるためだったと判明。でも、一目惚れしたのは1年前のこと。
なぜ、屋敷から出るのも大変なほど緊迫した時期に、相手を手紙で呼びつける必要が??
一つの話にこれだけ無理と突っ込みどころが詰まっているというのも、ある意味すごいです。
このタイトルが素敵だと思えれば、きっとこの作品は面白いはず。
…すみませんが、突っ込み入れるだけの感想なんで、お好きな方はスルーしてください。
ネタバレ
お前のことは、おれが護る
オレ、門真千裕は巨大企業・結城コンツェルン当主の孫の身代わりになることに。そして、彼の命を狙っている姿の見えない犯人を炙り出すため、囮役も引き受けた。しかし! 結城の私設警護である阿部崇生は、初対面でオレにキスなんかしやがったとんでもないヤツで──!! 何もかもオレより優秀な崇生は、たとえどんなことがあってもオレを護ると豪語するけど──だからって、なんで色仕掛けの練習が必要なんだ? って、しかも男相手に!? ……冗談じゃねぇっっ!!
いやもう、設定自体がすでに…でも名称がまたすごい。
まず、主人公はあらすじに書いてある囮役を引き受けるために警察を辞めたのだが、警察にいるときの通称は「ナイフ」。(ちなみに、結城の屋敷の前で犯人に襲われたとき以外、ナイフは使用していない)
「結城の私設警護部」というのは、「ガーディアン」と呼ばれている。その呼称は名乗るとき相当恥ずかしいと思うのだが、ナチのSSの制服に似たデザインの制服を採用しているらしい。当主の趣味なのか…?
名前も見た目もすごい私設警護部だが、設定はもう手がつけられないことになっている…。
「国内で唯一、私的機関でありながら、非公式にではあるが、拳銃の携帯を許されている」って設定ですよ。非公式に許されるっていうのは「金を積んで黙認させている」という意味ではない。なんと警察のオリエンテーションで説明するそうだ。
百歩譲って、「先輩から噂を聞いた」程度なら、なんとか説明がついたんだろうが。もうここで破綻してます…。
…警護部の説明部分だけで、これだけツッコミどころがあるというのもすごい。
囮役を引き受けた主人公は接触してくる人間の情報を伝えるのが役目なのだが、警護部の人が「疲れていそうだから」という理由で報告を怠る。…いや、その人たちが疲れてるのは犯人捜ししてるせいだから、情報は渡してあげて?と言いたくなる。
そして、「当主の孫」として主人公がお披露目されるパーティーで、主人公は拉致されてしまう。狙われていると分かっている囮役から目を離すなんて、ガーディアンって組織はダメすぎないか?? …まあ囮の安全など一切考慮するに値せず、という非情な組織なのかもしれないが(笑)
そして、誰が犯人か分からないと言われているのに、「反対勢力に会わせてあげる」と言われて疑いもせず、誰にも告げずに1人でついていって捕まってしまう主人公。…元警察。
攻を活躍させるために、受が捕まってしまうという展開が必要なのは分かるが、もう少し捕まってもしょうがない状況で捕まってほしい。これじゃピーチ姫(敵に捕まるのがお仕事)だ。
ここまででもかなり息切れしていたのだが、とどめ。
そもそも主人公が結城の屋敷に行って、犯人に孫と間違えられて襲われたのは、当主から「会いに来てくれ」という手紙をもらったせい。
で、当主が主人公にその手紙を出したのは、主人公に一目惚れしていたという孫(攻)の恋をかなえるためだったと判明。でも、一目惚れしたのは1年前のこと。
なぜ、屋敷から出るのも大変なほど緊迫した時期に、相手を手紙で呼びつける必要が??
一つの話にこれだけ無理と突っ込みどころが詰まっているというのも、ある意味すごいです。
恋愛戦略の定義
2011年8月26日 BL作家た・な・は行
ふゆの仁子 徳間書店 2001/02
雪舟さんのイラストがきれいなので(表紙買い)、画像がなくて残念。
ネタバレ
----------------------------------------
好みの方向性だったんで、色々好みに合わないことが出てくるたびにガッカリしてしまった。
一言でいえば、スカッとしない。
出会いは企業の経営セミナーで、経営談義をするのを口実にしてホテルまで行くんで、難しい(?)話が色々出てくる。まあ…「経営を論じられる男」はカッコいいんだけど、もう少し短くできなかったのかなと思ってしまう。なんだか参考書を丸写ししたレポートみたいになってしまっているような。
とはいえ、お仕事ものとして楽しませてもらえそうだな~と期待して読んだ。が、お仕事ものとしては、ものすごく残念な展開。
受の部署が2年ぐらいかけて練っていた契約交渉の戦略が、ようやく実を結ぶという段階で取引先の役員としてスーパー攻様登場! 実は上層部ではシナリオが決まっていたといい、受の部署が用意していたのとは別の方法で解決してしまう。
「右往左往してるところに、上から解決」は白けるよなあ…。別に努力が無駄だったわけではないけど、受はよく虚しくならないなあ、と。
受は経営者としての攻様の辣腕に頭を垂れていわく、「いつか彼(攻)の影を踏んでやる」。…おーい? 君もビジネス・エリートじゃなかったのか? なんか情けなさ過ぎて、がっかりだ。
攻は受のことを以前から知っていたのだが、自分の立場(ライバル会社の役員)を黙ったまま近づいてきて、名前以外は隠し続け、黙っていなくなるという離れ業をやってのける。えー? 攻の都合だけで一方的にロミジュリされても、自分勝手さしか感じないんですが…。
契約締結まで(数週間の違いだし)待ってから近づけなかったのか?とか、ライバル社の人間だと黙っているのは、あまりにもアンフェアじゃないのか?とか、人間性に関わる部分で疑問が多かった……。
受は攻と知り合いだというだけで、同僚から「自社の情報をリークした内通者」って疑いをかけられて、かなり実害を被っているわけで。それを知って攻は契約の時期を早めたらしいが、だから何?って思っちゃった。
受は「信じてやれなくて、傷つけた」とか反省していたが、そもそも攻が騙し討ちしたわけで、「傷つけた」とか意味分からんし。それをいうなら、相手を信じてなかったのは攻のほう。受を信じていれば、ライバル社の人間だと打ち明けた上で、「仕事の話は一切できない」と言えたはず。
そして、受を昔振った元上司が、実は攻と親しくて、「彼は君のことを大切に思ってる」とかなんとか、わざわざ言いにくるのもどうかと。自分を振った元カレに他の男を薦められるのなんて、イヤだけどなあ。
…このエピソードといい、攻の「ロミジュリ」といい、よく受は許せるなあと、全般についていけないものがあった。
丁寧に書かれているし、恋も仕事もきちんとメリハリと盛り上がりがあり、ハッピーエンド。
こういう作品はできれば誉めたいんだけど、価値観が違ったようでモヤモヤばかりが残った。
雪舟さんのイラストがきれいなので(表紙買い)、画像がなくて残念。
ネタバレ
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好みの方向性だったんで、色々好みに合わないことが出てくるたびにガッカリしてしまった。
一言でいえば、スカッとしない。
出会いは企業の経営セミナーで、経営談義をするのを口実にしてホテルまで行くんで、難しい(?)話が色々出てくる。まあ…「経営を論じられる男」はカッコいいんだけど、もう少し短くできなかったのかなと思ってしまう。なんだか参考書を丸写ししたレポートみたいになってしまっているような。
とはいえ、お仕事ものとして楽しませてもらえそうだな~と期待して読んだ。が、お仕事ものとしては、ものすごく残念な展開。
受の部署が2年ぐらいかけて練っていた契約交渉の戦略が、ようやく実を結ぶという段階で取引先の役員としてスーパー攻様登場! 実は上層部ではシナリオが決まっていたといい、受の部署が用意していたのとは別の方法で解決してしまう。
「右往左往してるところに、上から解決」は白けるよなあ…。別に努力が無駄だったわけではないけど、受はよく虚しくならないなあ、と。
受は経営者としての攻様の辣腕に頭を垂れていわく、「いつか彼(攻)の影を踏んでやる」。…おーい? 君もビジネス・エリートじゃなかったのか? なんか情けなさ過ぎて、がっかりだ。
攻は受のことを以前から知っていたのだが、自分の立場(ライバル会社の役員)を黙ったまま近づいてきて、名前以外は隠し続け、黙っていなくなるという離れ業をやってのける。えー? 攻の都合だけで一方的にロミジュリされても、自分勝手さしか感じないんですが…。
契約締結まで(数週間の違いだし)待ってから近づけなかったのか?とか、ライバル社の人間だと黙っているのは、あまりにもアンフェアじゃないのか?とか、人間性に関わる部分で疑問が多かった……。
受は攻と知り合いだというだけで、同僚から「自社の情報をリークした内通者」って疑いをかけられて、かなり実害を被っているわけで。それを知って攻は契約の時期を早めたらしいが、だから何?って思っちゃった。
受は「信じてやれなくて、傷つけた」とか反省していたが、そもそも攻が騙し討ちしたわけで、「傷つけた」とか意味分からんし。それをいうなら、相手を信じてなかったのは攻のほう。受を信じていれば、ライバル社の人間だと打ち明けた上で、「仕事の話は一切できない」と言えたはず。
そして、受を昔振った元上司が、実は攻と親しくて、「彼は君のことを大切に思ってる」とかなんとか、わざわざ言いにくるのもどうかと。自分を振った元カレに他の男を薦められるのなんて、イヤだけどなあ。
…このエピソードといい、攻の「ロミジュリ」といい、よく受は許せるなあと、全般についていけないものがあった。
丁寧に書かれているし、恋も仕事もきちんとメリハリと盛り上がりがあり、ハッピーエンド。
こういう作品はできれば誉めたいんだけど、価値観が違ったようでモヤモヤばかりが残った。
もし恋でなかったとしても
2011年7月6日 BL作家た・な・は行
ふゆの仁子 フロンティアワークス 2007/07
スピンオフらしい。
本編のほうは11歳年の差の高校生受なので、さっぱり興味はないが…。
ネタバレ
------------------------------------------------
最後までスピンオフでしかなかった、というのが感想かなあ。
主人公の水城が、なんで(いつの間に)攻を好きになったのかよく分からなかったから感情移入できなかったし、本編カップルが出張りすぎていて、なんだかなあと。水城が好きだった攻のほうはともかく、高校生受のほうが純真、素直というより、ただの無神経な子供としか思えなかったから、余計に出番が多く感じたのかも。
長年、片思いをしていた男を取られた挙句、かなり強引に呼びつけられて、仲の良さを見せつけられるって、相当酷いと思うんだけど。本編カップルは、他人の気持ちを想像することができないのだろうか…。
そして攻の行動も謎めいているというよりは、何がしたいの?という感じで、なんら魅力を感じず。
で、ようやくなんとなく攻のキャラがつかめたような?というあたりで、ヘタレてうっとうしい本性(?)が見えてしまい、この男でいいんですか??と思いつつ読了。
本編でかわいそうだったキャラがスピンオフで幸せになりました。以上。
なんだか消化試合みたいだった。
スピンオフらしい。
本編のほうは11歳年の差の高校生受なので、さっぱり興味はないが…。
ネタバレ
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最後までスピンオフでしかなかった、というのが感想かなあ。
主人公の水城が、なんで(いつの間に)攻を好きになったのかよく分からなかったから感情移入できなかったし、本編カップルが出張りすぎていて、なんだかなあと。水城が好きだった攻のほうはともかく、高校生受のほうが純真、素直というより、ただの無神経な子供としか思えなかったから、余計に出番が多く感じたのかも。
長年、片思いをしていた男を取られた挙句、かなり強引に呼びつけられて、仲の良さを見せつけられるって、相当酷いと思うんだけど。本編カップルは、他人の気持ちを想像することができないのだろうか…。
そして攻の行動も謎めいているというよりは、何がしたいの?という感じで、なんら魅力を感じず。
で、ようやくなんとなく攻のキャラがつかめたような?というあたりで、ヘタレてうっとうしい本性(?)が見えてしまい、この男でいいんですか??と思いつつ読了。
本編でかわいそうだったキャラがスピンオフで幸せになりました。以上。
なんだか消化試合みたいだった。
遠くにいる人
2011年6月16日 BL作家た・な・は行 コメント (2)
ひのもとうみ 心交社 2011/04
新人さんらしい。まあ新規開拓の意味もあり、表紙買いした。
ショコラって文庫あったんだ~と思ってる時点で、不勉強だなあと…。でもそれって喜ばしいことかもしれない(?)
ネタバレ
---------------------------------------
読みやすいといえば読みやすく、面白いといえば面白いんじゃないかと。
とくに上手いとも思わなかったが、読みづらいところはなかった。
たぶん、こういうキャラ(主人公)が好きなら楽しめるし、感動もできる。
まあ一言でいえば、治樹(主人公)の性格が好きになれなかった。
別に後ろ向きだろうと卑屈だろうといいんだけど、わりと早い段階で「は?」って思っちゃったら、もうあとは駄目だった。
まず小田島に「全然趣味じゃない」って言われて「自分は顔が悪いから」って傷ついてたのがちょっと。
小田島の顔と上辺の優しさだけ見て、簡単に好きになってた経緯があるから、自分だって顔で相手を選んでるんだから、顔で振られたってしょうがないよね~としか。一目惚れみたいなものなんだろうけど、どうもこう…相手の中身なんて何も見てない恋愛って感じがして、ついていけなかった。「優しそう」以外に、小田島の内面を知って好きなるっていうエピソードがないんで、結局、顔がよければ何でもいいのか、みたいな気分に…。
しかも幼馴染の同僚がやめとけって何度も言ってるのに、聞く耳持たずにこの結果だし、かわいそうだと思えなかった。
ここで、かわいそうと思えれば、わりと入り込める話だと思う。私は入口で考え込んじゃったんで、あまり入り込めず…、粗が気になった。
まず、すご~く親身になって心配してくれている幼馴染に対して、嫉妬ばかりで、すぐに避けたりするあたり、なんかもう。彼氏ができた途端に友達との付き合いはどーでもいいわ~っていうのは…わりと同性に嫌われるタイプの特徴では?
けど、三津(幼馴染)が治樹に対して「小田島に口説かれて迷惑してる」とか、何で最初に言わなかったのか、よく分からなかった。なんか黙ってる意味があるのかなあ??
治樹の卑屈っぷりは、ちょっと行き過ぎじゃないかと。休日に相手からドライブに誘われて「俺のためにせっかくの休日が潰れて申し訳ない」っていうのは意味不明…。小田島が三津に気があるのを知っててイジイジしちゃうのは、気持ち分かるな~って思うんだけど、頻繁に出てくる曲解は納得できるレベルじゃなく、勝手にいじけてろ!とイラッときた。悪い子じゃないんだけど、好きにはなれないタイプ。この子のどこらへんに魅力があるんだろうと考えてしまった…。
ストーリーはウジウジと同じことの繰り返しが続いて、途中でちょっと飽きた。でも、小田島も決して性格がよろしいとは言えないんだけど、適度にヘタレで魅力的だったし、後半治樹に振り回されてるあたりが面白かった。
顔は地味だろうがなんだろうが構わないけど(むしろ美形じゃないほうが歓迎)、性格的に三津のほうが断然私の好みだった。三津が受のほうがよかったなあ。
新人さんらしい。まあ新規開拓の意味もあり、表紙買いした。
ショコラって文庫あったんだ~と思ってる時点で、不勉強だなあと…。でもそれって喜ばしいことかもしれない(?)
ネタバレ
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読みやすいといえば読みやすく、面白いといえば面白いんじゃないかと。
とくに上手いとも思わなかったが、読みづらいところはなかった。
たぶん、こういうキャラ(主人公)が好きなら楽しめるし、感動もできる。
まあ一言でいえば、治樹(主人公)の性格が好きになれなかった。
別に後ろ向きだろうと卑屈だろうといいんだけど、わりと早い段階で「は?」って思っちゃったら、もうあとは駄目だった。
まず小田島に「全然趣味じゃない」って言われて「自分は顔が悪いから」って傷ついてたのがちょっと。
小田島の顔と上辺の優しさだけ見て、簡単に好きになってた経緯があるから、自分だって顔で相手を選んでるんだから、顔で振られたってしょうがないよね~としか。一目惚れみたいなものなんだろうけど、どうもこう…相手の中身なんて何も見てない恋愛って感じがして、ついていけなかった。「優しそう」以外に、小田島の内面を知って好きなるっていうエピソードがないんで、結局、顔がよければ何でもいいのか、みたいな気分に…。
しかも幼馴染の同僚がやめとけって何度も言ってるのに、聞く耳持たずにこの結果だし、かわいそうだと思えなかった。
ここで、かわいそうと思えれば、わりと入り込める話だと思う。私は入口で考え込んじゃったんで、あまり入り込めず…、粗が気になった。
まず、すご~く親身になって心配してくれている幼馴染に対して、嫉妬ばかりで、すぐに避けたりするあたり、なんかもう。彼氏ができた途端に友達との付き合いはどーでもいいわ~っていうのは…わりと同性に嫌われるタイプの特徴では?
けど、三津(幼馴染)が治樹に対して「小田島に口説かれて迷惑してる」とか、何で最初に言わなかったのか、よく分からなかった。なんか黙ってる意味があるのかなあ??
治樹の卑屈っぷりは、ちょっと行き過ぎじゃないかと。休日に相手からドライブに誘われて「俺のためにせっかくの休日が潰れて申し訳ない」っていうのは意味不明…。小田島が三津に気があるのを知っててイジイジしちゃうのは、気持ち分かるな~って思うんだけど、頻繁に出てくる曲解は納得できるレベルじゃなく、勝手にいじけてろ!とイラッときた。悪い子じゃないんだけど、好きにはなれないタイプ。この子のどこらへんに魅力があるんだろうと考えてしまった…。
ストーリーはウジウジと同じことの繰り返しが続いて、途中でちょっと飽きた。でも、小田島も決して性格がよろしいとは言えないんだけど、適度にヘタレで魅力的だったし、後半治樹に振り回されてるあたりが面白かった。
顔は地味だろうがなんだろうが構わないけど(むしろ美形じゃないほうが歓迎)、性格的に三津のほうが断然私の好みだった。三津が受のほうがよかったなあ。
恋の花
2011年6月15日 BL作家た・な・は行
妃川螢 二見書房 2005/01
初めて読む作家さん。
機会がなかったし、お名前からしてちょっと…趣味に合わないだろうなあと。
ワイルドな凄腕カフェ店長×意地っ張り美人社長。
あらすじにそう書いてあった。表紙といい、あらすじといい、私の趣味から結構外れてるなあと思いつつ、お借りしたので読んでみた。
ネタバレ
-------------------------------------------
面白かった。
設定は色々趣味に合わないのだが、それを中和してくれる要素も多くて、意外に読みやすかった。
まず美人社長→この単語だけでアウト。でも、その社長がヘッドハンティングに失敗し?、意地になって「愛人契約」を持ち出すところが面白い。攻が面白がって、OKするあたりも。「愛人契約」が全然重くないから、のんびり読める。
…借金のカタに受が~っていう、「ぼく、健気なんです」っていう方向性に持っていく「愛人契約」はどうもね~と思っちゃうけど、双方とも意地を張っているだけなら、いっか~と。倫理的にもね。
ワイルドな凄腕カフェ店長→あ、ゴーマン系ですか? それは無理かもって思ったんだけど、わりと尽くすタイプ、わりとヘタレ。あらすじに「愛人のはずなのに朝比奈はまったく「夜のおつとめ」をさせてくれず…。」ってあるんだけど、まあ本当にそんな感じで。
BL的には王道なキャラ設定に、適当に「抜け」が入っているのが読みやすい。「完璧な攻様にも、実はこんな欠点が!」って書き方じゃなく、別に最初から完璧などではありませんって感じ。
重くなる要素も引っかかる要素もなく、…まあ軽く話は進んでいくんだけど、ちょっと乙女系な?二人の出会いのエピソードが印象的だった。なんだか好きになってしまったのも分かる気がするし、店員と客でしかなかった、本当に何の繋がりもなかった二人が結ばれたのも素敵だと思う。
BLFTでいいんです。やっぱラブストーリーだから、こういう要素も必要だと思う。
取り立てて趣味には合わないけど、思っていたよりずっと読みやすくて面白かった。
初めて読む作家さん。
機会がなかったし、お名前からしてちょっと…趣味に合わないだろうなあと。
ワイルドな凄腕カフェ店長×意地っ張り美人社長。
あらすじにそう書いてあった。表紙といい、あらすじといい、私の趣味から結構外れてるなあと思いつつ、お借りしたので読んでみた。
ネタバレ
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面白かった。
設定は色々趣味に合わないのだが、それを中和してくれる要素も多くて、意外に読みやすかった。
まず美人社長→この単語だけでアウト。でも、その社長がヘッドハンティングに失敗し?、意地になって「愛人契約」を持ち出すところが面白い。攻が面白がって、OKするあたりも。「愛人契約」が全然重くないから、のんびり読める。
…借金のカタに受が~っていう、「ぼく、健気なんです」っていう方向性に持っていく「愛人契約」はどうもね~と思っちゃうけど、双方とも意地を張っているだけなら、いっか~と。倫理的にもね。
ワイルドな凄腕カフェ店長→あ、ゴーマン系ですか? それは無理かもって思ったんだけど、わりと尽くすタイプ、わりとヘタレ。あらすじに「愛人のはずなのに朝比奈はまったく「夜のおつとめ」をさせてくれず…。」ってあるんだけど、まあ本当にそんな感じで。
BL的には王道なキャラ設定に、適当に「抜け」が入っているのが読みやすい。「完璧な攻様にも、実はこんな欠点が!」って書き方じゃなく、別に最初から完璧などではありませんって感じ。
重くなる要素も引っかかる要素もなく、…まあ軽く話は進んでいくんだけど、ちょっと乙女系な?二人の出会いのエピソードが印象的だった。なんだか好きになってしまったのも分かる気がするし、店員と客でしかなかった、本当に何の繋がりもなかった二人が結ばれたのも素敵だと思う。
BLFTでいいんです。やっぱラブストーリーだから、こういう要素も必要だと思う。
取り立てて趣味には合わないけど、思っていたよりずっと読みやすくて面白かった。
CHERRY
2011年5月22日 BL作家た・な・は行
月村奎 新書館 2010/07
なんだか可愛らしいが、すごいタイトル(笑)
雑誌掲載時にも思ったけど、木下さんのイラスト、この作品に合ってていいな~。
ちょうどコメディーが読みたい気分だったから、手頃でよかった。
余裕があって、からかってくる大人の攻と、ジタバタしてるツンデレ受の年の差カップルで、月村さんらしいキャラ設定だなあと。
年の差はちょっと…って思ってるけど、受が大学生なら別に抵抗がないみたい。高校生だと気になっちゃうんだけど。
この話、最初に読んだときは、視点キャラにものすごく感情移入してしまうんで、受のマヌケさ加減が恥ずかしくてしょうがなかった。けど、今度は再読だから主人公としっかり距離が取れたようで、マヌケでかわいいな~と思えた。
ツンデレ受、よかった。時々、ぽろっと本音を出してしまうところが、妙に可愛い。面白かった。
なんだか可愛らしいが、すごいタイトル(笑)
雑誌掲載時にも思ったけど、木下さんのイラスト、この作品に合ってていいな~。
ちょうどコメディーが読みたい気分だったから、手頃でよかった。
余裕があって、からかってくる大人の攻と、ジタバタしてるツンデレ受の年の差カップルで、月村さんらしいキャラ設定だなあと。
年の差はちょっと…って思ってるけど、受が大学生なら別に抵抗がないみたい。高校生だと気になっちゃうんだけど。
この話、最初に読んだときは、視点キャラにものすごく感情移入してしまうんで、受のマヌケさ加減が恥ずかしくてしょうがなかった。けど、今度は再読だから主人公としっかり距離が取れたようで、マヌケでかわいいな~と思えた。
ツンデレ受、よかった。時々、ぽろっと本音を出してしまうところが、妙に可愛い。面白かった。
食うか食われるか
2010年11月27日 BL作家た・な・は行
ふゆの仁子 フロンティアワークス 2009/08
仕事が終わって、寛ぎタイムに入ったのは10時過ぎ。晩酌できないと嘆いていたら、飲めば…?と言われて、それもそうかもと(時間がないから)10分ぐらいで飲んだら回った…。
あ、本の感想を書こうとしてたんだっけ。
確か初読の作家さん。
…読んだことないと思うけど、よく見かけるお名前だから自信なし。
ネタバレ
---------------------------------------------
フレンチシェフ×レストラン専門の経営コンサルタント。
うえださんの『告白はフルコースのあとで』と最初似てると思ったんだけど、あっちはシェフじゃなくてオーナーだったかな。
面白かったー。
前向きだけど、「元気の押し売り」じゃない主人公は感情移入しやすかったし、レストランの雰囲気もよくて、お仕事ものとしても面白かった。
シェフのほうもカッコイイんだけど(円陣さんのイラストだしv)、ちょーっと女々しいというか。主人公は3回ぐらい?、この攻のご機嫌を損ねているのだが、3回とも非がないという…。つまり、八つ当たり。いくら「強そうに見えて脆いところも持っている」のが魅力の1つといっても、ちょっとひどいんじゃない?と思ってしまった。その態度で愛想を尽かされないんだから、いい男は得ですね。
弱いところ見せられると母性本能が擽られていいのかも?(男だけどー)
まあ親しみがわくっていうかね。わりと好きなタイプかも。
酔っ払ってるから自分が何を書いてるか、イマイチ分かってないような。
ギャルソンのカップルのほうもわりと好きだけど、5人しかいない店で男同士のカップルが2組って濃いなあと…。
面白かったから、他の作品も読んでみようかなあと。
仕事が終わって、寛ぎタイムに入ったのは10時過ぎ。晩酌できないと嘆いていたら、飲めば…?と言われて、それもそうかもと(時間がないから)10分ぐらいで飲んだら回った…。
あ、本の感想を書こうとしてたんだっけ。
確か初読の作家さん。
…読んだことないと思うけど、よく見かけるお名前だから自信なし。
ネタバレ
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フレンチシェフ×レストラン専門の経営コンサルタント。
うえださんの『告白はフルコースのあとで』と最初似てると思ったんだけど、あっちはシェフじゃなくてオーナーだったかな。
面白かったー。
前向きだけど、「元気の押し売り」じゃない主人公は感情移入しやすかったし、レストランの雰囲気もよくて、お仕事ものとしても面白かった。
シェフのほうもカッコイイんだけど(円陣さんのイラストだしv)、ちょーっと女々しいというか。主人公は3回ぐらい?、この攻のご機嫌を損ねているのだが、3回とも非がないという…。つまり、八つ当たり。いくら「強そうに見えて脆いところも持っている」のが魅力の1つといっても、ちょっとひどいんじゃない?と思ってしまった。その態度で愛想を尽かされないんだから、いい男は得ですね。
弱いところ見せられると母性本能が擽られていいのかも?(男だけどー)
まあ親しみがわくっていうかね。わりと好きなタイプかも。
酔っ払ってるから自分が何を書いてるか、イマイチ分かってないような。
ギャルソンのカップルのほうもわりと好きだけど、5人しかいない店で男同士のカップルが2組って濃いなあと…。
面白かったから、他の作品も読んでみようかなあと。
鍵師の流儀
2010年11月5日 BL作家た・な・は行 コメント (2)
中原一也 二見書房 2010/10
面白かった!
ネタバレ
-----------------------------------------
刑事×鍵師。
ワイルド無精髭のオヤジ攻というだけで、もう私の趣味には合わない。ついでに言えば、攻によって「自分の中の女を意識する」という中原作品の受はちょっとなーと思うのだが、趣味に合わなくても面白かった、小説としてでなく、BL小説として。
趣味に合わない設定でも、話が面白くてキャラが魅力的なら、言うことなしだなと思った。
能力を封じている天才鍵師が、その能力ゆえにテロ組織に追われ、刑事と逃亡生活というストーリーだけでも面白いんだけど、二人が少しずつ相手のことを知り、触れ合っていく過程がいいなあと。話のテンポはいいけど、恋愛面に関しては急がず焦らず進んでいくので、読み応えたっぷり。
事件×恋愛のバランスがお見事でした!
刑事にも鍵師にもそれぞれカッコイイ見せ場があるし、惚れちゃうのも分かるなーという魅力的なキャラだった。
煙草を一本吸い終わってから仕事にかかるっていう、ちょっとオールドスタイルなところが、「鍵師」のイメージにぴったりで、味があってよかった。
設定や展開に目新しさはないけど、中原作品の魅力が分かりやすく出ていた。オヤジはこうでなくちゃという、オヤジっぷりがよかった。なんていうか、「オヤジはこういうもの」っていう型に当てはめるんじゃなくて、もう作品世界そのものがオヤジ向けにできていて、漂う空気からしてオヤジって感じ?(笑)
いや、ほんと、こういう味の出せるBL作家さんって、あんまりいないんじゃないかと。まさに中原作品ならではの味わいじゃないかと。
作品とはそれほど関係ないけど、現在のチェルノブイリや「人間だけいなくなったら、世界はどうなるか」という試算は、テレビで見たばかりだったので、あの番組がネタなのかなあとか思った。
面白かった!
ネタバレ
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刑事×鍵師。
ワイルド無精髭のオヤジ攻というだけで、もう私の趣味には合わない。ついでに言えば、攻によって「自分の中の女を意識する」という中原作品の受はちょっとなーと思うのだが、趣味に合わなくても面白かった、小説としてでなく、BL小説として。
趣味に合わない設定でも、話が面白くてキャラが魅力的なら、言うことなしだなと思った。
能力を封じている天才鍵師が、その能力ゆえにテロ組織に追われ、刑事と逃亡生活というストーリーだけでも面白いんだけど、二人が少しずつ相手のことを知り、触れ合っていく過程がいいなあと。話のテンポはいいけど、恋愛面に関しては急がず焦らず進んでいくので、読み応えたっぷり。
事件×恋愛のバランスがお見事でした!
刑事にも鍵師にもそれぞれカッコイイ見せ場があるし、惚れちゃうのも分かるなーという魅力的なキャラだった。
煙草を一本吸い終わってから仕事にかかるっていう、ちょっとオールドスタイルなところが、「鍵師」のイメージにぴったりで、味があってよかった。
設定や展開に目新しさはないけど、中原作品の魅力が分かりやすく出ていた。オヤジはこうでなくちゃという、オヤジっぷりがよかった。なんていうか、「オヤジはこういうもの」っていう型に当てはめるんじゃなくて、もう作品世界そのものがオヤジ向けにできていて、漂う空気からしてオヤジって感じ?(笑)
いや、ほんと、こういう味の出せるBL作家さんって、あんまりいないんじゃないかと。まさに中原作品ならではの味わいじゃないかと。
作品とはそれほど関係ないけど、現在のチェルノブイリや「人間だけいなくなったら、世界はどうなるか」という試算は、テレビで見たばかりだったので、あの番組がネタなのかなあとか思った。
八月七日を探して
2010年10月1日 BL作家た・な・は行樋口美沙緒 徳間書店 2010/7
うーん、何も考えずに読み飛ばせば、それなりに面白いのかも?
ネタバレ。「犯人」も書いてます。
------------------------------------------
高校、同級生。記憶喪失もの。
まずざっくり、あらすじを。階段から落ちて(…)3ヶ月分の記憶をなくしてしまった主人公(受)。それからたびたびレイプされる悪夢を見るようになり、どうやら本当にあったことらしいと確信する。犯人の顔は分からないが、いくつかの手がかりから、最近気まずくなっている幼馴染(攻)か、生徒会長(先輩)が怪しいと絞り込む。
夢でレイプ犯に対して「俺のこと好きじゃないくせに」と主人公が思ってるので、相手は主人公が思いを寄せている幼馴染だと丸わかりなので、取り立ててネタバレという感じでもないのだが。まあ一応、先輩も怪しいということになっている。
べつに記憶喪失ものなのはいいのだが、主人公の心情の流れが不自然すぎて感情移入できなかった。
まず、主人公は中学のときに攻から「お前が好きだ」ときっぱり告白されているのだが、「返事はいらない」と言われたので、友情の「好き」だったんだと思うようにする。…まず、ここでそんな解釈をするのが一般人には難しい。さらに、攻に親切にされれば「自分が頼りないから」、部活をやめるといって攻が引き止めてくれないと「自分のことを好きじゃなくなったから」と、すべて曲解していくので、…だんだん突っ込むのも面倒くさくなってくる。
で、肝心の(?)犯人捜しだが、これも主人公の気持ちはまったく理解できない。
攻に止められているのにレイプ犯かもと疑っている先輩と二人きりになりたがり、結構すごい人かも?と感心してみたりする。証拠をつかむために、レイプ犯かもしれない幼馴染に一緒に風呂に入ってくれと頼んでみたりもする。そんなバカな…。
警戒しないのも怖がらないのも不思議だし、嫌悪感がないのも異常というか…。「まだ犯人と決まったわけじゃないから」らしいが、人を性犯罪者かどうか疑っておいて(それって人格全否定では?)、その軽さはいかがなものかと。
幼馴染や親切な先輩がレイプ犯かも?なんて考えるだけで悲しくなりそうなものなのに……。
ところで攻は勉強もスポーツも得意で副生徒会長という「できる男」設定なのだが、攻がメモ書きで渡す指示は「意味が分からない」とみんなから言われている。一番ひどいときには「Y」とだけ書いて、それは「YES」のことだそうだが、それで他人に意味が伝わると思っているなら、相当頭の悪い子だと思う……。
主人公にだけは意味が伝わるので、主人公は通訳として大活躍!というのも。親しい関係なら「あれだよ、あれ」「ああ、あれね」って通じるのと同じことで、感心するところなのかどうか分からん。
少し欠点があるほうが、かえってキャラの魅力は増すものだと思うので「コミュニケーション能力が少々…」と書いてくれれば微笑ましかったかもしれないが、「できる人間ゆえに考えることが高度で、周囲はついていけない」と言われると、それは違うでしょー、と突っ込みをいれたくなる…。
すみません、まだありますよ…。というか、これでもかなり端折ってる。
記憶喪失前にこじれてしまっていた関係を一からやり直したいと思って、「レイプ疑惑」に関して黙っていた攻だが、ついにすべてが明らかになる。で、攻の気持ちは分かったはずなのに、なぜかそこで受はスルーしてゴミ袋を持って行こうとする(生徒会の仕事なんだけど…)。両思いだって判明したのになんでスルーなの??と激しく疑問に思う場面だが、受は攻が寂しそうに見えて引き返す。で、いきなり、「なんでちゃんと告白してくれないんだ」みたいなことを怒鳴り始める。…なんで急に怒り出すのか、きっかけが全然分からないので結構引いた。
それと、攻は数ヶ月前に「痛そうな」煙草の火傷痕があったのに、数ヶ月できれいさっぱり消えているというのも謎。超軽傷だったということ? 煙草で火傷したら、なかなか痕が消えないものだと思っていたけど、程度によるのかな。
うーん、何も考えずに読み飛ばせば、それなりに面白いのかも?
ネタバレ。「犯人」も書いてます。
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高校、同級生。記憶喪失もの。
まずざっくり、あらすじを。階段から落ちて(…)3ヶ月分の記憶をなくしてしまった主人公(受)。それからたびたびレイプされる悪夢を見るようになり、どうやら本当にあったことらしいと確信する。犯人の顔は分からないが、いくつかの手がかりから、最近気まずくなっている幼馴染(攻)か、生徒会長(先輩)が怪しいと絞り込む。
夢でレイプ犯に対して「俺のこと好きじゃないくせに」と主人公が思ってるので、相手は主人公が思いを寄せている幼馴染だと丸わかりなので、取り立ててネタバレという感じでもないのだが。まあ一応、先輩も怪しいということになっている。
べつに記憶喪失ものなのはいいのだが、主人公の心情の流れが不自然すぎて感情移入できなかった。
まず、主人公は中学のときに攻から「お前が好きだ」ときっぱり告白されているのだが、「返事はいらない」と言われたので、友情の「好き」だったんだと思うようにする。…まず、ここでそんな解釈をするのが一般人には難しい。さらに、攻に親切にされれば「自分が頼りないから」、部活をやめるといって攻が引き止めてくれないと「自分のことを好きじゃなくなったから」と、すべて曲解していくので、…だんだん突っ込むのも面倒くさくなってくる。
で、肝心の(?)犯人捜しだが、これも主人公の気持ちはまったく理解できない。
攻に止められているのにレイプ犯かもと疑っている先輩と二人きりになりたがり、結構すごい人かも?と感心してみたりする。証拠をつかむために、レイプ犯かもしれない幼馴染に一緒に風呂に入ってくれと頼んでみたりもする。そんなバカな…。
警戒しないのも怖がらないのも不思議だし、嫌悪感がないのも異常というか…。「まだ犯人と決まったわけじゃないから」らしいが、人を性犯罪者かどうか疑っておいて(それって人格全否定では?)、その軽さはいかがなものかと。
幼馴染や親切な先輩がレイプ犯かも?なんて考えるだけで悲しくなりそうなものなのに……。
ところで攻は勉強もスポーツも得意で副生徒会長という「できる男」設定なのだが、攻がメモ書きで渡す指示は「意味が分からない」とみんなから言われている。一番ひどいときには「Y」とだけ書いて、それは「YES」のことだそうだが、それで他人に意味が伝わると思っているなら、相当頭の悪い子だと思う……。
主人公にだけは意味が伝わるので、主人公は通訳として大活躍!というのも。親しい関係なら「あれだよ、あれ」「ああ、あれね」って通じるのと同じことで、感心するところなのかどうか分からん。
少し欠点があるほうが、かえってキャラの魅力は増すものだと思うので「コミュニケーション能力が少々…」と書いてくれれば微笑ましかったかもしれないが、「できる人間ゆえに考えることが高度で、周囲はついていけない」と言われると、それは違うでしょー、と突っ込みをいれたくなる…。
すみません、まだありますよ…。というか、これでもかなり端折ってる。
記憶喪失前にこじれてしまっていた関係を一からやり直したいと思って、「レイプ疑惑」に関して黙っていた攻だが、ついにすべてが明らかになる。で、攻の気持ちは分かったはずなのに、なぜかそこで受はスルーしてゴミ袋を持って行こうとする(生徒会の仕事なんだけど…)。両思いだって判明したのになんでスルーなの??と激しく疑問に思う場面だが、受は攻が寂しそうに見えて引き返す。で、いきなり、「なんでちゃんと告白してくれないんだ」みたいなことを怒鳴り始める。…なんで急に怒り出すのか、きっかけが全然分からないので結構引いた。
それと、攻は数ヶ月前に「痛そうな」煙草の火傷痕があったのに、数ヶ月できれいさっぱり消えているというのも謎。超軽傷だったということ? 煙草で火傷したら、なかなか痕が消えないものだと思っていたけど、程度によるのかな。
ろくでなし
2010年8月4日 BL作家た・な・は行
中原一也 リブレ出版 2010/05
激しくどうでもいいことだけど、最近「た・な・は行」の作家さんばかり読んでいる気がする。以前は異様に「あ行」の作家さんが多くて、慌ててエダさんとうえださんを別カテゴリにしてみた…という。
ネタバレ
----------------------------------------
この本はスピンオフらしく、2カップル出てくる。
ホモ一家。
父親、長男、次男と順調にホモになったので三男、四男も成長したらちゃんと彼氏を連れてくるんじゃないかと……。
気弱獣医×女装も似合う高校生(次男)。
とくに心惹かれるものがないCPだったが面白く読んだ。
攻は変態になる素質大なので、できれば気弱なままでいてもらいたい…。
表題作。
子沢山の警備員(父親)×エリートリーマン。(ノンケ×ゲイ)
不器用だけど根が素直な受が好みのタイプで楽しく読んだ。…ワイルドオヤジ攻があまり好きじゃないんだけど、いい人だったので、まあいいか~と。
けど、ガテン系のオヤジが達筆ってなんだか素敵。…字が下手クソで苦労してるんで憧れるわ~。(毛筆を練習しても硬筆は上手くならない気がするけどなあ)
受の家族の話はかわいそうになった。うーん…、「お前(子供)のために離婚しなかった」はいくつになっても辛いと思う。しかも「ゲイなのは育て方に問題があった」って…悲しいなあ。
初めて訪ねた家で知り合いが出かけてしまって、その家族と食事って、きっついわ。しかも鍋。直箸はイヤって人、多いと思うけど(たぶん。自分が大雑把なので、そのへんの感覚は分からない)。うわー…、気の毒。まあ幼児を怒鳴りつけるのは最低だが、かなり受に同情した。
…で、長男の暴力には引いた。いつもバトルしてる家族内なら許されても、他人を殴ったら犯罪だし、「見下した」って完全な被害妄想なのに謝罪がないのもなあ。
根に持たないのがいいところだと言われても、この場合は自分に都合の悪いことを流しちゃってるし?
と、どうでもいいところばかり長々感想を書いてしまったが、面白く読んだ。しかし、父親まで男の恋人を連れてくるなんて、長女と次女はどういう心境なんだろう…。まあこれ以上、弟妹が増えるのも困るだろうが……。
激しくどうでもいいことだけど、最近「た・な・は行」の作家さんばかり読んでいる気がする。以前は異様に「あ行」の作家さんが多くて、慌ててエダさんとうえださんを別カテゴリにしてみた…という。
ネタバレ
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この本はスピンオフらしく、2カップル出てくる。
ホモ一家。
父親、長男、次男と順調にホモになったので三男、四男も成長したらちゃんと彼氏を連れてくるんじゃないかと……。
気弱獣医×女装も似合う高校生(次男)。
とくに心惹かれるものがないCPだったが面白く読んだ。
攻は変態になる素質大なので、できれば気弱なままでいてもらいたい…。
表題作。
子沢山の警備員(父親)×エリートリーマン。(ノンケ×ゲイ)
不器用だけど根が素直な受が好みのタイプで楽しく読んだ。…ワイルドオヤジ攻があまり好きじゃないんだけど、いい人だったので、まあいいか~と。
けど、ガテン系のオヤジが達筆ってなんだか素敵。…字が下手クソで苦労してるんで憧れるわ~。(毛筆を練習しても硬筆は上手くならない気がするけどなあ)
受の家族の話はかわいそうになった。うーん…、「お前(子供)のために離婚しなかった」はいくつになっても辛いと思う。しかも「ゲイなのは育て方に問題があった」って…悲しいなあ。
初めて訪ねた家で知り合いが出かけてしまって、その家族と食事って、きっついわ。しかも鍋。直箸はイヤって人、多いと思うけど(たぶん。自分が大雑把なので、そのへんの感覚は分からない)。うわー…、気の毒。まあ幼児を怒鳴りつけるのは最低だが、かなり受に同情した。
…で、長男の暴力には引いた。いつもバトルしてる家族内なら許されても、他人を殴ったら犯罪だし、「見下した」って完全な被害妄想なのに謝罪がないのもなあ。
根に持たないのがいいところだと言われても、この場合は自分に都合の悪いことを流しちゃってるし?
と、どうでもいいところばかり長々感想を書いてしまったが、面白く読んだ。しかし、父親まで男の恋人を連れてくるなんて、長女と次女はどういう心境なんだろう…。まあこれ以上、弟妹が増えるのも困るだろうが……。
ショールームで甘い誘惑を
2010年8月3日 BL作家た・な・は行
バーバラ片桐 幻冬舎コミックス 2006/7
高久さんのイラストだから、ソフトな話だろうと予想。
ネタバレ
----------------------------------------
ありがちな新人営業くんの奮闘と、完璧傲慢上司との恋愛で、気軽に読めるタイプの話だった。テンポもいいし面白い。
けど、研修もせずにいきなり接客させるって…変な会社。それで1000万の車が売れないからクビとか言われてもなあと、主人公への同情より、ありえるのか?という疑問のほうが先に立ってしまった。
…まあ外車のショールームの事情なんて知らないので、ありえない!とまでは言えないが。
適度に好感の持てる主人公と、なんだか凄いんです?な上司の恋愛は読みやすかった。長々としたすれ違いにはジレジレというよりグダグダを感じてしまったけど、基本的にはテンポもいいし、パワーもある。せっかく?切ない片思いなんだし、もう少し全体に爽やか系にしてもいいんじゃないかなーと思ったのは個人的な趣味の問題。
有能上司×新人ものとして、話はわりと王道だと思うけど、ところどころ、「えっ??」という展開&雰囲気だった。これがバーバラ先生のテイストなのかな?
2回目でしかもすれ違ってギクシャクしている時期なのに「縛っていい?」とか、やっと思いが通じ合ったときに「縛っていい?」とか。なぜそこまで緊縛好きなのか…。なぜって…そりゃ趣味の問題だろうけど。なぜ??と聞きたくなる(笑)
そして有能上司の秘書は緊縛好きのSだった。ふつうに当て馬(主人公の誤解で、ライバルじゃないのは見え見え)として出てくる、しかも男なのに美人秘書というキャラなのに、なぜそんな特殊な趣味が?!と禅問答的問いかけをしたくなった。
別に難癖をつけたいわけではない。ただ、心の叫びとして?書かずにはいられなかっただけで。
面白かったですが、高級車より緊縛が心に残りました。
この感想を書きながら、高久さんにオヤジが緊縛されている表紙の雑誌を描かせるなんて、バーバラさんは凄いな!と思ったのだが、これは勘違いだった。
今市子さんの『僕のやさしいお兄さん』3巻に「社長緊縛」ってAVが出てくるんで混ざった…。オヤジ緊縛繋がりでゴッチャになる記憶があるとは、己の読書傾向がちょっぴり憎い。
高久さんのイラストだから、ソフトな話だろうと予想。
ネタバレ
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ありがちな新人営業くんの奮闘と、完璧傲慢上司との恋愛で、気軽に読めるタイプの話だった。テンポもいいし面白い。
けど、研修もせずにいきなり接客させるって…変な会社。それで1000万の車が売れないからクビとか言われてもなあと、主人公への同情より、ありえるのか?という疑問のほうが先に立ってしまった。
…まあ外車のショールームの事情なんて知らないので、ありえない!とまでは言えないが。
適度に好感の持てる主人公と、なんだか凄いんです?な上司の恋愛は読みやすかった。長々としたすれ違いにはジレジレというよりグダグダを感じてしまったけど、基本的にはテンポもいいし、パワーもある。せっかく?切ない片思いなんだし、もう少し全体に爽やか系にしてもいいんじゃないかなーと思ったのは個人的な趣味の問題。
有能上司×新人ものとして、話はわりと王道だと思うけど、ところどころ、「えっ??」という展開&雰囲気だった。これがバーバラ先生のテイストなのかな?
2回目でしかもすれ違ってギクシャクしている時期なのに「縛っていい?」とか、やっと思いが通じ合ったときに「縛っていい?」とか。なぜそこまで緊縛好きなのか…。なぜって…そりゃ趣味の問題だろうけど。なぜ??と聞きたくなる(笑)
そして有能上司の秘書は緊縛好きのSだった。ふつうに当て馬(主人公の誤解で、ライバルじゃないのは見え見え)として出てくる、しかも男なのに美人秘書というキャラなのに、なぜそんな特殊な趣味が?!と禅問答的問いかけをしたくなった。
別に難癖をつけたいわけではない。ただ、心の叫びとして?書かずにはいられなかっただけで。
面白かったですが、高級車より緊縛が心に残りました。
この感想を書きながら、高久さんにオヤジが緊縛されている表紙の雑誌を描かせるなんて、バーバラさんは凄いな!と思ったのだが、これは勘違いだった。
今市子さんの『僕のやさしいお兄さん』3巻に「社長緊縛」ってAVが出てくるんで混ざった…。オヤジ緊縛繋がりでゴッチャになる記憶があるとは、己の読書傾向がちょっぴり憎い。
愛の巣へ落ちろ!
2010年8月3日 BL作家た・な・は行 コメント (5)
樋口美沙緒 白泉社 2010/04
1冊目を読んだし、2冊目も試してみようとお借りした(たまには自分で買いましょう…)。
昆虫擬人化??と震えながら読み始めたが、その点は大丈夫だった。
かなりネタバレ
-----------------------------------------
人類が一度絶滅しかけたことで、虫と混ざって虫属性の特殊技能を持つようになったという設定だった。
昔あったよなあ、人間を分子レベル?まで分解して再構築する実験?のときに、誤ってハエが入ってしまい、ハエと混ざってしまうっていう映画…と私は余計なことを思い出してしまったが、虫苦手な人でも大丈夫な書き方だった。
まあ少々トンチキ設定だが、中身はほぼ王道な学園もの。傲慢王子様×健気強気受という設定だし、種族の違いで差別されるとか、理解のある?ルームメイトとか、そんな主人公を可愛がって庇ってくれる先輩とか、攻が好きだから主人公を目の敵にするライバルとか、ベタベタにベタだった。
学園ものと小柄な健気受に興味がないので最初は読みづらかったが、趣味に合わないことはとりあえず置いて読み進めたら、文章が読みやすいのでわりとストーリーを追いやすかった。
それにしても、主人公は体が弱いという設定なのに、学校中から蔑まれ、ムリヤリとかリンチとか、妊娠とか堕胎(はしてないが)とかオンパレードで、たとえ健康でも死にそうな目にあっていたが、結構図太かった。…健気受ってしぶといよなあ。
傲慢王子のほうはずっと感じの悪い態度を取っているし、あとから出てきた「本家」の従兄弟に逆らえず…、傲慢なくせに情けない男だったが、主人公は寛大に許しているし好きだといっているので、まあこれから頑張ってくれと…。
しかし、恋愛のほうはベタな誤解とすれ違いの末にうまくいったが、主人公は相変わらず学校中から差別されたままで、まわりにいるのは最初から差別意識のなかった友達だけという、なんだか後味の悪い終わり方だった。
なんだかなあと思っていたら、おまけの話でフォローが入っていて、すっきりした。うん、せっかくベタで王道なストーリーなんだから、こうでなくちゃね。
ただ、…主人公と両親の間の溝ももうちょっと埋めといてもよかったんじゃないかと。高校生が入院してるのに、保護者に連絡してないのか?という素朴な疑問が。半分ぐらい作者の趣味的な?攻の親戚関係の説明より、そっちにページを割けばいいのに。なんかもやもやが残った。
あと、絶滅しかけたわりに文明が今とほとんど変らないというのは、いくらトンチキ設定でも大雑把過ぎやしないだろうか。場所が日本と思っておけば漢字の名前なのは違和感ないとしても、海苔弁食べてママチャリに乗られると、なんだかなあという気分になる。
どうでもいいが、主人公は大事な薬をなぜ失くしてしまったのか、最後まで謎だった。ライバルか従兄弟が隠したのかと思っていたのだが、とくにそういうことではなかったようで。カバンの中に携帯してたぶんと、部屋にしまっておいたストックを同じ日に偶然失くしたっていうなら不自然すぎるし、どうでもいいこととはいえ説明が必要なはずなんだけど…、私が読み飛ばしちゃっただけかな。
追記:本当に読み飛ばしただけだったようで。失礼しました。
さらにどうでもいいが、攻(クモ)が糸を使っていろいろなさるんで、ついつい某せんべい屋を思い出して懐かしくなってしまった。せんべい屋はクモじゃないが。
1冊目を読んだし、2冊目も試してみようとお借りした(たまには自分で買いましょう…)。
昆虫擬人化??と震えながら読み始めたが、その点は大丈夫だった。
かなりネタバレ
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人類が一度絶滅しかけたことで、虫と混ざって虫属性の特殊技能を持つようになったという設定だった。
昔あったよなあ、人間を分子レベル?まで分解して再構築する実験?のときに、誤ってハエが入ってしまい、ハエと混ざってしまうっていう映画…と私は余計なことを思い出してしまったが、虫苦手な人でも大丈夫な書き方だった。
まあ少々トンチキ設定だが、中身はほぼ王道な学園もの。傲慢王子様×健気強気受という設定だし、種族の違いで差別されるとか、理解のある?ルームメイトとか、そんな主人公を可愛がって庇ってくれる先輩とか、攻が好きだから主人公を目の敵にするライバルとか、ベタベタにベタだった。
学園ものと小柄な健気受に興味がないので最初は読みづらかったが、趣味に合わないことはとりあえず置いて読み進めたら、文章が読みやすいのでわりとストーリーを追いやすかった。
それにしても、主人公は体が弱いという設定なのに、学校中から蔑まれ、ムリヤリとかリンチとか、妊娠とか堕胎(はしてないが)とかオンパレードで、たとえ健康でも死にそうな目にあっていたが、結構図太かった。…健気受ってしぶといよなあ。
傲慢王子のほうはずっと感じの悪い態度を取っているし、あとから出てきた「本家」の従兄弟に逆らえず…、傲慢なくせに情けない男だったが、主人公は寛大に許しているし好きだといっているので、まあこれから頑張ってくれと…。
しかし、恋愛のほうはベタな誤解とすれ違いの末にうまくいったが、主人公は相変わらず学校中から差別されたままで、まわりにいるのは最初から差別意識のなかった友達だけという、なんだか後味の悪い終わり方だった。
なんだかなあと思っていたら、おまけの話でフォローが入っていて、すっきりした。うん、せっかくベタで王道なストーリーなんだから、こうでなくちゃね。
ただ、…主人公と両親の間の溝ももうちょっと埋めといてもよかったんじゃないかと。高校生が入院してるのに、保護者に連絡してないのか?という素朴な疑問が。半分ぐらい作者の趣味的な?攻の親戚関係の説明より、そっちにページを割けばいいのに。なんかもやもやが残った。
あと、絶滅しかけたわりに文明が今とほとんど変らないというのは、いくらトンチキ設定でも大雑把過ぎやしないだろうか。場所が日本と思っておけば漢字の名前なのは違和感ないとしても、海苔弁食べてママチャリに乗られると、なんだかなあという気分になる。
追記:本当に読み飛ばしただけだったようで。失礼しました。
さらにどうでもいいが、攻(クモ)が糸を使っていろいろなさるんで、ついつい某せんべい屋を思い出して懐かしくなってしまった。せんべい屋はクモじゃないが。
愛してないと云ってくれ
2010年7月24日 BL作家た・な・は行
中原一也 二見書房 2006/04
オールスターを観ながら晩酌。合間に中原作品の感想を書く。
…オヤジ繋がりってことで。
ちと酔っ払っているので、タイピングが覚束ない…。
オールスターは球団マスコットがわらわらいて楽しい。
ネタバレ
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雑誌掲載時に読んだときは、さらっと読んでしまい、中原さんっぽいね、というぐらいであまり印象に残らなかった。で、文庫が出てもスルーしてたんだけど、続編も出ているようなので、ちょっと読んでみたくなって。
坂下は男前だし、青臭い?理想を持っているあたりも好みのタイプ。斑目のほうはブラックジャック先生とタイプが違うし(…外科医なので比べてみた)、オヤジ攻って興味がないのよね~と思っていたのだが(年齢より中身の問題でオヤジって感じ)、読み返したら優しくて素敵なオヤジだった。
話も人情味に溢れているし、愛はあるけどさっぱりした関係の二人がいいなあと。なんていうか、「お付き合いしましょう」「まあ嬉しいv」ってやり取りがないのに、しっかり距離が縮まっていくのが大人っぽいというか、ベタベタしてなくてよかった。
斑目弟は簡単に引き下がっちゃったけど、また出てくるのかな。
思ってたより好みの作品だった。中原作品の中では(それほど数は読んでないけど)今のところ1番キャラが趣味に合うかもしれない。
オールスターを観ながら晩酌。合間に中原作品の感想を書く。
…オヤジ繋がりってことで。
ちと酔っ払っているので、タイピングが覚束ない…。
オールスターは球団マスコットがわらわらいて楽しい。
ネタバレ
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雑誌掲載時に読んだときは、さらっと読んでしまい、中原さんっぽいね、というぐらいであまり印象に残らなかった。で、文庫が出てもスルーしてたんだけど、続編も出ているようなので、ちょっと読んでみたくなって。
坂下は男前だし、青臭い?理想を持っているあたりも好みのタイプ。斑目のほうはブラックジャック先生とタイプが違うし(…外科医なので比べてみた)、オヤジ攻って興味がないのよね~と思っていたのだが(年齢より中身の問題でオヤジって感じ)、読み返したら優しくて素敵なオヤジだった。
話も人情味に溢れているし、愛はあるけどさっぱりした関係の二人がいいなあと。なんていうか、「お付き合いしましょう」「まあ嬉しいv」ってやり取りがないのに、しっかり距離が縮まっていくのが大人っぽいというか、ベタベタしてなくてよかった。
斑目弟は簡単に引き下がっちゃったけど、また出てくるのかな。
思ってたより好みの作品だった。中原作品の中では(それほど数は読んでないけど)今のところ1番キャラが趣味に合うかもしれない。
ストーカーはじめました。
2010年7月24日 BL作家た・な・は行
バーバラ片桐 幻冬舎コミックス 2010
バーバラ作品2作目に挑戦。
ネタバレ
…どうでもいいが、あらすじの文章が読みづらい。赤ペンを入れたくなるタイプのぎこちなさ。
ついでに本編の文章についても。
文章もテンポも読みやすかった。『愛してるって~』の感想で、台詞が口語になってないよーと書いたが、この作品ではほぼ話し言葉になってた。一部、引っかかるところもあったけど、まあ重箱の隅的程度(何語?)だし、意識してなければ気にならないかもしれない。大学教授や刑事という職業では普通の人より堅苦しい言葉に接する機会が多いだろうと思えば、かえって自然な感じもした。
感想…、感想を書かないと。
「ストーカーはじめました。」というより、「ストーカーやめました。」って話。
正直、こういう性癖が理解できんので、共感はしづらかった。相手に嫌がられてもポシティブに捉えてしまうストーカー思考も、被虐趣味も加虐趣味も数々のお道具もさっぱり分からない。クールな佐倉のほうがカッコいいので、「ご褒美中」のおねだりする姿は(趣味的に)残念としか思えず…。
うーん…、理解や共感がなくても小説としては楽しめるし、実際に面白く読んだんだけど、恋愛のトキメキ(笑)はなかったなあ。
普通ならストーカーの佐倉のほうが魅力が分かりづらいと思うんだけど、この作品の場合、どちらかというとストーカー被害を受けていた攻の上江田の魅力のほうが分からなかった。どこがそんなに(ストーカーするほどというより、10年片思いするほど)いいの??って思ってしまった。
…いや、単に偉そうな攻が好きじゃないってだけの話かもしれないけど。
一方、佐倉のほうは魅力が分かりやすい。将来の夢はお嫁さんと言い切っていた元ストーカーで、犯罪心理学になった今でも間違いなく変態というキャラだが、笑えるほどの一途さが可愛く思えてくる。
まあいいじゃないですか変態だって。社会に順応してるし有能だし、上江田専門の変態だから他の人に害はないし。…その「被害者」の上江田にしても佐倉相手だとS全開という感じ。お互いがお互いに対してだけ変態になるなら、それはただの恋愛なんで。
というわけで、トキメキはなかったが、恋愛物としても楽しめた。
ところで、あとがきに「担当さんに受がストーカーならOKと言われた」というようなことが書いてあったけど、どういう基準なのかよく分からなかった。受のほうが犯罪という意味でソフトになりやすいからかな?
どっちかというと、執着受より執着攻のほうが需要があるような気がするけどなあ。まあ私は執着攻って好きじゃないから、受がストーカーのほうが読みやすかった。
バーバラ作品2作目に挑戦。
ネタバレ
犯罪心理学者の佐倉は、高校生の頃、好意を抱いていた同級生の上江田に、ストーカーをしてしまった。すぐに本人に知られ、そのとき上江田に罰として口淫させられたことを、佐倉は今でも忘れられずにいる。そんなある日、刑事となっていた上江田が、あるストーカー事件の捜査に協力するよう、佐倉に依頼をしてきた。まだ上江田のことが好きな佐倉は、捜査に協力する代わりにご褒美をおねだりするが…。
…どうでもいいが、あらすじの文章が読みづらい。赤ペンを入れたくなるタイプのぎこちなさ。
ついでに本編の文章についても。
文章もテンポも読みやすかった。『愛してるって~』の感想で、台詞が口語になってないよーと書いたが、この作品ではほぼ話し言葉になってた。一部、引っかかるところもあったけど、まあ重箱の隅的程度(何語?)だし、意識してなければ気にならないかもしれない。大学教授や刑事という職業では普通の人より堅苦しい言葉に接する機会が多いだろうと思えば、かえって自然な感じもした。
感想…、感想を書かないと。
「ストーカーはじめました。」というより、「ストーカーやめました。」って話。
正直、こういう性癖が理解できんので、共感はしづらかった。相手に嫌がられてもポシティブに捉えてしまうストーカー思考も、被虐趣味も加虐趣味も数々のお道具もさっぱり分からない。クールな佐倉のほうがカッコいいので、「ご褒美中」のおねだりする姿は(趣味的に)残念としか思えず…。
うーん…、理解や共感がなくても小説としては楽しめるし、実際に面白く読んだんだけど、恋愛のトキメキ(笑)はなかったなあ。
普通ならストーカーの佐倉のほうが魅力が分かりづらいと思うんだけど、この作品の場合、どちらかというとストーカー被害を受けていた攻の上江田の魅力のほうが分からなかった。どこがそんなに(ストーカーするほどというより、10年片思いするほど)いいの??って思ってしまった。
…いや、単に偉そうな攻が好きじゃないってだけの話かもしれないけど。
一方、佐倉のほうは魅力が分かりやすい。将来の夢はお嫁さんと言い切っていた元ストーカーで、犯罪心理学になった今でも間違いなく変態というキャラだが、笑えるほどの一途さが可愛く思えてくる。
まあいいじゃないですか変態だって。社会に順応してるし有能だし、上江田専門の変態だから他の人に害はないし。…その「被害者」の上江田にしても佐倉相手だとS全開という感じ。お互いがお互いに対してだけ変態になるなら、それはただの恋愛なんで。
というわけで、トキメキはなかったが、恋愛物としても楽しめた。
ところで、あとがきに「担当さんに受がストーカーならOKと言われた」というようなことが書いてあったけど、どういう基準なのかよく分からなかった。受のほうが犯罪という意味でソフトになりやすいからかな?
どっちかというと、執着受より執着攻のほうが需要があるような気がするけどなあ。まあ私は執着攻って好きじゃないから、受がストーカーのほうが読みやすかった。
ふしだら者ですが
2010年7月17日 BL作家た・な・は行
中原一也 幻冬舎コミックス 2009/12
癒されたくて、オヤジ受作品を読んでみた。
ネタバレ
-----------------------------------------
タイトルと設定から、ドタバタ系のコメディかと思っていたのだが。
まあ前半はしっかりコメディだったかな。妖精の呪いで魔性のゲイになった三十八歳の地味な公務員が、過去に食い散らかしてきた元彼たちの助け?を借りて、幼馴染と結ばれるまでのストーリーは、テンポもよくて笑えた。主人公のやる気のない魔性っぷりが楽しいし、地味なおじさんと強面のおじさんがケーキバイキングで向かい合っている姿は浮きまくっていて面白いだろうなあと思うし、意気投合してしまう元彼たちの個性も強烈だった。
後半は一転してどっぷりシリアス。なぜ同じ話でここまでトーンを切り替えるのか不思議なぐらいだが、コメディからシリアスへの移行はスムーズというか、無理を感じなかった。
息子がゲイだからといって精神を病むほど悩むものなのかと思ったりしたけど、人によってはそこまでショックなものなのかな。別に犯罪者になったわけでもないんだし…とか思ってしまう私は、どうにも受の母親の苦悩が分からなかったのだが、母親に受け入れられないことや、その後の行動によって傷ついてしまった主人公の気持ちは痛いほど伝わってきた。
攻の高森がまた、男らしくてカッコいいなあと。
最後まで読んでいろいろな謎は解けたが、やっぱり妖精は実在したんだと思う。じゃないと、皆川の「男限定」な魔性っぷりは説明がつかないし~と、楽しく読み終わった。
後半は重たい話が続いたのに、ラストに暗い影は引きずらず、読後感はむしろ明るいのがいいなあ。
癒されたくて、オヤジ受作品を読んでみた。
ネタバレ
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タイトルと設定から、ドタバタ系のコメディかと思っていたのだが。
まあ前半はしっかりコメディだったかな。妖精の呪いで魔性のゲイになった三十八歳の地味な公務員が、過去に食い散らかしてきた元彼たちの助け?を借りて、幼馴染と結ばれるまでのストーリーは、テンポもよくて笑えた。主人公のやる気のない魔性っぷりが楽しいし、地味なおじさんと強面のおじさんがケーキバイキングで向かい合っている姿は浮きまくっていて面白いだろうなあと思うし、意気投合してしまう元彼たちの個性も強烈だった。
後半は一転してどっぷりシリアス。なぜ同じ話でここまでトーンを切り替えるのか不思議なぐらいだが、コメディからシリアスへの移行はスムーズというか、無理を感じなかった。
息子がゲイだからといって精神を病むほど悩むものなのかと思ったりしたけど、人によってはそこまでショックなものなのかな。別に犯罪者になったわけでもないんだし…とか思ってしまう私は、どうにも受の母親の苦悩が分からなかったのだが、母親に受け入れられないことや、その後の行動によって傷ついてしまった主人公の気持ちは痛いほど伝わってきた。
攻の高森がまた、男らしくてカッコいいなあと。
最後まで読んでいろいろな謎は解けたが、やっぱり妖精は実在したんだと思う。じゃないと、皆川の「男限定」な魔性っぷりは説明がつかないし~と、楽しく読み終わった。
後半は重たい話が続いたのに、ラストに暗い影は引きずらず、読後感はむしろ明るいのがいいなあ。
愛してるって言われても
2010年7月17日 BL作家た・な・は行
バーバラ片桐 白泉社 2008/3
ペンネームでなんとなく敬遠していた作家さん。
ペンネームが趣味に合わない人は、大抵において作品も趣味に合わないので、手に取る気もなかったんだけど。
ネタバレ
------------------------------------------
なんだ、意外と普通じゃないですか。という失礼な感想を抱きつつ、文章も読みやすいので、サクサクと読了。
キャラは、攻の武井の適度な軽さと包容力がいいなあと。
「実はダイヤの原石のような美貌とうぶな性格を隠し持っている(あらすじから引用)」受の篠崎にはほとんど魅力を感じなかった。いまどき「美貌を隠してしまう瓶底眼鏡」という設定もひどいもんだよなあと思うが、攻への八つ当たりや失礼な態度など、ツンデレや不器用というのを通り越して単に常識がないだけという感じがしてしまって、どうにもダメだった…。さらに付き合っているわけでもない男から裏帳簿を押し付けられる場面なんかも、あまり共感ができなかった。うーん…。
この受の喋り方が結構な頻度で文語っぽくなるので、最初はきっとスクエアな受の性格を表現するために、わざとこういう台詞にしてるんだろうと思っていたのだが、…攻もそういう喋り方なのでキャラの性格とは関係ないらしい。不自然すぎて気になった。…話し言葉と地の文は違うでしょ。
話自体はテンポもいいし、まとまりもいいし、読みやすくて面白かった。もう少し、共感しやすい受ならよかったのになあ。というわけで、他の作品も読んでみたくなった。
ペンネームでなんとなく敬遠していた作家さん。
ペンネームが趣味に合わない人は、大抵において作品も趣味に合わないので、手に取る気もなかったんだけど。
ネタバレ
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なんだ、意外と普通じゃないですか。という失礼な感想を抱きつつ、文章も読みやすいので、サクサクと読了。
キャラは、攻の武井の適度な軽さと包容力がいいなあと。
「実はダイヤの原石のような美貌とうぶな性格を隠し持っている(あらすじから引用)」受の篠崎にはほとんど魅力を感じなかった。いまどき「美貌を隠してしまう瓶底眼鏡」という設定もひどいもんだよなあと思うが、攻への八つ当たりや失礼な態度など、ツンデレや不器用というのを通り越して単に常識がないだけという感じがしてしまって、どうにもダメだった…。さらに付き合っているわけでもない男から裏帳簿を押し付けられる場面なんかも、あまり共感ができなかった。うーん…。
この受の喋り方が結構な頻度で文語っぽくなるので、最初はきっとスクエアな受の性格を表現するために、わざとこういう台詞にしてるんだろうと思っていたのだが、…攻もそういう喋り方なのでキャラの性格とは関係ないらしい。不自然すぎて気になった。…話し言葉と地の文は違うでしょ。
話自体はテンポもいいし、まとまりもいいし、読みやすくて面白かった。もう少し、共感しやすい受ならよかったのになあ。というわけで、他の作品も読んでみたくなった。
レジーデージー
2010年5月27日 BL作家た・な・は行月村奎 白泉社 1998/07
確か今年になってから新書館で復刊されたはず。他社から復刊されるのに、イラストレーターが変わらないのって珍しいような。
またしてもちょっぴり書き下ろしをつける商法らしいので、そんな同じ本ばかり集められないでしょ、とスルーした。が。本棚にこの本はなかった。どうやら持っていなかったようで。
じゃあ買うかーと思ったけど、どうせなら花丸文庫で買おうと古本屋で購入。
というわけで年下攻だってことを確認。珍しいなあと。
確か今年になってから新書館で復刊されたはず。他社から復刊されるのに、イラストレーターが変わらないのって珍しいような。
またしてもちょっぴり書き下ろしをつける商法らしいので、そんな同じ本ばかり集められないでしょ、とスルーした。が。本棚にこの本はなかった。どうやら持っていなかったようで。
じゃあ買うかーと思ったけど、どうせなら花丸文庫で買おうと古本屋で購入。
というわけで年下攻だってことを確認。珍しいなあと。
愚か者の最後の恋人
2010年5月14日 BL作家た・な・は行
樋口美沙緒 白泉社 2009/01
デビュー作ということで、試し読み~。
作品の評価や感想とは関係なく、お疲れで気分的に感想書く余裕がないので、ざっくり感想。
冒険のないお手ごろFT。まあ「時代物とFTは入り込みづらいから苦手」という人でも読みやすいかなあと。
面白かったけど、ちょっと最後のほうは引っ張ってる感があったかなあ。引っ張ってるというか、「まだそんなことを云ってるのか」というような。
BLとしては珍しく(?)表現に工夫があった気がする。
…たぶん、強気な健気受が好きな人には楽しい作品。
ネタバレ
---------------------------------------------
どうでもいいが、庶子とはいえ貴族の子を預っているのに、なんで使用人扱いなんだろう。普通は貴族として教育してあげるような。この子は許婚なんだし客人扱いでいいんじゃないのかなあ。
デビュー作ということで、試し読み~。
作品の評価や感想とは関係なく、お疲れで気分的に感想書く余裕がないので、ざっくり感想。
冒険のないお手ごろFT。まあ「時代物とFTは入り込みづらいから苦手」という人でも読みやすいかなあと。
面白かったけど、ちょっと最後のほうは引っ張ってる感があったかなあ。引っ張ってるというか、「まだそんなことを云ってるのか」というような。
BLとしては珍しく(?)表現に工夫があった気がする。
…たぶん、強気な健気受が好きな人には楽しい作品。
ネタバレ
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どうでもいいが、庶子とはいえ貴族の子を預っているのに、なんで使用人扱いなんだろう。普通は貴族として教育してあげるような。この子は許婚なんだし客人扱いでいいんじゃないのかなあ。